- TOPICS
- FEATURE
2024.09.12
FM福岡で毎週水曜日 26:00~26:55にオンエアしている音楽番組「Room "H"」。ユアネスの黒川侑司、アツキタケトモ、Laura day romanceが週替わりでMCを務め、彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。
今週のMCは、アツキタケトモが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
皆さん、こんばんは。ここからの1時間はRoom"H" 、DJを務めます、音楽家のアツキタケトモです。この数週間、体調を崩したりもしたんですけど、そんな中でも夏の思い出をバンバン作っていまして。
まずは前回の収録後、SONICMANIAを観に行きました。HIP LAND MUSICの大先輩、サカナクションのライブもぶち上がりました。ちょうど台風がその日接近してて、会場に着けるのか?みたいなところだったんですけど、無事開催という運びになって。意外と電車もあまり止まらずに余裕を持って行って、もうぶち上げでしたね。そして、Underworld!ついに「Born Slippy」を生で観れて、あの多幸感。照明の感じとか、お客さんのボルテージも台風を乗り越えてきた猛者たちだから、"うわー"って熱量がすごかったんですよ。その中でお酒飲みながら、踊った「Born Slippy」は結構人生のハイライトというか、絶対忘れないだろうなっていう感じで。あとはNIA ARCHIVESというアーティストのライブが2時ぐらいだったのかな、めちゃめちゃ踊れて。ずっとジャングルビートっていうか、ドラムンベースみたいな感じだったんですけど。アンダーグラウンドっぽくないというか、すごくカラッとしてポップなんですよね。ポップだけどビートはすごくブレイクビーツとかで攻めてるみたいな。アンダーグラウンドっぽいっていうギャップで本人も歌いながらめっちゃ煽るし。DJプレイだけど歌うみたいな。しかも歌っている時の煽り方すごくポップみたいな。あんなにブレイクビーツでポップなアーティストっていなくて。マジで人前であんなに踊ったことないだろうなぐらい激しく踊ってて。しかも2時半とかで、お酒も入ってたから、もう飛んでましたね。ちょっと気持ち的にもフライハイしてましたね。
という、そんな楽しいSONICMANIAがあったりとか。この前は大阪でライブがありまして、大阪のライブは3月ぶりだったんですけど、打ち上げで結構飲む感じになって、ライブハウスのスタッフの皆さんとテキーラとか飲みながら"ウェーイ"ってやったり、"この感じ久々"みたいな。"ライブハウス!"みたいな感じですごく楽しかったですね。本番も新曲とかあったんですけど、フロアがあったかくて。のびのびとパフォーマンスすることができましたね。また行く予定もあるので、どんどんライブも頑張っていきたいなと思います。
では、早速番組始めていきましょう。今日の1曲目はこれ初めてオンエアなのかな?久々のオンエアなのかちょっと忘れちゃいましたけど、2022年にリリースしたEP『Outsider』 より、「それだけのことなのに」という曲を紹介したいと思います。この曲のMV は夏に撮影して、2022年の夏の思い出のMVになってますので、MVも観てほしいなぁなんて思いながら、紹介しようと思います。
さて、FM FUKUOKAからアツキタケトモがお送りしているRoom"H"。ここからは、@リビングルーム。 僕、アツキタケトモの回では毎週テーマを決め、曲をセレクトして、その楽曲たちについて熱く語っています。今夜の特集テーマは、"夏の終わりに聴きたい曲"ですね。皆さんはまだまだ暑い時期が続きますけど、そろそろ夏も終わりというところで、素直にそういうテーマで選んでみました。
今まで裏をかきたい人生を歩んできてしまって。28歳になって思い返すと、"別にその局面で裏をかく必要なかったよね?アツキくん"みたいなことが多いんですよね。"そこ別に素直に成長してよかったんじゃない?"みたいな。"そこ、裏取りしようとか、他の人と違う方に行きたいって思ったが故にめっちゃ遠回りしてない?"みたいな。もうちょい2、3年早くここにたどり着けたよね、みたいな。27歳ぐらいから若かった頃の裏をかくっていうことをかっこいいと思ってた自分の恥ずかしさみたいな。そういうモードで向き合う機会が増えてきたので、選曲のテーマも、まっすぐ今の時期に聴きたい曲を流したいな、なんていうふうに。
最近そういうモードなので、このテーマで選びました。では早速、"夏の終わりに聴きたい曲"をテーマにセレクトした楽曲をお送りしていきましょう。
