- TOPICS
- FEATURE
2021.10.31
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!YAJICO GIRL・BROTHER SUN SISTER MOON・MUSIC FROM THE MARSほか全17作品 -2021.10.27-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:10月25日週にFRIENDSHIP.からリリースされる新譜、まずは前半を紹介しました。リリースおめでとうございます!「私ファラオになりたいの〜♪」(笑)。
金子:東京○×問題の「ウキウキ雨季」、歌詞やばいですよね。めっちゃ耳に残る。
MISATO:すぐに歌えちゃいますね。耳に残る曲がたくさんリリースされておりますが、アイラヴミーも良いですね。
金子:アイラヴミーはFRIENDSHIP.からは初めてのリリースなんですけど、2016年結成なので短くないキャリアがあって、昨年はNHKの『みんなのうた』に曲提供してたりもします。
MISATO:すごい...!
金子:「答えを出すのだ」という曲を提供してるんですけど、ボーカルのさとうみほのさんは自分のことを〈ダメンタル女子〉と言っていまして。
MISATO:いいな〜。
金子:ダメンタルなんだけど、それでも頑張っていこうね、というのが歌詞のメッセージとしていろんなところに入ってるんですよね。今回の曲もタイトルからして「弱虫のラブソング」という、〈ダメンタルなんだけど〉という部分が感じられて、いろんな人の共感を呼ぶんじゃないかなって。一方で、メンバーのプロフィールを見るとThe 1975とかが好きみたいで、サウンドメイキングは海外のアーティストもかなり意識していると思います。そういう意味では、アツキタケトモさんとかと近しいものがあるなと。人懐っこいんだけど、攻めているというか。
MISATO:なるほど。歌詞とか歌声には、日本の歌心みたいなところも感じられるけど、エレクトロなポップさというのも入れて、バランスがいいですね。
MISATO:さらにERWIT、今回また新境地だなと。
金子:ERWIT、好きっすわ、僕。
MISATO:ドラマーの神谷洵平さんがご一緒されていて。
金子:ERWITは今回2曲目のリリースで、前回に続いて今回も神谷さんプロデュースなんですけど、まあクオリティ高いなぁと思って。いわゆるインディー・フォーク的な、初期のBon Iverだったり、日本でいうとROTH BART BARONとか、そういうところに通じるサウンドだと思うんですけど、エレクトロニックな処理であり、それに対する生楽器の入れ方、そしてメロディーラインの秀逸さ。これはね、もっと売れなきゃダメでしょ、みたいな感じがしましたね(笑)。
MISATO:お!厚武さん、目がマジのやつですね(笑)。
金子:名古屋に在住の方で、本当は上京する予定もあったみたいなんですけど、このコロナ禍でなかなかそれが進まないっていう想いも、今回の曲には込められてるみたいで。そういう想いを乗せた曲がたくさんの人に聴かれて、来年以降に上京するきっかけにもなったら良いなという願いも込めて。
MISATO:私たちも後押しできるといいですね。そんな中、1曲お送りしますが...。
金子:はい、今週はBROTHER SUN SISTER MOONがついにアルバムリリースです。
MISATO:あ〜待ってました!おめでとうございます。大変だったと思うんですよ。
金子:彼らもキャリアがスタートしてすぐコロナ禍に入って、たしかにいろいろ大変なこともあったはずで、本当にやっとできた1stアルバムだと思うんですけど、めちゃめちゃ良いですね。
MISATO:ね!素晴らしいですね。
金子:これまでに出してるシングルも一通り入って、集大成的な内容になっています。彼らのシグネチャーであるノスタルジックなムード、フィル・スペクターかな?みたいな、その感じもしっかりありつつ、でもサウンドメイクはやっぱり攻めていて、トラック的にはすごく面白いし、なおかつやっぱりこの兄妹の歌、そしてメロディのポップさ。まさに三拍子そろった素晴らしい仕上がりになってるなと思います。
MISATO:ベタ褒めですね(笑)。アルバムも1曲1曲が際立っていて、いろいろなアレンジの中にジャンルがミックスされている形で、その幅の広さも聴いていただきたいですね。
金子:もはやジャンルは関係ない、みたいなところも体現していると思うし、今回は曲によってゲストでキーボードの高野勲さんが参加されています。高野さんはGRAPEVINEからサニーデイ・サービス、Yogee New Wavesなど本当にいろんなところで活躍されている方ですね。あとGateballersのギターの濱野夏椰くんも参加していたり、プロダクションの面でも更に強化されている。アルバムタイミングでのリードになっている曲は、アルバムの最後に入っている7分に及ぶ大作で、そういう全体の構成もしっかりしているし、非常に聴きごたえのあるアルバムになっていると思います。
MISATO:(「A Whale Song」紹介後)音色・音像がすごくきらびやかで、「これってどこから取ってるんだろう?」とか「どういう音を重ねてるんだろう?」という、解体したくなるような1曲ですね。面白いな〜。みなさんアルバムぜひ聴いてみてくださいね。
MISATO:10月25日週リリースの新譜ダイジェスト Part 2をお送りしました。リリースおめでとうございます!hyuen待ってたよー!
