2021.06.09
音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.074は、心にそっと寄り添う親しみやすいポップスを奏でる大阪発の4人組バンドYMBを取り上げる。6月9日にリリースされた、前作『ラララ』から1年ぶりとなる3rdアルバム『トンネルの向こう』は、宮本佳直(Gt/Vo)といとっち(Ba/Vo)の男女ツインボーカルが織りなす歌心溢れるメロディに加え、言葉遊びと軽快なライミングが随所に散りばめられ、よりグルーヴィーなバンドアンサンブルに進化した。かねてからSNSでショートアニメを投稿しているいとっち制作のアニメーションMV「think」にも注目。
中学、高校では野球部に入っていたので、一旦演奏からは離れますが、大学に入ってできた友達に「音楽が好きで、楽器ができるなら、MTRで宅録してみたら?」と勧められ、やりだしたのがきっかけです。
当時はレディオヘッドとか、ミスチルとか、くるりとか、好きな曲を多重録音で再現することにハマっていました。
そうしているうちにオリジナルでも曲をちょこちょこ作り出し、そんな時出会ったいとっちに自分の曲を聴かせたところ、とても食いついてくれて。2人でユニットをやろう!となり、ライブ活動が始まりました。
改めて自分の曲を聴いていると、その当時聴いていた曲の影響がとても大きいと感じるので、10代の時に特によく聴いていて、今の作曲につながっている曲をご紹介したいと思います。
■幼少期
姉の影響でとても好きになり、今でもずっと聴いている、もしかしたら人生で一番聴いているかもしれないアルバムです。1曲目「Majic Time」の何とも言えない浮遊感のあるイントロを聴くと、姉の部屋から勝手にCDを拝借して聴いていた小学生の頃を思い出します。
■中学、高校時代
初めて聴いた時、こんなに突き抜けてポップな曲があるのかと衝撃を受けました。これでもかと賑やかに鳴る楽器たち全てがスムーズに曲を展開させていて、大人になって良いヘッドホンで聴いてもう一度衝撃を受けました。
■大学時代
まだいとっちとも出会っていなかった時期、人前で初めてバンド演奏をしたのはくるりのコピーバンドでした(確か仮でつけたバンド名は「ベランダー」だった気がする......)。
1曲目は「東京」で、最後の曲が「HOW TO GO」でした。バンド経験のある、なかなか手練れのベースとドラムだったので、ついていくのに必死でした。そのメンバーにも「オリジナルソングを作っているなら聴かせて」と言われ、曲を持って行ったのですが、何もわかっていなかったぼくは、銀杏BOYZやスパルタローカルズが好きなメンバーに、ジャジーなストリングス入りの曲を持って行ったため、それ以降何も言われなくなりました。もう少し曲を選んで持って行っていたら、今とは違った音楽人生があったかもしれません。
コロナ禍の生活に苦悩しながらも、ささやかな希望を見出せる作品になればと思い作りましたので、今だからこそ聴いていただきたいです。
いとっち:『トンネルの向こう』に収録されている「think」のアニメーションMVに注目してもらいたいです!これだけ長編のアニメーションを作るのは初めてで、勝手もわかっておらず、3週間くらい睡眠時間を削って描きました(笑)。
作り切った直後はもう二度とアニメーションは作らない!と宣言していたのですが、また宮本から強引に作れと言われています......。公開からしばらく時間が経ったので、喉元を過ぎて受けてしまいそうです(笑)。
次回作があるかはわかりませんが、とりあえず頑張って作った「think」MVをお楽しみください!
YMBとしては、今1年に1枚ペースでアルバムをリリースしておりますが、その度に1年前の自分では想像できなかった景色が見られていると実感しています。なので、来年もきっとそうなると思いますし、ワクワクしながらいろんなことに挑戦していきたいです。
ぼくは歌詞の中でもよく現実からの逃避を歌っていますが、映画にはまさにそれを求めています。観ている間は何も考えずに楽しめて、終わった後には少し景色が変わったような気になれる映画が好きです。
中でもマーベル映画がとにかく好きで、『エンドゲーム』のラストのあたりは映画を観ていて人生で一番興奮したと思います。
あとはゾクゾクする洋画ホラーも好きで、特に『キャビン』『IT』のリメイク1作目は超好きです。
いとっち:あまり本を読んでこなかった私ですが、こないだ職場の先輩に薦められ、森博嗣の小説を読み始めました。
約25年前に書いたとは思えないトリックで展開が全く予想できません。
私はこういうミステリー系の作品だと心臓が持たないので、ネタバレしてもらわないと読めない性格なんですが、この方の本は無駄な文章がなく、スラスラと読み進められるため、自然にストーリーに引き込まれ、順を追って読み進められています。全シリーズ合わせて50冊くらいだそうで、読み終わるのがもったいなくて今ちょっと読むのを我慢しています。まだ2冊しか読んでないんですが(笑)。
これから読んでいくのを楽しみにしています!