まず1曲目は、ひねくれないアツキタケトモですから。森山直太郎さんで、「夏の終わり」。もうこれしかないでしょ、「夏の終わり」(笑)。 「夏の終わり」ですもん。もうこの曲、"夏の終わりに聴きたい曲"って言った時点で、この曲流れてるんじゃないですか?なんなら、脳内で皆さん流れてたんじゃないですか?この曲は僕の唯一のモノマネのレパートリーです。いや、全然上手くない。全然下手なんですけど、かれこれ小学校の頃からずっとやってましたね。別に似てないんですけど。
〈夏の終わり〉って、僕のキーで行くとそんなに高くないんですよ。でも、このファルセットで行くというのが結構練習になってたなと。カラオケとかの感覚で行くと、高くて裏声になっちゃうみたいな。その音域が自分の地声より高くて裏声に逃げるとか言いますけど、本来はファルセットと地声を上手く混ぜて、地声でもファルセットでも出せるっていうのが歌い手としては結構大事で。だから、地声っぽくも出せて、裏声にも行けるっていう。ミックスボイスへと至るこの切り替え、裏声と地声のバランス感、裏声の方の練習にすごくなってたなと。ミックスボイスを習得したい方は、この森山直太郎さんの「夏の終わり」のモノマネをたくさんするといいんじゃないかなと思います。
改めて、直太郎さんの歌声というのはとても「夏の終わり」に染みついてる、日本人の夏の終わりに染みついてる歌だなと思いました。
続いてはですね、こちらもかなりド定番の曲ですけども、井上陽水&安全地帯で、「夏の終わりのハーモニー」ですね。これはデュエット曲のマスターピースみたいな、男性同士のデュエットでこれが完成しちゃっているんじゃないか、みたいな曲になってますよね。スーパー歌うまコラボというか。
この曲、音域のレンジとかキーはそんなに高くないんですけど、2人とも声の厚みというかレンジ感が倍音になってる感じがすごいから。そんな高い音域とか使わなくてもめちゃめちゃ迫力あるっていうか。どこまでも連れてってくれるような感覚の歌というか。今の時代、僕も結構ハイトーンなんですけど。発声がそういう感じにどんどんなっていってるけど、この低いところでこれだけ広がりを生むっていうのは、逆に今聴くと新鮮にも思えるんですけど。
あと、お互いめちゃめちゃ独特な歌い方、癖があるけど、2人で歌うと調和が取れてるっていうのがまた素晴らしくて。あと、ハモリのラインが美しすぎて、教科書みたいなハモのラインなので。ハモってるっていうか、主メロが2つあるみたいに聴こえるっていうか。本当にハモるっていうこと、デュエットっていうことのお手本みたいな曲ですね。それでいて、日本の夏の終わりの風景が見えてくる。超名曲です。
3曲目は ちょっとここら辺でクールダウンな感じですね。Childish Gambinoで「Feels Like Summer」
ですね。避暑地感のあるサウンドな気がしませんか?もうそれだけなんですけど。ちょっと低体温な感じで心に涼しい風が吹いてくる感じ。あと、低音の処理がすごくモダンなんだけど、やってること自体は昔からある感じだったり。
古き良きを今に落とし込むみたいなバランスがChildish Gambinoの楽曲はどれもそういう感じがあるっていうか。めちゃめちゃアバンギャルドというか、新しいものっていう感覚と同時にどこか落ち着く懐かしさもあって、僕はずっと聴いちゃうんですけど。あと、この曲"Blah"とかボイスサンプルがずっとあるんですよ。"ファー"ってずっとこうリバーブ飛ばしながら、"Eh Eh"とかずっと裏で言ってて、それがもうトラックになってるというか。
最近、曲作ってて、Childish Gambino とか聴いてて、"うわ、こういうボイスサンプル入れたいな"と思って、どんどん入れているんですけど、結局トラックにも鍵盤も入ってて、ギターも入っててベースもあってとか、ごちゃごちゃしてっちゃう。けど、Childish Gambino の曲ってトラックは質素っていうか、そんなに音を足してなくて、すっきりしたところにボイスサンプルで空間がさらに広がってくような。その音のバランス感みたいなものは、今研究してたりもするんで。あと、単純に耳で聴いてて、避暑地感あるな?みたいなテンションで、すごく気持ちよくなれる曲です。
こちらもちょっとこう、避暑地感じゃないですけど、ちょっとクールダウンな感じですけど、Ben Wattで「Some Things Don't Matter」という曲を選んできました。この曲が入っているのは『North Marine Drive』っていう、Ben Watのソロアルバム。その時はソロだったけど、その後、Everything But The Girl を結成して、その前に出てたソロアルバムですけど、アコギがメインで、本当にトラック的にはシンプルなんだけど、コード感に夏の終わりみたいなものを感じたりとか。
