SENSA

2025.08.19

"ひとりでも、ひとりじゃない"『SHIBUYA SOUND RIVERSE (SSR)』──プロデューサーJEとFRIENDSHIP.キュレーター金子厚武がイベントを解き明かすスペシャル対談

音楽ディストリビューションサービス・FRIENDSHIP.の主催イベント『SHIBUYA SOUND RIVERSE (SSR)』。これまで2022年と2023年に渋谷エリアのライブハウスでサーキットイベントとして行われてきたが、2025年は9月28日に恵比寿LIQUIDROOMの全館を使用して開催される。そこでSENSAでは、今回の『SSR』のプロデューサーを務める台湾出身のJEと、FRIENDSHIP.キュレーターであり、これまでの『SSR』にも足を運んできた音楽ライター・金子厚武の対談を公開。そもそもFRIENDSHIP.とは?『SSR』とは?といった根本的なテーマから、今回の『SSR』の見どころまでを語り合うテキストとなった。イベントやフェス百花繚乱の時代に独自の色で咲く『SSR』に、ぜひ注目してほしい。



私は日本のバンドのライブを観たら癒されるし、気づいたら涙が出ている(JE)

─JEさんは台湾出身で、前職は台湾のイベンターと伺っております。これまで、どんなお仕事をされてきたのでしょうか?


JE:私は、7年ぐらい前に台湾のイベント会社に入って。メインは、音楽フェスや、海外から来るバンドの制作。他にもプロモーションや運営、アーティスト担当をやっていました。

─そんななかで、なぜ日本で仕事をしようと思ったのでしょうか?


JE:このへんは長くなるかもしれないんですけど(笑)。私はフェスが好きなんですね。バックステージで働いていると、全部の人を観察できるし、想像以上にいろんなことが起きるし。それで、私が好きなアーティストをもっと知ってもらえるような場所を作りたいと思ったんです。私は、日本の音楽が好きで。台湾のフェスを制作しているときも、日本のアーティストを呼んでいたんですね。でも、みんな日本に帰っちゃうとめちゃくちゃ寂しい。そういうときは、YEN TOWN BANDの「Sunday Park」を聴いて、"私は大丈夫!"って(笑)。

金子:YEN TOWN BANDに救われてたんだ(笑)。



JE:土曜日に出演して、日曜日にみんなが帰っちゃうから、歌詞にぴったりなんです。これを聴いて、"大丈夫大丈夫、私は強い!"って。それで、日本に来たいちばんのきっかけは、コロナ禍のときに、私は台湾にいて。(日本で)アーティストの活動が止まったり、ライブハウスがなくなっているニュースを聞いたときに、私は何もできないから辛かった。日本にも行けないし。それで、もっと早く台湾にアーティストを呼んで、台湾の温かさを感じてもらえたら、違う結果になっていたかもしれない、って思って。台湾でフェスをやったときに、日本のアーティストから"来てよかった"とか聞いていたし。だから自分ができるときに行動しないといけないと思って、コロナが落ち着いた2022年に、フジロックに行ったんです。そこで、ずっと真夜中でいいのに。とかKroiを観たらかっこよくって、"これは海外の人も大好きじゃん!"って。まだKroiは武道館とかやってない頃だったけど、直感で絶対好き!って思って台湾のライブに誘いました。それで、"自分から日本に行かないと"っていう気持ちがより強くなって、30歳になる前に日本に来ました。

金子:JEさんが日本のアーティストにハマるきっかけって、何かあったんですか?

