SENSA

2021.12.13

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、12/8にオンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


MISATO:12月6日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全24作品の中から、まずはPart 1の8作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!最後に流れたのが、はじめましてですね、ShouBit

金子:札幌を拠点に活動しているラッパーです。FRIENDSHIP.から前にリリースしている4hou$eがプロデューサーとして関わっていて、札幌と4hou$eのいる川崎をリモートで結びながら制作されたそうです。

MISATO:2年かかったと書いてありますもんね。結構長く、コロナ禍の中で作られた曲たちなんでしょうね。

金子:お2人は先輩・後輩みたいな感じで、ここにもストーリーがありそうな感じですね。



MISATO:そして、EMERALD FOURのリリースもあります。

金子:EMERALD FOUR、やっとアルバムが完成ということで。今週はアルバムがめっちゃリリースされてるんですけど、コロナ禍の中でじっくり作ってきたものが、この年末に遂に出るっていう感じがしますね。EMERALD FOURのアルバムも「過ぎ去った時代に対するノスタルジーと、新しい時代に対する喜び」がテーマになっているそうで、まさにこのタイミングで聴きたい作品だなと思います。



MISATObonobosもリリースになりました。かっこいいですね。

金子:かっこいい!前にこの番組でちらっと紹介した「Soundscape」というFRIENDSHIP.が主催するイベントにbonobosが出てて、この曲をいち早くやってたんですけど、ライブバージョンもめちゃめちゃかっこよかったです。



MISATO:いいな〜。

金子:こういうビートで攻めるタイプの曲はかっこいいですよね。

MISATOCRCK/LCKSの小西遼くんの仕事の妙と言いますか。

金子:そう、小西さんはライブにもサポートで出演していました。

MISATO:彼がいないと成り立たない曲ですよね。

金子:最近の曲はほんとそうですね。



MISATO:そんな中、1曲ご紹介しましょう。

金子:今週は赤い靴を紹介します。こちらもアルバムが完成しました。

MISATO:5年ぶりとなります。

金子:結成10周年で5年ぶり4枚目の、とても良いアルバムでした。ジャズ、ピアノを基調としたポップスみたいなところがベーシックにはありつつ、曲によってはペダルスティールを使ったカントリーっぽい曲があったり、ヒップホップっぽいループが気持ちいい曲があったり、あとodolのこの前の作品にも参加してた岡田拓郎くんがここにも参加していて、アンビエントっぽい曲調をやってたりとか。本当に上質な、それでいてちゃんとインディー感もある、大人のポップスを聴かせてくれてるという感じで、素晴らしかったですね。

MISATO:アルバムの中からどの曲を紹介しましょうか?

金子:「LIFE」という曲を紹介しようと思うんですけど、『OPEN THE DOOR』というアルバムタイトルは、やっぱり赤い靴として"新しい扉を開く"ということであり、コロナ禍からの新しい出発みたいな意味合いもあると思うんですけど、これまでディスタンスの世の中だったところから、扉を開けていろんな人と繋がっていく、繋がり直す、みたいな意味にも取れるなと思って。この「LIFE」という曲の中に〈一人で人生は作れないものです〉という印象的なフレーズがあって、繋がって共に生きていく、共生の感覚みたいなものも、このアルバムから感じられるなと思いました。



MISATO:この1曲の中でも、自分と照らし合わせながら、その余白の中で「じゃあ、次のストーリーは何を想像しようか?」という、想像力を膨らませられる1曲になってますね。

金子:歌詞も素晴らしいと思います。




New Release Digest Part 2


MISATO:12月6日週リリースの新譜ダイジェストPart 2をお送りしました。はじめましてですね、bulbs of passion。ようこそ!

金子:曲タイトルが、「すべてが狂ってる」。

MISATO:なんというタイトルでしょう。ストレートで良いですね。

金子:中学の頃の幼馴染で結成したバンドだそうですが、ボーカルの声がすごく特徴的なので、すでに一個武器を持ってるなって感じがしますね。これからが楽しみなバンドです。



MISATO:音の使い方も浮遊感あって面白いですね。そしていいですか?saccharinが出たんですよ。

金子:推しゴトしちゃいますか?

MISATO:あはは。またここで小西遼くんが大活躍しています。

金子:ここにもいますね、さすがです。



MISATO:チームとして良いですよね。さらには、Mark Diamond

金子:Mark Diamondも遂にアルバムが完成という。

MISATO:だいぶコンスタントにご紹介してきたイメージです。

金子:これまで出してきた曲が詰まっていて、まさにここまでの集大成と呼べるアルバムが遂にできたという。

MISATO:それこそMark Diamondさんもコロナ禍の中で作った曲をたくさん出して来ましたからね。

金子:いろんな場所に行ったりもしてましたよね。

MISATO:帰らずに故郷のことを思う、みたいな曲もありましたからね。どんな1枚になっているのか、楽しんでください。



MISATO:そんな中、1曲紹介しようと思いますが。

金子チーナを紹介しようかなと思います。こちらもアルバムができました。今回は5人組のチーナと、あと15人編成のチーナ・フィルハーモニックオーケストラが連名で発表する初めての作品で、1枚の中にチーナで作ってる曲もあれば、15人編成で作ってる曲も入ってるという作品になっています。『Hey bon』 というタイトルなんですけど、これは"平凡"を少し面白くした言い方で、平凡な日常こそがドラマチックなんだというのを、歌詞では日常的なことを歌いつつ、それをチーナらしいオーケストラルポップに乗せることで、ドラマチックさを表現してる。そこが素晴らしいバンドだなぁと思います。

MISATO:推しの曲が、「トランプゲーム」になってますけど、今回は何を紹介しますか?

