SENSA

2021.06.04

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!


New Release Digest Part1



MISATO:5月31日週にフレンドシップからリリースの新作全16作品の中からダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。私もうWAZGOGGが、こういうのやっぱり、やってくれるよね!っていう。

金子:そうですよね、これを待ってた感じしますよね。

MISATO:そうそう。格好良いですよね。



金子:最近、Wataru Fujiwara名義のリリースが続いていて。アコースティックな感じの、こういうのもできちゃうんだ、みたいな。

MISATO:同じ人とは思えない。

金子:そういうリリースが続いていましたけど、もともとバトルMCのDJとしてのWAZGOGGさんがいて、今回はラッパーが入っての、コレぞ!という作品でね。

MISATO:Fuma no KTRさんとも相性いいですね。スクラッチの感じとかも、コレコレ!っていうのが詰め込まれていて格好良いですね。

金子:スクラッチもね、DJ WATAさんという方が参加されているみたいで、その人のスクラッチを再編集して構築されているそうです。

MISATO:それから、Prune Deer。彼らのこと、初めて知ったんですけど、香港出身の方なんですよね。ちょっと曇り空に映えるような、感じがありますよね。



金子:日本のそういったポストロックやシューゲイザーに影響されたアジアのバンドってたくさんいて、Prune Deerもその一つと言っていいのかな、という気がします。今回の作品はエンジニアが日本の方で、LOSTAGEとかdownyとかもやっている岩谷啓士郎さんがやられてるんですけど。

MISATO:そうなんですね。

金子:アジアの他の国のバンドと日本のエンジニアとのコラボレーションというのも面白いですね。

MISATO:面白い!さあ、ここで1曲かけたいと思いますが。

金子:はい、そんな粒ぞろいの中なんですけど、踊ってばかりの国をかけようかなと。ボーカルの下津くんのアルバムがちょっと前に出たばっかり、というところなんですけれども。

MISATO:この番組でも紹介しましたね。

金子:踊ってばかりの国のアルバムがまた出るということで、ちなみに下津くんね、この前、リリースの後にツアーがあって、それには音源には参加してなかったけど、元踊ってばかりの国のギターで今はカネコアヤノバンドでギターを弾いている林くんが、ライブではバンドに参加していて。

MISATO:なんですか!そのファン歓喜の瞬間は。

金子:あはは。そういう意味でもまた新たなモードに入っている感じがしたんですけど、踊ってばかりの国は今の体制になって、2018年から毎年アルバムを出してて。

MISATO:すごいことです。

金子:もうしっかり今のメンバーで音楽性が固まってきた感じがすごくあって。前は一人ひとり個々が主張している感じだったけど、今は全体でひとつのグルーヴを作り上げていて、その中心にいるのが下津くんのボーカルっていう、その感じがすごく作り上げられているなと。今回のアルバムはコロナ禍の中で作られているから、結構アコースティックな要素も強くて、「踊ってばかりの国流レイドバックアルバム」みたいな側面もあるんだけど。

MISATO:おー、わかりやすい!

金子:でもやっぱりこのバンドらしいサイケデリックなグルーヴもあって、めちゃめちゃ良いアルバムです。

MISATO:えーっ!ちょっと聴きましょうか!でもアルバムだから、1曲どの曲にしますか?

金子:アルバムのラスト前に入っている「I was dead」という曲があって、それもめちゃめちゃ良いんですよ。でも下津くんのボーカルをより堪能してもらうという意味で、 さっき、ちらっとかかった「Twilight」という曲はまさに!という感じなので、是非聴いて欲しいです。



MISATO:おっしゃったように、下津さんの後ろにすごく楽器が見える感じというか、他の楽曲もそういう印象は今までに比べて際立ってはいるけれど、特に「Twilight」はわかりやすい感じがしますね。
何だか、その次のフェーズっていうのがしっくりきてます。それぞれもちろん個性があって、実力がある皆さんだけれども、もっと楽曲全体一つの作品を作るってなると、引くことだったりとか、また前に出ることだったり、それってすごく大切なことでもありますよね。

金子:うんうん。

MISATO:そこに今、行き着いてらっしゃるんですね。踊ってばかりの国、アルバム『moana』ぜひ聴いてください!




New Release Digest Part2



MISATO:5月31日週リリースの新譜ダイジェスト Part 2をお送りしました。私たちが前回心を奪われた、FUNKINDUSTRYもリリースしています。



金子:FUNKINDUSTRY、やっぱり良い!

MISATO:良いよねー!やっぱり良いな〜。

金子Keishi Tanakaとツーマンやって欲しいな。ブルーアイドソウルとかの感じがする。

MISATO:そのままホーン隊をKeishiさんのバックに入れて、アンコール一曲一緒にやる、みたいな。

金子:絶対良いと思う。それをFRIENDSHIP.で音源で配信してほしい。

MISATO:それをFS.で録音する感じですか(笑)?