色々、燃え上がった後、みたいな空気感が音のサウンド感とかコード感にめちゃめちゃ感じれて。あと、ボーカルも張らないというか、つぶやくようにボソボソ歌ってる感じが夏の終わりになると聴きたくなるんですよね。あと、単純にネオアコとかって夏真っ盛りというか、ちょっと夏過ぎた頃ぐらいに聴くと、ちょうど心が涼しくなるみたいなところがあったりするので。このアルバムはなんで知ったんだろうな。高校の頃ぐらいから、多分当時の僕のプロデューサーがすごく好きで、聴いてたのを影響受けて僕も聴き始めたみたいな感じだったと思うんですけど。
このアルバムを聴くと、俺はアコギの人だなみたいな気持ちなんですよね。だから、すごく自分のソングライティングの基礎にある、そんな楽曲になってます。
ラスト、5曲目は荒井由実さんの「晩夏(ひとりの季節)」ですね。今まで、この番組でいかにユーミンが凄いか、松任谷由実さん、荒井由実さんの曲をめちゃめちゃオンエアしてきましたけど、この曲はユーミンの作詞における色彩の表現の凄みみたいなものを堪能できますよね。
あと、よく歌詞を見ていると、1Aの後半に〈何もかも捨てたい恋があったのに 不安な夢があったのに いつかしら 時のどこかへ置き去り〉っていう部分。ここは心の描写なんですけど、ここ以外、精神世界みたいなものはなくて、基本全部情景描写なんですよね。色の表現、景色の表現しかしてないんですよ。
ただ、この1Aの後半で"何もかも捨てたい恋があったのに"っていうところが1個あるだけで、その他の情景描写が全部心情とリンクして、主人公の心模様が景色になってるっていう、夏の終わりの景色と重なってるという建て付けになってて。
そうすると、言葉にはなってないんだけど、その景色からきっと主人公はこういうことがあって、今、こういう気持ちでこういう寂しさを抱えてるんだっていう想像が見えてきて。で、何も言ってないからこそ聴き手はそれぞれの人生で起きた恋の終わりとか燃え上がった何かの終わりを自分のエピソードと重ねながら、その表現を聴けるっていう。本当に文学的というか、歌詞として本当に過不足ない。あれだけ文字数少ないのになんでそこまで広がりが作れるんだろうっていうね。本当に1Aの後半の3行でしか心のこと歌ってないのに、あとは景色を描き続けてそれで心情を描いて、逆に浮き彫りとさせるっていう。本当にユーミンの歌詞は完成されちゃってるなみたいな。勝てないみたいな気持ちに聴けば聴くほどなりますけど、この時期には絶対聴きたい曲ですね。
ちょっと寂しさっていうのが1個テーマになるというか。秋に向けてね。秋ソング特集とかもやりたいですけど 意外とね秋ソングってないですよね。夏の終わりとか、冬ソングとかはあるんだけど。多分今の時代のシンガーソングライター、秋ソング書けないなと思ってて。
っていうのはもう秋がない。最近ってクソ暑いなー、30度超えるなーと思ったら、急に 10度みたいな感じないですか?たまに秋っぽいなーみたいな日あるけど、1年で3日か4日くらいしか心地よい秋みたいな温度の日なくない?でも、ちょっと秋ソングも秋に向けて探しておこうかなというふうに思っております。
続いては宅録コーナー@レコーディングルームです。Room"H"の住人が弾き語りや宅録で何か1曲収録してきて、みんなに聴いてもらおうという時間ですね。 今日、僕アツキタケトモがピックアップしたのはケツメイシの「夏の思い出」ですね。曲自体は夏真っ盛りのテンション感でもあるんですけど、この曲は今年の夏を振り返りながら、脳内スライドショーすると、イントロが流れ出すみたいな感じ。
あと、MVの逆再生でバーってプールから浮き上がるみたいな、あの映像のインパクト。今となれば、スロー逆再生っていうだけなんですけど、当時あの演出ってあんまり見なかったというか斬新で。今回、そのヒップホップ感、当時の感じを今のlo-fiヒップホップみたいな感じでカバーしてみたいなというところから始めて作ったんですけど。で、これをカバーしてみて面白いなと思ったのはサビはサビとして平歌っていうか。この曲選曲しようと思った時、ラップの部分、俺ラップできるかな?とか思ったんですよ。
