SENSA

2021.12.04

The fin. Yuto Uchino、約3年8ヶ月ぶりにリリースしたアルバム「Outer Ego」全曲解説

The fin. Yuto Uchino、約3年8ヶ月ぶりにリリースしたアルバム「Outer Ego」全曲解説

The fin.が、約3年8ヶ月ぶりにリリースした3rd Album『Outer Ego』。"自分のエゴの内側と外の世界を行き来する"というテーマで構成され、非常にコンセプチュアルな作品となっている。今回、FM福岡で毎週水曜日 27:00〜27:55にオンエアしている音楽番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」にて、Yuto Uchinoが4週に渡って「Outer Ego」の全曲をセルフ解説したオンエア内容を掲載。

M1「Shine」──時間の変化を表した1曲

実はこの曲は結構前に書いた曲です。2017年とか2018年に書いた曲で、その当時はイギリスと日本を行ったり来たりしてたんですけど、3ヶ月イギリスにいて、3ヶ月日本いたりとか。その日本にいる時にトトロで有名な埼玉県の狭山というところに、一軒家を借りてました。その家に機材を全部入れて、リハーサルだったり作曲とかをしていて、その時に出来た曲ですね。
アルバム全体のコンセプトは、自分の"インナーユニバース"と、自分の"外の世界"というのを、行ったり来たりするというフェーズが、アルバムの中で繰り返される構成になっています。「Shine」と2曲目「Over The Hill」のこの2曲は、すごく外の世界との結びつきが大きい曲で、自分が社会に属してたりとか、友達や他のいろんな人とか、自分の人生だとか、いろんなものがあったからこそ生まれた曲です。曲を作った当時はすごくいろんなところに住んでいて、時間の流れとかが本当にぐちゃぐちゃというか、自分が今どこにいて、どこに向かってるかも分からないし、明確に言うと自分のやってることに対してゴールが見えてない状態でした。ただ、自分の中で1個の核みたいなものに向かっていくエナジーみたいなのが、この曲にはすごくあります。この時は時間の変化についてすごく考えていて、曲を書くときにとりあえず同じ音がずっと鳴らないようにして、ずっとエフェクト音が変化し続けるというので時間の変化を表した1曲になっています。最後歌ってるパートがあるのですが、ここだけ最近追加したパートで、ここは自分でもう1回この曲を聴いた時に、もっと当時の自分がより理解できたというか、ちょっと引いた目線から当時の自分を付け加えた感じで、過去の自分と現在の自分のコラボレーションみたいな感じになっています。
実はこれを書いた時、Michael Jacksonをよく聴いてて、Michael Jacksonのビート感みたいなものをちょっと参考にしてビートメイクをしたのですが、イギリスの方にライナーノーツを書いてもらったら、〈「Shine」はちょっとMichael Jacksonの影響を感じる〉って書いてあって、「すげえ!ばれた」って思いました。