金子:それでいきましょう(笑)。今回のカワサキケイさんみたいにね。



MISATO:ね、FS.で収録したライブ録音をお送りしましたね。他にも、予感のリリースがあったnatsumi hirotaさん。元々はご自身でトラックを作る方なんですよね。格好良いですね。





金子:いやー、natsumi hirotaさんは僕も一押しですね。この人は普通に会って喋ってみたい。

MISATO:ねー、何を頭の中で構築されてらっしゃるのか。

金子:今回は「サンプル素材を探る中で発見した興味深い掛け合わせを、当初より曲作りの基盤としていたジャズやテクノのサウンドと融合させながら作り上げていった」って資料にあって。4曲入りのEPなんですけど、それぞれ全然違うんですよね。ちなみに「pop quiz」っていう EP のタイトルなんですけど。
元々曲のタイトルが全部「untitled」だったのを、便宜上 a. _________、b. _________、c. _________、d. _________ ってつけて、それがテストの解答用紙みたいだったから、「pop quiz」っていうタイトルにしたらしくて。そういうセンスも面白いし、本当にクイズみたいに、曲を聴きながら、「この要素はどこから来ているんだろう?」みたいな、謎解きみたいにも楽しめる、面白い作品になってますね。

MISATO:これ、ミニマルテクノかなー、ジャズ要素かなーとか。

金子:独特なんですよね、すごく。

MISATO:相反するようなジャンルがひとつに混ざり合ってるのはお見事ですねー。他にもたくさん、Ivy to Fraudulent Gameも。3枚の先行シングルからフルアルバムという形になってますね、3枚目のフルアルバム。





金子:ライブ会場とかで限定でフィジカルのアルバムは出ていたんですけど、このタイミングでデジタルが解禁ということで。既にこの番組のランキングには彼らの曲ちょこちょこ入ってきてましたけど、より多くの人に聴いてもらえるんじゃないですかね。

MISATO:曲タイトルが「ゴミ」。カタカナの「ゴミ」って、意外性ですよね。音質的にはすごく華やかだし。

金子:そうですね、Ivyにしては珍しい。陽のIvyというか。

MISATO:なのにタイトルは「ゴミ」っていう。 そこは是非、歌詞を見ていただきたいですね。あとFiJAって、私初めてだったんですけど、すっごく良い。



金子:今回 FRIENDSHIP. から初めてのリリースです。良いですよね。パジャ海こと、パジャマで海なんかいかないの作品にヴォーカルで参加してた人で。多分その縁もあって、今回 FRIENDSHIP. からのリリースかなと思うんですけど。日本とフィリピンにルーツを持ってらっしゃって、アメリカに留学してゴスペルの聖歌隊に参加していたり、そういう経歴もあるみたいです。

MISATO:へー、素敵。

金子:ゴールデンウィークにVivaOlaくんと共演する予定があったけど、それは流れちゃって。でも、VivaOlaくんたちと同じように、最初からグローバルな感覚を持っているシンガーだなっていうのは、一聴して伝わってくる。やっぱりこういう人たちがどんどん盛り上がって繋がっていくと、より面白い音楽が聴けるんじゃないかなーという感じがすごくします。

MISATO:いいなー。音数少なくても彼女の声だけ鳴っていれば十分なんですよね。
それでは、オンエアする一曲を決めていこうと思いますが。

金子:はい。この中から、揺らぎを聴いてもらおうかなと思いました。改めて紹介すると、2015年に結成された関西発のバンドで、元々4人組だったのが今は3人組。大阪の有名なレコードショップであるFLAKE RECORDSのレーベルFLAKE SOUNDSから元々リリースしてるんですけれども。
2018年に出したEPがめちゃめちゃ評判良くて、海外のバンドのオープニングアクトとかもいくつかやってたり、という中で久々の新曲リリースなんですけど。なんでかけようかと思ったかって、今年はあのMy Bloody Valentineの不朽の名作と言われる「Loveless」のリリースから三十周年で、デジタルの解禁がつい先日始まっていて。シューゲイザー界隈がまた盛り上がっていて。

MISATO:色々なところでマイブラの企画ありますものね。

金子:そうそう。揺らぎもまさにそのシューゲイザー的な音を今に鳴らしてるバンドなので、「このタイミングに久々の新作リリース狙ったのかな?」みたいな、めちゃめちゃ良いタイミングで。揺らぎっていうバンド名からして、シューゲイザーは歪みというよりも、揺らぎっていうか。

MISATO:うんうん。

金子:そういう感覚を持っているバンドな気がします。6月30日には1stフルアルバムのリリースも予定されていて、今回の曲はそこからの先行シングルなんですけど、アルバムには初めて外部のプロデューサーで、Big Animal Theoryが参加していて、Big Animal Theoryは元々FRIENDSHIP.からリリースをしている人で。

MISATO:そうなんだ。

金子:ここにもFRIENDSHIP.のコラボが収録されていると。

MISATO:すごいなー、楽しみですね。



MISATO:シューゲイザーを今のこの新譜という形で、ここまでちゃんとシューゲイザーっていうのは久しぶりかもしれないです。

金子:直系って感じがしますよね、揺らぎは。

MISATO:そうですね。細かいところのこだわり、ハットの使い方とか、ちょっとタメる感じも含めて、本当に考えて、直系感っていうのが出ているんだろうなーって。

金子:その上でね、多分、アルバムだとより他の要素も色々入ってくるんじゃないかなと思うんで、気になりますね。

MISATO:アルバム「For you, Adroit it but soft」は6月30日リリース予定です!


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


LINK
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