- TOPICS
- FEATURE
2021.08.06
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!VivaOla・フレディーマーズ・ユウテラスほか全17作品 -2021.08.04-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:8月2日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜17作品の中からまずは前半9作品、ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。最後のseekxははじめましてですね。
金子:もともとドラマーとして活躍されていて、2019年からseekxという名義でトラックメイカーとして活動をしてるということで、はしメロちゃんとかzonjiのトラックも彼が手掛けていたり、FRIENDSHIP.とはすでに馴染みがありますね。そもそもLINE wanna be Anchorsというバンドがあって、そのメンバーがzonjiのメンバーだったりもするんですけど、彼はそのバンドのドラマーだったという、そういう繋がりもあったり。もともとポストロック系のバンドもやってたみたいなので、ポストロックとかエレクトロニカとかの雰囲気があるトラックで、FRIENDSHIP.でいうと、WAZGOGG、Wataru Fujiwaraさんであったりとか、uruwashiだったりとか、 BGMにもなるしアーティスト性もある、そういうタイプのアーティストかなっていう感じはしています。
MISATO:サンプリングが生活音であったり、雨の音だったりするのが面白くて、クリエイティビティを感じるけど、全体的にチルで聴き流せる魅力もありますね。
さらに、VivaOlaくんはアルバムが決まったということで。
金子:9月のリリースに向けて、コンスタントに新曲が出てきていて、どれもいいですよね。
MISATO:素晴らしい。
金子:今回の「My Moon」も「Mixed Feelings」のときと同じでKRICKがプロデュースをしていて、ダンサブルな開けた曲調なので、最近のVivaOlaくんのモードを表しているなと。あと今回はフィーチャリングでZINが参加していて、彼は大阪のSoulflexというコレクティブのメンバーでもあって。
MISATO:SIRUPと一緒の。
金子:そうそう、その関係の人だったりするんですけど、SIRUPはHondaの車のCMに「Do Well」が起用されて、かなり知名度が上がりましたよね。それを考えるとVivaOlaくんもそろそろ、あのラインに乗る可能性があるんじゃないかと思ったりして。
MISATO:車のCMもいいですけど、今ってANAのCMがもう地上波で流れてますよね?TOKYO 2020大会中、地上波でも流れてるようなので、もう皆さん耳にしている可能性ありそうですね。
金子:前に出たアルバム『STRANDED』に入っている「Even After All」が流れています。
MISATO:こちらもぜひ、チェックしてください!そんな中、1曲選んでいただきたいのですが。
金子:今週はフレディーマーズを聴いてもらおうかなと思います。今週『部屋の借り方』という1st アルバムがリリースされました。改めて紹介しておくと、もともと2015年の結成で、最初はフレディマーキュリーズという名前で活動していたんですけど、フレディーマーズに改名して、今回が初めてのアルバムです。聴いてもらうと分かるように、彼らの楽曲は90年代のアメリカのインディバンドみたいな、ちょっとローファイな感じの音作りが印象的ですね。このアルバムには古い曲も入っていて、2019年にバンド名を変えたときに発表した「スロー」っていう曲も入ってるんですけど、アルバムを通して聴くと、この「スロー」がある意味一番カチッと作られていて、それ以降の曲の方がローファイな、わりとラフなテイストで、選んでこういうことをやってるんだなーっていうのがすごく伝わってくる感じがします。特にペイヴメントの影響というか、あのバンドが90年代にやっていたラフさであったりとか、メランコリックな部分、メロディの感じというのは、フレディーマーズの持ち味にすごくなってるなぁと、アルバム全体を通して感じましたね。
MISATO:きっとアルバムを通して聴くことによって、「スロー」の位置っていうのが納得できるものになってますよね。ここでちょっと切り替わりが生まれて、また後半聴くという、絶妙な位置につけてる。アルバム、いい曲たくさんありましたね。
金子:そんな中から「リー ラナルド」をかけようと思うのですが、"リー・ラナルド"って、ソニック・ユースのメンバーの名前なんですけど。
MISATO:あ、そういうこと(笑)?
