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2021.12.06
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!ユアネス・miida・ROCK'A'TRENCHほか全22作品 -2021.12.01-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:11月29日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全22作品の中から、まずはPart 1の8作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。Ayane Yamazakiから日向文の流れが気持ちよすぎて、寝落ちしそうでした(笑)。
金子:それを最後のKill The Gossipが叩き起こしてくれるという。
MISATO:目覚ましにしたいですよね(笑)。そして、その間に入ってる、LilyCloneがはじめましてですね。
金子:今年始動したばかりのエレクトロニック・バンド・プロジェクトで、ボーカルとプログラミングを担当しているやまたねこさんと、ギタリストのpon.さんを中心に結成されて、その後に元雨のパレードのベーシスト・是永くんが加入して、という形みたいですね。
MISATO:あーーっ、納得の布陣ですね。
金子:是永くんは雨のパレードのときからベーシストではあるけど、エフェクトをかけた独自のプレイをしていたので、「なるほど、これはハマるな」って感じしますよね。
MISATO:是永さんが入ってるバンドなんですねー。プロフィールにも書いてあるんですけど、「無機質と有機質の融合」というのがすごく的を射ているバンドだなぁと。
金子:プログラミング自体はやまたねこさんがやってるみたいで、かっこいいですよね。
MISATO:かっこいいです。そしてはじめましてと言っていいのでしょうか?大ベテランの方が来てくれました...ROCK'A'TRENCH!
金子:ROCK'A'TRENCH、復活ということで。
MISATO:おめでとうございます!
金子:おめでとうございます。もともと2006年結成のベテランで、2011年12月のなんばHatchでのライブを最後に無期限の活動休止をしていたんですけど、昨年コロナ禍の中で9年ぶりに5人がリモートセッションを行い、そこからバンドとしても再始動して、10年ぶりの新曲が届いたという。
MISATO:コロナ禍で解散したバンドもすごく多かったけど、こういうきっかけがなかったら集まることがなかったかもしれないバンドもいるわけですよね。
金子:きっとそうですよね。ボーカルの山森さんはソロでも活動しつつ、プロデューサーとしても活動していたので、音はちゃんとアップデートされていて、EDMとかトラップとか、この10年のトレンドみたいなものもちゃんと落とし込んだ上で、新しいROCK'A'TRENCHを作ってるなっていう感じがして、それもいいなと思いました。
MISATO:ちゃんと一聴して口ずさめるポップさというのも健在ですよね。
金子:そこはちゃんとROCK'A'TRENCHですね。
MISATO:すごいな〜。
MISATO:そしてRoom "H"のファンのみなさま、お待たせいたしました。ユアネスでございます!
金子:ついにファーストアルバムがリリースされました!
MISATO:おめでとうございます!
金子:ここまでの集大成となるアルバムがついに完成ということで。ちなみに『6 case』というアルバムタイトルにどんな意味があるか、MISATOさんわかりますか?
MISATO:『6 case』か...「6曲じゃないじゃん〜」とは思ってましたが、なんだろう...。何ですか?
金子:アルバムだから6曲ではないですけど(笑)、今作はユアネスにとって6枚目のCDなんです。
MISATO:あ、そうなのか!
金子:これまではミニアルバムとかEPとかを出していて、CD作品としては今回が6作目で、これまでの5作品の頭文字を組み合わせたタイトルが、この『6 case』なんですよね。"6"に関しては、『BE ALL LIE』という作品があるんですけど、その"B"を小文字の"b"にして、それを"6"と読ませて、6枚目という。
MISATO:なるほど...!なんて考えられた作品名なのでしょうか。でも絶対に説明されないとわからない。
金子:ユアネスの作品にはこういう仕掛けがいろんなところに仕掛けられてて、それを発見したり、何回か聴いていくうちに、「こことここが繋がってるな」とか、「あれ?この曲の主人公とこの曲の主人公、実は同じかも」とか、そういうのが見えてくるので、アルバム聴きする楽しさがすごくあるバンドなんですよね。
MISATO:ディズニーランドに行って、隠れミッキーを見つけるみたいな、そういう感じですね!
