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2024.05.15
7枚目のアルバムとして1月にリリースした『STRATA』でLITEは、これまでギタリスト／コンポーザーの役割を負ってきた武田信幸が本格的に歌やラップに取り組むなど、インストバンドとして培ってきたスタイルを、側から見ればガラッと一新させた。そんな意欲作をライブの場で初めて全編にわたり披露したLIQUIDROOMでのワンマンを音源をミックスしなおして収めたのがこのアルバム『STRATA (Live)』である。海外でもライブバンドとして高い評価を得る彼らのパフォーマンスを音源として体感できるという意味でもまず貴重な一枚と言えるだろう。
イントロダクションの役割を果たす「Upper Mantle」から始まり、派手な展開こそなくとも美しいメロディラインを持ったドリームポップ調の「Left Unsaid」で終わる流れはオリジナルアルバムと同じ（M6「Sosue」はこの日が初披露で、その後リリースされたCDとLPに収録された）だが、ライブの時点ではところどころ曲順が入れ替わっていたし、間に旧譜の曲も挟んでいた。にもかかわらずこの流れの美しさである。武田曰くライブでの初披露に「戦々恐々としていた」そうだから、彼らにとって既存のイメージを打ち破る『STRATA』の楽曲群がライブでどう響くのか、どう受け入れられるのかは未知数の部分も多かったはずなのに、仮に収録順通りにぶっ通しで演奏したとしてもそれはそれで最高だったんじゃないか？と感じるほど、とにかくしっくりくるのだ。
緻密に練り上げられた構築美を、ライブならではの熱量とアグレッシヴなプレイが凌駕していく快感。打ち込み感の強い実験的な原曲の雰囲気はそのままに人力の演奏によって初めて見えてくる表情。徹底的にこだわり抜いたであろう足し引きの光るアンサンブルの妙と、個々の楽器の音作り。あらゆる部分に20年間戦い抜いてきたバンドの成熟が窺える。
また、LITEのアルバム『Installation』や『For All the Innocence』などを手がけたレコーディングエンジニア・三浦カオル氏を迎え録音したというサウンド面は、ラップナンバー「Thread」披露時の期待と緊張がないまぜになった空気や、アルバム随一の爆裂ナンバー「Breakout」での爆発的高揚感、さらに空間における音の"鳴り"そのものまで閉じ込められているかのようだ。
なお、『STRATA』のアートワークは言葉の意味である「地層」をアップにしたようなイメージだったが、この『STRATA (Live)』ではそれらの地層が織り重なって構成された存在──惑星の断面図のよう（収録曲名にもある"Mantle"もその一部だ）。ひょっとしたら、この『STRATA (Live)』まで味わうことで初めて地表から核に至るまでの全体像が見えてくる、『STRATA』とはそういう性質の作品なのかもしれない。
文：風間大洋
LITE「STRATA (Live)」
2024年5月15日（水）
Format：Digital
Track：
1．Upper Mantle (Live)
2．Deep Inside (Live)
3．Crushing (Live)
4．Thread (Live)
5．Dark Ballet (Live)
6．Sosue (Live)
7．Endless Blue (Live)
8．Breakout (Live)
9．Lower Mantle (Live)
10．Left Unsaid (Live)
試聴はこちら
2024年5月15日（水）～17日（金）
イギリス・ブライトン "The Great Escape"
2024年5月18日（土）
デンマーク・コペンハーゲン "A COLOSSAL WEEKEND 2024"
2024年5月19日（日）
フランス・パリ "Post in Paris"
2024年5月20日（月）
ベルギー・ブリュッセル Ancienne Belgique
2024年5月21日（火）
ドイツ・ボン Kult41 *
2024年5月22日（水）
オランダ・ セルトーヘンボス Willem Twee *
2024年5月23日（木）
ルクセンブルク・Bonneveg-Nord Rotondes *
2024年5月25日（土）
イギリス・ロンドン "Portals Festival 2024"
* スペシャルゲスト：Standards
チケットリンク: https://lite.lnk.to/STRATA_EUTOUR
東京・下北沢ERA ante presents "beyond the ages" tour 2024 final