M2「Over the Hill」──地元で遊んでいた頃の瑞々しい思い出

私の出身が宝塚で、それこそ言っちゃっていいかわかんないけど、出身の場所が光が丘というところなのですが、「光ヒル」っていうことで「Over the Hill」です。この曲を作ったのはイギリスに行く前で、一番昔の曲かもしれません。当時神戸で遊んでたんですけど、みんなで神戸のメリケンパークという海沿いの公園で遊んでて、お酒をコンビニで買ってきて、夜に飲んでいろんな話をして、楽しく過ごしてました。その時に友違が「この感じの曲作ってよ」って冗談で言ってて、俺も冗談で「いいよ〜なんか楽しそう、作るわ」って言って、家帰って何気なく書いてた曲なんですよ。
たしかイギリスで飲みに行ってて、帰り道タクシーに乗って、酔っ払って半分寝てるくらいの時に、このデモを聴いたら「こんな曲をイギリス行く前に書いたな、今聴いたらなんかいいな」って感じました。それでこれをもう1回プロデュースし直そうと思って、2019年11月に東京に帰ってきたのですが、その時にスタジオを自分で作って、そのスタジオで初めて録った曲です。ドラムも自分で叩いて録った曲で、まだスタジオに慣れてないけど、めっちゃワクワクしながら録ってる、プラス、昔の遊んでた時の瑞々しい感じがすごくよくて。それをうまく残しながら、プロダクションをちゃんと自分がやりたい感じにできたなっていう1曲です。
本当に1曲目と2曲目は、時間の経過とか自分の人生のタイミングとか、そこで感じてることとか、そこで自分が見てるものとかを色々書いてあるなという感じです。
この2曲目は、実はアルバムに入れようか迷いました。この曲だけちょっと質感が違うのですが、その書いた経緯も全然違うし、この曲はもしかしたらこのアルバムには必要ないんじゃないかなって思ったのですが、これも俺の1つだなぁと思って入れました。あとさっき言ったみたいに、アルバムの大きなテーマである"表層にいる"というフェーズと、"深く潜っていく"というフェーズと、もう1回表層に戻ってまた潜っていくフェーズがあるのですが、最初のフェーズを担う1つの曲としては、すごくいい役割を果たしてくれるなと思って、結局アルバム入りした曲です。



M3「Short Paradise」──自分の中の"インナーチャイルド"へダイブした1曲

次は3曲目「Short Paradise」なんですけど、ここでアルバムのフェーズがディープな部分に行きます。1曲目と2曲目は外界との関わりがなかったら絶対できてない曲なんですけど、この「Short Paradise」は、本当に自分の頭の中にしかない世界を書いた曲です。小さい時から自分の中に、頭の中に部屋みたいなのがあって、そういう物語とかもすごく好きだったんですけど、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』という本がありまして、それを大学生ぐらいの時に読んでいました。それは「世界の終り」という話と、「ハードボイルド・ワンダーランド」という2つの話で進んでいく本でした。「世界の終り」というのは、ある男の人の頭の中で起こってる物語なのですが、本当にそういうイメージで自分の中にある小さい世界をこの曲で表現した曲になっています。
たまにThe fin.の音楽って"エスケーピズム"といった逃避的な音像であったり、テーマであったりと言われることが多いのですが、意外と歌詞はすごくプライベートで、書きたいことを書いています。ただ、書き方が比喩が多かったりしていろんな想像ができるように書いていて、あんまりストレートに書いたりしないから、そういう風にも聴けるのですが、聴き方を変えればめちゃくちゃリアルな歌詞がすごくたくさんあるかと思います。でもこの3曲目「Short Paradise」は歌詞がなくて、冒頭から小さい女の子が喋ってるみたいな感じになっているのですが、実はこれは私が喋ってます。普通にしゃべって、そのピッチを変えて小さい女の子が喋ってるようにしていて、これは何かって言うと自分の中の"インナーチャイルド"みたいな。現在30歳の大人ですけど、まだ小さい時の自分が常に自分の核としているわけで、その中からいまこうやって"自分"という幹がメキメキと伸びてるわけで。そういうところに一度深くダイブした1曲になっているかと思います。