金子:ソニック・ユースはもうちょっと攻撃的な、パンキッシュなイメージというか、特に初期はそういうイメージなんですけど、やっぱり彼らはどちらかというとペイヴメントで、もうちょっと牧歌的だったりする部分もあって。ちなみにアルバム後半には「ウィンターベイブ」という曲が入っていて、ペイヴメントに「サマー・ベイブ」という名曲があり、これは間違いなくオマージュだったりと、アルバム全体面白い作品です。
MISATO:今の厚武さんの解説があって聴くと、「リー ラナルド」の聴こえ方がすごい変わってくる(笑)。私はアルバムでいうと「一世紀半」という曲の〈ゆらゆらゆらゆら〉のあの部分とかすごく好きです。
金子:日本のバンドだと初期のシャムキャッツに近いなと個人的には思っていて。シャムキャッツは昨年解散しちゃいましたけど、メンバーがTETRA RECORDSというレーベルをやっていて、And Summer Clubのリリースに関わっていたりとか、そういうタイミングでフレディーマーズがアルバムをリリースするというのも、繋がりを感じるなと思いました。
MISATO:パート2にも、はじめましてがいらっしゃいますね。RiE MORRiS。
金子:彼女はもともと10代のときにロサンゼルスに留学をして、日本に帰ってきてから本格的な活動を始めて、これまではRachel Fukushimaという名前で活動していたんですけど、音楽性を一新して、RiE MORRiSとして改めて活動を開始するとのことです。湘南に在住らしいので、まさにその土地の風が吹いてくるような音楽性であり、歌声ですよね。
MISATO:湘南ビーチFMでラジオDJもされてらっしゃるみたいで、すごく良さそう。ご自身の曲も合うし、いいトークしてくださりそうな気がします。
金子:MISATOさんはやっぱり気になりますか?
MISATO:気になります。すごく気持ちがいいけど、ガンガンくるR&Bさというよりは、すごく余白のある、ゆったりとした感じで、今の季節にもいいですよね。
金子:レゲエっぽいフィーリングもあるし。
MISATO:夏の終わりにも映えそうですね。そして、この番組での紹介は初となります、oysm。
金子:これまでもリリースはしていたんですけど、この番組で紹介するのは初めてですね。元RIDDIMATESだったり、元Regaだったり、いろんなバンドをやってたり、やってる人が集まって結成されたバンドで、「oysm(おやすみ)」というバンド名からも分かるように、聴きながら眠れるような、ゆったりとしたチルな音楽性が持ち味です。最初にかけたseekxだったり、uruwashiさんとか、一言でチルと言っても色んな音楽性があるけど、彼らはバンドで鳴らすチルなサウンドというのが非常に心地よいですね。
MISATO:綴りは 「oysm」で、読みは「おやすみ」。
金子:小文字でかわいいですよね、この見た目。ちょっと絵文字かなーと思わせるような。
MISATO:さて、どの1曲を流しましょうか?