で、色々聴きながらフローを覚えて、歌入れしていく時に強めに歌わずに、ちょっと抜き目で歌ったりとか、色々自分で工夫したんですけど、そうするとラップというか、歌だなと思ったんですよ。当時はラップと歌ってもうちょい明確に分かれてて。RIP SLYMEとか当時同じ時期に流行ったKICK THE CAN CREWとかもそうですけど、ラップ、ヒップホップって感じとJ-POPっていうのはまた違う畑だったんですけど、当時のヒップホップ感というか当時のラップと今のポップスは、僕の曲のような字が詰まってるメロディとかと全然変わらないし。
それこそVaundyさんとかね、今流行ってる曲のAメロってもうこれぐらい詰まってるなみたいな。YOASOBIとかもそうかもしれないけど。20年経て、ラップ・歌の境目がどんどんなくなっていってて。じゃあ、本業のヒップホップというか、ラップに今いる人たちっていうのはもっとリズムの追求をしてて。もっと曲芸っぽいっていうか、歌とは全然違うリズムの追求がなされてて。
また別の進化をしてて、20年経つと、当時のラップはもう歌になって、歌も進化を続けてった結果、譜割が細かくなって、20年前のラップがもう今となっては歌メロに聴こえるみたいな。そういう変化もすごい感じて、面白かったですね。だから、多分僕のこのカバー聴いてもアツキくんがラップやってるみたいな感じには聞こえないっていうか、歌の延長線上でカバーできたかなという。その面白さを感じながら聴いてほしいなと思います。
撮影:Fuki Ishikura
森山直太朗「夏の終わり」
井上陽水・安全地帯「夏の終わりのハーモニー」
Childish Gambino「Feels Like Summer」
Ben Watt「Some Things Don't Matter」
荒井由実「晩夏 (ひとりの季節)」
アツキタケトモ「夏の思い出」(宅録カバー)
アツキタケトモ「カモフラージュ」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。2022年8月24日にシングル「ありえないよ。」を、同年11月30日にはシングル「Blur」をリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
アツキタケトモ
2020年7月より活動開始。作詞・作曲・編曲を自ら手がける新世代の音楽家。日常に潜むちょっとした違和感を、独自のダンスミュージックで表現する。
1stアルバム『無口な人』は2020年9月にリリースされ、ノンプロモーションながらSpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスで多くのプレイリストに選出され、早耳の音楽ファンから好評を得た。2022年にはSG「Outsider」をリリースし、Billboard Heatseekersや、J-WAVETOKIO HOT 100に入るなど注目を高めている。
7月3日に配信SG「luv U」をリリース。
オフィシャルサイト/ @atsukitaketomo / @atsukitaketomo
Laura day romance
国内外のミュージックラバーにファンを広げる日本のバンド。
鈴木迅が作り出す幅広い音楽性の楽曲と、井上花月の世界観のあるヴォーカル、
タイトさと柔軟さを兼ね備えたリズムを刻む礒本雄太のドラミング、
そしてそれらを表現するためのベストな形でジョインするサポートメンバー達。
2023年初頭には「関ジャム 完全燃 SHOW( テレビ朝日 )」 で川谷絵音氏が選ぶ 2023 年のマイベスト 10 曲の第三位に「sweet vertigo」が選出され、大きく注目を集め始めている。
ワンマンライブは開催を重ねるごとに規模を広げており、2024年10月~11月には、ツアーファイナルZepp Shinjuku(TOKYO)を含む全国ツアーが決定している。
オフィシャルサイト/ @lauradayromance / @lauradayromance
今週のMCは、アツキタケトモが担当。SENSAでは、オンエア内容を一部レポート!(聴き逃した方やもう一度聴きたい方は、radiko タイムフリーをご利用下さい。)
皆さん、こんばんは。ここからの1時間はRoom"H" 、DJを務めます、音楽家のアツキタケトモです。この数週間、体調を崩したりもしたんですけど、そんな中でも夏の思い出をバンバン作っていまして。