M4「Deepest Ocean」──逃げることができる場所を表現

このアルバムは4つのフェーズに分かれていますが、最初は表層にいて、そこから内側に潜って、またそこから浮き上がってきて、最後また沈んでいくという4つのサイクルがあります。3曲目からディープに潜っていくんですけど、この「Deepest Ocean」は曲名通りになります。
この曲は表層と深海というテーマで、最初イントロはベースとドラムから始まるのですが、その時に波の音が聴こえると思うんですね。その時はまだ海の外にいるイメージなんですよ。そこからオールインという、全ての楽器が入ってくる箇所があるんですけど、そこでザブーンって海の中に入っていくという意味が込められています。たぶん聴いてもらうとすごく分かりやすいと思います。
これはどういうことを歌っているかと言いますと、海の底に理想郷があるみたいなイメージの曲です。最初はその表層が"現実"ということで、海の底が言ったら"理想"で、だんだん潜っていくんですよね。最初のバースは、ずっと"理想がある"と思ってるような感じなんですけど、この曲が段々進んでいくにつれて、段々と自分をなくしていくみたいな、自分のエゴがだんだん無くなっていくっていう展開になっています。そして最後のブレイクのところで、本当に謎の感じになっていくという(笑)。全然エゴがなくなっちゃうみたいなテーマの曲です。
この曲を制作をしていた時は、自分のスタジオや、新しいモニタースピーカーにも慣れてて、プロダクションをすごく楽しんで出来た曲でもあります。テーマもわかりやすいし、すごいテーマに沿って曲を展開していきやすかったです。シンプルなテーマだけど、曲の構成ごとに1つずつストーリーが進んでいって、最後にそういう形になっていきます。めちゃくちゃシンセのメロディもいっぱい入れて、すごく楽しんで作れたなと感じています。
この時期はツアーとかたくさん回っていて、海外にも沢山行って、一種のエスケーピズムというか、精神的に逃げることができる場所というか、そういうものを曲で表現した感じです。そのうちにエゴというか自分自身がなくなっていくみたいな、ちょっと恐怖みたいなのもあるようなテーマの曲になってます。



M5「Old Canvas」──過去の自分と現在の自分が語り合う

この曲は最初のインスピレーションが、実家の玄関に飾ってある油絵みたいな絵画で。湖や池みたいなものが森に囲まれている風景画で、物心ついた時からずっと飾ってありました。小さい時とかよくそれを見てて、その中で自分が遊んでる想像とかもよくしていました。子供だからまるでその場所が本当にあるような想像をしたりしてて、それが最初のインスピレーションなっています。そこでテーマになっている最初のシンセのフレーズが出てきたりとかして、この曲はそこからどうやって歌詞を展開させていったかというと、常に2つのものが対比して、それが繋がったりとかするイメージです。常に2つのテーマがあってアルバムが進んでいくっていうのが、この『Outer Ego』の1つの大きなテーマになって、さっき説明した表層とか沈んでいくとかもその2つで、そういう自分の内側と外側みたいなのを、ずっといろんな角度から描いていく事によって、1つの何かが見えるみたいな。この「Old Canvas」は、時間軸的に過去の自分と現在の自分というのが、ずっと同じタイムラインで話をしてる感じの歌詞になっています。ラストのコーラスが終わって、最後にフックみたいな部分があるんですけど、ここがこの曲をよく表していて、過去の自分が現在の自分に対して、「自分はもしかしたら消えてしまうかもしれない」と。全てをピュアに、本質的にそのままにしておくこともできないけど、自分たちで過去の自分と現在の自分に、今から来るものだったり、自分たちが乗り越えていくものに出会っていくことに対して、俺たちはホープを持ってるよっていう歌詞なんですよね。過去の自分と今の自分が語り合った結果「ホープだよね」という曲です。
ちなみにこの曲のドラムは、The fin.のドラムを叩いてくれている、イギリス人のトモ・カーターというドラマーが叩いてくれたんですけど、とてもいいよね。最初自分で叩いてたのですが、もっと上手い人に叩いてもらいたいなと思って、トモが叩いてくれたらさらに良くなったっていう。実はThe fin.史上初の外部のドラマーの人が音源に参加してくれた作品になってます。



