SENSA

2025.05.16

ツインボーカル+コーラス=歌声が光源となるストーリー「ベルマインツ」-Highlighter Vol.237-

ツインボーカル+コーラス=歌声が光源となるストーリー「ベルマインツ」-Highlighter Vol.237-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。Vol.237は、神戸・東京を拠点に活動しているベルマインツを取り上げる。
ツインボーカル+コーラスの立体的な歌声と、懐かしさを帯びたメロディが特徴の3ピースバンド。今一度活動の足元を固めて制作された新作EP『光あるところ』には、タイトルも含めて物語がにじみ出ている。アコースティックでも魅せる実力派の今後から目が離せない。


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活動を始めたきっかけ
盆丸一生(Vo/G):高校時代、それぞれ他のバンドの出演者として出会っていた盆丸と小柳(大輔:Vo/G)が、地元の友人の企画するライブに出演するために単発で弾き語りデュオを組み、それをきっかけに前身ユニットのゆるやかな活動を続けていました。大学で軽音楽部に入ってからは専らコピーバンドばかりで、小柳との活動は年に数回程度でしたが、大学を卒業する頃、かねてよりイメージしていたバンドセットでの活動を始めることにしました。バンドセットでのライブ初日にベルマインツと名を変え、その半年後にB.前田が加入し現体制となりました。

小柳大輔(Vo/G):2018年の春、以前からやっていた盆丸との弾き語りをバンドに発展させたいよねということで、盆丸の大学軽音のOBの人たちに手伝ってもらって始めました。

前田祥吾(B):大学軽音の後輩である盆丸くんから誘われたことです。
彼はサポートメンバーとしての誘いのつもりだったようですが、早とちりして加入させてもらうことになりました。

影響を受けたアーティスト
盆丸:バンドセットでの演奏に加え、弾き語りデュオ時代から続くアコースティック編成の2軸で活動するベルマインツは、コーラスワーク、ギターを中心としたアレンジ、心地の良いリズムアプローチを心がけて演奏・制作を行っています。

盆丸も小柳も学生時代よく聴いていたコブクロは、それぞれ独立した声色を保ったままハーモニーが成立していて、ベルマインツのコーラスの基軸になっていると思います。



またそれとは逆に、Khruangbin「First Class」で聴くことできるような誰の声ともわからないほどに溶け合うコーラスにも興味があり、今作のEP『光あるところ』に収録されているM4「だって」ではそのようなハーモニーにも挑戦しました。



Peach PitのAL『From 2 to 3』を聴いて、ギターリフの良さに感銘を受けて、改めてギター軸のアレンジを見直すきっかけになりました。



ここ10年ほどずっと憧れの対象であるbonobos。アーバンな空気から土の香りまで、すべてを愛しています。約2年前、日比谷野音のラストライブでは名曲「GOLD」ではサビ前の〈またいつかここで逢おう〉という歌詞にちょっとだけキレながら号泣してました。



小柳:ギターを始めたいと思ったのは、小学校4年生の時に聴いたコブクロのアルバム『NAMELESS WORLD』がきっかけです。
クオリティはもちろん、知名度やセールス面も含めて、完璧なアルバムだなぁと今聴いても思います。
「待夢磨心~タイムマシン~」という曲が5曲目に入っていて、「過去と未来の狭間にいる自分」がテーマなんですが、小学生の自分には詞の意味を理解できるはずもなく、ただただ楽しく聴いていました。今聴くと沁みますね。



前田:カーステレオで父がかけていた井上陽水、姉がかけていたB'z、、中学のときに好きになったSMAPや高校のとき好きになった東京女子流などです。
東京女子流のバックで弾くことは上京してからの秘密の夢だったので、解散が残念です。



注目してほしい、自分の関わった作品
盆丸:今作『光あるところ』は足元を確かめながら少しずつ顔を上げ、ひとつひとつと歩みを進めてきたこの約3年間を詰め込んだ作品です。

事務所から離れる前の最後のシングルである、M5「ランドルート」と同時期に作り始めた曲がほとんど。その後、自分たちの背筋をしゃんと正すために必要なピースとして、シンプルなフォークソングのような8ビートでミドルテンポの楽曲をあまり作ってこなかったことに気付き、ようやく昨年秋に新曲「スロウ」の制作に取りかかることができました。この曲ができたことで、ようやくこのEPの輪郭がくっきりとしてきました。

しばらくベルマインツとしての展望が見えなかった時期がありましたが、この曲ができてからはいろんな曲の形がまた見え始めてきています。



小柳:ベルマインツの「Call」では、全編で僕がリードボーカルをとっています。自分にとっては歌のキーが高く、苦労したような記憶もありますが、同時に達成感もありました。
『光あるところ』の中では、「スロウ」のギターをほぼ全て僕が弾いているので、楽しんでもらえたらうれしいです。