JE:子どもの頃からアニメ(の主題歌を通じて)で浜崎あゆみや宇多田ヒカルが大好きになって。高校生の頃はONE OK ROCKとか。あとは[Alexandros]とか、細美武士のバンド、特にthe HIATUSが好きになって。新しいアーティストを見つけるのもめちゃめちゃ楽しい。たとえば春ねむりも、初めてライブを観たときめちゃめちゃかっこよくって、何回も台湾に呼びました。そこから彼女はアジア、世界へと人気が出ていったんですよね。あとは日本でAge Factoryを観て、かっこよかったから台湾にも誘った。でもコロナの影響でキャンセルになり、また誘えなかったらこの仕事を辞めようかって思ったぐらい。私は日本のバンドのライブを観たら癒されるし、気づいたら涙が出ている。それぐらい好きなんです。



─そんななかで、2022年から立ち上がった『SSR』のプロデューサーを、2025年から務めることになりました。やはり、理想のイベント、フェスを作りたい想いが強いんですか?


JE:ちょっと違うかもしれない。『SSR』はFRIENDSHIP.のアーティストを紹介するためのイベントで。私は今年からプロデューサーになって。自分が日本に来た理由は、フェスを作りたいというより、日本のアーティストを知りたいからで。アーティストがどんな感じで音楽を作っているのか、そのルーツを知りたいんです。

─もしかしたらJEさんより金子さんのほうがFRIENDSHIP.に関わってきた年月は長いですか?


金子:ちょっとだけ長いかな。僕は2020年にキュレーターになったので。

─今JEさんもおっしゃっていましたけど、『SSR』は音楽ディストリビューションサービスのFRIENDSHIP.のアーティストを紹介するためのイベントですよね。なので、そもそもFRIENDSHIP.にはどういう色があるのかを、金子さんなりに解説していただけますか?


金子:デジタルディストリビューションサービスで、わかりやすいのがTuneCoreとの比較かと思うんですけど。TuneCoreが誰でもリリースできるディストリビューションサービスなのに対して、FRIENDSHIP.は僕も含めたキュレーターを軸としたチームがリリースするアーティストを選んでいる。それによってクオリティが保証されるし、ある程度カラーが生まれるので、レーベル的な色合いもあるんですね。あとはFRIENDSHIP.っていう名前が表してますけど、アーティスト同士の繋がりもあって、コラボレーションしたり。またメインでやっているバンドがあって、それ以外のサイドプロジェクトみたいなもののリリースも手伝ったり。そういうコミュニティ的な側面もあります。

─JEさんは、FRIENDSHIP.のアーティストにどういう色合いがあると思っていらっしゃいますか?


JE:私が感じたのは、FRIENDSHIP.のチームはオリジナリティを大切にしているなあと。たとえば日本であまり聴かれていなくても、別の国でめちゃ聴かれているなら、そこを大切にしてくれる。私も、まだ台湾にいたときから、FRIENDSHIP.のアーティストは海外向けが多いというイメージがありましたね。



FRIENDSHIP.のアーティストは宇宙の星みたい(JE)

─金子さんは、『SSR』が立ち上がったときにどう思われましたか? 


金子:FRIENDSHIP.はデジタルのサービスではありますけど、それだけではなく、リアルの現場を作ってライブを体験してもらうことで、よりその音楽を好きになったり、コミュニケーションができたり。そういう2軸があるのはいいことだと思いました。とは言え、"ディストリビューションサービスがやっているイベント"ってなかなか伝わりづらい側面もあって。僕はなかにいる人間なので、レーベル的な側面やカラーをある程度把握しているつもりなんですけど、外から見ると"FRIENDSHIP.のカラーってなんなんだろう?"とか、そもそも"FRIENDSHIP.って何?"っていう人がまだまだ多いと思うので。だから逆に言えば、『SSR』によってFRIENDSHIP.を知ってもらえる。そういう意味でも大事なイベントだと思います。

─過去の『SSR』に足を運んできて、どのように思っていらっしゃいますか?


金子:2022年、2023年に行ったんですけど。今回とは違って、渋谷のストリームホールや何ヶ所かのライブハウスが会場だったので、渋谷を街歩きしながら観られたんです。いいアーティストが多いので、それぞれのライブはとてもよかったんですけど、ただFRIENDSHIP.のカラーがどこまで伝わったのかっていうのは、正直わからないかなっていう。





─金子さんは、そういった助言などを含めて、『SSR』に関わってはいらっしゃるんですか?