YMB『トンネルの向こう』
2021年6月9日(水)
試聴はこちら
6月26日(土)下北沢BASEMENTBAR
8月13日(金)Live House Pangea【振替公演】
YMB
2015年より大阪を中心に活動。
新しくもどこか懐かしいポップミュージックを日本語で歌う4人組バンド。引きこもって宅録をしていた宮本佳直(Gt/Vo)をいとっち(Ba/Vo)が外に連れ出して活動を開始した。
様々なサポートメンバーを迎えて活動していたが、2019年1月に1stアルバム『CITY』リリース後、2月にヤマグチヒロキ(Dr)と今井涼平(Gt)が正式加入し、現体制となる。
2020年3月には2ndミニアルバム『ラララ』をリリースし、同年8月にワンマンライブを開催。
2021年5月12日、初のカセットテープ作品『little escape / think』をTHISTIME RECORDSからリリース。6月9日にリリースされた3rdアルバム『トンネルの向こう』はバンド初の全国流通盤となる。
@ymb___
@ymb_official
Official YouTube Channel
Vol.074は、心にそっと寄り添う親しみやすいポップスを奏でる大阪発の4人組バンドYMBを取り上げる。6月9日にリリースされた、前作『ラララ』から1年ぶりとなる3rdアルバム『トンネルの向こう』は、宮本佳直(Gt/Vo)といとっち(Ba/Vo)の男女ツインボーカルが織りなす歌心溢れるメロディに加え、言葉遊びと軽快なライミングが随所に散りばめられ、よりグルーヴィーなバンドアンサンブルに進化した。かねてからSNSでショートアニメを投稿しているいとっち制作のアニメーションMV「think」にも注目。
活動を始めたきっかけ
宮本:父はトロンボーン、姉はピアノなど、家族みんながうっすら楽器をやっていて、なんとなく音楽と距離の近い家庭に育ったので、幼少期から音楽を聴くこと、歌ったり演奏することが好きでした。中学、高校では野球部に入っていたので、一旦演奏からは離れますが、大学に入ってできた友達に「音楽が好きで、楽器ができるなら、MTRで宅録してみたら?」と勧められ、やりだしたのがきっかけです。
当時はレディオヘッドとか、ミスチルとか、くるりとか、好きな曲を多重録音で再現することにハマっていました。
そうしているうちにオリジナルでも曲をちょこちょこ作り出し、そんな時出会ったいとっちに自分の曲を聴かせたところ、とても食いついてくれて。2人でユニットをやろう!となり、ライブ活動が始まりました。
影響を受けたアーティスト
宮本:自分の場合は、曲を作り出したのがかなり遅かったため、10代の間はずっと、純粋にリスナーとしてひたすらインプットをしている期間でした。改めて自分の曲を聴いていると、その当時聴いていた曲の影響がとても大きいと感じるので、10代の時に特によく聴いていて、今の作曲につながっている曲をご紹介したいと思います。
■幼少期
姉の影響でとても好きになり、今でもずっと聴いている、もしかしたら人生で一番聴いているかもしれないアルバムです。1曲目「Majic Time」の何とも言えない浮遊感のあるイントロを聴くと、姉の部屋から勝手にCDを拝借して聴いていた小学生の頃を思い出します。
■中学、高校時代
初めて聴いた時、こんなに突き抜けてポップな曲があるのかと衝撃を受けました。これでもかと賑やかに鳴る楽器たち全てがスムーズに曲を展開させていて、大人になって良いヘッドホンで聴いてもう一度衝撃を受けました。
■大学時代
まだいとっちとも出会っていなかった時期、人前で初めてバンド演奏をしたのはくるりのコピーバンドでした(確か仮でつけたバンド名は「ベランダー」だった気がする......)。
1曲目は「東京」で、最後の曲が「HOW TO GO」でした。バンド経験のある、なかなか手練れのベースとドラムだったので、ついていくのに必死でした。そのメンバーにも「オリジナルソングを作っているなら聴かせて」と言われ、曲を持って行ったのですが、何もわかっていなかったぼくは、銀杏BOYZやスパルタローカルズが好きなメンバーに、ジャジーなストリングス入りの曲を持って行ったため、それ以降何も言われなくなりました。もう少し曲を選んで持って行っていたら、今とは違った音楽人生があったかもしれません。
注目してほしい、自分の関わった作品
宮本:なんと言っても、6月9日にリリースになりましたニューアルバム『トンネルの向こう』です。2020年の自分の生活をよく表したアルバムになりました。バンド活動ができない日々が続き、バンドで演奏することを想定せず作った曲ばかりが収録されているのですが、それがよりその時の空気感を閉じ込めることにつながったと思います。コロナ禍の生活に苦悩しながらも、ささやかな希望を見出せる作品になればと思い作りましたので、今だからこそ聴いていただきたいです。
いとっち:『トンネルの向こう』に収録されている「think」のアニメーションMVに注目してもらいたいです!これだけ長編のアニメーションを作るのは初めてで、勝手もわかっておらず、3週間くらい睡眠時間を削って描きました(笑)。
作り切った直後はもう二度とアニメーションは作らない!と宣言していたのですが、また宮本から強引に作れと言われています......。公開からしばらく時間が経ったので、喉元を過ぎて受けてしまいそうです(笑)。
次回作があるかはわかりませんが、とりあえず頑張って作った「think」MVをお楽しみください!