まずは前回の収録後、SONICMANIAを観に行きました。HIP LAND MUSICの大先輩、サカナクションのライブもぶち上がりました。ちょうど台風がその日接近してて、会場に着けるのか?みたいなところだったんですけど、無事開催という運びになって。意外と電車もあまり止まらずに余裕を持って行って、もうぶち上げでしたね。そして、Underworld!ついに「Born Slippy」を生で観れて、あの多幸感。照明の感じとか、お客さんのボルテージも台風を乗り越えてきた猛者たちだから、"うわー"って熱量がすごかったんですよ。その中でお酒飲みながら、踊った「Born Slippy」は結構人生のハイライトというか、絶対忘れないだろうなっていう感じで。あとはNIA ARCHIVESというアーティストのライブが2時ぐらいだったのかな、めちゃめちゃ踊れて。ずっとジャングルビートっていうか、ドラムンベースみたいな感じだったんですけど。アンダーグラウンドっぽくないというか、すごくカラッとしてポップなんですよね。ポップだけどビートはすごくブレイクビーツとかで攻めてるみたいな。アンダーグラウンドっぽいっていうギャップで本人も歌いながらめっちゃ煽るし。DJプレイだけど歌うみたいな。しかも歌っている時の煽り方すごくポップみたいな。あんなにブレイクビーツでポップなアーティストっていなくて。マジで人前であんなに踊ったことないだろうなぐらい激しく踊ってて。しかも2時半とかで、お酒も入ってたから、もう飛んでましたね。ちょっと気持ち的にもフライハイしてましたね。
という、そんな楽しいSONICMANIAがあったりとか。この前は大阪でライブがありまして、大阪のライブは3月ぶりだったんですけど、打ち上げで結構飲む感じになって、ライブハウスのスタッフの皆さんとテキーラとか飲みながら"ウェーイ"ってやったり、"この感じ久々"みたいな。"ライブハウス!"みたいな感じですごく楽しかったですね。本番も新曲とかあったんですけど、フロアがあったかくて。のびのびとパフォーマンスすることができましたね。また行く予定もあるので、どんどんライブも頑張っていきたいなと思います。
では、早速番組始めていきましょう。今日の1曲目はこれ初めてオンエアなのかな?久々のオンエアなのかちょっと忘れちゃいましたけど、2022年にリリースしたEP『Outsider』 より、「それだけのことなのに」という曲を紹介したいと思います。この曲のMV は夏に撮影して、2022年の夏の思い出のMVになってますので、MVも観てほしいなぁなんて思いながら、紹介しようと思います。
夏の終わりに聴きたい曲@リビングルーム
さて、FM FUKUOKAからアツキタケトモがお送りしているRoom"H"。ここからは、@リビングルーム。 僕、アツキタケトモの回では毎週テーマを決め、曲をセレクトして、その楽曲たちについて熱く語っています。今夜の特集テーマは、"夏の終わりに聴きたい曲"ですね。皆さんはまだまだ暑い時期が続きますけど、そろそろ夏も終わりというところで、素直にそういうテーマで選んでみました。
今まで裏をかきたい人生を歩んできてしまって。28歳になって思い返すと、"別にその局面で裏をかく必要なかったよね?アツキくん"みたいなことが多いんですよね。"そこ別に素直に成長してよかったんじゃない?"みたいな。"そこ、裏取りしようとか、他の人と違う方に行きたいって思ったが故にめっちゃ遠回りしてない?"みたいな。もうちょい2、3年早くここにたどり着けたよね、みたいな。27歳ぐらいから若かった頃の裏をかくっていうことをかっこいいと思ってた自分の恥ずかしさみたいな。そういうモードで向き合う機会が増えてきたので、選曲のテーマも、まっすぐ今の時期に聴きたい曲を流したいな、なんていうふうに。
最近そういうモードなので、このテーマで選びました。では早速、"夏の終わりに聴きたい曲"をテーマにセレクトした楽曲をお送りしていきましょう。
まず1曲目は、ひねくれないアツキタケトモですから。森山直太郎さんで、「夏の終わり」。もうこれしかないでしょ、「夏の終わり」(笑)。 「夏の終わり」ですもん。もうこの曲、"夏の終わりに聴きたい曲"って言った時点で、この曲流れてるんじゃないですか?なんなら、脳内で皆さん流れてたんじゃないですか?この曲は僕の唯一のモノマネのレパートリーです。いや、全然上手くない。全然下手なんですけど、かれこれ小学校の頃からずっとやってましたね。別に似てないんですけど。
〈夏の終わり〉って、僕のキーで行くとそんなに高くないんですよ。でも、このファルセットで行くというのが結構練習になってたなと。カラオケとかの感覚で行くと、高くて裏声になっちゃうみたいな。その音域が自分の地声より高くて裏声に逃げるとか言いますけど、本来はファルセットと地声を上手く混ぜて、地声でもファルセットでも出せるっていうのが歌い手としては結構大事で。だから、地声っぽくも出せて、裏声にも行けるっていう。ミックスボイスへと至るこの切り替え、裏声と地声のバランス感、裏声の方の練習にすごくなってたなと。ミックスボイスを習得したい方は、この森山直太郎さんの「夏の終わり」のモノマネをたくさんするといいんじゃないかなと思います。