金子:推しゴトしましょう(笑)。
MISATO:そうですね!遂にリリースとなりました。「COLOR GIRL」が今回のダイジェストには入っておりましたけど、アルバムは『monolith』というタイトルです。
金子:彼らはすごくコンセプチュアルな活動をしている人たちだから、単曲ももちろんいいんだけど、やはりアルバムというまとまった曲数になったときに、より世界観が伝わるっていうのは間違いないと思います。
MISATO:1曲目は「こんなスタートのアルバムってあるんだ」というところから始まって、最後に収録されている曲の残響もすごいというか。人混みの雑踏の中で聴いていたんですけど、それがとてもマッチしました。自分が聴くシチュエーションが変わると、さらに物語性が際立っていく作品だなと感じています。
金子:ミックス・マスタリングまで自分たちでやってるから、作品性とサウンドのマッチングっていうのは、自分たちで完結してるからこその完成度がきっとあるでしょうね。
MISATO:ありますね。
MISATO:そしてYAJICO GIRLがシングル連続リリースの第3弾です。
金子:YAJICO GIRLも良いですね。
MISATO:好きですよね、厚武さん!
金子:好きです(笑)。YAJICO GIRLも、それこそhyuenとかにも負けないぐらいのクリエイティブ集団にどんどんなってきていますね。今回はダンス・ミュージックにかなり寄った楽曲になってるんですけど、これまでもビート・ミュージック的な要素は曲の中に入っていたので、自然な発展ではある気がします。もちろんダンス・ミュージックと言っても、急にEDMになるわけではなく、わりとミニマルな、柔らかい質感のエレクトロニック・ミュージックに仕上がっていて、ミックスはサカナクションとかを手掛けている土岐彩香さんがやってるということで、そのあたりの相性は「なるほどなあ」と感じさせるものがありますね。ちなみに、コメントが届いていて、「音楽性に関しては、昨年DJイベントに誘っていただいたこともあり、クラブカルチャーやテクノ、ハウスなどのダンスミュージックに興味を持ち始めたので、新しいチャレンジとしてその要素を取り入れてみました」とあるんですけど。
MISATO:まさに、そういう感じですよね。
金子:前にodolが「four eyes」っていうダンス・ミュージック色の強い曲を出したタイミングがあったんですけど、そのときも全く同じことを言ってたんですよ(笑)。「会社の人にクラブに連れて行かれて、それでダンス・ミュージックに興味を持ってやってみた」って。だから、ヒップランドの人は所属アーティストをクラブに連れていきたがるのかなと。
一同:(笑)。
金子:誰かパリピがいるのかなと思って(笑)。
MISATO:絶対に内部にいますね。
金子:でもodolもいわゆるアゲアゲのダンス・ミュージックじゃなかったから、たぶんコアな所に連れて行ってるんだと思うんですけど。
MISATO:そうやって自分の近しいところに自分の音楽性だったり、人生の幅を広げてくれる諸先輩がいてくれるって大きいですよね。
金子:いいことですね。
MISATO:なんか悪いこと教えたくなっちゃうなあ(笑)。
金子:お姉さん(笑)。YAJICOはそういう可愛らしいところもいいですよね。やっぱりもともとはギターロック的なところからスタートしてるから、クリエイティブ集団にどんどんなってきてるんだけど、いわゆるアート寄りみたいな感じともちょっと違うから、それだけ受け入れられる幅も広い曲になってるなと思います。
MISATO:そんな中、オンエアする1曲ですが。
金子:今週はMUSIC FROM THE MARSをご紹介しようかなと思います。
MISATO:3年半ぶりのオリジナル音源です。
金子:FRIENDSHIP.からリリースするのは初めてなんですけど、もともと97年結成という、ベテランと言っていい領域のバンドで、すごくいろんな音楽性を含んでるんですけど、とてもざっくり言うと、ジャズとハードコアの折衷かなって。ボーカル、ギター、ピアノ、ドラム、ベースに加えて、サックスとかフレンチホルンのメンバーがいて、曲展開が非常にプログレッシブだったり、変拍子も入ってたり、2000年代だとポストロックみたいなところとも近いと言われたし、2010年代になるとジャズが伸びてきた中でジャズとの関連性が語られたり、年代によってもイメージが変わるバンドかなって。でも本人たちは全くブレずに、ずっと自分たちがやりたいことをやってきていて、ボーカルの藤井さんは歌もポップなんだけど、ギター・ヒーローでもあって、ライブでめちゃめちゃギターソロを弾くんですよ(笑)。