金子:あはは。でもそうかもしれない。
MISATO:ファンは年パス買っちゃうんだもん。そういう感じだ。ユアネスは、ディズニーランドだ(笑)。
金子:ディズニーランド(笑)。でもたしかに、アニメとかゲームの世界観とも近いし、ある種のファンタジーみたいなところとの接点があるバンドだから、ディズニー的という言い方もできるのかもしれないですね。で、黒ちゃんがミッキーだと(笑)。
MISATO:そうですね(笑)。
金子:もちろん曲自体、非常にかっこいいです。「日照雨」はギターじゃなくて、ピアノのリフレインがメインになっていて、そのあたりも今のユアネスを表してるなと思います。
MISATO:アルバムを聴いていて、「色の見えない少女」から「日照雨」で、さっきおっしゃっていたように、「イントロで何という仕掛けをしてくれるの?」と思いまして。でも「躍動」になると、歌始まりじゃないですか?0.5秒で引き込まれるという、徐々にいい曲だなというよりは、最初から世界にグッと連れてってくれるから、その構成の仕方というのは、まさに魔法のようだなって。
金子:単曲で聴くのとアルバムの中で聴くのだと、また違って聴こえるのはありますよね。
MISATO:違いますね、この並びもすごいですもんね。ぜひ通して聴いていただきたいです。
MISATO:お送りしたのは11月29日週リリースの新譜ダイジェットPart 2でした。Emeraldがバンド結成10周年を記念した連続シリーズ第4弾。
金子:シリーズ最後の4作目で、今回の曲はボーカルの中野くんの弾き語りからアレンジをしているそうで、これまでよりも歌が中心になっている分、中野くんのボーカリストとしての素晴らしさが非常に良く出ているなと。年明けの1月22日には10周年を記念した初ワンマンが行われることも決まっています。
MISATO:会場はどこですか?
金子:渋谷のWWW Xです。
MISATO:おー!そうなんですね。詳しくはオフィシャルサイトをご覧になってください。そんな中、Part 2からも1曲紹介したいのですが。
金子:今週はmiidaを紹介しようかなと思います。
MISATO:miidaはボーカリストとしてもずっとやってきたのかなと思うくらい、歌心がすごいですよね。
金子:この曲めちゃくちゃ良いですよね。ねごとの最後の方が結構エレクトロニックな感じで、ダンスミュージックっぽいサウンドになって、そこからmiidaが始まって、時代感も含めてR&Bとかソウルとか、そのあたりの色合いが強いイメージだったんですけど。ここ最近はそういうジャンル的なところを抜けて、本当に"miida"という個性が、それこそ歌も含めて確立されてきた印象です。今回の曲もトラックはヒップホップぽいっちゃぽいんですけど、そこもジャンルどうこう関係なく、単純に"miida"の曲として、すごくいいなと思います。アルバムがいつ出るのかはまだわからないですけど、もし次が出たら、miidaの本当の最初の一枚みたいな作品になるんじゃないかなって。
MISATO:この曲は彼女の中でもキーになっていそうな1曲ですね。
金子:ライブではこれまでもやってて、満を持してのリリースな感じなので、この曲でさらに...
MISATO:飛びたっていきそうですね。miidaからいただいてるコメントで「好きなものや己を守るためなら、思い出ごと海に捨てたっていいんですよ、という前向きな歌です」という一行から、いろいろ想像できますけど、今後の活動であったり、今までの活動も含めて、彼女がどういう気持ちでmiidaに取り組んでるのかがすごくわかる1曲になってますね。
MISATO:お送りしたのは11月29日週リリースの新譜ダイジェストPart 3でした。心にぐっとくる曲が多かったかなと思いますけど、APOGEEはライブ音源ですね。
金子:まさかAPOGEEをこの番組で紹介できるとは思っていませんでしたが、FRIENDSHIP.からライブ盤がリリースされるということで。2019年3月に開催されて、ベースの内垣さんが脱退したというメモリアルなライブの音源です。ちなみに、僕これ観に行ってまして。
MISATO:本当に!?
