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2025.11.30

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!The fin.・Enfants・sucolaほか全24作品 -2025.11.29-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!The fin.・Enfants・sucolaほか全24作品 -2025.11.29-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!


New Release Digest Part 1


みさと:11月24日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、Part-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。はじめましてさん、(まれ)。アルバムリリースです。



金子:稀は2024年9月結成、東京を拠点に活動している4ピースバンド。オルタナティブ、シューゲイザー、インディーロック、フォークなどのジャンルから影響を受けた楽曲に、繊細な心象描写の日本語詞が特徴。結成からまだ1年ちょっとのバンドですけど、アルバムが完成しました。2025年はオルタナティブなバンド、特に女性ボーカルのバンドが本当に豊作で、FRIENDSHIP.からもたくさんアルバムが出ているわけですが、さらにもう1作加わりましたね。1曲目の「朝焼け」は6分40秒ぐらいある曲で、ゆったり弾き語りっぽく始まって、最後にシューゲイズな轟音が爆発する曲。今のシーンは羊文学が現役のトップのバンドとして、影響力が大きいけど、それ以上にきのこ帝国の影響が大きい気がして。

みさと:本当そう〜。

金子:影響を受けつつ、それぞれのバンドがそこからどう独自性を出していくかのチャレンジをしている。そんなことを改めて感じさせます。



みさと:きのこ帝国を中心としながら枝分かれしている感じは、確かにルーツの1つとしてあるのかなって思いますね。すごく日常的なことをテーマにしている1曲なのに、美意識というか、美学が感じられました。文学的な言葉の選び方だったり、全体的なパッケージングのセンスというところが光っていたなと思います。結成1年と思えないぐらい完成度の高い1枚になっています。続いて、永井琳子さん 。



金子:オルタナなバンドがたくさん出てる一方で、女性のシンガーソングライターも新しい人がどんどん出てきているわけですが、永井琳子さんはそんな中でも注目株ですね。9月に出た「Halo」もすごく良かったんですけど、今回の曲も良かったです。サックスが印象的に使われていて、ノスタルジックな歌謡曲の感じと、ちょっとトロピカルなインディロック的なテイストが混ざっていて、遠くない将来にカクバリズムから出てても全然不思議じゃない。トレンド感と普遍性のどっちも持っていて、すごく良かった。

みさと:ビルボードとかブルーノートでやっていそうなぐらい、品格があるような1曲だなと思いますし、そういった透明感と品の良さを持ってらっしゃる歌声だなと思いました。カバー動画で人を惹きつけるって、もちろん楽曲の力はあると思いますが、誰もが跳ねるわけじゃないと思うので、やっぱり彼女の声、歌唱力が秀でているからこそなんだと思いましたし、オリジナルでこれだけのものが作れる人なんだと知ってもらいたいですよね。可能性を秘めている人だと思います。そんなPart-1からどうしましょう?

金子The fin. の新曲を紹介しようと思います。

みさと:ひゃー!4年ぶりのアルバムリリース、おめでとうございます 。待ってたよ〜。



金子:これは......めちゃ良かったですね。

みさと:めっちゃいいですね!

金子:前のアルバム『Outer Ego』でこれまでのキャリアに一区切りがついて、そこから新しい音楽性を探求する旅がスタートし、サックス、ピアノなどをフィーチャーした楽曲が今のThe fin.の特徴になっているというのがありつつ、それだけでは語れない多様な側面が込められたアルバムになっているので、これはちょっと本人に話が聞きたいな......ということで、来週・再来週はYutoくんがゲストで来てくれると。

みさと:(拍手)最高!古巣に戻ってきてくれます。

金子:なので、細かい話はYutoくんに色々聞こうと思うんですけど、アルバム全体の特徴の1つとして、何曲か短い曲が入っていて、コンセプチュアルな作りになってるんですね。「Somewhere Between」も2分に満たない曲なんですけど、『Somewhere Between』というアルバムタイトルが表すように、間の移ろいをアルバム全体で表現していて、そこもすごく良くて。これはぜひとも、アルバムを通して聴いてほしい作品だなと思います。

みさと:この曲とこの曲の間に"この曲を聴いてほしい"という意図が込められた楽曲作りだったんではないかなと感じさせられる楽曲の並びでした。そのあたりのお話を伺っていこうと思います。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます!なんと、BUGY CRAXONE(ブージークラクション)、はじめましてです。

