SENSA

2021.05.12

Superfriends「Songs as Letters」──ホーンを入れて多彩なアレンジで聴かせる手紙のような歌

Superfriends「Songs as Letters」──ホーンを入れて多彩なアレンジで聴かせる手紙のような歌

 パワー・ポップ。ギター・ポップ。インディー・ポップ。そこに大きな違いはなく、重要なのは共通する「ポップ」というキーワード。そのポップの秘密を追い続けてきたのが京都の3ピース・バンド、Superfriendsだ。2005年にバンドを結成して以来、自主制作で3枚の作品を発表した彼らは、2018年にリリースした初めての全国流通アルバム『Superfriends』で注目を集めた。『Superfriends』は彼らの代表曲を再録音した名刺がわりの一枚だったが、2年半ぶりの新作『Songs as Letters』は新曲やライヴの人気曲を収録した6曲入りのミニアルバムだ。
 レコーディングには3人のホーン奏者がゲスト参加。オープニング曲「Let go」では4つ打ちのリズムで軽快に駆け抜けていき、サビで目の前の風景がいっきに広がるような気持ち良い展開だが、そこでホーン・セクションが鳴り響いて高揚感が膨らんでいく。先行配信リリースされた「Million miles apart」でもホーンがサビで存在感を発揮。アメリカーナな雰囲気を漂わせた曲に、サザン・ソウルのようなメロウさを醸し出している。また、「Sending You a Little Song」ではジャジーなサックス・ソロをフィーチャーしたりと、持ち前の人懐っこいメロディーやギター・サウンドにホーンを馴染ませて多彩なアレンジで曲に厚みを生み出している。
 そんななか、「1994」はバンドでソングライティングを担当しているギター/ヴォーカルの塩原が、大きな影響を受けたウィーザーに捧げた曲。「1994」といえばウィーザーがファースト・アルバム『Weezer』をリリースした年だが、ラウドなギター・サウンドといい、曲調といい、初期ウィーザーへの愛情が直球で伝わってくる。繰り返される「All I need is your melody(僕に必要なのは君のメロディーだけ)」という一節に象徴されるように、この曲はウィーザーを通じてメロディーや音楽に捧げたラヴレターだ。
 そのほかにも、別の道を行くことになった友人や遠く離れたところにいる人など、本作には心を寄せている誰かに向けて手紙を書くように歌われる曲が多く、それが『Songs as Letters』というアルバム・タイトルに繋がっている。そこには、パンデミックの影響で誰かに会えたくても会えなくない今の世界で感じる、人恋しさや寂しさが反映されているのかもしれない。「Sending You a Little Song」には「I live my lonely days. I' ll write to you. (寂しい日々を送っているから 君に手紙を書くんだ)」という一節があるが、このアルバムに収録されているのはそんなパーソナルな手紙のような歌。だから暖かく、優しくて、しみじみとポップなのだ。

文:村尾泰郎




RELEASE INFORMATION
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Superfriends「Songs as Letters」
2021年5月12日(水)
Label:SECOND ROYAL RECORDS
Format:CD / Digital
¥1,600+税

Track:
1.Let go
2.1994
3.My Donna
4.Million miles apart
5.Sending you a little song
6.Look around

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LINK
オフィシャルサイト
@superfriends2
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