前田:ベルマインツの「浮かれてた」「笑って欲しいよ」は僕の作詞なのでかっこ悪い男性像を堪能して欲しいです。
今作の「グロリア」も盆丸くんと僕の共作になっています。
小さいけど力強いメッセージを込められたと思っています。

今後挑戦してみたいこと
盆丸:今後の活動ですが、アコースティックもバンドもこれまでよりもより豊かに制作していきたいと思っています。アコースティックではフットワークの軽さを活かして、全国各地での演奏がしたい。また都内や地元神戸での拠点作りもできればなと思っています。

なんとかEPリリースまでこじつけましたが、僕らにとって自分たちだけでの制作・運営はなかなか大変で、やりたいことをすべて実現するのはすごく難しいなと思ったこの数年でした。建設的なチーム作りを視野に入れつつ、魅力的なバンドを組み上げていきたいと思っています。

前田:今決まっているツアーを、ファイナルのワンマンまでとにかく来てくれた人を楽しませるものにしたいと思います。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
盆丸:きっかけは確かサントリーのハイボールのポスターだったと思いますが、イラストレーターの木内達朗さんの絵がとても好きでよく作品集を眺めたり、SNSの更新を楽しみにしたりしています。ファンタジーな世界観も誰もが知っているような人間らしい風景も、木内さんの配色やタッチで華やぐイラストがとても好きです。bonobosを好きな理由と少し似ている気がしました。



小柳:テラスカルチャーとか、カジュアルズと呼ばれるような、フットボール(米語、日本語で言うサッカー)ファンが愛好するファッションカルチャーの歴史は、ここ数年ずっと意識しています。
元々幼いころからずっとフットボールを観るのもするのも好きなんですが、ヨーロッパにおけるテラスカルチャーの根強い人気が日本にも波及していると、ここ2〜3年は強く感じます。
AdidasのSambaやHandball Spezialの人気はその最たる例だと思いますが、2020年ごろまでは日本ではなかなか売っている店がなく、どうしたものかと人知れず頭を悩ませておりました。最近はパッと買えるのでうれしいですね。



前田:サッカーが大好きです。チームとサポーターの関係、チームとホームタウンの関係は歴史と絆を感じて熱いです。

今注目しているカルチャー
盆丸:最近インスタグラムで知ったXiaoyue Shenというフォトグラファーの方。平成〜令和をまたぐ世界観に溢れたフィルム写真が連なっており、自然なスナップも演出的なポートレートも、どれも茶目っ気とノスタルジーを兼ね備えていてとても素敵です。被写体の方の、表情やファッション、髪型、どれをとっても魅力的なものばかりです。



小柳:あらためて取り組みたいと思っているのは、宗教学(主に、キリスト教)の勉強です。
大学時代に少しかじっていたんですが、資本主義とキリスト教の深い関係など、学びなおしたいなと思っています

前田:今更ですが、銭湯が好きなので今一度公衆浴場を巡りたいです。

RELEASE INFORMATION

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ベルマインツ「光あるところ」
2025年5月14日 (水)

試聴はこちら

LIVE INFORMATION

BELLMAINZ LIVE TOUR 2025 『光あるところ』
2025年5月23日(金)
京都・木屋町 UrBANGUILD
open 19:00 / start 19:30
guest:水平線

2025年5月29日(木)
東京・下北沢 BASEMENTBAR
open 19:00 / open 19:30
guest:砂の壁、碧海祐人と遊楽隊

2025年6月1日(日)
愛知・鶴舞 KDハポン -空き地-
open 18:45 / start 19:15
guest:The Shiawase / アフターアワーズ

2025年6月7日(土)
大阪・心斎橋ANIMA
open 14:00 / start 14:30
※ ワンマン公演

前売 : ¥3,500 / 当日:¥4,000
※ 別途1ドリンク代を入場時にお支払いいただきます。

PROFILE

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ベルマインツ
2018 年に結成された3人組ポップス/ロックユニット。
神戸・東京を拠点に活動している。ツインボーカル+コーラスの立体的な歌声と、懐かしさを帯びたメロディが特徴。メンバー 3人で行うアコースティック編成から、サポートメンバーを迎えたバンドセットまで、柔軟なスタイルでライブを展開している。
重なる声のハーモニーで紡がれる言葉、ギターを中心としたサウンドは、人々の心の奥に潜むさまざまな風景を描く。

LINK
オフィシャルサイト
@bellmainz
@bellmainz_
@bellmainz
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