SENSA

2024.09.15

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Broken Kangaroo・フリージアン・ゲシュタルト乙女ほか全19作品 -2024.9.14-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Broken Kangaroo・フリージアン・ゲシュタルト乙女ほか全19作品 -2024.9.14-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:9月9日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全19作品の中から、まずは Part-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。今週ははじめましてさんがいらっしゃいません。

金子:1組もいないのは珍しいですよね。

みさと:珍しいですね。まずXamdいきましょう。

金子:Xamdは3ヶ月前にもEPを出しているんですけど、速いペースの新作リリースということで。この方は今年メジャーデビューしたSATOHのkyazmとデュオのユニット(phai)をやっていたりするので、ハイパーポップとのシーンともリンクがありつつ、でも音像はエレクトロニカのような繊細なニュアンスもあって。手元の資料には「Bonoboを想起するような」と書いてあって、確かにWARPとかとも通じるような感覚があったりして。すごくかっこいいトラックメイカーですね。



みさと:デジタルインストでエレクトロニカなのに、感情が伝わってくるというか。すごく無機質なはずの中に有機的なものをグッとこさせてくれるような、熱のある音作りというのがすごくバランスがいいですね。

金子:前のEPが『17℃』というタイトルで。最近、平熱感、微熱感みたいな話をよくしていますけど、彼の音楽にもそういう気持ちのいい温度感というのが通底している感じがしますね。

みさと:続いて、リ・ファンデ

金子リ・ファンデさんは10月にアルバムをリリースすることが発表されていて。

みさと:楽しみだな〜。

金子:そこに向けて最近コンスタントに楽曲を発表しているんですけど、今はベットルームポップのモードに入っています。もともとリ・ファンデさんは曽我部恵一さんのROSE RECORDSから作品を発表していたんですけど、曽我部さんもソロ作品ではバンドもやればベットルーム的な打ち込みのものもあったりするので、そういうところでリンクを感じさせつつ、今回の曲に関してはNegiccoがフィーチャリングで参加していて、このコーラスがかわいい。

みさと:超かわいいですよね!また(リ・ファンデと)合うんだよな。

金子:ベットルーム感にすごく合いますよね。



みさと:シンセの音色の感じもすごくかわいいし、Negiccoとリ・ファンデさんの声も合うし、総じてとってもかわいいハッピーな楽曲で。ずっと"かわいい、かわいい"と言いながら、こんなにかわいい曲あるかなと。素晴らしい声の力も改めて感じましたね。そんなPart-1からどうしましょう?

金子Broken Kangarooの新曲を紹介しようと思います。

みさと:いやー。毎作素晴らしいですよね。

金子:今回サウンド面では「NirvanaやAlice in Chainsなどのグランジと、ヒップホップの要素から影響を受け、Broken KangarooなりのJ-POPの形に再解釈して作り上げた」というコメントがあって。こういうオルタナなギターサウンドとヒップホップの組み合わせというと、エモトラップみたいなものが流行って、日本だと(sic)boyとかがそういうサウンドから影響を受けていますけど、それをよりJ-POP的に、ポップにやっているのがBroken Kangarooっぽいなと思います。あとBroken Kangarooは 5月に TikTokにアップしたBLACK PINKのカバー動画がバズって。

みさと:すごいですよね。

金子:1500万回再生200万いいねを獲得しているということで。それを見ると、ギターも上手いんですよね。

みさと:上手!

金子:声もいいしトラックもいいんだけど、ギターも上手くて。それを考えると今回みたいなギターが効いたロック的なサウンドというのは似合うなと思うし、日本もここ最近はヒップホップ、ラップブームではあるけど、やっぱりギターロック大国でもあるので、こういうサウンド感はいろんな人にリーチするだろうなと感じました。

みさと:そのギターロックにすごく似合うような、今回は歌唱の意味でも新しいチャレンジだったのではないかなという。歌い上げの怒鳴るというか、声を張るような感じというのが彼の新境地でもあるし、意外とフィットするのがまた素晴らしい表現力だなと思ったのと、何度もバズを起こせるのは本物ですよね。1回だったらその時のトレンドであったりとか、何かにフィットしたんだなと思うけど、「17歳でこれをして18歳のときにこうで」という履歴書みたいなものを読ませていただくと、彼は本物だなという感じがしますね。これからも注目です。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。アツムワンダフルさんは一服trackシリーズ無限に作れますね。