INFO：https://lite-web.com/shows/
@lite_jp
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Bandcamp
イントロダクションの役割を果たす「Upper Mantle」から始まり、派手な展開こそなくとも美しいメロディラインを持ったドリームポップ調の「Left Unsaid」で終わる流れはオリジナルアルバムと同じ（M6「Sosue」はこの日が初披露で、その後リリースされたCDとLPに収録された）だが、ライブの時点ではところどころ曲順が入れ替わっていたし、間に旧譜の曲も挟んでいた。にもかかわらずこの流れの美しさである。武田曰くライブでの初披露に「戦々恐々としていた」そうだから、彼らにとって既存のイメージを打ち破る『STRATA』の楽曲群がライブでどう響くのか、どう受け入れられるのかは未知数の部分も多かったはずなのに、仮に収録順通りにぶっ通しで演奏したとしてもそれはそれで最高だったんじゃないか？と感じるほど、とにかくしっくりくるのだ。
緻密に練り上げられた構築美を、ライブならではの熱量とアグレッシヴなプレイが凌駕していく快感。打ち込み感の強い実験的な原曲の雰囲気はそのままに人力の演奏によって初めて見えてくる表情。徹底的にこだわり抜いたであろう足し引きの光るアンサンブルの妙と、個々の楽器の音作り。あらゆる部分に20年間戦い抜いてきたバンドの成熟が窺える。
また、LITEのアルバム『Installation』や『For All the Innocence』などを手がけたレコーディングエンジニア・三浦カオル氏を迎え録音したというサウンド面は、ラップナンバー「Thread」披露時の期待と緊張がないまぜになった空気や、アルバム随一の爆裂ナンバー「Breakout」での爆発的高揚感、さらに空間における音の"鳴り"そのものまで閉じ込められているかのようだ。
なお、『STRATA』のアートワークは言葉の意味である「地層」をアップにしたようなイメージだったが、この『STRATA (Live)』ではそれらの地層が織り重なって構成された存在──惑星の断面図のよう（収録曲名にもある"Mantle"もその一部だ）。ひょっとしたら、この『STRATA (Live)』まで味わうことで初めて地表から核に至るまでの全体像が見えてくる、『STRATA』とはそういう性質の作品なのかもしれない。
文：風間大洋
RELEASE INFORMATION
LITE「STRATA (Live)」
2024年5月15日（水）
Format：Digital
Track：
1．Upper Mantle (Live)
2．Deep Inside (Live)
3．Crushing (Live)
4．Thread (Live)
5．Dark Ballet (Live)
6．Sosue (Live)
7．Endless Blue (Live)
8．Breakout (Live)
9．Lower Mantle (Live)
10．Left Unsaid (Live)
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
"STRATA" EUROPE TOUR 2024
2024年5月15日（水）～17日（金）
イギリス・ブライトン "The Great Escape"
2024年5月18日（土）
デンマーク・コペンハーゲン "A COLOSSAL WEEKEND 2024"
2024年5月19日（日）
フランス・パリ "Post in Paris"
2024年5月20日（月）
ベルギー・ブリュッセル Ancienne Belgique
2024年5月21日（火）
ドイツ・ボン Kult41 *
2024年5月22日（水）
オランダ・ セルトーヘンボス Willem Twee *
2024年5月23日（木）
ルクセンブルク・Bonneveg-Nord Rotondes *
2024年5月25日（土）
イギリス・ロンドン "Portals Festival 2024"
* スペシャルゲスト：Standards
チケットリンク: https://lite.lnk.to/STRATA_EUTOUR
イベント情報
2024年6月21日（金）東京・下北沢ERA ante presents "beyond the ages" tour 2024 final
INFO：https://lite-web.com/shows/
LINK
オフィシャルサイト@lite_jp
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