金子:普通にお客さんとして楽しんでいます。もちろんFRIENDSHIP.のチームの人と会ったときは、あれがよかったとか、もっとこうしたらいいんじゃないとか、軽くは話したかもしれないですけど。でも基本的にはお客さんです(笑)。

─JEさんは、今年はどんな『SSR』にしていこうと思って動きはじめたんですか?


JE:さっき話した『SSR』の色を、プロデューサーになってから、めちゃめちゃ考えました。それをビジュアルにも落とし込んで。ひとつは、"やさしい人たち"。クールじゃなくって、友だちみたいな。それを台湾のイラストレーター(Raimochi)にお願いして描いてもらいました。あと『SHIBUYA SOUND RIVERSE』の"RIVERSE"は、river=川、universe=宇宙が合わさっていて。そこから、FRIENDSHIP.のアーティストは宇宙の星みたいだなと思いました。ひとつの星だと小さいかもしれないけれど、自分らしく光って、お互いに共鳴し合ったら、きれいな銀河になる。そういうイメージが出てきたんですね。だからポスターのなかにも星があります。あなたは自分らしくていい、好きな音楽をずっと好きでいい、それが必ずきれいな銀河になるから、っていう。こういう気持ちをメインに今年はプロデュースしています。

SSR2025_all_1000.jpg

─ラインナップを決める際にも、そういうイメージはあったんですか?


JE:はい。このラインナップになった理由は、ひとつは、めちゃかっこいいライブをしている人たち。あとは、このアーティストはどんなライブになるんだろう?って気になる人も誘いました。ディストリビューションサービスは、数字は見えるけど、ライブはどうなんだろう?っていう。もうひとつは、海外で人気が出そうな人たち。か、もしくはすでに海外で人気の人たち。たとえば日本の人たちは"揺らぎはもう台湾でワンマンできてる"とか知らないかもしれないから、こういう素晴らしいバンドがいますよって伝えたくて誘いました。

金子:海外っていうところで言うと、2024年の『SSR』は、イギリスのフェス『The Great Escape』でショーケース的に開催したんですよね。僕がちょっと前にFRIENDSHIP.の山崎(和人)さんにインタビューしたときに、"2024年の『SSR』は日本で開催して、海外の関係者を呼ぶ案もあった"って聞いたんです。だから今回や今後の『SSR』は、海外への発信とか、海外の関係者を呼ぶとか、そういうことも考えているのかな、っていうのも気になって。



JE:海外の関係者を呼ぶことも考えていますし。イベントのプロモーションは英語版も中国語版もSNSに載せています。このイベントを通じて、日本のバンドをいろんな国の人に知ってほしいから。アーティストたちにとっては、ステップ・バイ・ステップのイメージですね。『SSR』はイギリスでもやったし、FRIENDSHIP.はアメリカで『SXSW』とコラボもしているし。このアーティストは中国に合いそう、ヨーロッパに合いそうとか考えて、ゆっくり会話しながら次のステップを一緒に作っていきたいです。

金子:でも、前にチラッと話したけど、いわゆるカンファレンス的な固い感じじゃなく、楽しいイベントにしたいんだよね。

JE:はい。私、台湾でも日本でもカンファレンス的なイベントにも行きますけど、アーティストたちが楽しくライブできるのがいちばんだと思います。

─金子さん、そういった海外への第一歩というイメージ以外には、今年のラインナップを見て、どんなことを感じましたか?


