SENSA

2024.09.08

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Helsinki Lambda Club・Heavenstamp・POOLSほか全27作品 -2024.9.7-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Helsinki Lambda Club・Heavenstamp・POOLSほか全27作品 -2024.9.7-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:9月2日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全27作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。まず、はじめましてさんです。4円

金子:名前からして気になりますけど、この方は2010年にニコニコ動画の投稿でデビューしている、歌い手出身のアーティストですね。すでに中国でも人気があって、上海でワンマンライブをやっていたり、グローバルに活躍している方と。

みさと:すごいな。



金子:今回FRIENDSHIP.からは初めてのリリースで、弾き語りメインの、アレンジ的にはすごくシンプルに歌を聴かせる曲。線香花火がテーマになっていて、もう9月に入ってしましたけど、夏の終わりにぴったりないい曲だったのではと思います。

みさと:まさに"歌ってみた出身"ならではな、歌声だけで勝負できる人でもありつつ、楽曲自体もすごく良かったし、息遣いとか、語尾の余韻の残し方とか、歌い始め1音目の空気感とかはまさにそこで戦ってきた人だなという、魅せ方がすごく上手で、いい声ですねー。また聴きたくなる歌声です。そして、アジア圏といえばのMajor in Body Bear、おひさしぶりですよね。



金子:リリースは2年半ぶりぐらいですね。彼らは台湾出身のインストバンドで、すでに日本にも何回か来ていて、LITEとかとも共演しています。4ピースで、ギターとピアノのメンバーがいるというところで、2トップじゃないけど、その押し出しがありつつ、重厚で、エモーショナルで、結構トリッキーな展開があったり、ミックスでの遊びもあったりとかして。日本でjizueとも共演しているらしいんですけど、jizueもギターとピアノの2トップがいるバンドなので、相性良さそうだなという感じがしました。

みさと:そうか、やっぱりjizueとの共通点もエネルギーと上品さの掛け合わせというか。美しいんだけど、劇場型な部分も見せてくれるという意味では通じるところがありますね。今回の楽曲は平和を願い、求めているという意味も込められているということなんですけど、それって優しさだけでは叶わない、エネルギーとか強さも必要になってくると思うので、サウンドだけでもテーマが伝わってくるような楽曲作りをされていますね。そんなPart-1からどうしましょう?

金子Helsinki Lambda Clubの新曲を紹介しようと思います。

みさと:新作としては1年ぶりのリリース。意外と経ちましたね。

金子:最近はリミックスが出ていたんですけど、純粋な新曲という意味ではアルバム以来1年ぶりですね。でもそんなにひさしぶりな感じがしないのは、最近それだけ活躍していたということでもあって。今年はSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)に出演していたり、イギリスツアーもやって、The Great Escapeというフェスにも出演していたり。もともと海外の音楽が好きな人たちだったのは間違いなくて、ついに海外でも活発に活動するようになって、だからこそなのか、今回の新曲ってすごく肩の力が抜けた、肩肘張っていない感じがあって。アルバムから1年経って、ひさびさの新曲となると、新機軸を打ち出してやろうとか、肩に力が入ってる曲が出てくるタイミングだったりもする気がするんですけど、でも今は海外で活動し始めて、自分たちのやりたいことがやれている、これまでやってきたことを持って海外に行って、実際に手応えもあったというところで、自分たちらしくやればいいんだなという、そういうモードに今なっている感じがすごくしました。



みさと:イントロのない曲なんですけど、イントロのないボーカル始まりの曲ってすごくメッセージ性が強く感じられるというか、強さも感じるんですけど。その後の中トロからリラックスした雰囲気と、踊りたかったら踊っていいよと言われているような曲の構成に私は感じて。曲の楽しみ方を指南されているような作りをしているのは、やっぱりヘルシンキの音楽の探求心と今までやってきたアウトプットというのが、"楽しく音楽聴いてよ"という。今の自分たちはこうだよというのを押し付けなく、自然に出てきた形なんだなというのが伝わってくる、今のヘルシンキの曲なんだなというのが見えてくる一曲でした。