M6「At Last」──自分の音楽と繋がりが強いアコースティック・ギターでシンプルに仕上げた1曲

この曲は、3曲目「Short Paradise」と同じで、あんまり外界の影響を受けてないという曲です。だから3曲目と6曲目は、双子みたいな曲ですね。この「At Last」は、ショート・ストーリーなんですけど、実はストーリーじみた曲はアルバムの中でこの曲だけです。なぜこの曲がこうなったかと言いますと、3曲目と共通していますが、自分の中の"インナーチャイルド"、自分の中にいる子供の感情と会話しようと試みたというその行為自体が、この曲のストーリーになってるっていう感じですね。その過程が比喩的に表現されています。すごいシンプルな曲を作りたいなというのが、まず最初ありました。それでこういうストーリーが出てきたんですけど、最初このアルバムを作ろうと思った時に、The Beatlesの『White Album』みたいなアルバムを作ろうと思ったんですね。『White Album』は2枚組で、全然関係ないようないろんな曲がたくさん入ってるアルバム、つまりはベスト的なアルバムだと思います。そういうレンジの広いアルバムを作ろうと思っていたところ、全くそうならないという事件が発生して、めちゃくちゃコンセプチュアルなアルバムになっちゃったっていう。
でもそういうシンプルで少しアコースティックなサウンドを入れたいなと思って。学生の時に実家でずっとお父さんのアコースティック・ギターを弾いていたんですよね。最初はエレキ・ギターから始めていたのですが、アコースティック・ギターを弾いたら、めちゃくちゃいいなと思いまして。当たり前ですが、やはりアコースティック楽器って、そこで空気が振動して音になっている楽器で、耳に触る音の振動ってめちゃくちゃリアルなんですね。それが自分の歌とマッチするなと思って。学生の時にずっとThe Beatlesをコピーしたり、いろんな曲をアコースティック・ギターで弾いていたので、自分の音楽との繋がりというところでいくと、アコースティック・ギターと歌というのが自分は強く感じてます。それをちょっと音源にも残したいなっていうのと、さっき言った"インナーチャイルド"という表現したいことが、そもそもその音楽との繋がりというところにすごく関わってくるなと思っています。なのでこの曲はあんまりアレンジせずに、アコースティック・ギター1本とパーカッションと最後はシンセのメロディーが入ってくるけど、そのくらいシンプルに仕上げました。
深く自分の中に潜っていくというフェーズが6曲目で終わり、7曲目からもう1回表層に外に出て行くイメージです。



M7「Loss, Farewell」、M8「See You Again」──全員が逃れられない"死"を受け入れるプロセスを表現

7曲目「Loss, Farewell」と8曲目の「See You Again」というのは、実はこれは最初1つの曲だったんですよね。
今までも話してきていますが、アルバムの大きなテーマとして自分の内側と自分以外の外の世界を、このアルバムの中で行ったり来たりするのですが、7曲目からまた自分の外の世界に関わっていくっていう展開になっています。この7曲目と8曲目というのは人の生死について書いた曲です。この2曲は、そういう自分の死生観を歌っていて、亡くなった人たちに対する自分の想いも含まれます。もう亡くなった人には言葉をかけることはできないのですが、どうにかして自分の中で表現したかったという一種のセラピー的なもので、自分の中でこれは通らないといけなかったというフェーズになりますね。その中から生まれたのがこの「Loss, Farewell」と8曲目の「See You Again」です。
この2曲の違いをお話しすると、7曲目では"死"というのを全然受け入れられていない状態です。今改めて聴くとすごく分かりますが、そういう"死"を全然受け入れられない自分がいて、7曲目は実はスパンと真ん中あたりから曲調が変わって、全然違う感じに展開していくのですが、そこで自分が"死"というものを受け入れるプロセスを表しています。



そこから8曲目の「See You Again」に入るのですが、この楽曲ではもう自分はその"死"というものを受け入れて、その受け入れた先の話となっています。この生きたり死んだりというのは、全員が逃れられないことであるので、自分もこういう表現をしている身としては、いつか表現しないといけないなっていうのは思っていました。ついにというか、もうしないといけないなって自分の中で思い至りましたね。自分のプライベートの中で、身近な"死"があったので、自分の中でのそういう死生観みたいものを表現しました。