金子:行ってました。『CHRONICLE』というタイトル通り、本当にAPOGEEというバンドのこれまでが全て詰まったようなライブで、非常に感動的でしたね。
MISATO:私は行っていないのに、懐かしいなーって気持ちになりました。
金子:この「夜間飛行」は彼らのデビュー曲ですしね。もともと2003年結成、2006年にこの曲でデビューしてるというキャリアのあるバンドなので。
MISATO:懐かしいという気持ちはあっても、廃れないなというか、輝き続けてますよね。
金子:ボーカルの永野さんはソロでも、CM音楽とかでも活躍しつつ、今年はなんと言ってもAwesome City Clubの「勿忘」でアレンジャーを務めているのが永野さんです。
MISATO:そうなんですね。
金子:Awesome City Clubのボーカルのatagiくんが昔からAPOGEEのことが大好きで、今一緒に曲を作ってて、今年を代表するヒット曲になったという。
MISATO:紅白も決まりましたしね。
金子:APOGEEも3人体制になって、これからどんな曲を届けてくれるのかとても楽しみですね。
MISATO:あとは懐かしいといいつつ、最近よくFRIENDSHIP.からリリースをしてくださってます、Small Circle of Friends。
金子:Small Circle of Friendsもついにアルバムが完成しました。
MISATO:12枚目のフルアルバムになります。
金子:約5年ぶりですね。もともと2019年にレコーディングをして、2020年にはリリースをする予定だったらしいんですけど、このコロナ禍になって、彼らはそのまま作り続けるのではなく、あえて一旦止まることを選んだそうです。その中でいろんな気づきがあって、そこからさらに新曲を作っていった。で、2020年以降の曲でアルバムにするという選択肢もあったけど、それ以前に作った曲もやっぱり地続きだということで、両方を混ぜ合わせて今回のアルバムになっているということらしいです。
MISATO:「今の感情をストレートに表に出した11曲」というのもありますけど、やっぱり過去と未来の間にあるのがここだっていうところが作品の核になってる。
金子:なので、当然コロナ禍の中での心情が表れています。この「瓶の中のエコー」という曲には特に強く表れてると思うんですけど、やっぱりこういうポエトリーとラップの中間みたいなスタイルって、独白的な感じになるから、静かにエモーションを伝えるという意味では、すごく適した方法だなって思います。それで言うと、今回は森心言くんが初めてのソロ曲を出してて、これもスタイル的には近くて、ポエトリーとラップの中間みたいな印象で。
MISATO:そうですよね。
金子:この曲はよりストレートに、コロナ禍の中で心言くんが何を思ったかというところが歌われていて、ラップされていて、非常にグッとくる曲でしたね。
MISATO:シノエフヒもスタイルとしては似ている感じですね。
金子:彼の場合はラップの要素はなくて、ポエトリーですよね。シノエフヒはもともと2人組で活動してたんですけど、ドラマーが脱退してしまって、今回から1人の活動になっています。なので、コロナ禍そのものというよりは、1人になってしまったことの心情が、ポエトリーで切々と紡がれていて、これもグッとくる曲になっていますね。
MISATO:そんな中で、1曲は何を紹介しましょうか?
金子:ゆうらん船をかけようかなと思います。この番組でちゃんと紹介するのは初めてなんですよね。
MISATO:そうでしたっけ?
金子:リリースが2020年6月以来なので、おそらくそうかと。内村イタルくんというシンガー・ソングライターを中心としたバンドで、内村くんはカネコアヤノさんともともと仲が良くて、昔スプリット CDを出したりもしてて。なので、カネコアヤノさんのバンドにも参加している本村くんがベースを弾いていて、その一方では、芸大出身の作曲家もメンバーにいたり、かなり面白いメンバー構成になっています。
MISATO:面白いですね。
金子:実際曲を聴くと、シンガー・ソングライター的な歌の良さと、その一方では結構アカデミックだったり、エクスペリメンタルだったりするアレンジの面白さが融合していて、めちゃめちゃいいバンドですね。
MISATO:厚武さんがおっしゃっていた「アカデミックでエクスペリメンタル」というのが、すごくよく分かります。1曲中にどんな人たちが何人詰め込まれているのだろう?とか、その1人の中でもたぶん経験値や記憶がたくさんある方が参加されてると思うので、この調和感はすごいですね。
金子:アメリカでいうとWilcoとか、ああいうバンドに通じる感覚を、今の日本でやってくれてる素晴らしいバンドだと思います。
MISATO:対比として日本のバンドの名前を挙げるのが難しいぐらい、唯一無二感がありますね。
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
MISATO:11月29日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全22作品の中から、まずはPart 1の8作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。Ayane Yamazakiから日向文の流れが気持ちよすぎて、寝落ちしそうでした(笑)。
金子:それを最後のKill The Gossipが叩き起こしてくれるという。
MISATO:目覚ましにしたいですよね(笑)。そして、その間に入ってる、LilyCloneがはじめましてですね。
金子:今年始動したばかりのエレクトロニック・バンド・プロジェクトで、ボーカルとプログラミングを担当しているやまたねこさんと、ギタリストのpon.さんを中心に結成されて、その後に元雨のパレードのベーシスト・是永くんが加入して、という形みたいですね。
MISATO:あーーっ、納得の布陣ですね。
金子:是永くんは雨のパレードのときからベーシストではあるけど、エフェクトをかけた独自のプレイをしていたので、「なるほど、これはハマるな」って感じしますよね。
MISATO:是永さんが入ってるバンドなんですねー。プロフィールにも書いてあるんですけど、「無機質と有機質の融合」というのがすごく的を射ているバンドだなぁと。
金子:プログラミング自体はやまたねこさんがやってるみたいで、かっこいいですよね。
MISATO:かっこいいです。そしてはじめましてと言っていいのでしょうか?大ベテランの方が来てくれました...ROCK'A'TRENCH!
