2021.11.15
bonobos・Keishi Tanaka・LITE・odolらが出演、「Soundscape」スペシャル座談会。コロナ禍を生き抜くアーティストのいま
今回は「Soundscape」開催をきっかけに、bonobosの蔡忠浩(Vo/Gt)、Keishi Tanaka、LITEの武田信幸(Gt)、odolのミゾベリョウ(Vo/Gt)を迎えて座談会を行なった。それぞれの音楽に抱くリスペクトやライブの変化、デジタル配信の在り方について、FRIENDSHIP.キュレーター タイラダイスケがざっくばらんに話を聞いた。
特にコロナ禍の活動についての話題では、ライブという場所がリスナーだけではなく、アーティストにとってもいかに大事かということが伝わるのではないだろうか。
海外を視野に入れるインディーバンドの先駆者LITE
─まずはどういうふうにお互いの音楽を見ているかな、というところを聞いていきたいんですけど。LITEについて。蔡さんから見た音楽的な印象はどうですか?
蔡:LITEは完全にサウンドが海外仕様になっている、という感じがしました。
─どういうところに感じられましたか?
蔡:音像もそうだし、楽器の配置とか。細かいところを言うと、リバーヴのかけ方とか、全部ですね。フレーズとかムードもそうだし、かっこいいな、と。聴きながら、「あ、ダブだ」と思ったりもしたんですけど。ダブの要素もけっこう入ってますよね?
武田:ありますね。
─次はミゾベさん、LITEの印象は?
ミゾベ:僕らもLITEと同じように中国とかにライブで行ったことがあるんですけど。日本以外の場所で活躍するっていう先駆者のような感じがします。まだ僕らは海外にホームのようなものを作れてはいないのですが。蔡さんもおっしゃったように音像も含めてかっこいいです。
Keishi:ほんとLITEには海外のイメージがありますよね。僕からすると、インストバンドという存在が自分から遠いところにいる気がしていて。ないものねだりというか、憧れがあるんです。あと、ドラムの山本くんがずっと気にしてくれてて。僕はバンドではないので、ドラムがいろいろ変わったりもするから、「俺みたいなドラムがほしいとき、言ってください」って言ってくれてるんです。
高いスキルとバランス感覚が群を抜くbonobosの音楽
─じゃあ、次はbonobosに対して、武田くんの印象を聞いてもいいですか?
武田:ここでこれを言っていいのかわからないけど、(所属事務所の)HIP LANDの補助金の申請とかも、(行政書士として)僕、関わって手伝ったりしているんですよ。
蔡:そうか。
武田:蔡さんのソロのツアーだったと思うんですけど。
蔡:そうですよね。お世話になりました。
武田:そこであがってる動画とか音源をチェックさせてもらったりもしていて。改めてソロプロジェクトも聴かせてもらいましたけど、この高い声はどこから出ているんだろう? どういう人なのかな?ってすごく気になってました。
Keishi:ライブで歌うの大変そうだなあ、と思いますよね。
一同:(笑)。
武田:難しそう。
Keishi:それこそLITEもそうですけど、技術がある人たちはできちゃうから、やっちゃうと思うんですよ、そういうの。インストバンドはそれが楽しくて、例えば変拍子が入ってきたりとかもあると思うんです。歌モノでそういうバンドがあんまりいない感じがするし。
蔡:どうしてそうなるかって言うと、ビルボードライブにエリカ・バドゥを見に行ったの、何年か前に来たときに。あの人、すっごい歌うまいじゃん。でも聴いてるぶんにはすごくナチュラルに歌ってて。あれを聴いちゃうと、自分でもやりたくなるよね。自分でもできるんじゃないかと錯覚しちゃうんだよね、うますぎて。それで、あんな感じのことにチャレンジしてみようと思ってメロ書いたりとかすると、とてつもなく難しい。
Keishi:エリカ・バドゥ自身は歌だけですよね?
蔡:歌だけ。
Keishi:蔡さん、弾きながらやってるから...(笑)。
蔡:僕は歌ってるときは弾かないようにしている。メンバーから「手数が足りないから、蔡さん弾いてくださいよ」って言われるんだけど、「無理」って。
Keishi:よく弾き語りを一緒にやってるんですけど、もちろん歌だけでも素晴らしいのに、バンドのときはそこだけじゃないものを追求してる感じが素晴らしいな、と思いますね。
─ミゾベさんのbonobosの印象は?