MISATO:そうなんですね。
金子:ハードコアのシーンだとギターソロをバリバリ弾くとかあんまりないけど、藤井さんはめちゃめちゃ弾く人で、ジャズギタリストの影響もあると思うし、ハードロックも好きだろうし、そういうオリジナリティが今回の曲にもはっきり表れてるなと。なおかつ、このタイミングでかけたいと思った理由がもうひとつありまして、先日Suchmosのベース、HSUが亡くなられましたが、MUSIC FROM THE MARSとSuchmosは以前から交流があったんです。SuchmosのメンバーはMUSIC FROM THE MARSのことをリスペクトしていて、彼らのミュージシャンシップみたいなものに対して、世代を超えた共感があるんだと思う。Suchmosは「STAY TUNE」みたいなところから始まって、1番新しいアルバム『THE ANYMAL』はかなりプログレッシブな音楽性だったじゃないですか?
MISATO:そうでしたよね。
金子:ミュージシャンシップの高さがストレートに表れた作品になっていて、MUSIC FROM THE MARSから直接影響を受けたのかっていうとまた違うと思うんだけど、彼らのミュージシャンシップに共感するようなバンドだからこそ、ああいう作品が生まれたんだと思うんですよね。そういうところも含めて、このタイミングでMUSIC FROM THE MARSをかけたいなという、個人的な希望もありました。
MISATO:私はケイタイモさんの漫画を読むのが日課です(笑)。
金子:ケイタイモさん、BEAT CRUSADERSにもいらっしゃった方です。
MISATO:書籍も販売されるとかで、漫画が大人気なんです。生活のフフッというような場面を4コマ漫画にして、SNSにアップしてますので、ぜひチェックしてみてください。
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
MISATO:10月25日週にFRIENDSHIP.からリリースされる新譜、まずは前半を紹介しました。リリースおめでとうございます!「私ファラオになりたいの〜♪」(笑)。
金子:東京○×問題の「ウキウキ雨季」、歌詞やばいですよね。めっちゃ耳に残る。
MISATO:すぐに歌えちゃいますね。耳に残る曲がたくさんリリースされておりますが、アイラヴミーも良いですね。
金子:アイラヴミーはFRIENDSHIP.からは初めてのリリースなんですけど、2016年結成なので短くないキャリアがあって、昨年はNHKの『みんなのうた』に曲提供してたりもします。
MISATO:すごい...!
金子:「答えを出すのだ」という曲を提供してるんですけど、ボーカルのさとうみほのさんは自分のことを〈ダメンタル女子〉と言っていまして。
MISATO:いいな〜。
金子:ダメンタルなんだけど、それでも頑張っていこうね、というのが歌詞のメッセージとしていろんなところに入ってるんですよね。今回の曲もタイトルからして「弱虫のラブソング」という、〈ダメンタルなんだけど〉という部分が感じられて、いろんな人の共感を呼ぶんじゃないかなって。一方で、メンバーのプロフィールを見るとThe 1975とかが好きみたいで、サウンドメイキングは海外のアーティストもかなり意識していると思います。そういう意味では、アツキタケトモさんとかと近しいものがあるなと。人懐っこいんだけど、攻めているというか。
MISATO:なるほど。歌詞とか歌声には、日本の歌心みたいなところも感じられるけど、エレクトロなポップさというのも入れて、バランスがいいですね。
MISATO:さらにERWIT、今回また新境地だなと。
金子:ERWIT、好きっすわ、僕。
MISATO:ドラマーの神谷洵平さんがご一緒されていて。