金子:BUGY CRAXONEは1997年5月に札幌で結成された、30年近いキャリアがあるバンド。最近のFRIENDSHIP.で言うと、wash?とかと近い世代ですね。それだけ長くやってるバンドなので、楽曲のクオリティの高さ、歌の説得力は間違いないですね。wash?もそうですけど、1990年代のオルタナティブのリアルタイマーなので、Part-1に出てきた稀など若い世代がどんどん出てきて、1990年代とか2000年代っぽい音楽をやっていますが、(BUGY CRAXONEやwash?は)その元祖というか。やっぱりこういうバンドが今もずっと続けていることがシーンの下支えになってるし、こうやって作品をリリースすることによって、また下の世代と結びついたり、そういうことも期待できるかなと思います。



みさと:こういう人たちがいるから新しいバンドが生まれたり、直接的に関わりはなくても、土壌として彼ら、彼女たちがいることが大きい。楽曲からも懐の広さを感じるし、キーワードや展開だったり、「ですよね、先輩!」と言いたくなるような、そんな要素が集まってるなと思います。

金子:「やなおんな」っていうタイトルもインパクトありますもんね。

みさと:なかなか使えないじゃないですか。使えないけど、「だから、"やなおんな"なんだ」と納得する。それこそ説得力の高い楽曲になってましたね。続いて、宇宙まお



金子:宇宙まおさんはサッカーチーム、水戸ホーリーホックを10年以上応援し続けている、クラブ公式応援ソングアーティスト。今回は応援ソングの第5弾になります。「葵い革命」というタイトルで、水戸黄門の印籠でおなじみの"葵"の字になっていたり、そういうところも含めて応援ソングらしいですね。ちなみに福岡で言うと、J1にアビスパ福岡がいますが、僕は埼玉出身で、浦和レッズが好きなんですけど、今年はどっちも中位ぐらいで、ちょっとパッとしない。来シーズンはアビスパもレッズともども頑張りましょう!

みさと:そうですね(笑)。誰と作りたいのか、誰と聴きたいのか、誰の代弁なのかがすごくはっきりしている曲になっていて、クラウドファンディングでサポーターのみなさんの支援を受けて作った曲でもあるので、明確さがすごく重要だなと思いつつ、自分も鼓舞してもらえるような、そんな1曲になってるかなと思います。やっぱりまおちゃんの声で歌われると叶う気がするんですよね。すごく信じられる。そういった宇宙まおの良さも出ていると思います。あと、推しチームがない人はこれをきっかけにぜひ水戸ホーリーホックを推していただくのもいいと思います。そんなPart-2からどうしましょう。

金子Enfantsの新曲を紹介しようと思います。2ヶ月連続のリリースで、ライブも結構やっていて、年末には『COUNTDOWN JAPAN』と『ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY』のどちらにも出演することが決まっているということで、さらにグッと伸びそうなタイミングでのリリース。これまでポストパンクっぽいような、ロックバンドの格好良さ、アンサンブルの格好良さが目立つ曲が多かった印象なんですけど、「星の下」に関してはサウンドの格好良さもありつつ、シンプルにメロがいい。こういう曲をこのタイミングで出してきたというのは、結構勝負曲なんじゃないかなと思いました。美しいメロディ、そしてこの歌声が大きなフェスの現場でどう響くのか、非常に楽しみな1曲だなと思います。



みさと:ストレートでスタンダード、というところの強さはやっぱりEnfantsの持ち味。だけど実はサウンドメイクはとても複雑で、そこが"命"とか"運命"とか、宇宙的な視点で俯瞰したときの"生きることの美しさ"、だけど、"そんなに簡単じゃない、生きることって苦悩だよね"と歌う歌詞ともすごくリンクしているなと思っていて。2度、3度聴いたときに、"Enfantsの真骨頂はこういうところにも隠れていたのか"と伝わってくるので、ぜひそのあたりも含めて聴いてほしいですね。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。こちらもはじめましてさんです。Sugar House(シュガーハウス)。



金子:Sugar Houseは2019年に都内で結成されたポストパンク、オルタナティブロック、インディロックを横断し、ジャンルの垣根を超えた洗練されたサウンドを生み出すロックバンド。過去の作品ではDYGLのメンバーが関わっていたりして、そういうところからもサウンド感が伝わると思うのですが、今回は約2年ぶりとなる新曲で、彼らにとっては初の日本語詞楽曲でもあると。世代的にThe 1975とか、それ以降の感覚がありつつ、日本語で歌うと、Galileo Galileiっぽさがありました。Galileo Galileiが好きなのか、それとも The 1975とかを聴いていて、日本語で歌ったらGalileo Galileiっぽくなるのか、どっちなんだろう。まあ、世代感がちゃんとサウンドに投影されつつ、それを自分たちのオリジナルなものにするというのは非常に大事なことだと思うので、応援したくなるバンドですね。