金子:今回はユウテラスをご紹介しようかなと思います。
MISATO:ユウテラスもアルバムです。しかも、9年ぶりです。
金子:もともとでいうと、1996年に結成という。
MISATO:大ベテラン。
金子:ですね。2013年に一度解散してるんですけど、2018年にボーカルの大澤さんがthe band apartのベースの原さんと、もともとお知り合いだったみたいなんですけど、このタイミングで再会して、一緒にバンドやろうかみたいな感じになったそうです。the band apartというバンド名を聞くと、テクニカルな、ファンキーな音楽なのかなと思う方もいると思うんですけど、それとは全然違っていて、非常にエヴァーグリーンな、それでいてちょっとひねくれた、歌モノのポップバンドで、その感じも面白いんですよね。そこで原さんがベースを弾いてる感じも。
MISATO:このチグハグなようでチグハグしていないっていうところも彼らの持ち味、魅力なんですかね?一聴しただけでは解読できないようなアルバムの深みというのがありました。
金子:独特ですよね。パッと聴いた感じの、そのエヴァーグリーンな感じっていうのは、90年代の下北沢とかでやってたバンドがそのまま時を重ねたような感じもあるし、でもやっぱり若いバンドには出せない、ちょっと違う感じというのが確かにあって、このバランスが不思議ですよね。
MISATO:不思議。でもこれだけのキャリアがないと出ない音楽性なんでしょうね。では、1曲聴いていただきましょう。
金子:「鼻」という曲を聴いてもらおうと思います。タイトルだけ聞くと、「鼻?」ってなると思うんですけど、歌詞を読むとですね、〈鼻と鼻がぶつかった わずか2cmとなりの 柔らかなくちびる 届きそで 届かない〉という歌詞で。20年以上バンドをやってる男性が...あえて言いますけど、20年以上バンドをやってるおじさんが...。この歌詞歌えるって、すごくないですか?
MISATO:あはは。うん、すごい(笑)。
金子:で、ちゃんと似合ってるという。
MISATO:声質にも合ってる。このままの歌詞でアイドルに歌ってもらうのもありじゃないですか?
金子:なるほど、曲提供。
MISATO:乃木坂さんとか歌ってそう。だけど合うんですよ、おじさんの歌が(笑)。
金子:ですので、歌詞にも注目してお聴きください。
MISATO:皆さん、いかがでしょうか?キュンキュンしてる方も多いと思います。アルバムとしても面白くて、1曲目「賛美歌みたいな」の最後に「はい」って言うじゃないですか?1曲目にリハが入ってるって思っちゃったくらいで(笑)。
金子:弾き語りみたいな感じでね。
MISATO:面白い構成ですよね。ぜひ、アルバムも聴いてみてください!
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
MISATO:8月2日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜17作品の中からまずは前半9作品、ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。最後のseekxははじめましてですね。
金子:もともとドラマーとして活躍されていて、2019年からseekxという名義でトラックメイカーとして活動をしてるということで、はしメロちゃんとかzonjiのトラックも彼が手掛けていたり、FRIENDSHIP.とはすでに馴染みがありますね。そもそもLINE wanna be Anchorsというバンドがあって、そのメンバーがzonjiのメンバーだったりもするんですけど、彼はそのバンドのドラマーだったという、そういう繋がりもあったり。もともとポストロック系のバンドもやってたみたいなので、ポストロックとかエレクトロニカとかの雰囲気があるトラックで、FRIENDSHIP.でいうと、WAZGOGG、Wataru Fujiwaraさんであったりとか、uruwashiだったりとか、 BGMにもなるしアーティスト性もある、そういうタイプのアーティストかなっていう感じはしています。
MISATO:サンプリングが生活音であったり、雨の音だったりするのが面白くて、クリエイティビティを感じるけど、全体的にチルで聴き流せる魅力もありますね。
さらに、VivaOlaくんはアルバムが決まったということで。
金子:9月のリリースに向けて、コンスタントに新曲が出てきていて、どれもいいですよね。
MISATO:素晴らしい。