金子:ERWITは今回2曲目のリリースで、前回に続いて今回も神谷さんプロデュースなんですけど、まあクオリティ高いなぁと思って。いわゆるインディー・フォーク的な、初期のBon Iverだったり、日本でいうとROTH BART BARONとか、そういうところに通じるサウンドだと思うんですけど、エレクトロニックな処理であり、それに対する生楽器の入れ方、そしてメロディーラインの秀逸さ。これはね、もっと売れなきゃダメでしょ、みたいな感じがしましたね(笑)。
MISATO:お!厚武さん、目がマジのやつですね(笑)。
金子:名古屋に在住の方で、本当は上京する予定もあったみたいなんですけど、このコロナ禍でなかなかそれが進まないっていう想いも、今回の曲には込められてるみたいで。そういう想いを乗せた曲がたくさんの人に聴かれて、来年以降に上京するきっかけにもなったら良いなという願いも込めて。
MISATO:私たちも後押しできるといいですね。そんな中、1曲お送りしますが...。
金子:はい、今週はBROTHER SUN SISTER MOONがついにアルバムリリースです。
MISATO:あ〜待ってました!おめでとうございます。大変だったと思うんですよ。
金子:彼らもキャリアがスタートしてすぐコロナ禍に入って、たしかにいろいろ大変なこともあったはずで、本当にやっとできた1stアルバムだと思うんですけど、めちゃめちゃ良いですね。
MISATO:ね!素晴らしいですね。
金子:これまでに出してるシングルも一通り入って、集大成的な内容になっています。彼らのシグネチャーであるノスタルジックなムード、フィル・スペクターかな?みたいな、その感じもしっかりありつつ、でもサウンドメイクはやっぱり攻めていて、トラック的にはすごく面白いし、なおかつやっぱりこの兄妹の歌、そしてメロディのポップさ。まさに三拍子そろった素晴らしい仕上がりになってるなと思います。
MISATO:ベタ褒めですね(笑)。アルバムも1曲1曲が際立っていて、いろいろなアレンジの中にジャンルがミックスされている形で、その幅の広さも聴いていただきたいですね。
金子:もはやジャンルは関係ない、みたいなところも体現していると思うし、今回は曲によってゲストでキーボードの高野勲さんが参加されています。高野さんはGRAPEVINEからサニーデイ・サービス、Yogee New Wavesなど本当にいろんなところで活躍されている方ですね。あとGateballersのギターの濱野夏椰くんも参加していたり、プロダクションの面でも更に強化されている。アルバムタイミングでのリードになっている曲は、アルバムの最後に入っている7分に及ぶ大作で、そういう全体の構成もしっかりしているし、非常に聴きごたえのあるアルバムになっていると思います。
MISATO:(「A Whale Song」紹介後)音色・音像がすごくきらびやかで、「これってどこから取ってるんだろう?」とか「どういう音を重ねてるんだろう?」という、解体したくなるような1曲ですね。面白いな〜。みなさんアルバムぜひ聴いてみてくださいね。
New Release Digest Part 2
MISATO:10月25日週リリースの新譜ダイジェスト Part 2をお送りしました。リリースおめでとうございます!hyuen待ってたよー!
金子:推しゴトしましょう(笑)。
MISATO:そうですね!遂にリリースとなりました。「COLOR GIRL」が今回のダイジェストには入っておりましたけど、アルバムは『monolith』というタイトルです。
金子:彼らはすごくコンセプチュアルな活動をしている人たちだから、単曲ももちろんいいんだけど、やはりアルバムというまとまった曲数になったときに、より世界観が伝わるっていうのは間違いないと思います。
MISATO:1曲目は「こんなスタートのアルバムってあるんだ」というところから始まって、最後に収録されている曲の残響もすごいというか。人混みの雑踏の中で聴いていたんですけど、それがとてもマッチしました。自分が聴くシチュエーションが変わると、さらに物語性が際立っていく作品だなと感じています。
金子:ミックス・マスタリングまで自分たちでやってるから、作品性とサウンドのマッチングっていうのは、自分たちで完結してるからこその完成度がきっとあるでしょうね。
MISATO:ありますね。
MISATO:そしてYAJICO GIRLがシングル連続リリースの第3弾です。
金子:YAJICO GIRLも良いですね。
MISATO:好きですよね、厚武さん!
