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RADIO
2025.12.21
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Rol3ert・ZenPal・österreichほか全24作品 -2025.12.20-
New Release Digest Part 1
みさと:12月15日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全24作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。意味深な一言が届いています。Daisy Jaine。
金子:今回のアルバムが「Daisy Jaineとして発表する最初で最後のアルバム」とのことです。資料には「解散」という文字はないけど...。
みさと:「活動休止」という文字もない。でも「最後」とは書いている。改名とかで続けていってくれたら嬉しいけどなぁ〜。アルバムという形なので、どちらにしても聴いていただきたい作品です。
金子:Daisy Jaineは2017年に兵庫で結成されてるんですけど、フルアルバムのリリースは初めて。なので、これまでに発表してきた曲も入ってるんですけど、全部再録して、アレンジもして、入れ直しているということで、まさに集大成的な作品。初期からずっと持っているDaisy Jaineのサイケデリックロック的な持ち味が存分に発揮された作品になっているかなと思います 。
みさと:『Mirage』=「幻」という意味を込めたアルバムタイトルで、これまでのバンド活動、いいことも悪いことも全てが幻のように消えていくような質感が、もともと持っているサイケの質感とすごくマッチしていて、Daisy Jaineらしさがアルバムという形でパッケージされたのはすごく嬉しいけど、私はちょっとまだざわざわしている(笑)!これからの発表であったりとかは、ぜひSNS含めチェックしていただければと思います(収録後、12月17日にアルバムリリースをもっての解散が発表されました)。続いて、yeti let you noticeはミニアルバムです。
金子:yetiは2016年の12月にミニアルバム『檻、子供達。』を出して、それが現体制になってからの最初の作品であり、今年でそれから10年。そんなタイミングでその作品を再録して、『檻、子供達、昨日の明日。』というタイトルでリリース。「昨日の明日」、つまりは「今」を表した作品になっているわけで、Daisy Jaineと2作並ぶと、それぞれのバンドのストーリーを感じさせますね。
みさと:いいタイトル。
金子:「みんなの歌」は編曲に平畑徹也さんという方が関わっていて、キタニタツヤくんとか、ヨルシカとか、結構ポップスの方面でも活躍している方です。yetiのギターの秋好くんはキタニタツヤくんのサポートをしていたり、そういう繋がりもあって、この方が参加しているのかな。ポップスとしての強度がすごく高まっていて、この10年でいろんな関係値もできて、バンドの実力もついて...というのが感じられる一曲だと思います 。
みさと:他の曲にもいろんな方が関わっているようですし、10年経ったからこそ、出会いに恵まれて、自分たちがやりたいこととファンの方が求めていることがイコールになっているんだろうなと。集大成、1つの形というのが、再録のミニアルバムでありながら、新しい自分たち、今の自分たちを表現していて、とても聴きごたえのある作品になっています。さあ、そんなPart-1からどうしましょう?
金子:Rol3ertの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今年は大活躍でしたね。
金子:大活躍でしたね。この1年でグッと知名度を上げたように思います。これまでの曲はわりとミドルテンポの、ゆったりした曲が多かったイメージなんですけど、今回は結構アッパーな曲で、資料にも"シンセオルタナダンスロック"とあって。僕は『HOTSPOT』というイベントでRol3ertのバンドセットを初めて観て、そのときにロックだったり、ダンサブルな曲を結構やっていて、"Rol3ert、こっちもあるんだ!"と思ったんですよね。その感じが今回はまさに音源でも表れていて、Rol3ertのこれまで見せてこなかった側面が見えました。サウンドプロデュースがMONJOEくんで、今はプロデューサーとしても大活躍ですけど、もともとDATSだったり、バンド畑の出身の人なので、こういうロック的なアプローチももちろんできる。この1年の大活躍の締めくくりであり、さらにこれからを見せるような、いい曲になったんじゃないかなと思います。