金子:さっきJEさんが言ったように、それぞれにオリジナリティがあって、ほんとに銀河みたいなラインナップだなっていう。そのなかでも自分なりにカラーを区分すると、FRIENDSHIP.ってキュレーターにLITEの井澤(惇)さんとか、The fin.のYuto(Uchino)くん、downyの(青木)ロビンさん、BOYのTOMMYくんとか、オルタナティブな感覚を持った人たちがいて。だから『SSR』も、いわゆるJ-POP、J-ROCKよりも尖った音楽性のバンドが多い印象です。特にLIQUIDROOMとKATAに出ている人たちには、そういう感じが表れているなと。あとキュレーターにはMONJOEくんもいて。彼もDATSとかをやっていてオルタナティブな感性も持っているけど、今やNumber_iやBE:FIRSTの曲を、ODD Foot WorksのPecoriくんとかと一緒に作っていて。『SSR』は、そういうR&Bとかヒップホップのラインナップも充実していて。特にMONJOEくんが楽曲に関わっているRol3ertとか、VivaOla、SPENSRあたりが一日で観られるのは魅力的なんじゃないかなあと思いました。

会場がひとつなので、より音楽にどっぷり浸かれる一日になると思う(金子)

─あと『SSR』の特徴としては、幾つかの会場を使って開催するところですよね。今回の場所は変わりつつも、そのスタイルは継続されていて。やはりこだわりがあるんでしょうか?


JE:まず、たくさんのアーティストを呼ぶから幾つかの会場を使っているんですけど、その理由としては、いろんな人が集まるのが楽しいから(笑)。できるだけライブが被らないような(タイムテーブルの)アレンジもしています。で、場所によって雰囲気も変えています。LIQUIDROOMは人気のあるアーティスト。いろんなジャンルのアーティストがいますけど、ショーを作れる人たちばかりです。自然に踊れる、元気がなくても楽しくなれるライブになると思うので、ぜひ行ってみてほしいです。KATAは下北のライブハウスにいるような感じになるんじゃないかな(笑)。これから注目のアーティストが揃っています。LIQUID LOFTはアコースティック・ステージ。心に寄り添う音楽をやっているアーティストばかりです。音楽のコアを表現してくれると思うので、めちゃめちゃ楽しみです。私は(ここに出演する)阿部芙蓉美が大好きで。烏兎-uto-も、バンドセットでやることもありますけど、アコースティック編成の予定です。Time Out Café&Dinerは、体で感じてほしい音楽。最初はローファイ系、そしてR&Bシンガーの人たちがきて、最後はJunIzawa。びっくりするかもしれないけれど、ローファイ系は歌詞もなくて感じるだけ、R&Bも一緒に踊ったりできるし、Izawaさんは爆音......でやってくれるかな?(笑)。



金子:まあ爆音でしょうね(笑)。

JE:だから、マスロックとか知らなくてもインパクトがあるはず。

金子:Time Out Café&Dinerに出演する人はみんなトラックベースでライブをするのかな?

JE:はい。たとえばSPENSRはミニマルセットで、普段とは違う感じになる予定です。



金子:普段はバンドセットでやっている人も、この日はスペシャルなセットになると。

─それは『SSR』に合わせて、こうやってほしいってお願いしたんですか?


JE:はい!(笑)。それはアコースティックに関しても同じです。

─バンドが好きな人、アコースティックが好きな人、R&Bが好きな人、いろんなお客さんが来て、ひとつのステージを注視するパターンもあると思うんですが、JEさんとしては、いろんなステージをまわって、いろんなアーティストを観てほしいですか?


JE:はい!

金子:2022年、2023年は渋谷のライブハウスを幾つも使ってきて。でも今回は、4ステージありますけど、会場がひとつなので、これまでの街歩きする楽しさとは違いますけど、すぐに移動できて、より音楽にどっぷり浸かれる一日になると思う。かなりがんばれば全アーティスト観られますしね。ただ、今回から会場が恵比寿になったのに、イベント名は引き続き"SHIBUYA"ですよね。まあ恵比寿は渋谷区ではありますけど(笑)。

JE:渋谷はバンドカルチャーのルーツがある場所っていう想いがあるんですよね。そこを見せたいので、引き続き"SHIBUYA"にしています。

─では金子さん、今回のラインナップのなかで個人的なおすすめは?