ミゾベ:そもそもバンドの名前を知ったのが中学生くらいのときだったんですよ。ほんとにファーストぐらいのときだったんですけど。
蔡:そうかあ。
ミゾベ:そのときは友だちに教えてもらって聴いたんです。でも、調べても出てこなかったんですよ。僕、法政大学(卒業)なんですけど、学祭で...。
蔡:あー、行きましたね。
ミゾベ:それを見て、演奏がうますぎるな、と思って。これがプロなんだな、みたいに思ったのがいちばん印象に残ってます。
蔡:光栄ですね。
ミゾベ:僕らそのとき、まだデビュー前の手探りな状態で、ある種轟音でごまかすみたいな感じだったんですけど。(bonobosは)音数が少なくてもバランスがいいんだろうなと思いました。
その瞬間に自分の世界を作り上げるKeishi Tanakaの記名性
─次は、Keishiくんの印象について。蔡さんからお願いします。
蔡:ここ数年、お互いソロになっていって、Keishiくんが歌ってるのをすぐ目の前で見たりもしてるんですけど。それよりも心の交流のほうが強いですね。
─その心の交流のあとにKeishiくんの音楽を聴くと違って聴こえるとか?
蔡:そうなんですよ。Keishiくんの音楽のムードは俺とはまた違って、自然とお客さんを巻き込むというか。瞬間的にそこにフェスティバルを作る感じに憧れるんですよね。
Keishi:いやいや、逆に言わせてもらうと、俺、蔡さんと対バンするようになって、弾き語りで座るっていうのをやりはじめました。
蔡:ほんと?
Keishi:それまでは立ちで弾き語りをやってたんですよ。riddim saunterでバンドをやってて、ひとりになったけど、同じような全力の熱量で弾き語りをやってたんです。でも、そのあと、蔡さんが座ったままでやってるのを見て。それが全力じゃないとは全く思わないじゃないですか。この全力の出し方ができないとダメだと思いましたね。
蔡:(笑)。
─ミゾベくんから見たKeishiくんは?
ミゾベ:ボーカリストとしての自分との比較なんですけど、真逆だなって思ってます。自分は「僕が」って感じの歌じゃないんですけど、Keishiさんは「俺」って感じがするんです。それはソロっていうのが大きいのかもしれないですけど。パーソナリティも含めて、責任が100%自分にあるというか。僕らのバンドは、曲を書いているのがピアノの森山で、僕は作詞と歌なので。ある種ナレーターみたいなものだと思うんです。でも、Keishiさんは記名性があるというか。聴いたら、その人だって顔が想像できますよね。
Keishi:うれしいですね。
ミゾベ:それが僕には一生できないと思いつつ...。
一同:いやいやいや。
Keishi:まあ、ソロだからと言うのが、たしかにあるかもしれないですね。
─武田くんから見たKeishiくんは?
武田:riddim saunterのときって、どちらかと言うと、スカを基調にした元気な印象をすごく持ってたんです。そこからソロになっていくところもずっと見てますけど、Keishiくんって...すごくいい人じゃないですか。
一同:(笑)。
武田:いい人で純粋そうっていうのが俺の見た感じなんです。ものに対して真正面から向き合っていくエモさみたいなものが、メロディとか歌い方に落とし込まれてるなと思ってて。riddim saunterのときの初期衝動とか純粋さみたいなところも引き継ぎながら、ソロをやってるなっていうのをすごく感じてます。
メンバーの個性が生きるバンドの理想形odol
─最後、odolに対しての印象を、Keishiくんから聞かせてください。
Keishi:さっきの話を受けてになるかもしれないですけど、僕はバンドの理想みたいなものが、ひとりだけじゃないほうがいいなと思っていて。odolはそのバランスがいいんだろうなっていう印象はありますね。あとね、「かたちのないもの」のLyric Videoを見てヤラれたなって思いました。歌詞が縦で消えていくやつ。ちょっとパクりたいなって思うぐらいだったんですけど、流石にパクるには近すぎるなって(笑)。
蔡:じゃあ、©️入りで。
一同:(笑)。
武田:僕が最初にodolを認識したのは(新代田)FEVERのイベントで聴いたときかな。めっちゃ褒め言葉として言うんですけど、すごくサカナクションの初期の流れを汲んでいる印象を受けたんです。で、そのあと、HIP LANDでやってるアーティストって聞いたときに合点がいったんですよね。でも、最近のピアノの感じの曲を聴かせてもらうと、また全然ベクトルは違う。そこに才能を感じました。俺が言うことじゃないけど(笑)。
─蔡さんはどうですか? odolについては。
蔡:2021年の曲を聴いてて気になったんですけど、なんかボーカルの処理というか、オクターブ上に何か(エフェクトを)かけてるんですか?