改めて、直太郎さんの歌声というのはとても「夏の終わり」に染みついてる、日本人の夏の終わりに染みついてる歌だなと思いました。
続いてはですね、こちらもかなりド定番の曲ですけども、井上陽水&安全地帯で、「夏の終わりのハーモニー」ですね。これはデュエット曲のマスターピースみたいな、男性同士のデュエットでこれが完成しちゃっているんじゃないか、みたいな曲になってますよね。スーパー歌うまコラボというか。
この曲、音域のレンジとかキーはそんなに高くないんですけど、2人とも声の厚みというかレンジ感が倍音になってる感じがすごいから。そんな高い音域とか使わなくてもめちゃめちゃ迫力あるっていうか。どこまでも連れてってくれるような感覚の歌というか。今の時代、僕も結構ハイトーンなんですけど。発声がそういう感じにどんどんなっていってるけど、この低いところでこれだけ広がりを生むっていうのは、逆に今聴くと新鮮にも思えるんですけど。
あと、お互いめちゃめちゃ独特な歌い方、癖があるけど、2人で歌うと調和が取れてるっていうのがまた素晴らしくて。あと、ハモリのラインが美しすぎて、教科書みたいなハモのラインなので。ハモってるっていうか、主メロが2つあるみたいに聴こえるっていうか。本当にハモるっていうこと、デュエットっていうことのお手本みたいな曲ですね。それでいて、日本の夏の終わりの風景が見えてくる。超名曲です。
3曲目は ちょっとここら辺でクールダウンな感じですね。Childish Gambinoで「Feels Like Summer」
ですね。避暑地感のあるサウンドな気がしませんか?もうそれだけなんですけど。ちょっと低体温な感じで心に涼しい風が吹いてくる感じ。あと、低音の処理がすごくモダンなんだけど、やってること自体は昔からある感じだったり。
古き良きを今に落とし込むみたいなバランスがChildish Gambinoの楽曲はどれもそういう感じがあるっていうか。めちゃめちゃアバンギャルドというか、新しいものっていう感覚と同時にどこか落ち着く懐かしさもあって、僕はずっと聴いちゃうんですけど。あと、この曲"Blah"とかボイスサンプルがずっとあるんですよ。"ファー"ってずっとこうリバーブ飛ばしながら、"Eh Eh"とかずっと裏で言ってて、それがもうトラックになってるというか。
最近、曲作ってて、Childish Gambino とか聴いてて、"うわ、こういうボイスサンプル入れたいな"と思って、どんどん入れているんですけど、結局トラックにも鍵盤も入ってて、ギターも入っててベースもあってとか、ごちゃごちゃしてっちゃう。けど、Childish Gambino の曲ってトラックは質素っていうか、そんなに音を足してなくて、すっきりしたところにボイスサンプルで空間がさらに広がってくような。その音のバランス感みたいなものは、今研究してたりもするんで。あと、単純に耳で聴いてて、避暑地感あるな?みたいなテンションで、すごく気持ちよくなれる曲です。
こちらもちょっとこう、避暑地感じゃないですけど、ちょっとクールダウンな感じですけど、Ben Wattで「Some Things Don't Matter」という曲を選んできました。この曲が入っているのは『North Marine Drive』っていう、Ben Watのソロアルバム。その時はソロだったけど、その後、Everything But The Girl を結成して、その前に出てたソロアルバムですけど、アコギがメインで、本当にトラック的にはシンプルなんだけど、コード感に夏の終わりみたいなものを感じたりとか。
色々、燃え上がった後、みたいな空気感が音のサウンド感とかコード感にめちゃめちゃ感じれて。あと、ボーカルも張らないというか、つぶやくようにボソボソ歌ってる感じが夏の終わりになると聴きたくなるんですよね。あと、単純にネオアコとかって夏真っ盛りというか、ちょっと夏過ぎた頃ぐらいに聴くと、ちょうど心が涼しくなるみたいなところがあったりするので。このアルバムはなんで知ったんだろうな。高校の頃ぐらいから、多分当時の僕のプロデューサーがすごく好きで、聴いてたのを影響受けて僕も聴き始めたみたいな感じだったと思うんですけど。
このアルバムを聴くと、俺はアコギの人だなみたいな気持ちなんですよね。だから、すごく自分のソングライティングの基礎にある、そんな楽曲になってます。
