SENSA

2021.05.12

パワーポップに恋をして「Superfriends」-Highlighter Vol.070-

パワーポップに恋をして「Superfriends」-Highlighter Vol.070-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.070は、2015年の結成以来マイペースな活動ながら、ギターポップ、パワーポップ界隈で熱い注目を集めるスリーピースバンド、Superfriendsを取り上げる。
5月12日にリリースされた新作ミニアルバム『Songs as Letters』は、レコーディングにホーン隊も参加。初めて四つ打ちを取り入れたダンサブルな「Let go」をはじめ、バンドのルーツであるWeezerへのトリビュートソング「1994」を含む全6曲を収録している。全編英詞で綴られるのは、どこか遠くにいる誰かへの想い。タイトルのとおり"手紙のような歌"が並んだ。


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活動を始めたきっかけ
高校時代Weezerというバンドの音楽に触れて、メロディを作ることに興味を持つようになりました。それまではヘヴィメタルとかハードロックばかり聴いていて、早弾きギタリストになりたいと思っていました。

影響を受けたアーティスト
Weezer、Fountains of WayneThe WannadiesLunchboxYo La Tengoなど、名前を挙げればきりがありませんが、ジャンルで言えば、パワーポップやインディーポップ、ローファイな音楽から大きな影響を受けてきました。


Weezerが好きすぎて、高校2年から大学1年まで何度も同じアルバムを繰り返し聴いていました。しかし、期待に胸を膨らませて、リアルタイムで買った『Make believe』が思ったよりもしっくりこず、1週間くらい落ち込んだ覚えがあります。あれは恋に近い感情だったんだなと今では思います。そこから、だんだんパワーポップそのものよりも、いろんな音楽を混ぜ合わせて、カラフルな音に落とし込むことに興味を持つようになりました。The Wannadiesを始めとする90'sスウェディッシュポップの影響はかなり大きかったと思います。



注目してほしい、自分の関わった作品
まず、今回リリースする『Songs as Letters』は1曲1曲の音作りにこだわって、曲調に応じて、3人の方に別々にMIXをお願いしています。録音の際はベース谷くんがプロデューサー的な役回りを担い、レコーディングエンジニアをしてくれた荻野真也さんとタッグを組んで、サウンドの方向性を模索してくれました。どんな音で録りたいかを探る中で、逆にそれに合わせて、アレンジが固まっていった部分もあったりして、メンバー3人の個性、そしてMIXをしてくれたエンジニアさんたちの個性が良い感じに組み合わさった音源になったんじゃないかと思います。



また、収録曲の中の「Million miles apart」という曲はMVも作ったので、いろんな方に見てもらえたら嬉しいです。


僕がストーリーや大まかな構図についての絵コンテを描いて、それを元にイラストレーターの高石瑞希さんがアニメーションにしてくれたのですが、出来上がった時はとても感動しました。高石さんが自身のHPにMVの制作日誌を公開していますが、細かいところまですごくこだわってくださって、打ち合わせの度に終始感服していました。本当に一緒に仕事ができてよかったと思っています。



今後挑戦してみたいこと
曲作りについては、今まで挑戦してこなかった少し暗めの曲とか、ダンサブルな曲を作ってみたいと思っています。ドラムの前田さんはもともと山下達郎さんの音楽にかなり影響を受けていたりするので、そういう個性が活かせる曲も作れたらなあなんて思います。それと、10年くらい前に録ったままお蔵入りしているアコースティックアルバムを今年こそ完成させられたらいいなと思っています。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
映画や小説、イラストなどいろいろありつつも、あえてひとつ挙げるならそれは「おもちゃ」なのではないかなあと思います。小さい頃からおもちゃが大好きで、特に小さなこまごまとしたものを集めるのが好きでした。仮面ライダーなどのヒーロー系に始まり、海外のアクションフィギュア集めを経て、今はB級感漂うおもちゃや、少しとぼけた表情をしている人形を集めています。少しだけコレクションをお見せします。

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チームStar Wars。昔からずっと集めています。主要キャラよりも脇役に惹かれます。


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チームゼンマイ人形。E.T.の人形は非常に不気味な動きをするんですが、そこが良いです。


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チーム古代文明。真ん中の不気味なオブジェは京都のコイズミ楽器という民族楽器屋さんで買いました。
アステカ文明の笛がモチーフらしく、一応吹くと怪しげな音が出ます。


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チームすごく小さい。どういうわけか、小さいおもちゃを見るとロマンがかき立てられます。
小さければ小さいほどよいです。


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チームヘロヘロ。とぼけた表情をした人形も、見つけると買ってしまいます。
このヘロヘロした哀愁はPavementとかの音楽にも通ずるものがあるのではないでしょうか。


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チーム透明。透明なものはより一層宝物感が強く、うっとりとした気持ちで眺めてしまいます。


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チーム鉄でできてる。鉄ならではのズッシリした重さが、たまらなくロマンです。


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チーム木でできてる。最近一番気になっているのは木のおもちゃで、いろんな国の木製のおもちゃを集めてみたいと思っています。



いろんなおもちゃがありますが、なんというかそれ固有の表情を湛えたものが好きです。その表情を見ているだけで、何かの物語が動き出すような気がしてくるのです。

今注目しているカルチャー
Let goのミュージックビデオでもチャレンジしてみましたが、ストップモーションアニメ作りにはすごく興味があります。


根気がなくて1日くらいしか撮影の集中力は続かないのですが、いつか大作を作ってみたいです。ウォレスとグルミットシリーズ、ファンタスティック Mr.FOXのようなユーモラスな世界観もいいし、川本喜八郎さんのような緊張感のある表現もいいなあと思います。




ユーリー・ノルシュテインさんの切り紙アニメーションもすごく好きで、そういうリアルではないんだけど血が通っている感じのする表現、みたいなものにもすごく惹かれます。


今のところ、ただiPhoneのアプリで作っているだけなので、もう少しちゃんとした機材を揃えて、長編ストップモーションアニメ作りに挑戦してみたいです。


RELEASE INFORMATION
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Superfriends『Songs as Letters』
2021年5月12日(水)
試聴はこちら

Superfriends - Songs as Letters Trailer



LIVE INFORMATION
Superfriends Release Tour「Summer Letters」
8/14(土)大阪・心斎橋pangea
8/15(日)京都・二条nano
8/21(土)愛知・名古屋KDハポン
8/28(土)東京・下北沢BASEMENTBAR


PROFILE
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Superfriends
塩原(Vo/Gt)、前田(Dr)、谷(Ba)による3ピースバンド。谷は他にもTurntable Films、KENT VALLEYとしても活動中。2005年に結成、過去に自主制作で3枚の作品をリリース、数多くのインディーポップ・コンピレーションにも楽曲を提供。
2018年に初の一般流通盤『Superfriends』をリリース、CD 各取扱い店舗では売り切れ&再入荷を繰り返し、Apple Musicオルタナチャートでは上位にランクイン。 ゲストに朋友ナードマグネットを迎えて行ったレコ発ライブは即ソールドアウト。
2019年に7インチアナログ&配信で『Let's talk about feelings』をリリース。レコ発にはSpecial Favorite Music、Hello Hawkなどがゲスト出演。
2021年待望の新作ミニアルバム『Songs as Letters』をリリースする。


LINK
オフィシャルサイト
@superfriends2
@superfriends2



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