ミゾベ:聴いていただけた曲がどれかわからないのですが、ほとんどは自分で歌っています。
蔡:マジか。本当に? すごいですね。びっちりタイミングとかすべて合ってるから、これ何かかけてるのかな、と思って。
ミゾベ:でもいちばん最近の曲だと、音像的にエフェクトをかけているものもあります。
蔡:曲を作っていて、いわゆる邦楽っぽい作り方からどんどん外れていって、アメリカ、ヨーロッパだけに限らず、いろいろな海外のところを参照にしていくと、日本語で歌うことが、どうしてもハマらないようになってくるんですよ。壁にぶち当たったときに、いろいろと回避する方法を考えたときに、やっぱり声も楽器にするというか。そういうやり方を模索するなかで、odolのボーカルはすごく参考になるなと思いましたね。
コロナ禍における活動の軸にあったもの
─次のテーマですが、コロナ以降のライブの考え方を伺いたいです。Keishiくんと蔡さんはスタンスが近いのかな、という気がしています。どちらもソロの弾き語りをやっていて。
Keishi:ライブはやってるほうだと思いますね。自分のイベントでは知ってる会場を選ぶようにしたんですよ。それぞれの街の感染状況やテンション感とかはこっちでわからないから、その街の信頼できる仲間に教えてほしいという話をして。やれないところは中止にして、お客さんにはできるだけ払い戻しがないようなチケットの売り方をするようにしてました。でもこれって何が正解とかないじゃないですか。
─ええ。
Keishi:僕の場合で言うと、弾き語りで、静かに聴くだけでも楽しめる音楽をやろうと思ったんです。お客さんに我慢をさせないというか。ずっとそういうふうにやってきて、いまツアーが終わったところなんですけど、そろそろ踊れるっていうところにシフトしていきたいと思っているところですね。11月22日は、そのはじまりになると思います。
─蔡さんはどういうふうに考えてライブ活動をされてましたか?
蔡:もともと一昨年からアルバムの制作とレコーディングの予定だったので、ライブの本数自体は多くなかったんです。それでもコロナでツアーを全部延期にして。大所帯のバンドでまわるのは物理的に厳しかったですね。弾き語りはキャパ自体が、多くても100人とかだから、ライブのあとに、ある程度お客さんを追跡できる環境だったりもするので。緊急事態宣言の間を縫って、「よし、いまだったらいける」みたいな感じでやったんです。
─なるほど。
蔡:やっぱりバンドだと、決めて、告知をして、開催するまでの時間が必要なんですけど、弾き語りは、なんなら1週間前に決めて、告知をして、やるっていうのも物理的には可能なんですよね。だから、ひとりでまわるのにさほど不自由はなかったと思います。でもまあ、ずっとバンドでライブができないのはフラストレーションが溜まります。こんなにライブがないっていうのは初めての経験なので。
─Keishiくんと同じように、そろそろ踊るライブを見せたいな、という感覚はありますか?
蔡:それもあるし、対バンをやりたい。
Keishi:対バンがたまにあると、「久々だな、この感じ」というのはありますよね。
蔡:やたらと盛り上がっちゃうんだよね(笑)。
─LITEは昨年から今年まで独自の活動も多かったのかな?
武田:そうですね。
─家からリモートライブをやったり。この前、有観客でワンマンもありましたけど、どういう想いで活動をしていたのでしょう?
武田:バンドって人数が集まるから、動きづらいんですよね。スタジオにも満足に入れないとなったときに、じゃあ、それぞれの家から同時に配信しようっていうやり方を、ZoomとかYAMAHAのSYNCROOMとかを駆使してやってみたんですよ。それが技術的にうまくいったので。物理的なライブは控えて、完全にオンラインに振り切ってやりました。
Keishi:バンドで繋いで生配信をやったのも早かったですね、あれ、何月くらいですか?