ラスト、5曲目は荒井由実さんの「晩夏(ひとりの季節)」ですね。今まで、この番組でいかにユーミンが凄いか、松任谷由実さん、荒井由実さんの曲をめちゃめちゃオンエアしてきましたけど、この曲はユーミンの作詞における色彩の表現の凄みみたいなものを堪能できますよね。
あと、よく歌詞を見ていると、1Aの後半に〈何もかも捨てたい恋があったのに 不安な夢があったのに いつかしら 時のどこかへ置き去り〉っていう部分。ここは心の描写なんですけど、ここ以外、精神世界みたいなものはなくて、基本全部情景描写なんですよね。色の表現、景色の表現しかしてないんですよ。
ただ、この1Aの後半で"何もかも捨てたい恋があったのに"っていうところが1個あるだけで、その他の情景描写が全部心情とリンクして、主人公の心模様が景色になってるっていう、夏の終わりの景色と重なってるという建て付けになってて。
そうすると、言葉にはなってないんだけど、その景色からきっと主人公はこういうことがあって、今、こういう気持ちでこういう寂しさを抱えてるんだっていう想像が見えてきて。で、何も言ってないからこそ聴き手はそれぞれの人生で起きた恋の終わりとか燃え上がった何かの終わりを自分のエピソードと重ねながら、その表現を聴けるっていう。本当に文学的というか、歌詞として本当に過不足ない。あれだけ文字数少ないのになんでそこまで広がりが作れるんだろうっていうね。本当に1Aの後半の3行でしか心のこと歌ってないのに、あとは景色を描き続けてそれで心情を描いて、逆に浮き彫りとさせるっていう。本当にユーミンの歌詞は完成されちゃってるなみたいな。勝てないみたいな気持ちに聴けば聴くほどなりますけど、この時期には絶対聴きたい曲ですね。
ちょっと寂しさっていうのが1個テーマになるというか。秋に向けてね。秋ソング特集とかもやりたいですけど 意外とね秋ソングってないですよね。夏の終わりとか、冬ソングとかはあるんだけど。多分今の時代のシンガーソングライター、秋ソング書けないなと思ってて。
っていうのはもう秋がない。最近ってクソ暑いなー、30度超えるなーと思ったら、急に 10度みたいな感じないですか?たまに秋っぽいなーみたいな日あるけど、1年で3日か4日くらいしか心地よい秋みたいな温度の日なくない?でも、ちょっと秋ソングも秋に向けて探しておこうかなというふうに思っております。
ケツメイシ「夏の思い出」@レコーディングルーム
続いては宅録コーナー@レコーディングルームです。Room"H"の住人が弾き語りや宅録で何か1曲収録してきて、みんなに聴いてもらおうという時間ですね。 今日、僕アツキタケトモがピックアップしたのはケツメイシの「夏の思い出」ですね。曲自体は夏真っ盛りのテンション感でもあるんですけど、この曲は今年の夏を振り返りながら、脳内スライドショーすると、イントロが流れ出すみたいな感じ。
あと、MVの逆再生でバーってプールから浮き上がるみたいな、あの映像のインパクト。今となれば、スロー逆再生っていうだけなんですけど、当時あの演出ってあんまり見なかったというか斬新で。今回、そのヒップホップ感、当時の感じを今のlo-fiヒップホップみたいな感じでカバーしてみたいなというところから始めて作ったんですけど。で、これをカバーしてみて面白いなと思ったのはサビはサビとして平歌っていうか。この曲選曲しようと思った時、ラップの部分、俺ラップできるかな?とか思ったんですよ。
で、色々聴きながらフローを覚えて、歌入れしていく時に強めに歌わずに、ちょっと抜き目で歌ったりとか、色々自分で工夫したんですけど、そうするとラップというか、歌だなと思ったんですよ。当時はラップと歌ってもうちょい明確に分かれてて。RIP SLYMEとか当時同じ時期に流行ったKICK THE CAN CREWとかもそうですけど、ラップ、ヒップホップって感じとJ-POPっていうのはまた違う畑だったんですけど、当時のヒップホップ感というか当時のラップと今のポップスは、僕の曲のような字が詰まってるメロディとかと全然変わらないし。
それこそVaundyさんとかね、今流行ってる曲のAメロってもうこれぐらい詰まってるなみたいな。YOASOBIとかもそうかもしれないけど。20年経て、ラップ・歌の境目がどんどんなくなっていってて。じゃあ、本業のヒップホップというか、ラップに今いる人たちっていうのはもっとリズムの追求をしてて。もっと曲芸っぽいっていうか、歌とは全然違うリズムの追求がなされてて。
また別の進化をしてて、20年経つと、当時のラップはもう歌になって、歌も進化を続けてった結果、譜割が細かくなって、20年前のラップがもう今となっては歌メロに聴こえるみたいな。そういう変化もすごい感じて、面白かったですね。だから、多分僕のこのカバー聴いてもアツキくんがラップやってるみたいな感じには聞こえないっていうか、歌の延長線上でカバーできたかなという。その面白さを感じながら聴いてほしいなと思います。