今後挑戦してみたいこと
宮本:少し前にEasycomeのちーかま、ベルマインツの盆丸一生をゲストボーカルに迎えて曲をリリースしたのですが、どちらもぼくといとっちがボーカルでは生まれなかった曲を書けたと思います。なので機会をいただけたら、他のアーティストに向けて曲を書いてみたいです。思ってもみなかった曲ができる気がしています。YMBとしては、今1年に1枚ペースでアルバムをリリースしておりますが、その度に1年前の自分では想像できなかった景色が見られていると実感しています。なので、来年もきっとそうなると思いますし、ワクワクしながらいろんなことに挑戦していきたいです。
カルチャーについて
触れてきたカルチャー
宮本:映画を観るのは好きです。一時期は小難しいものを観なければ!と頑張っていた時もありましたが、今はわかりやすく、すげー!かっこいー!ってなるやつが好きです(笑)。ぼくは歌詞の中でもよく現実からの逃避を歌っていますが、映画にはまさにそれを求めています。観ている間は何も考えずに楽しめて、終わった後には少し景色が変わったような気になれる映画が好きです。
中でもマーベル映画がとにかく好きで、『エンドゲーム』のラストのあたりは映画を観ていて人生で一番興奮したと思います。
あとはゾクゾクする洋画ホラーも好きで、特に『キャビン』『IT』のリメイク1作目は超好きです。
今注目しているカルチャー
宮本:キャンプを始めたいと思っています!すでに小さめのテントなどある程度揃えまして、あとは行くだけです!いとっち:あまり本を読んでこなかった私ですが、こないだ職場の先輩に薦められ、森博嗣の小説を読み始めました。
約25年前に書いたとは思えないトリックで展開が全く予想できません。
私はこういうミステリー系の作品だと心臓が持たないので、ネタバレしてもらわないと読めない性格なんですが、この方の本は無駄な文章がなく、スラスラと読み進められるため、自然にストーリーに引き込まれ、順を追って読み進められています。全シリーズ合わせて50冊くらいだそうで、読み終わるのがもったいなくて今ちょっと読むのを我慢しています。まだ2冊しか読んでないんですが(笑)。
これから読んでいくのを楽しみにしています!
RELEASE INFORMATION
YMB『トンネルの向こう』
2021年6月9日(水)
試聴はこちら
LIVE INFORMATION
YMB 3rd album 『トンネルの向こう』 Release Party‼︎
6月26日(土)下北沢BASEMENTBAR
8月13日(金)Live House Pangea【振替公演】
PROFILE
YMB
2015年より大阪を中心に活動。
新しくもどこか懐かしいポップミュージックを日本語で歌う4人組バンド。引きこもって宅録をしていた宮本佳直(Gt/Vo)をいとっち(Ba/Vo)が外に連れ出して活動を開始した。
様々なサポートメンバーを迎えて活動していたが、2019年1月に1stアルバム『CITY』リリース後、2月にヤマグチヒロキ(Dr)と今井涼平(Gt)が正式加入し、現体制となる。
2020年3月には2ndミニアルバム『ラララ』をリリースし、同年8月にワンマンライブを開催。
2021年5月12日、初のカセットテープ作品『little escape / think』をTHISTIME RECORDSからリリース。6月9日にリリースされた3rdアルバム『トンネルの向こう』はバンド初の全国流通盤となる。
LINK
オフィシャルサイト@ymb___
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