金子:今回の「My Moon」も「Mixed Feelings」のときと同じでKRICKがプロデュースをしていて、ダンサブルな開けた曲調なので、最近のVivaOlaくんのモードを表しているなと。あと今回はフィーチャリングでZINが参加していて、彼は大阪のSoulflexというコレクティブのメンバーでもあって。
MISATO:SIRUPと一緒の。
金子:そうそう、その関係の人だったりするんですけど、SIRUPはHondaの車のCMに「Do Well」が起用されて、かなり知名度が上がりましたよね。それを考えるとVivaOlaくんもそろそろ、あのラインに乗る可能性があるんじゃないかと思ったりして。
MISATO:車のCMもいいですけど、今ってANAのCMがもう地上波で流れてますよね?TOKYO 2020大会中、地上波でも流れてるようなので、もう皆さん耳にしている可能性ありそうですね。
金子:前に出たアルバム『STRANDED』に入っている「Even After All」が流れています。
MISATO:こちらもぜひ、チェックしてください!そんな中、1曲選んでいただきたいのですが。
金子:今週はフレディーマーズを聴いてもらおうかなと思います。今週『部屋の借り方』という1st アルバムがリリースされました。改めて紹介しておくと、もともと2015年の結成で、最初はフレディマーキュリーズという名前で活動していたんですけど、フレディーマーズに改名して、今回が初めてのアルバムです。聴いてもらうと分かるように、彼らの楽曲は90年代のアメリカのインディバンドみたいな、ちょっとローファイな感じの音作りが印象的ですね。このアルバムには古い曲も入っていて、2019年にバンド名を変えたときに発表した「スロー」っていう曲も入ってるんですけど、アルバムを通して聴くと、この「スロー」がある意味一番カチッと作られていて、それ以降の曲の方がローファイな、わりとラフなテイストで、選んでこういうことをやってるんだなーっていうのがすごく伝わってくる感じがします。特にペイヴメントの影響というか、あのバンドが90年代にやっていたラフさであったりとか、メランコリックな部分、メロディの感じというのは、フレディーマーズの持ち味にすごくなってるなぁと、アルバム全体を通して感じましたね。
MISATO:きっとアルバムを通して聴くことによって、「スロー」の位置っていうのが納得できるものになってますよね。ここでちょっと切り替わりが生まれて、また後半聴くという、絶妙な位置につけてる。アルバム、いい曲たくさんありましたね。
金子:そんな中から「リー ラナルド」をかけようと思うのですが、"リー・ラナルド"って、ソニック・ユースのメンバーの名前なんですけど。
MISATO:あ、そういうこと(笑)?
金子:ソニック・ユースはもうちょっと攻撃的な、パンキッシュなイメージというか、特に初期はそういうイメージなんですけど、やっぱり彼らはどちらかというとペイヴメントで、もうちょっと牧歌的だったりする部分もあって。ちなみにアルバム後半には「ウィンターベイブ」という曲が入っていて、ペイヴメントに「サマー・ベイブ」という名曲があり、これは間違いなくオマージュだったりと、アルバム全体面白い作品です。
MISATO:今の厚武さんの解説があって聴くと、「リー ラナルド」の聴こえ方がすごい変わってくる(笑)。私はアルバムでいうと「一世紀半」という曲の〈ゆらゆらゆらゆら〉のあの部分とかすごく好きです。
金子:日本のバンドだと初期のシャムキャッツに近いなと個人的には思っていて。シャムキャッツは昨年解散しちゃいましたけど、メンバーがTETRA RECORDSというレーベルをやっていて、And Summer Clubのリリースに関わっていたりとか、そういうタイミングでフレディーマーズがアルバムをリリースするというのも、繋がりを感じるなと思いました。
New Release Digest Part 2
MISATO:パート2にも、はじめましてがいらっしゃいますね。RiE MORRiS。
金子:彼女はもともと10代のときにロサンゼルスに留学をして、日本に帰ってきてから本格的な活動を始めて、これまではRachel Fukushimaという名前で活動していたんですけど、音楽性を一新して、RiE MORRiSとして改めて活動を開始するとのことです。湘南に在住らしいので、まさにその土地の風が吹いてくるような音楽性であり、歌声ですよね。
MISATO:湘南ビーチFMでラジオDJもされてらっしゃるみたいで、すごく良さそう。ご自身の曲も合うし、いいトークしてくださりそうな気がします。
金子:MISATOさんはやっぱり気になりますか?