みさと:MONJOEくんとのマッチ度高いですよね。バンドもできるし、DTMとかダンスミュージックのこともよくわかっている人で、彼自身、繊細な心境を音にするのが得意なタイプというか、そういった作品作りも過去にしてきていたので、すごくいいタッグだなと思いながら聴かせていただきました。タイトルが「(how could i be)honest?」、読みは"honest"しか発音しないんですけど、前にかっこ付きで「(how could i be)」がついていて。このカッコがあることで、すごく内省的な物語であることがわかるというか、"どうやって正直に、素直になれっていうんだよ"と。音はすごく開けているんだけど、自分の脳内を駆け巡るような質感だったり、自分の心の内でざわざわしている20歳らしい心の声が詰まっていて。すぐにでもグローバルに飛んでいっちゃいそうな、そんな新曲が届きました。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。さあさあ、水中スピカです。
金子:水中スピカも今年は大活躍の1年で、海外でもたくさんライブをしてきたバンドですけど、今回の曲に関しては、セルフライナーノーツで"世界最大の猛禽類であるオウギワシを強さの象徴として、その姿を曲で表現した"と。猛禽類は肉食の鳥のことですね。その強さをオウギワシの姿を通して表しているということで、もともとインストがかっこいいバンドではあるんですけど、この曲はその良さがすごく出ていて。5分近い曲で、歌が出てくるまで3分ぐらいあって、しっかり演奏を、アンサンブルを聴かせていて、オウギワシが雄大な山々を飛んでいるようなスケール感を感じさせる楽曲になってました 。
みさと:ご自身たちの中でのコンセプトはありながらも、自分たちの持ち味を失わないバランス感覚がさすがだなと思いましたし、雄大さと自然界を音で表現できる、そして聴き手が想像できるような音質にできる面白いバンドだなと。ますます注目度が上がっていくかと思っています。続いて、YOURNESS。
金子:12月16日のライブでベースの田中くんがラスト。そんな中、先月からセルフカバーを出していて、今回はにじさんじ所属のVTuberユニット、Nornisに提供した楽曲のセルフカバーと。「Try add」というタイトルで、字面を見ると、「挑戦」の"Try"と「付け加える」の"add"なんですけど、つなげて読むと"Triad"で、「3人組」の意味。Nornisは今2人組なんですけど、もともと3人だったところから、このタイトルがそもそも来ている気がして。で、まさにYOURNESSも3人になったわけで、そのタイミングでこの曲を出すのは、そういう意味合いもあるんじゃないかなと感じました。
みさと:もともとNornisさんが歌っていたときのキャラクターあってこそという視点もあったと思うんですけど、セルフカバーすることによって、バンド然とした歌唱力と演奏力がすごく際立つ仕上がりになっていて、それぞれの魅力がとても際立つアレンジになっていたかと思います。そんなPart-2からどうしましょう?
金子:ZenPalの新曲を紹介しようと思います。
みさと:かっこよかった!
金子:かっこよかったですよね。11月に初めての曲を発表したばかりで、全貌がまだ見えないバンドではあるんですけど、往年のサイケデリックロックみたいなところがありつつ、今回の曲はオリエンタルな旋律だったり、アートワークも浮世絵っぽい絵柄のフェニックスで日本的。このセンスは非常に引っかかるものがあるなと。音楽好きがいち早く反応しているとわかるのが、来年1月にFLAKE SOUNDSからカセットEPをリリースすることが決まり、大阪での初ライブも1月に決定していると。FLAKEみたいな音楽好きが集まる場所のレーベルが彼らをフックアップしているのは、さすがだなという感じしますね。
みさと:Kula Shaker味というか、サイケなロックサウンドでありながらも、エッセンスとして今の音をどこかに取り入れている。その感じを大阪から発信していってくれるんだろうなと思いました。ドキドキ感というか、ワクワク感がありますね。これからもチェックしていきたい。でも、メンバーのお顔もまだわからない。5人組であることしか知らないくらいの情報量。
金子:アー写は出てるんだけど、顔が見えない感じになっていて。
みさと:ミステリアス感も含め、いいブランディングだなと思います。ますます覚えておきたいバンドに出会うことができました。チェックしてみてください。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。壱タカシさん、EPです。
金子:Part-3は強烈な、独自の世界観を持っている人たちが集まっていたなという感じがするんですけど、壱タカシさんもその中の一人で、『きっと痕跡に走る身体』というタイトル。壱さんの作品はサウンド的にも、歌詞的にも、ある種の「身体性」みたいなものが常にキーワードになっていて。今回の楽曲はドラムマシンやサンプラーを使ったエクスペリメンタルなR&Bで、アートワークはベッドでひっくり返っているような、ちょっとユニークなものになっていたり、壱さん独自の身体性の感覚がいろんなところから味わえる作品になっていて、壱さんにしか作れないオリジナルな作品だなと思いました。