金子:リリースのペースも速いですもんね。一服trackという名は体を表すで、これまでは少し落ち着いた、一服するような、割とチルなトラックが基本だったんですけど、今回はファンキーなブレイクビーツが印象的な、割とアップな感じもある曲になっていて。一服trackとしては新しいところを見せつつ、メロウなチルなものでも、ファンキーなアップテンポなものでも、ポップセンスをしっかり感じさせるのはトラックメイカーとして素晴らしいなと思って、毎回いいですね。



みさと:今回すごく音色が面白いなと思って、今までの"リラックスってこういうことだよねー"というものではない、一服とか休むということは、今の時代は十人十色というか、その瞬間その人によってリラックス、ゆっくりする感覚だったりやり方も違っていいよねと思わせてくれる、そんな一曲になっています。続いて、山内街子

金子:山内街子もコンスタントにリリースが続いていますけど、毎回いいですよね。 今回は昭和歌謡みたいなところも意識しつつ、オリエンタルなサウンド感があるので、細野晴臣~星野源的な流れも感じさせるし、歌自体もすごく印象的で、少しBialystocksの甫木元くんを思い出させるような部分もあって。サウンド感的にもいいし、歌そのものもすごく力を持っているなと改めて感じて、やっぱり好きだなと思いましたね。



みさと:そのオリエンタルさとか、放浪感とか、港の雰囲気というか、その日暮らしに各地を放浪しているような自由な楽団という感じが見えてきて、その場に留まらないからこその哀愁とか別れみたいなセンチメンタルというところが、そこを表現していて、情景が浮かんでくる一曲でしたね。やっぱり世界観の構築力とそれを表す歌唱力がとってもある人ですね。そんなPart-2からどうしましょう?

金子フリージアンの新曲を紹介しようと思います。

みさと:フリージアンも今回EPです。

金子:歌といえば、最近のFRIENDSHIP.の中でも特に歌の力を持っているバンドというところで、フリージアンの、マエダカズシさんの歌というのはやっぱり強くて。今回EPのタイトルも『歌葬』、"歌"にお葬式の"葬"で『歌葬』というタイトルになっていて。コメントもあるんですけど、「人の生や愛を歌った"熱さ"と、どうしようもできないやるせなさや無常感が持つ凛とした"冷たさ"の共生。その死生観を日本語で歌詞にこめて、良いメロディで、良いサウンドで、今のフリージアンがだせる最大出力の音楽表現をつぎ込んだ8曲となっています。この8曲に込めた想い・決意・愛を、"自らの歌を一度ここで葬り、また次に進んでいく"という意味で『歌葬』と名付けました」ということで、やっぱり歌に対する想いが伝わりますよね。



みさと:泥臭く歌に対する情熱と決意、覚悟が詰まっているその激しさというか、熱量が満載なEPにはなっているんだけど、マエダさんの声ってどこか清涼感があるのですごく通るし、泥臭いだけではない、ちゃんとポップスとして成立する聴き心地の良さというのが、彼の声だからこそ取れているバランス力だなと思いますし、あとはキャッチなメロディーね。パッパラー、パッパッパラーとか。

金子:「怪物」はまさにライブで一緒に歌いたいような曲ですよね。

みさと:色んな節々のギミックが私も真似したいなとか、1回聴いたらすぐに歌えるキャッチなメロディー作りというのは、歌を愛している人だからこそ作れるメロラインな気がしますね。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。先日番組にもゲストに来てくれたMcGrady、リリースしています。

金子:歌ということで言うとMcGradyも負けてないぞという感じで、すごく歌心があって、ソウルフルで。しかも実際に1回会うと少し聴こえ方が変わってくるというか。

みさと:そうなんだよね(笑)。ほんとそれ!

