SENSA

2021.08.04

脱力系ローファイサウンドが退屈を紛らわす「フレディーマーズ」-Highlighter Vol.084-

脱力系ローファイサウンドが退屈を紛らわす「フレディーマーズ」-Highlighter Vol.084-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.084は、 オーストラリアの人気バンドCamp Copeの来日公演に参加するなど、ライブ活動を通して着実に支持を集める4人組バンド、フレディーマーズのSekine(Vo/Gt)を取り上げる。
昨年、フレディーマーキュリーズからフレディーマーズに改名した彼ら。8月4日にリリースした1stアルバム『部屋の借り方』は、PavementやBuilt To Spill、Yo La Tengo、Mac DeMarcoといった、自身が影響を受けたUSインディーミュージックへの愛情を体現する全12曲を収録した。ナンセンスでありながら、どこか優しさも含むユーモアに富んだ日本語詞は中毒性が高い。

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活動を始めたきっかけ
大学生のときに入っていたサークルで、USインディーと呼ばれていた音楽をよく探したり、コピーして演奏したりしていました。それだけでも十分に楽しかったのですが、サークルの同期だったベースの脇山くんが当時やっていたオリジナルのバンドを見て、曲などほとんど作ったことはありませんでしたが、「自分もやろうと思えばできるのでは......?」と感化されてしまった、のが直接のきっかけです。

その時期にたまたまBuilt To Spillというバンドの『There's Nothing Wrong with Love』というアルバムを知り、特に1~4曲の流れ(「In the Morning」~「Car」)を聴いたときに、上手く文章化できないのですが、自分がやるべき音楽そのもののような気がしました。そこからサークルの友人に声をかけ、バンドを結成し、今に至ります。



影響を受けたアーティスト
The Velvet Undergroundに端を発したような音楽は大体好きです(笑)。その中でも、前述のBuilt To SpillやPavementなど、どことなくファニーな、タイトよりはルーズな質感を持っている音楽に惹かれます。ただ、ファニーなだけでなく、この種の音楽には通底して「泣き笑い」感のようなものがあると感じており(土地柄でしょうか)、自分のバンドにも取り入れたい・大事にしていきたい部分です。


注目してほしい、自分の関わった作品
現在のバンド名(フレディーマーズ)になる前に、フレディーマーキュリーズというバンド名でも活動しておりました。
その時の作品──1st EP『不安』(2019)とその他シングル群──は歌以外一発録りで、できるだけスカスカな方向性を趣向していましたが、今作『部屋の借り方』では宅録環境でコーラスや楽器を重ねてみたり、シンセを所々取り入れてみたり、今までしてこなかった取り組みをいくつか試しています。
そのシンセですが、ヤマハの古いものでして、そのあり得ないくらいの本体重量の割に軽みしか感じられない音が気に入っており、そのあたりも注目して聴いていただけると嬉しいです。

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また、メンバーの脇山はdaisansei、砂井はゆうらん船というバンドでも活動しておりますので、そちらもあわせてチェックしてみてください。

今後挑戦してみたいこと
今まで録音、ミックス、マスタリングにかかるすべての工程を自分たちのみで行ってきたので、スタジオ環境にて一連の工程を行ってみたいです。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
私個人としてはいわゆるカルチャーに触れてきた回数は少ないのですが、読書は時折していまして、その中でもいくつか心に残った作品はあります。
高橋源一郎さんの『さようなら、ギャングたち』という小説が好きで、繰り返し読んでいます。カットアップ的手法といいますか、文章でしかなし得ない突飛さに衝撃を受け、フレディーマーズの歌詞にも影響が出ていると思います。
また、山本精一さんのエッセイ集『ギンガ』も好きです。山本精一さん関連はほぼほぼ好きですが、創作に疲れたときなど、これを読んでできるだけ楽しげな気持ちに己を持っていっています。

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今注目しているカルチャー
自転車(と乗っている時間)が好きです。ふらっと普段行かないような町なんかに行くと、「お、こんなとこに天一(天下一品)あったんだ」みたいな発見があります(笑)。また、僕らの「ヤング アメリカンズ」という曲もそうだったと思いますが、乗っているとどういうわけかメロディや歌詞が出てきやすくて、家で煮詰まったときは、気分転換も兼ねて乗るようにしています。


そして最近はミニベロに興味があります。買ってしまうかもしれません。

RELEASE INFORMATION

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フレディーマーズ『部屋の借り方』
2021年8月4日(水)
試聴はこちら

LIVE INFORMATION

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2021年8月30日(月)下北沢BASEMENTBAR
OPEN 18:00 / START 18:30
TICKET ¥2,500 +1D
キイチビール&ザ・ホーリーティッツ / 地球から2ミリ浮いてる人たち(from 京都) / フレディーマーズ / UlulU

フレディーマーズ 1st Album 発売記念ライブ『部屋の借り方』
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2021年10月31日(日)下北沢BASEMENTBAR
TICKET ¥3,000 +1D
フレディーマーズ / ゆうらん船

PROFILE

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フレディーマーズ
2015年大学の友人同士で結成。
2019年2月、フレディーマーキュリーズとしてデビューEP『不安』をリリースして活動を本格化。配信限定シングルを3ヶ月連続リリースしたのち、2020年、バンド名をフレディーマーズに改名。 オーストラリアの人気バンドCamp Copeの来日公演に参加するなど、ライブ活動を通し着実に支持を集めていく。
2021年8月、待望の1stアルバム『部屋の借り方』をリリース。
PavementやBuilt To Spill、Yo La Tengo、Mac DeMarcoに代表される USインディミュージックへの愛を体現したサウンドに、ユーモアとポエジー、そしてやさしさを含む唯一無二の日本語詞が特徴。演奏陣にはWanna-Gonna、ゆうらん船のメンバーとして活躍する砂井、daisanseiのメンバーとして活躍する脇山を擁し、ライブパフォーマンスにも定評がある。

LINK
オフィシャルサイト
@fredy___mars
@shutupkissmerecords
Official YouTube Channel

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