金子: LIQUIDROOMとKATAはオルタナティブなバンドがたくさんいるなかで、エルスウェア紀行とベルマインツは、オルタナティブなんだけどポップス寄りだと思うので、この並びのなかで、どんな魅せ方をするのか気になりますね。





─JEさんは、オルタナ中心のバンドのなかにポップス寄りのアーティストも並べた理由って、何かあるんですか?


JE:ポップスなんですけど、単純な音楽ではないし、この並びでも違和感はないと思います。

金子:エルスウェア紀行は"魔改造シティポップ"なんて呼ばれ方もしていて。曲によってはプログレッシブだから。タイムテーブルでは、前が揺らぎで、あとがODD Foot Worksで、タイプは違うけれど、揺らぎやODDのファンがエルスウェア紀行を観て"面白い"って思うかもしれない。そういうのが楽しみですね。





みんなと音楽を共有することも、ひとりで音楽に浸ることも、どちらも楽しい(金子)

─あと、『SSR』はオーディションを経て出演できるシステムもあるんですよね。


JE:FRIENDSHIP.はディストリビューションサービスをやっていて、リリースしているアーティストの数がめちゃ多いんです。たとえば"今年は制作に集中したい"とか"今年はライブがんばりたい"とか、いろんなアーティストがいて。そのなかで、"今年はイベントに出たい"って思っているアーティストをプッシュできるようにオーディションをやっています。

─金子さんが、オーディションというスタイルと『SSR』との親和性や、実際に選ばれたアーティストについて、どう思われているかも知りたいんですが。


金子:さっきJEさんも言っていたように、FRIENDSHIP.はすごくたくさんのアーティストをリリースしていて。そのなかには、再生回数はすごいんだけどライブを観たことがないとか、そもそもあんまりライブをやっていないとか、そういうアーティストもいる。だからライブの機会を作る意味でもいいなあって思っています。今回はGeGeGe、Tamuraryo、WAZGOGG, Koshun Nakao、Foiの4組。Tamuraryo、WAZGOGG, Koshun Nakaoとかローファイ系のアーティストは、あんまりライブのイメージがないし、実際にやっている回数が少ない。そういうライブが観られるのは貴重ですよね。WAZGOGGはラップバトルのDJをやるような人ですけど、別名義のWataru Fujiwaraはローファイ系で。今回コラボするKoshun Nakaoはポストクラシカル系のピアニスト。なので、WAZGOGG名義だけどWataru Fujiwara寄りになりそうで、それがライブで観られるのは貴重な機会かと思います。





─チケットも"FRIENDS!ペア"っていう、他にないスタイルがありますよね。


JE:FRIENDSHIP.という名前ですし(笑)。友だちを誘ってライブに行けたら嬉しいなっていうので、ちょっとお得なチケットを用意しました。誘う理由を作ったというか。

金子:有線のイヤホンをひとつずつさして、ふたり並んで聴いている感覚になれそう(笑)。

─それって、JEさんが主催者コメントとして出されていた"ひとりでも、ひとりじゃない"にも通じますよね。


JE:はい。私はひとりで音楽を聴いているときが多かったなって。でも、台湾にいた頃から、辛いときも楽しいときも、いつも音楽がいてくれて。コロナのときも、アーティストたちに、もうちょっと"ここに音楽を聴いている人がいるよ!"って伝えたらよかったな、って思ったし。それで日本に来て"友だちいっぱいいるしライブも観られる、ひとりじゃない!"って思ったんですけど、帰り道になると"やっぱりひとりだな"って。でも寝る前に、目を閉じるひとりの時間にも、音楽が寄り添ってくれる。同じ気持ちの人がいるなって思える。音楽は私に、"あなたは自分らしくていいよ。今の気持ちを大事にしていいよ。それは間違いないよ。共鳴できる人はいる、ひとりじゃないよ"って伝えてくれるんですよね。