武田:はじめたのは5月くらい。
─昨年の5月ですよね。
Keishi:俺らはひとりだから、わりと弾き語りで配信をしてたけど、オンラインで「誰かと合わせるの無理だよね」ってなってたんですよ。それこそ昨年の4月に。
ミゾベ:ラグがあるから合わせるのは無理だよねって。
Keishi:そう思ってたのを、LITEが超えてきたぞ、みたいな。
武田:でも、それだけ配信をやりましたけど、結局、曲作りは進まないんですよ。モチベーションが生まれてこないというか。どこに向けて作るんだろうってなっちゃうんです。
Keishi:すごくわかるなあ。
武田:そういうなかで、この前、人を入れてちゃんとワンマンをやったときに、「あ、やっぱりこれだよね」っていうのがあって。そこからちょっと目の色が戻ってきたというか。配信ばっかりやってたらダメだなっていうのは思いました。
Keishi:コロナになった最初の頃ですけど、ミュージシャンはライブできないんだったら、制作すればいいじゃないか、みたいな声が聞こえてきて。すげームカついた気がする。
一同:(笑)。
Keishi:ちょっと待ってくれよ、みたいな(笑)。
武田:時間だけで考えればそうなんだけど。
蔡:バンドマンって、わりとライブしながら作ったりとかしてるもんね。
武田:ライブでお客さんの前でやったときの反応を楽しみにして作っているところもやっぱりあるのかなって、改めて思いましたね。
─ミゾベさん、odolは新しい体制になって、ライブに向けては改めてずっと準備をしてきてっていうかたちですかね。
ミゾベ:僕らはコロナの期間に2人抜けて3人になったので。いまの話の流れとは真逆なんですけど、むしろ制作をしてました。コロナの1年半くらいで、ライブをできたのは2、3回くらいなんです。理由としてメンバーが減ったのも確実にあるんですけど、僕らは完全にリモートで曲作りのやり取りをしていて、ライブと曲作りは切り離して考えてたので。むしろ曲を作るモチベーションは高かったですね。
Keishi:もちろん集中して曲作りをできるなら、それがいちばんいいですよね。
ミゾベ:でもやっぱり昨年の末に5人でワンマンやったんですけど、そこで、「あ、やっぱりライブはいいな」みたいな感じはありました。3人になって、過去の曲をやるのにも準備が必要になったんですけど、来年くらいから、ぼちぼちライブやりたいなと思ってたところに今回の話をいただいたので。しっかり準備していきたいと思っています。
─新体制になってからのライブは初めてですか?
ミゾベ:2回目ですね。GREENSの六甲山の夏のイベントがあって。東京では初です。
デジタル配信のメリット、デメリット
─11月22日のライブはFRIENDSHIP.の冠がついているイベントということで。日本のリスナーにはまだデジタルが普及しきってない状況だと思いますけど、デジタルのプラットフォームだったり、ストリーミングの是非について伺いたいです。
Keishi:まだ日本は普及しきってないですか?
─たとえば、Spotifyとか音楽のサブスクリプションサービスを利用しているのが、いま日本では約1,500万人と言われてます。
ミゾベ:海外と比べると、ということですかね。
Keishi:だいぶ浸透してきたと感じますけどね。
蔡:そうね、CDが売れなくなればなるほど、そういうことって感じるよね。
ミゾベ:僕らはもはやCDが売れていた時代を体感していないんですよ。
Keishi:そうか。でも僕らも23歳くらいで初めてアルバム出したときは、すでに「昔は売れてたらしいよ」っていう感じだったんですね。
ミゾベ:僕らはファーストアルバムからサブスクがあったので。
蔡:あー、そうか。逆に俺らがデビューしたときは、まだ配信とかは影もかたちもなくて。新人バンドでも「とりあえず5万枚めざせ」って言われてたもん。
Keishi:なにかしらの1位ですね、いま5万枚だったら。
─デジタルでリリースをすることにはもう抵抗はないですか?
蔡:全然ないですね。音質とかはCDでも一緒でしょうし。
武田:ただ、いま聞いてて思ったけど、CDを完全に出さないというのはピンとこないですね。ストリーミングのみに振り切るほうが経済的にはいいのかもしれないけど。
Keishi:逆にCDを出さないと、制作費的にきついという場合もあるかもね。
武田:まあ、たしかにストリーミングだと(売上が)全然入ってこないからね。それはそうなんだけど...。
蔡:いま作ってるバンドの作品もさ、マネージャーを入れて会議をしてて、「今回CDどうします?」って聞かれて。「えっ? そういう感じなの?」って前のめりになったもん。ちょっとCDがグッズっぽい感じになってきてる気がする。
武田:そうですよね。目に見える範囲の人たちに対してはCDを売りたいけど、でもその外の人たちに向けてCDを作るという感じではないんですよ。
ミゾベ:買ってる人もCD音源を聴くのかというと、そうではなくて。CDは買うけど、たぶんサブスクで聴いてる人も多いと思います。
Keishi:持っていたいから買うけどってことですよね。最近のパソコンはCD入らないし。
ミゾベ:ただ、モノがあるということを、僕はポジティブに捉えてます。
Keishi:結局、選べるほうががいいっていうことですよね。
─逆にデジタルで出してよかったなって感じることはありますか?