MISATO:気になります。すごく気持ちがいいけど、ガンガンくるR&Bさというよりは、すごく余白のある、ゆったりとした感じで、今の季節にもいいですよね。
金子:レゲエっぽいフィーリングもあるし。
MISATO:夏の終わりにも映えそうですね。そして、この番組での紹介は初となります、oysm。
金子:これまでもリリースはしていたんですけど、この番組で紹介するのは初めてですね。元RIDDIMATESだったり、元Regaだったり、いろんなバンドをやってたり、やってる人が集まって結成されたバンドで、「oysm(おやすみ)」というバンド名からも分かるように、聴きながら眠れるような、ゆったりとしたチルな音楽性が持ち味です。最初にかけたseekxだったり、uruwashiさんとか、一言でチルと言っても色んな音楽性があるけど、彼らはバンドで鳴らすチルなサウンドというのが非常に心地よいですね。
MISATO:綴りは 「oysm」で、読みは「おやすみ」。
金子:小文字でかわいいですよね、この見た目。ちょっと絵文字かなーと思わせるような。
MISATO:さて、どの1曲を流しましょうか?
金子:今回はユウテラスをご紹介しようかなと思います。
MISATO:ユウテラスもアルバムです。しかも、9年ぶりです。
金子:もともとでいうと、1996年に結成という。
MISATO:大ベテラン。
金子:ですね。2013年に一度解散してるんですけど、2018年にボーカルの大澤さんがthe band apartのベースの原さんと、もともとお知り合いだったみたいなんですけど、このタイミングで再会して、一緒にバンドやろうかみたいな感じになったそうです。the band apartというバンド名を聞くと、テクニカルな、ファンキーな音楽なのかなと思う方もいると思うんですけど、それとは全然違っていて、非常にエヴァーグリーンな、それでいてちょっとひねくれた、歌モノのポップバンドで、その感じも面白いんですよね。そこで原さんがベースを弾いてる感じも。
MISATO:このチグハグなようでチグハグしていないっていうところも彼らの持ち味、魅力なんですかね?一聴しただけでは解読できないようなアルバムの深みというのがありました。
金子:独特ですよね。パッと聴いた感じの、そのエヴァーグリーンな感じっていうのは、90年代の下北沢とかでやってたバンドがそのまま時を重ねたような感じもあるし、でもやっぱり若いバンドには出せない、ちょっと違う感じというのが確かにあって、このバランスが不思議ですよね。
MISATO:不思議。でもこれだけのキャリアがないと出ない音楽性なんでしょうね。では、1曲聴いていただきましょう。
金子:「鼻」という曲を聴いてもらおうと思います。タイトルだけ聞くと、「鼻?」ってなると思うんですけど、歌詞を読むとですね、〈鼻と鼻がぶつかった わずか2cmとなりの 柔らかなくちびる 届きそで 届かない〉という歌詞で。20年以上バンドをやってる男性が...あえて言いますけど、20年以上バンドをやってるおじさんが...。この歌詞歌えるって、すごくないですか?
MISATO:あはは。うん、すごい(笑)。
金子:で、ちゃんと似合ってるという。
MISATO:声質にも合ってる。このままの歌詞でアイドルに歌ってもらうのもありじゃないですか?
金子:なるほど、曲提供。
MISATO:乃木坂さんとか歌ってそう。だけど合うんですよ、おじさんの歌が(笑)。
金子:ですので、歌詞にも注目してお聴きください。
MISATO:皆さん、いかがでしょうか?キュンキュンしてる方も多いと思います。アルバムとしても面白くて、1曲目「賛美歌みたいな」の最後に「はい」って言うじゃないですか?1曲目にリハが入ってるって思っちゃったくらいで(笑)。
金子:弾き語りみたいな感じでね。
MISATO:面白い構成ですよね。ぜひ、アルバムも聴いてみてください!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」FRIENDSHIP.