金子:前に紹介した「ようこそここへ」もインパクトありましたが。


MISATO:昭和歌謡をモチーフにしたやつですね。

金子:そうです。ちなみに僕は「ようこそここへ」というタイトルで、その後にワンマンライブがあったから、そのライブのことを意識した歌詞かなと思ってたんですけど、ボーカルの椎名さんが出産して、その後に初めて書いた曲だったらしく。

MISATO:え!?まさに日常の中のドラマチックなきらめきだったんだ。

金子:そうなんですよ。

MISATO:うわーやられた...。

金子:そして、この曲でアルバムを締めくくっているという。

MISATO:なんかちょっと泣きそう。すごいですね。人生の節目節目に立って、だって毎日誰かの誕生日なわけですし、 素敵だな〜。

金子:と言っているから、その曲を紹介しそうですけど...「トランプゲーム」も、それこそ日常生活をトランプゲームとかに例えて面白く綴ってる曲で、アッパーでコーラスも楽しい曲なので、今週はこの曲を聴いてもらおうと思います。



MISATO:「ようこそここへ」でようこそされたそのお子さんが、大きくなっていく上で、この「トランプゲーム」を歌うようになったらまた良くないですか?

金子:いいですね〜。

MISATO:「自分の人生を私が生きていくんだ」というね、「じゃあ踊るわ」と言うようになっていったら素敵だなぁ。

金子:最初のコーラス部分とかはお子さんでも一緒に歌えますからね。

MISATO:そうですね!素晴らしい作品でした。



New Release Digest Part 3


MISATO:12月6日週リリースの新譜ダイジェストPart 3でした。一番最後の曲に触れたいのですが...Day on Umbrella、初リリースであって、すでに解散しているという。楽曲を含めてエモーショナルですね。

金子:映画のサントラをバンドが手がけているみたいなのですが、彼らにとっても映画にとってもメモリアルな曲になっているのでしょうね。



MISATO:そして、YAJICO GIRLが出ましたね。先行シングルです。

金子:最近のYAJICOは音楽的に攻めた、ダンストラックの楽曲が続いてましたけど、今回は音楽的にも面白いことをやりつつ、グッドメロディーの良さを全面に出していて、とても良いですね。最近のバンドで言うと、マカロニえんぴつとかにも負けてないと思うし、「チルドレン」というタイトルなので、なんならMr.Childrenにも負けてないくらいのポピュラリティーを秘めたバンドだなと、こういう曲を聴くと改めて思いますね。



MISATO:そして、リ・ファンデ。初のソロアルバム以来のアルバム作品?

金子:そうですね。リ・ファンデもよかったですねー。

MISATO:1年ぶりになるわけですね。

金子:いつもコメント書いてくれているキュレーターの平さんが、Silk Sonicの名前をあげてくれていて、たしかにこのソウルの感じはわかるなと思いました。



MISATO:思い出野郎AチームのDJ サモハンキンポーとか、ゲストミュージシャンも豪華なんですよね〜。そんな中、1曲ご紹介しようと思いますが。

金子:はい、壱タカシさんの楽曲をかけようかなと。

MISATO:壱タカシさんのアルバムはもうびっくりしちゃって。現代芸術ですね。このアルバム自体が近代美術館に置いてありそう。

金子:これまでにも紹介してきた楽曲がアルバムとしてまとまっているわけなんですけど...少し前にAdeleがSpotifyに「シャッフルはなくして、アルバムは曲順で聴いてほしい」と言ったじゃないですか?

MISATO:言ってましたね。

金子:このアルバムとかまさにそうだなと。これまで単曲で聴いていたものをアルバムの曲順で聴くことによって、ストーリーが浮かび上がってくる作品になっています。壱さんご自身がセクシャルマイノリティーで、そのことを作品のテーマとして描いてるんですけど、まず自分の中での気づきがあり、それによって解放されたような喜びもあれば、それによって生まれる軋轢みたいなものもあって、最終的に何かが解決するわけではないのかもしれないけど、自分の中でひとつ腑に落ちて、次へ向かっていく、みたいなストーリーが感じられるんですよね。これは曲順通り聴くことに意味がある、だからこそ、芸術作品とも言えるものだと思います。

MISATO:本当に長い時間をかけて作ったんだなというのが見える、それは人生そのものですからね。納得の1枚。

金子:自分の心と向き合いながら作っていったんだと思います。アルバムには音楽的にもいろんな要素が入っているのですが、この「楽しさ」という曲は壱さんのトラックメイカーとしてのかっこいい部分がすごく出てる曲だと思います。



MISATO:なかなかタイトルに「楽しさ」とはつけないと思うので、壱さんの言語能力の高さを感じるというか、面白い言葉選びをされますよね。「液体」という曲の落ちる音があるじゃないですか?あれってなんの液体が落ちているんだろうって想像が膨らんだり、本当にアートですよね。

金子:少し不協和音でね。

MISATO:このゾワゾワっとする感覚も、人生の中で避けては通れない感覚というか、誰しも感じているところだと思うので、それをあえて作品にするという。壱さんが1枚になにを込めたのか、みなさんぜひ聴いてみてください。




RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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