金子:ROCK'A'TRENCH、復活ということで。
MISATO:おめでとうございます!
金子:おめでとうございます。もともと2006年結成のベテランで、2011年12月のなんばHatchでのライブを最後に無期限の活動休止をしていたんですけど、昨年コロナ禍の中で9年ぶりに5人がリモートセッションを行い、そこからバンドとしても再始動して、10年ぶりの新曲が届いたという。
MISATO:コロナ禍で解散したバンドもすごく多かったけど、こういうきっかけがなかったら集まることがなかったかもしれないバンドもいるわけですよね。
金子:きっとそうですよね。ボーカルの山森さんはソロでも活動しつつ、プロデューサーとしても活動していたので、音はちゃんとアップデートされていて、EDMとかトラップとか、この10年のトレンドみたいなものもちゃんと落とし込んだ上で、新しいROCK'A'TRENCHを作ってるなっていう感じがして、それもいいなと思いました。
MISATO:ちゃんと一聴して口ずさめるポップさというのも健在ですよね。
金子:そこはちゃんとROCK'A'TRENCHですね。
MISATO:すごいな〜。
MISATO:そしてRoom "H"のファンのみなさま、お待たせいたしました。ユアネスでございます!
金子:ついにファーストアルバムがリリースされました!
MISATO:おめでとうございます!
金子:ここまでの集大成となるアルバムがついに完成ということで。ちなみに『6 case』というアルバムタイトルにどんな意味があるか、MISATOさんわかりますか?
MISATO:『6 case』か...「6曲じゃないじゃん〜」とは思ってましたが、なんだろう...。何ですか?
金子:アルバムだから6曲ではないですけど(笑)、今作はユアネスにとって6枚目のCDなんです。
MISATO:あ、そうなのか!
金子:これまではミニアルバムとかEPとかを出していて、CD作品としては今回が6作目で、これまでの5作品の頭文字を組み合わせたタイトルが、この『6 case』なんですよね。"6"に関しては、『BE ALL LIE』という作品があるんですけど、その"B"を小文字の"b"にして、それを"6"と読ませて、6枚目という。
MISATO:なるほど...!なんて考えられた作品名なのでしょうか。でも絶対に説明されないとわからない。
金子:ユアネスの作品にはこういう仕掛けがいろんなところに仕掛けられてて、それを発見したり、何回か聴いていくうちに、「こことここが繋がってるな」とか、「あれ?この曲の主人公とこの曲の主人公、実は同じかも」とか、そういうのが見えてくるので、アルバム聴きする楽しさがすごくあるバンドなんですよね。
MISATO:ディズニーランドに行って、隠れミッキーを見つけるみたいな、そういう感じですね!