金子:僕も、仕事も含めてひとりで音楽を聴く機会が多いけれど。ストリーミングで世界のどこにいても同じタイミングで新曲が聴けて、それをみんなで共有できる今、デジタルのディストリビューションサービスであるFRIENDSHIP.がこの言葉を掲げてイベントをやるのは、時代感も出ているし役割も果たせていいと思います。それをライブに置き換えると、僕自身は、仕事を含めて8割9割ひとりでライブに行くので、ひとりだと行きづらいという感覚は麻痺しているんですけど(笑)、みんなと音楽を共有することも、ひとりで音楽に浸ることも、どちらも楽しいですよね。あとさっきJEさんから、ライブを見に行ったあとの時間も大事という話がありましたけど、僕、フェスやイベントで、トリが終わって、すぐ主催者が出てきて「どうもありがとうございました!」って言われるのが苦手なんですよ(笑)。そこで、みんなで"イエー!"って言う楽しさもわかるんだけど、もうちょっと余韻に浸らせてくれよって思っちゃう。そういうお客さんのこともわかってくれるイベントが増えたら嬉しいです。

─では最後に『SSR』に足を運ぶ人、気になっている人にメッセージをお願いします。


JE:まずは、台湾人が企画したイベントがどんなものか気になっている人に来てほしいです(笑)。あとは自分の好きな音楽を信じてほしいですね。その気持ちはアーティストにも伝わるから。あと、出演してくれるアーティストにも伝えたいことがあって。ひとりで自分の心と会話しながら音楽を作っていると、辛いときや楽しいときがあると思いますけど、この『SSR』で力を持って帰って、翌日からやりたい音楽の道を歩いていってほしいです。

金子:当日は僕はそれこそひとりで(笑)、いろんなステージを観ていると思います。お客さんは、もちろん"FRIENDS!ペア"チケットで友だちと来るのもいいし、ひとりでも思い切って参加してみて、いろんな音楽を味わうことで、その経験によって、この先で新しく友だちができるかもしれない。そういう意味でも"ひとりでも、ひとりじゃない"し、いろんな楽しみ方をしてほしいです。

取材・文:高橋美穂

LIVE INFORMATION

【SSR2025】SHIBUYA SOUND RIVERSE
SSR出演ステージ-FINAL_1000.jpg
2025年09月28日(日)
会場|恵比寿LIQUIDROOM、KATA、LIQUID LOFT、Time Out Café&Diner
時間|OPEN / START 12:30
出演アーティスト|
SPARK!!SOUND!!SHOW!!|ODD Foot Works|Enfants|揺らぎ|ゆうらん船|エルスウェア紀行|Gateballers|VivaOla|SPENSR|YJC LAB. (YAJICO GIRL)|阿部芙蓉美|ベルマインツ|烏兎-uto-|Foi|kiwano|Blume popo|Tyrkouaz|aldo van eyck|くゆる|JunIzawa|Rol3ert|GeGeGe|楓幸枝|Tamuraryo|WAZGOGG, Koshun Nakao|KEISUKE SAITO

チケット購入|〔イープラス / LivePocket〕https://friendship.lnk.to/SSR2025
チケット券種|
(前売)¥ 5,500 + 1ドリンク代別途
(学割)¥ 4,800 + 1ドリンク代別途
(FRIENDS!ペア)¥ 9,000 + 2ドリンク代別途

注意事項
①「学割」、「FRIENDS!ペア」は枚数限定。
②「学割」を購入の方は入場時、学生証のご提示をお願いします。
③ 未就学児入場不可、小学生以上チケット必要。

主催| HIP LAND MUSIC / FRIENDSHIP.

特設サイト
Live Info for Overseas (EN)

【ABOUT SHIBUYA SOUND RIVERSE ( #SSR2025 )】
「SSR2025」は、デジタル配信をサポートしているディストリビューションサービス"FRIENDSHIP."によるイベント。今、国内外で注目を集め、今後グローバルな活動が期待されるアーティストが一同に会するスペシャルイベント。
デジタル中心となった世の中で、言語や国境、時代を越えて人々が繋がり、生の現場ならではのアナログな温かみを感じられるような空間作りを目指し、「一人でも気軽に行けるイベント」というコンセプトが中心に据えられている。

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