M9「Outer Ego」──未来に対して希望を持って書いた1曲

「Outer Ego」はこのアルバムの表題にもなってる曲なんですけど、テーマ的にいうと1番自分が外に向かっている曲です。この曲は初めて自分より年下の人達に何かを伝えたいなと思って書いた曲です。
今までは大体の人より自分の方が若かったし、どちらかと言うと自分が下に立って発信してるような構図が多かったのかなと思うんですけど。この曲はどちらかと言うと、何かを残したいなとか、自分たちが作っていく世界をもう少しいいものにしたいなとか、そういういろんな想いがすごく詰まっています。「Outer Ego」は当初「アウタースペース」とか「アウターリム」とか呼んでいたんだけど、どういうイメージかというと、バーっと宇宙が広がっていて、その広がっている宇宙のさらにその外側やその端っこみたいな意味合いです。
この"自分のエゴの外側"という意味でもあるのですが、自分がこうやって生きてきて、特に自分の音楽を自分で作って、書いて、出して、自分の曲を歌ってと、エゴまみれだなと。自分はこのままずっと生きていったら、結局自分のエゴに絡め取られて、訳のわからない感じになるのかと思ってたんですね。自分の最終的な将来や未来というか、みんなの未来というのを見ていくと、グっと固まって自分のエゴが小さくなって、濃くなっていくエゴより、もっと外に向かって行って広がって。最終的に自分がいなくなっても大丈夫みたいな世界線の方が、みんなハッピーだなと思うんですよね。
そういう自分への戒めじゃないですけど、そういう意味でもすごく自分にとってもこの「Outer Ego」といのは大事なメッセージだと感じています。それと同時に今を生きる若い人たちに向かっても、すごく大事なメッセージになっていて、つまりは「頑張ろうぜ」という感じですね(笑)。歌詞読んで聴いてもらえたらいいと思うんですけど。
この曲は未来に対してすごく希望を持って書いた曲ですね。自分に対する希望でもあるし、世界に対する希望でもあるし、これが届けばいいなぁと思って書いた曲です。「Outer Ego」はやっぱりすごく外に向かってるエネルギーを持ってると思います。



M10「Sapphire」──子供から段々と大人になっていく曲構成

この10曲目「Sapphire」からは、また自分の中に深く潜っていくフェーズに入っていきます。
「Sapphire」は最初のインスピレーションでいくと、子供時代に車に乗ってて、春なのか秋なのか覚えていないんですけど、とりあえずめちゃくちゃ瑞々しいみたいな日あるじゃないですか?風がすごくめちゃくちゃピュアな日で、自分の心も透き通っていたりとか、そういう風に感じる事ってもうあんまり今はないなぁと思いまして。あの時の感じってやっぱりもう全然ないよねって思ったことから、曲へと発展させていって、それが風の音を表現したこのシンセの音になってたりします。
歌詞についてですが、子供の自分から始まります。それがこの曲が進んでいくにつれて、自分が段々と大人になっていって、最後は今の自分になるっていう曲の構成になっています。自分のインナーユニバースに戻っていくというフェーズの1つです。
この曲は結構お気に入りで、サウンドプロダクションもすごく楽しんでできたし、ライブでやっていても結構楽しいなぁと思ったりもしています。



M11「Safe Place」──自分の中の一番弱いフェーズ

実は「Sapphire」のエピソード2的な立ち位置にある曲です。「Outer Ego」という楽曲が1番外に向かっている曲になるんですけど、そこからもう1度内側に戻ってきた時に、イメージでいうともう傷だらけみたいな、もう完全に心も体も疲れてるんですよね。この「Safe Place」というのは本当に自分の中の一番弱いフェーズというか、一番ボロボロで、「もう何もないです」「もう疲れてます」というような状態で、「Safe Place」に戻っていこうという楽曲です。この曲は「Sapphire」とセットになっていて、サウンドプロダクションも割と似ています。