みさと:すごく前衛的で、一つの芸術作品を見ているような作品でした。彼の哲学であったり、もしかしたら歪んだ美意識というか、パッと見たり、聴いただけでは、もしかしたら理解はできないかもしれないけど、それを噛み砕いていく作業が聴き手にとっての人生の大きなターニングポイントになりかねない、それぐらい大きな作品を作られている印象があります。私は年明けの放送で「2025年に注目していきたいアーティスト」として壱さんを挙げていたんですけど、壱さんの立場で、アートを通して、世の中に発信していく方が2025年はどんどん増えたなと。
金子:「クィア」という言葉も日本でかなり浸透した感じはありますよね。
みさと:ありますね。タイトルの『きっと痕跡に走る身体』にリンクするところでいくと、最近ではXGのCOCONAさんが...。
金子:ノンバイナリーであることを公表していましたね。
みさと:2025年、壱さん大きな存在として頑張ってくれた気がします。2026年も引き続き好きです!続いて、SuU。
金子:SuUも独自の世界観を構築してますけど、今回のEPはタイトルが『Temples』。Templesというイギリスのサイケなロックバンドがいまして、もしかしたらそこから取ってるのかなという気もするし、普通に「お寺」の意味かもしれない。禅的なイメージとSuUの持っている弛緩したサイケサウンド、ダブサウンドには通じるものがある気がするし。
みさと:ダブルミーニングっぽい。
金子:かもしれないですね。「骨」は7分弱ある長い曲で、まさにダビーなサウンド感もあるんだけど、ちゃんとポップス的な要素も持っていて、そこはminakoさんのソロにも通じるような、ちゃんと歌の強さもある。その両方を持ってるのがSuUの強みだなと、改めて感じるような作品でした。
みさと:人生最後のときに、骨は残るけど、その他が何も空間に残らない。その世界観はまさに厚武さんが今おっしゃったところとすごく通じるなと思いますし、死生観的なものだけではないエッセンスもちゃんと盛り込みながら、自分たちの芯を貫いている感じが、毎作面白いなと思いながら聴かせてもらっています。狂気的でありながらも、どこか共感してしまう不思議な落としどころを作ってらっしゃる。注目しています。そんなPart-3からどうしましょう。
金子:österreichの新曲を紹介しようと思います。
みさと:厚武さん、本編で尺足りますか?
金子:いくらでも喋れますけど(笑)。
みさと:あはは(笑)。
金子:今年1年間オルタナ、ポストロックの話をしてきて、年末にösterreichの作品を紹介することになるとは。あらかじめ決まっていたかのような、伏線回収かのような展開。
みさと:厚武さんが2025年のフィクサーだったみたいな感じもしますけど、大きなキーワードでしたね。
金子:österreichはthe cabsもやっている高橋國光くんのソロプロジェクト。the cabsの復活が今年オルタナ、ポストロックが盛り上がった大きなきっかけだったのは間違いないと思うので、österreichがFRIENDSHIP.からリリースするというのは大きいことだなと。österreichとしてのリリースは3年半ぶりで、ソロプロジェクトなんだけど、バンドとして見るとオルタナのオールスターみたいなバンドで。ベースにcinema staffの三島くん、今回ボーカルに元ハイスイノナサの鎌野愛さん。曲によってはcinema staffの飯田くんもボーカルとして参加していたり、ライブだとDALLJUB STEP CLUBのGOTOくんが叩くことも多いんですけど、今回は音源では初参加のLITEの山本さんがドラムと。
みさと:豪華すぎるなぁ...。
金子:「まさに」な人たちが揃っていて。あとはGecko&Tokage ParadeのWataru Sato、ソロではFRIENDSHIP.からリリースしている彼もライブには結構参加してるんですけど、今回は参加していないようです。österreichはピアノだったり、クリーントーンのギターのアルペジオとか、そういう要素も強い印象なんですけど、今回はピアノなしで、歪んだサウンドが前に出ていて。the cabsが復活したこととも関係して、österreichでも改めてフレッシュにロックなサウンドを鳴らすようになったのかもしれない。そういう意味でも、新たな始まりを感じさせる一曲で、すごく印象的でした。拍とかリズムが一回聴いただけじゃ全然わからんというのはいつも通りです(笑)。
みさと:通常運転ですもんね(笑)。Aメロが難解な音階なんですけど、サビのポップでキャッチーなメロディーがすごく印象的で、難解なドラミングに品性増すストリングスとか、一曲の中でも対比するようなエッセンスがいろんなところに散りばめられていて、全体的にポップさを抑えながらも、絶妙さが最後、耳に残る。これで通常運転というのが考えづらい、素晴らしい!才能のてんこ盛り!
金子:これぞ高橋國光くんの世界観ですね。
番組の後半はSpecial Favorite Musicがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10