金子:あはは。でもそうかもしれない。
MISATO:ファンは年パス買っちゃうんだもん。そういう感じだ。ユアネスは、ディズニーランドだ(笑)。
金子:ディズニーランド(笑)。でもたしかに、アニメとかゲームの世界観とも近いし、ある種のファンタジーみたいなところとの接点があるバンドだから、ディズニー的という言い方もできるのかもしれないですね。で、黒ちゃんがミッキーだと(笑)。
MISATO:そうですね(笑)。
金子:もちろん曲自体、非常にかっこいいです。「日照雨」はギターじゃなくて、ピアノのリフレインがメインになっていて、そのあたりも今のユアネスを表してるなと思います。
MISATO:アルバムを聴いていて、「色の見えない少女」から「日照雨」で、さっきおっしゃっていたように、「イントロで何という仕掛けをしてくれるの?」と思いまして。でも「躍動」になると、歌始まりじゃないですか?0.5秒で引き込まれるという、徐々にいい曲だなというよりは、最初から世界にグッと連れてってくれるから、その構成の仕方というのは、まさに魔法のようだなって。
金子:単曲で聴くのとアルバムの中で聴くのだと、また違って聴こえるのはありますよね。
MISATO:違いますね、この並びもすごいですもんね。ぜひ通して聴いていただきたいです。
New Release Digest Part 2
MISATO:お送りしたのは11月29日週リリースの新譜ダイジェットPart 2でした。Emeraldがバンド結成10周年を記念した連続シリーズ第4弾。
金子:シリーズ最後の4作目で、今回の曲はボーカルの中野くんの弾き語りからアレンジをしているそうで、これまでよりも歌が中心になっている分、中野くんのボーカリストとしての素晴らしさが非常に良く出ているなと。年明けの1月22日には10周年を記念した初ワンマンが行われることも決まっています。
MISATO:会場はどこですか?
金子:渋谷のWWW Xです。
MISATO:おー!そうなんですね。詳しくはオフィシャルサイトをご覧になってください。そんな中、Part 2からも1曲紹介したいのですが。
金子:今週はmiidaを紹介しようかなと思います。
MISATO:miidaはボーカリストとしてもずっとやってきたのかなと思うくらい、歌心がすごいですよね。
金子:この曲めちゃくちゃ良いですよね。ねごとの最後の方が結構エレクトロニックな感じで、ダンスミュージックっぽいサウンドになって、そこからmiidaが始まって、時代感も含めてR&Bとかソウルとか、そのあたりの色合いが強いイメージだったんですけど。ここ最近はそういうジャンル的なところを抜けて、本当に"miida"という個性が、それこそ歌も含めて確立されてきた印象です。今回の曲もトラックはヒップホップぽいっちゃぽいんですけど、そこもジャンルどうこう関係なく、単純に"miida"の曲として、すごくいいなと思います。アルバムがいつ出るのかはまだわからないですけど、もし次が出たら、miidaの本当の最初の一枚みたいな作品になるんじゃないかなって。
MISATO:この曲は彼女の中でもキーになっていそうな1曲ですね。
金子:ライブではこれまでもやってて、満を持してのリリースな感じなので、この曲でさらに...
MISATO:飛びたっていきそうですね。miidaからいただいてるコメントで「好きなものや己を守るためなら、思い出ごと海に捨てたっていいんですよ、という前向きな歌です」という一行から、いろいろ想像できますけど、今後の活動であったり、今までの活動も含めて、彼女がどういう気持ちでmiidaに取り組んでるのかがすごくわかる1曲になってますね。
昨年公開した、ルーツや人となりを探っていくINTERVIEWシリーズ「Highlighter」もぜひチェックを!
New Release Digest Part 3
MISATO:お送りしたのは11月29日週リリースの新譜ダイジェストPart 3でした。心にぐっとくる曲が多かったかなと思いますけど、APOGEEはライブ音源ですね。
金子:まさかAPOGEEをこの番組で紹介できるとは思っていませんでしたが、FRIENDSHIP.からライブ盤がリリースされるということで。2019年3月に開催されて、ベースの内垣さんが脱退したというメモリアルなライブの音源です。ちなみに、僕これ観に行ってまして。
MISATO:本当に!?