撮影:Fuki Ishikura
9月11日(水) オンエア楽曲
アツキタケトモ「それだけのことなのに」森山直太朗「夏の終わり」
井上陽水・安全地帯「夏の終わりのハーモニー」
Childish Gambino「Feels Like Summer」
Ben Watt「Some Things Don't Matter」
荒井由実「晩夏 (ひとりの季節)」
アツキタケトモ「夏の思い出」(宅録カバー)
アツキタケトモ「カモフラージュ」
番組へのメッセージをお待ちしています。
Twitter #fmfukuoka #RoomH をつけてツイートしてください。MC3人ともマメにメッセージをチェックしています。レポート記事の感想やリクエストなどもありましたら、#SENSA もつけてツイートしてください!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Room "H"」
毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"203号室(毎週水曜日の26:00~26:55)"では、音楽番組「Room "H"」をオンエア。ユアネスの黒川侑司、アツキタケトモ、Laura day romanceが週替わりでMCを務め、本音で(Honestly)、真心を込めて(Hearty)、気楽に(Homey) 音楽愛を語る。彼らが紹介したい音楽をお届けし、またここだけでしか聴けない演奏も発信していく。放送時間:毎週水曜日 26:00~26:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
黒川侑司(ユアネス Vo.&Gt.)
福岡で結成された4人組ロックバンド。感情の揺れが溢れ出し琴線に触れる声と表現力を併せ持つヴォーカルに、変拍子を織り交ぜる複雑なバンドアンサンブルとドラマティックなアレンジで、詞世界を含め一つの物語を織りなすような楽曲を展開。
重厚な音の渦の中でもしっかり歌を聴かせることのできるLIVEパフォーマンスは、エモーショナルで稀有な存在感を放っている。2021年12月1日に初のフルアルバム「6 case」をリリース。2022年8月24日にシングル「ありえないよ。」を、同年11月30日にはシングル「Blur」をリリース。2022年6月1日にソロ第1弾シングル「この星からの脱出」をリリース。2022年7月8日にはソロ第2弾シングルでギタリスト「こーじゅん」をフィーチャリングに迎えた「フライディ・チャイナタウン (Acoustic Cover)」をリリース。
オフィシャルサイト/ @yourness_on/ @yourness_kuro
アツキタケトモ
2020年7月より活動開始。作詞・作曲・編曲を自ら手がける新世代の音楽家。日常に潜むちょっとした違和感を、独自のダンスミュージックで表現する。
1stアルバム『無口な人』は2020年9月にリリースされ、ノンプロモーションながらSpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービスで多くのプレイリストに選出され、早耳の音楽ファンから好評を得た。2022年にはSG「Outsider」をリリースし、Billboard Heatseekersや、J-WAVETOKIO HOT 100に入るなど注目を高めている。
7月3日に配信SG「luv U」をリリース。
オフィシャルサイト/ @atsukitaketomo / @atsukitaketomo
Laura day romance
国内外のミュージックラバーにファンを広げる日本のバンド。
鈴木迅が作り出す幅広い音楽性の楽曲と、井上花月の世界観のあるヴォーカル、
タイトさと柔軟さを兼ね備えたリズムを刻む礒本雄太のドラミング、
そしてそれらを表現するためのベストな形でジョインするサポートメンバー達。
2023年初頭には「関ジャム 完全燃 SHOW( テレビ朝日 )」 で川谷絵音氏が選ぶ 2023 年のマイベスト 10 曲の第三位に「sweet vertigo」が選出され、大きく注目を集め始めている。
ワンマンライブは開催を重ねるごとに規模を広げており、2024年10月~11月には、ツアーファイナルZepp Shinjuku(TOKYO)を含む全国ツアーが決定している。
オフィシャルサイト/ @lauradayromance / @lauradayromance