金子:好きです(笑)。YAJICO GIRLも、それこそhyuenとかにも負けないぐらいのクリエイティブ集団にどんどんなってきていますね。今回はダンス・ミュージックにかなり寄った楽曲になってるんですけど、これまでもビート・ミュージック的な要素は曲の中に入っていたので、自然な発展ではある気がします。もちろんダンス・ミュージックと言っても、急にEDMになるわけではなく、わりとミニマルな、柔らかい質感のエレクトロニック・ミュージックに仕上がっていて、ミックスはサカナクションとかを手掛けている土岐彩香さんがやってるということで、そのあたりの相性は「なるほどなあ」と感じさせるものがありますね。ちなみに、コメントが届いていて、「音楽性に関しては、昨年DJイベントに誘っていただいたこともあり、クラブカルチャーやテクノ、ハウスなどのダンスミュージックに興味を持ち始めたので、新しいチャレンジとしてその要素を取り入れてみました」とあるんですけど。
MISATO:まさに、そういう感じですよね。
金子:前にodolが「four eyes」っていうダンス・ミュージック色の強い曲を出したタイミングがあったんですけど、そのときも全く同じことを言ってたんですよ(笑)。「会社の人にクラブに連れて行かれて、それでダンス・ミュージックに興味を持ってやってみた」って。だから、ヒップランドの人は所属アーティストをクラブに連れていきたがるのかなと。
一同:(笑)。
金子:誰かパリピがいるのかなと思って(笑)。
MISATO:絶対に内部にいますね。
金子:でもodolもいわゆるアゲアゲのダンス・ミュージックじゃなかったから、たぶんコアな所に連れて行ってるんだと思うんですけど。
MISATO:そうやって自分の近しいところに自分の音楽性だったり、人生の幅を広げてくれる諸先輩がいてくれるって大きいですよね。
金子:いいことですね。
MISATO:なんか悪いこと教えたくなっちゃうなあ(笑)。
金子:お姉さん(笑)。YAJICOはそういう可愛らしいところもいいですよね。やっぱりもともとはギターロック的なところからスタートしてるから、クリエイティブ集団にどんどんなってきてるんだけど、いわゆるアート寄りみたいな感じともちょっと違うから、それだけ受け入れられる幅も広い曲になってるなと思います。
MISATO:そんな中、オンエアする1曲ですが。
金子:今週はMUSIC FROM THE MARSをご紹介しようかなと思います。
MISATO:3年半ぶりのオリジナル音源です。
金子:FRIENDSHIP.からリリースするのは初めてなんですけど、もともと97年結成という、ベテランと言っていい領域のバンドで、すごくいろんな音楽性を含んでるんですけど、とてもざっくり言うと、ジャズとハードコアの折衷かなって。ボーカル、ギター、ピアノ、ドラム、ベースに加えて、サックスとかフレンチホルンのメンバーがいて、曲展開が非常にプログレッシブだったり、変拍子も入ってたり、2000年代だとポストロックみたいなところとも近いと言われたし、2010年代になるとジャズが伸びてきた中でジャズとの関連性が語られたり、年代によってもイメージが変わるバンドかなって。でも本人たちは全くブレずに、ずっと自分たちがやりたいことをやってきていて、ボーカルの藤井さんは歌もポップなんだけど、ギター・ヒーローでもあって、ライブでめちゃめちゃギターソロを弾くんですよ(笑)。
MISATO:そうなんですね。
金子:ハードコアのシーンだとギターソロをバリバリ弾くとかあんまりないけど、藤井さんはめちゃめちゃ弾く人で、ジャズギタリストの影響もあると思うし、ハードロックも好きだろうし、そういうオリジナリティが今回の曲にもはっきり表れてるなと。なおかつ、このタイミングでかけたいと思った理由がもうひとつありまして、先日Suchmosのベース、HSUが亡くなられましたが、MUSIC FROM THE MARSとSuchmosは以前から交流があったんです。SuchmosのメンバーはMUSIC FROM THE MARSのことをリスペクトしていて、彼らのミュージシャンシップみたいなものに対して、世代を超えた共感があるんだと思う。Suchmosは「STAY TUNE」みたいなところから始まって、1番新しいアルバム『THE ANYMAL』はかなりプログレッシブな音楽性だったじゃないですか?
MISATO:そうでしたよね。
金子:ミュージシャンシップの高さがストレートに表れた作品になっていて、MUSIC FROM THE MARSから直接影響を受けたのかっていうとまた違うと思うんだけど、彼らのミュージシャンシップに共感するようなバンドだからこそ、ああいう作品が生まれたんだと思うんですよね。そういうところも含めて、このタイミングでMUSIC FROM THE MARSをかけたいなという、個人的な希望もありました。
MISATO:私はケイタイモさんの漫画を読むのが日課です(笑)。
金子:ケイタイモさん、BEAT CRUSADERSにもいらっしゃった方です。
MISATO:書籍も販売されるとかで、漫画が大人気なんです。生活のフフッというような場面を4コマ漫画にして、SNSにアップしてますので、ぜひチェックしてみてください。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」FRIENDSHIP.