金子:行ってました。『CHRONICLE』というタイトル通り、本当にAPOGEEというバンドのこれまでが全て詰まったようなライブで、非常に感動的でしたね。
MISATO:私は行っていないのに、懐かしいなーって気持ちになりました。
金子:この「夜間飛行」は彼らのデビュー曲ですしね。もともと2003年結成、2006年にこの曲でデビューしてるというキャリアのあるバンドなので。
MISATO:懐かしいという気持ちはあっても、廃れないなというか、輝き続けてますよね。
金子:ボーカルの永野さんはソロでも、CM音楽とかでも活躍しつつ、今年はなんと言ってもAwesome City Clubの「勿忘」でアレンジャーを務めているのが永野さんです。
MISATO:そうなんですね。
金子:Awesome City Clubのボーカルのatagiくんが昔からAPOGEEのことが大好きで、今一緒に曲を作ってて、今年を代表するヒット曲になったという。
MISATO:紅白も決まりましたしね。
金子:APOGEEも3人体制になって、これからどんな曲を届けてくれるのかとても楽しみですね。
MISATO:あとは懐かしいといいつつ、最近よくFRIENDSHIP.からリリースをしてくださってます、Small Circle of Friends。
金子:Small Circle of Friendsもついにアルバムが完成しました。
MISATO:12枚目のフルアルバムになります。
金子:約5年ぶりですね。もともと2019年にレコーディングをして、2020年にはリリースをする予定だったらしいんですけど、このコロナ禍になって、彼らはそのまま作り続けるのではなく、あえて一旦止まることを選んだそうです。その中でいろんな気づきがあって、そこからさらに新曲を作っていった。で、2020年以降の曲でアルバムにするという選択肢もあったけど、それ以前に作った曲もやっぱり地続きだということで、両方を混ぜ合わせて今回のアルバムになっているということらしいです。
MISATO:「今の感情をストレートに表に出した11曲」というのもありますけど、やっぱり過去と未来の間にあるのがここだっていうところが作品の核になってる。
金子:なので、当然コロナ禍の中での心情が表れています。この「瓶の中のエコー」という曲には特に強く表れてると思うんですけど、やっぱりこういうポエトリーとラップの中間みたいなスタイルって、独白的な感じになるから、静かにエモーションを伝えるという意味では、すごく適した方法だなって思います。それで言うと、今回は森心言くんが初めてのソロ曲を出してて、これもスタイル的には近くて、ポエトリーとラップの中間みたいな印象で。
MISATO:そうですよね。
金子:この曲はよりストレートに、コロナ禍の中で心言くんが何を思ったかというところが歌われていて、ラップされていて、非常にグッとくる曲でしたね。
MISATO:シノエフヒもスタイルとしては似ている感じですね。
金子:彼の場合はラップの要素はなくて、ポエトリーですよね。シノエフヒはもともと2人組で活動してたんですけど、ドラマーが脱退してしまって、今回から1人の活動になっています。なので、コロナ禍そのものというよりは、1人になってしまったことの心情が、ポエトリーで切々と紡がれていて、これもグッとくる曲になっていますね。
MISATO:そんな中で、1曲は何を紹介しましょうか?
金子:ゆうらん船をかけようかなと思います。この番組でちゃんと紹介するのは初めてなんですよね。
MISATO:そうでしたっけ?
金子:リリースが2020年6月以来なので、おそらくそうかと。内村イタルくんというシンガー・ソングライターを中心としたバンドで、内村くんはカネコアヤノさんともともと仲が良くて、昔スプリット CDを出したりもしてて。なので、カネコアヤノさんのバンドにも参加している本村くんがベースを弾いていて、その一方では、芸大出身の作曲家もメンバーにいたり、かなり面白いメンバー構成になっています。
MISATO:面白いですね。
金子:実際曲を聴くと、シンガー・ソングライター的な歌の良さと、その一方では結構アカデミックだったり、エクスペリメンタルだったりするアレンジの面白さが融合していて、めちゃめちゃいいバンドですね。
MISATO:厚武さんがおっしゃっていた「アカデミックでエクスペリメンタル」というのが、すごくよく分かります。1曲中にどんな人たちが何人詰め込まれているのだろう?とか、その1人の中でもたぶん経験値や記憶がたくさんある方が参加されてると思うので、この調和感はすごいですね。
金子:アメリカでいうとWilcoとか、ああいうバンドに通じる感覚を、今の日本でやってくれてる素晴らしいバンドだと思います。
MISATO:対比として日本のバンドの名前を挙げるのが難しいぐらい、唯一無二感がありますね。
昨年公開した、ルーツや人となりを探っていくINTERVIEWシリーズ「Highlighter」もぜひチェックを!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
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