ミゾベ:CDだけを出しているよりも広がりがあったのかなって思いますね。自分自身、サブスクで音楽を掘ることがほとんどなので。
蔡:Spotify for ArtistとかApple Music for Artistもそうですけど、リアルタイムで(視聴回数が)増えたりするのが見られて、おもしろいです。どういう地域でよく聴かれているとか。それも日本だけでなくて、世界中のデータがあるので。たとえば、インドネシアでとか、意外なところすごく聴かれてたりとか。曲によってはですけど。
Keishi:ラジオとか有線に近いかもですね。
武田:僕らはここ最近、コラボレーションで出すことが多くて。誰かに参加してもらって、LITEの曲をもう1回出すみたいなことを、半年前くらいから毎月1曲ずつやってるんですよ。そこで気軽に出せるところがデジタルのいいところだなと思いました。とりあえず今月はこの曲、来月はこの曲みたいにカジュアルに出していけるので。
蔡:たしかにね、配信だと本当に早いですよね。
武田:「来月出そう」みたいなことができるし。
「バンドの音楽は、お客さんとの交わりを想定してる音楽って強く感じる」
─では最後に、11月22日のライブに向けての意気込みだったり、どんなライブにしたい、みたいなことを聞かせてもらえますか?
ミゾベ:3人になって初というのもあるんですけど、それ以上にメンバー全員憧れの先輩の胸を借りるつもりなので。純粋に楽しみにしてます。
Keishi:さっきもちょっと言ったけど、バンドセットで久々にやるっていうタイミングなので。7人編成でやるんですけど、その編成は1年ぶりなんですよ。この1年半やってきたことの次の段階を感じられたらいいなと思ってます。あと、某スタッフから言われたことがあるんですけど、「蔡さんはKeishiさんといるときは楽しそうだ」と。
蔡:どういう種類の告げ口なんだろうね(笑)。
Keishi:だから、当日は蔡さんが楽しそうなの見れると思いますよ(笑)。
武田:コロナ禍は対バン自体が少なかったし、今回、誘われたのが本当に2年ぶりとかなんですよ。しかも対バンってなると、大体近いジャンルで固まることが多いじゃないですか。ポストロック系とかマスロック系みたいな。というのではなく、もっと視野の広いところに一緒に出てやるっていうのが相当久しぶりだな、と思ってて。この実力者たちのなかに入れてうれしいなという気持ちですね。
蔡:みなさんのおっしゃる通り、bonobos自体も本当にライブの本数が減っていて、なかなか回復できないんですけど。ま、アルバムを準備しているので、そのなかから新曲をおろせるかなって思ってます。練習しなきゃいけないですけど(笑)。対バンだと、他の出演者のドラムのチューニングだったり、いろいろな部分が見られるし、どんな機材を使ってるのかも知れるので。「いいな」って思ったら速攻パクります(笑)。
Keishi:オンラインだとパクれないですもんね。(アーティスト自身に)聞きたい放題ということですね、当日は。そこにいるから。
蔡:そうそう。
Keishi:そういう意味でもちょうどいいい距離感のイベントですよね。近すぎたら全部知ってるし、はじめましてすぎても聞けないし。
蔡:あと、お客さんなしのライブ配信を1、2回やったんですけど、なかなかつらいものがあって。誰もいないところでジャガジャンって終わったあと、虚しさを感じてしまったんです。バンドの音楽って、やっぱりお客さんとの交わりを想定してる音楽だなって強く感じるんですよね。今回は有観客っていうのが本当にうれしいです。
Keishi:配信もあるんですよね?
─配信もあります。
Keishi:じゃあ、ちょっと違いますね。お客さんがいない配信とは。
LIVE INFORMATION
Soundscape : Curated by FRIENDSHIP.
日時 : 2021年11月22日 (月・祝前日)
会場:恵比寿LIQUIDROOM
開場 17:30 / 開演 18:00
出演:bonobos、Keishi Tanaka、LITE、odol
チケット:
<来場+アーカイブ配信付きチケット>
A TICKET (スタンディング + 配信アーカイブ付き) 前売¥4,000 (D代別/税込)
<配信チケット>
前売¥2,000(税込)
当日¥3,000(税込)
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