みさと:タイトルが「29」 なんですけど、29歳って色々葛藤する年齢かなと。

金子:きっと年齢(がテーマ)ですよね。

みさと:多分そうなんじゃないかなと思ったんですけど、10の位が変わる直前って一番葛藤したり、自分のなかで、"このままでいいのか。いやでも幸せなこともあるよな"とか、一度立ち止まってしまうタイミングなのかなと思います。でも、立ち止まることが悪いことではなくて、この疾走感のあるギターリフにのせながらも、やっぱり時は進んでいく。少し背中を押されながらも、まだ矛盾していく。走馬灯感もありながら聴かせてもらった1曲です。すごくいい曲でした。続いて、Heavenstamp。アルバムです。



金子:過去作をアコースティックアレンジしたアルバム。Heavenstampは今年7月にドラマーが新しく加わって3ピースになっているんですけど、先週・今週のゲストがDuranさんで、DuranさんとHeavenstampは交流があるんですよね。で、Duranさんはソロ名義のままバンドのDURANになり、先週のポッドキャストでkanekoayanomiidaもソロからバンドになった話をしましたけど、そういう意味では、Heavenstampもここにきて3ピースのバンドになったというのは、今年の時代感が表れてるのかなと思いました。とはいえ、今回はアコースティックなので、いわゆるバンドサウンドという感じではないですが、過去の作品を今のメンバーでもう1回アレンジをして、曲が持っている感情や風景みたいなものを捉え直す作業はすごく必要な作業であり、聴き手にとっても新鮮に聴ける、そういう作品になってるかなと思います。

みさと:新しく入ったMikiさんの存在が過去曲をリアレンジするにあたってキーマンになっていたんじゃないかなと想像します。単純なアレンジではなく、3人でコーラスワークを作ってみたり、今の3人だからこそ、過去曲がどう進化したのかを味わえるアコースティックアルバムになっていたかなと。これからどういう風に3人で音を鳴らしていきたいのか、意思表示の確認でもあると思うので、このアルバムができたというのはすごく重要なことかもしれませんね。そんなPart-3からどうしましょう。

金子sucolaの新曲を紹介しようと思います。

みさと:EPです。おめでとう!



金子:EPとしては昨年の『KIBI』以来、約1年半ぶり。やっぱりsucolaいいですよね。

みさと:いいですね。

金子:僕は作り手としてももちろんですが、sucolaのリスナーとしての感性を信頼してる部分があって。「Sentimental Journey」はリファレンスとして、Billie EilishとThe Maríasの名前を出していて。Billie Eilishに影響を受けてサウンドを作っている人は日本にも無数にいる感じはするんだけど、ここでThe Maríasの名前を出してるのが信頼できるし、やっぱりいい耳を持ってるなって。The Maríasはドリームポップっぽいサウンド感が特徴なんですけど、その感じが今作にもすごく表れいて、なおかつ、それをちゃんとsucola独自の楽曲に落とし込んでるのがいいなと。FRIENDSHIP.の楽曲を紹介していると、"渋谷系"というワードが割とよく出てくると思うんですが、リスナー的感性でいろんな楽曲からの影響を取り入れて、オリジナルにしているところだったり、男女ユニットというのも含め、今ちゃんと渋谷系をやっているのは実はsucolaかもなと、そんなことも感じたEPでした。

みさと:sucolaは最初のリリースタイミングぐらいからずっと聴かせてもらってるじゃないですか。最初は素朴なユニットなのかなぐらいに思ってたんですけど、曲を出すごとにすごく技巧派で、トレンドの取り入れ方が上手い、切り口がすごく面白いユニットだなと思うようになって。ジャンルは違えど、YOASOBIみたいに発展していきそう。"今のJ-POPの楽しみ方"を提案をしてくれそうだし、お茶の間、ワールドワイドに届く魅力と可能性を秘めているユニットだなと曲を出すごとにずっと感じていて。今回のEPを聴かせてもらっても、全くその気持ちは変わらない。二人の底知れぬ才能と感性に触れてみてほしいです。

番組の後半はDURANがゲストで登場!





RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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