金子:ソシロくんの身長高いあの感じでエモーショナルに歌う姿だったりとか、イケメンなギターのミノリくんがファンキーにカッティングしている感じだったりとか、画も想像しながら聴くと、より迫ってくるものがあるというか、そんな感じがしましたね。



みさと:この曲すごくカッティングギターがかっこいいじゃないですか。それをミノリくんが弾いているんだというのが脳内で一致したとき、よりかっこよく聴こえてしまうというのもあるし、あと2人の人柄がすごく出ているなというか。全体的に上品なサウンド感だなという楽曲の仕上がりなんですけど、やっぱりメッセージが強いというか、熱いというか、秘めているものがある。表には出さないけど、内側にはいつもマグマのようなものを秘めているメンバーだなと思うので、会ってしまうとどんどん評価が高くなってしまうという私たちでございました。

金子:ちなみに今月末、前にチラッと触れたMUSIC CITY TENJINに彼らがアコースティックセットで出演することが決まっているそうなので、福岡の方はぜひMcGradyチェックしてほしいですね。



みさと:絶対いいじゃん。聴いてね。続いて、微熱くん

金子:微熱くんは今回珍しくインストなんですよね。5月にアルバム『37.2℃』が出ていて、そこからのまた新たなスタートというところで、いつもとは少し違うものを提示したのかなという印象で、カワイイフューチャーベース的な感じのサウンドが楽しいですね。Broken KangarooのときもTikTokのことに少し触れましたけど、この曲ももともとTikTokに投稿していて、反応が良かったから実際にリリースすることを決めたそうで。やっぱり若い世代のソロアーティストは、TikTokをいかに使って、どう広めていくかということをそれぞれのやり方でやっていて、そういう現代性も改めて感じる一曲だったなと思います。



みさと:ゲームの世界と現実を繋ぐ、シュワシュワソーダ音のサンプリングが最高で。TikTokであったりだとか、あとはボカロPで活動されている方って、そういうデジタルの世界と現実を繋ぐサンプリングがすごく上手じゃないですか。現代だからこそ作れる音楽性というのが存分に発揮されている楽曲だったと思いますし、あとは言葉を紡ぐと微熱だけど、言葉をなくすと少し体温上がるんだなという棲み分けを意識的にやられていたみたいなので、そのあたりの棲み分けも素晴らしく面白かったです。そんなPart-3からどうしましょう?

金子ゲシュタルト乙女の新曲を紹介しようと思います。

みさと:これ大好きなんですけど。良かったですね。

金子:いいですよね。今回のEPが『仕事』というタイトルで、そのタイトルトラックです。ゲシュタルト乙女はベースのアースが加入して、新たな体制でスタートして、the band apartの荒井さんとコラボをしたり、いろんなことをやってきた中で、これまで出してきた3曲プラス今回の「仕事」という曲の4曲が入ったEPが完成したと。「仕事」という曲から個人的にはSpangle call Lilli lineを思い出したりして、台湾出身だけど、日本のポップスに対する愛情がすごくあるなというのを改めて感じます。『仕事』というタイトルは響き方によってはマイナスにも聴こえかねないかもしれないけど、でも多分ゲシュタルト乙女にとっては、自分らしい表現をしながら生きていくことというのが「仕事」なのかなって。だから漢字にすると「仕事」だけど、英語に訳すとWORKじゃなくて、LIFEとかARTとか、そういうニュアンスなんだろうなというのを感じました。



みさと:聴き手によってどうにでも捉えさせてくれる、すごく余白がある楽曲だなと思っていて、それこそ現代にフィットしている歌詞だなと。"全然大丈夫"という言葉って、"全然大丈夫じゃない"意味としても使うじゃないですか。本当は全然大丈夫じゃないのに"全然大丈夫"と言ってしまうその感覚が、〈なんでもない〉という一言のリフレインに表現されているのかなとも感じて。中トロの電車のサンプリング音を聴くと、なんでもなくないのにこのまま仕事に行く表現にも聴こえたり、でもやっぱり自分に言い聞かせて"大丈夫。また一歩進んでいこう"という捉え方もできるし、すごく奥行きの広い曲作りだなと思いました。EP通してぜひ聴いてみてください。

番組の後半はDOGADOGAがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武、そしてFRIENDSHIP.のキュレーターの平大助の3人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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