M12「Edge of a Dream」──"エゴ"から離れ、そして戻っていく

最後の12曲目は「Edge of a Dream」です。この曲を日本語でいうと"夢の果て"みたいな訳になると思います。本当にもう寝たってことですね。ついに寝ました。もう「Safe Place」疲れて寝ますという感じです。
それで寝て何が起こるかっていうと、"エゴ"がなくなる、"自我"がなくなるということですね。この曲は、本当に自分がいないという感じで、映画みたいな感じで観ている状態です。つまりは夢です。自分の頭にある要素だとか、自分の頭にあるものを、フィルムに映ってるかのように観ていて、それを淡々と描いてるという曲です。最後に"エゴ"がなくなってるところで、すやすや寝てる感じです。俺は寝るのが好きなんですよね。
その"夢の果て"というのが何かと言いますと、このアルバムを通してずっと何をやってきたかというと、さまざまな目線で対照的に見たりとか、時間の流れが変わったりとか、いろんなものがありながら、マルチバースのようにいろんな宇宙があるということを表現してきました。この「Edge of a Dream」で、最終的にその"エゴ"から離れて、それが全体になるというイメージです。
最後この曲が終わる部分で俺の中でちょっとお気に入りがありまして、最後にメロディーのシンセが入ってくるのですが、それがすごく謎にお気に入りです。シンセがなんか喋ってるように聴こえるんですよね。音楽はおしゃべりだと思ってるので、やっぱり上手に楽器弾いてる人とか、上手なミュージシャンというのは、まるでしゃべってるように音が動くんですよね。そういう風に表現できたなと個人的に思っていてお気に入りです。
それが終わって空白が訪れて、最後のパートがフェードインで始まります。これが何かと言うと、そこで自分の"自我"とコネクトする、いわゆる目覚めです。"エゴ"を失って意識がなくなってたとこから、その意識を取り戻すというか、意識にリーチしたところで、このアルバムが終わって、1曲目の「Shine」に戻ってくるというループになっています。
その4つの上がったり下がったりのフェーズの中で色んな角度から表現していって、最後また表層のフェーズに「Shine」として戻っていくというアルバムになってます。



全曲解説どうでしたでしょうか?『White Album』みたいなテーマのないアルバムを作りたかったのですが、すごくテーマが出てきちゃって、最終的には本当にキャラが1人で走って行くような、自分の考えたテーマにガンガン引っ張られていって、アルバムが勝手に出来上がっていく感じになって、すごく自分の中でもいいアルバムができたなと思っています。





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■期間
2021年11月24日(水)21:00〜2021年12月5日(日)23:59まで

■当選発表
2021年12月10日(金)予定

■注意事項
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※当選者にのみDMもしくはメッセージでご連絡します。DM・メッセージの受信機能を有効にして頂くようお願い致します。
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RELEASE INFORMATION
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The fin.「Outer Ego」
2021年11月24日(水)
Format: Digital / CD 
¥2,750(税込)

Track:
1.Shine
2.Over the Hill
3.Short Paradise
4.Deepest Ocean
5.Old Canvas
6.At Last
7.Loss, Farewell
8.See You Again
9.Outer Ego
10.Sapphire
11.Safe Place
12.Edge of a Dream

試聴はこちら

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The fin.「Outer Ego」
2021年11月27日(土)
Format: LP(カラー盤 / 500枚限定プレス)
¥3,960(税込)

Track:
Side-A
1.Shine
2.Over the Hill
3.Short Paradise
4.Deepest Ocean
5.Old Canvas
6.At Last

Side-B
1.Loss, Farewell
2.See You Again
3.Outer Ego
4.Sapphire
5.Safe Place
6.Edge of a Dream

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LIVE INFORMATION

"Outer Ego" Release Tour
Outer_Ego_poster.jpg
2022年2月11日(金•祝)
大阪 梅田Shangri-La
OPEN 17:30 START 18:00
ADV ¥4,000 (Drink代別)

2022年2月18日(金)
東京 恵比寿LIQUIDROOM
OPEN 18:00 START 19:00
ADV ¥4,000 (Drink代別)

チケットオフィシャル先行受付
受付期間: 11月24日(水) 12:00〜12月7日(火) 23:59まで
受付URL: https://www.thefin.jp/

"Outer Ego" Release Special Online Live
Outer_Ego_Online_Live.jpg
2021年12月3日(金)
渋谷 FS.
START 20:00 (アーカイブ期間: 2021.12.31まで)
※Outer EgoのCD、LPを全国のCD SHOP、オンラインショップで購入の方に先着特典として、配信URL付きステッカーを配布しています。
※数に限りがありますので各CD SHOP、オンラインストアへお問い合わせ下さい。


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