金子:メッセージということだと、今回「THE FAKE ESCAPE」というタイトルで、それこそThe Great Escapeに出演したときに、THE FAKE ESCAPEという非公式のパロディーイベントのステッカーが貼ってあったのを見つけたらしくて。SXSWもそうなんですけど、実はバックに戦争に少し加担しているような企業も絡んでいるのではないかみたいなことで、アーティストによってボイコットとか抗議活動があったと。そのエピソードもこの曲のテーマの背景になっていて。日本にいるとなかなかわからない視点だったりするけど、海外に行くとこういうことも見えてきたりして、そこも楽曲の背景としては大きいかなと思います。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。今週は、はじめましてさんも結構いらっしゃるんですよね。FALLING ASLEEPです。

金子:彼らは2015年に結成されている、東京を中心に活動する4ピースのバンド。ミクスチャーとかメタルコアな感じの楽曲で、僕は正直この辺りのシーンのことはすごく詳しいわけではないんですけど、SNSとかを覗いたら、最近だとCrossfaithのツアーに参加していたりとか、このシーンの中では実力が認められている、まさに実力派な感じがして。実際楽曲も生演奏とエレクトロニックなサウンドとの絡みがかなり洗練されつつも、熱量を強く感じさせるものになっていて、かっこいいバンドでした。



みさと:2015年に結成されたキャリアというのが、演奏力とボーカルの圧倒的なボーカリスト感の裏付けだったわけですよね。ミクスチャーロックなんだけど、電脳サウンドのハイブリッドみたいな、あの楽しみ方というのはコアでありながらも、新しいファン層も取り込める可能性のあるジャンルですよね。続いて、儚苑

金子:儚苑はFRIENDSHIP.から2作目のリリース。前に出した作品は君島大空くんとかを連想させるような、結構オルタナティブなロックだったんですけど、今回の新曲は全然違って。

みさと:人が違うくらいの。



金子:今回eruとのコラボレーションということもあるんですけど、エレクトロなトラックになっていて。なのでびっくりしつつ、でも儚苑のプロフィールを改めて読むと、「音楽で芸術を体現することを目的に始めたプロジェクト。固定のメンバーを持たない楽曲制作スタイルと即席creative teamによって、作品毎に違った世界観を創り出し、音楽を通じて伝えたい情景を作品に落とし込んでいる」とあって。

みさと:なるほど、納得。

金子:前回と今回で全然曲調が違うけど、まさにそれこそが儚苑なんだという、2曲を聴いて納得しました。

みさと:儚苑でしか体現することができない芸術とか、視線を通して何を見ているのか、次作がまたどんな形でアウトプットされるのかも楽しみなプロジェクトですね。そんなPart-2からどうしましょう?

金子Heavenstampの新曲を紹介しようと思います。



みさと:今回アルバムリリースです。おめでとうございます。

金子:おめでとうございます。Heavenstampも新曲が出るたびにコンスタントに紹介をしてきましたけど、ついにアルバムということで。今回のアルバムの特徴は、まずSallyさんが今回のアルバムのタームからベース・ボーカルになったというのがポイントとしてあって。

みさと:もともとギター・ボーカルだったわけですもんね。大きなチャレンジ。

金子:それによってギターが1本減った分、アレンジの自由度が逆に広がって。特に最近はライブでもサポートしているキーボーディストのサム・ポマンティさんが加わって、アレンジにも参加するようになったことによって、かなり楽曲の幅が広がり、それがアルバムにも収録されていると。その上でこのリードトラックの「歓喜の歌」に関しては、Heavenstampらしい、初期からのシューゲイズサウンドというところもしっかり感じさせつつ、でもサム・ポマンティさんのオルガンのサウンドが温みを加えることによって、らしさと新しさとが同居している感じがして。あと個人的に前もチラッと言ったと思うんですけど、Heavenstampがメジャーデビューしたときに僕は何回か取材をさせてもらっていて、彼らの初期に「Morning Glow」という曲があるんですけど、それがシューゲイズサウンドのらしい曲で。で、今回「歓喜の歌」の中で〈朝が来るよ〉と歌われていて、「Morning Glow」とのリンクが感じられて、やっぱり変わらない部分はあるな、というのも強く感じました。

みさと:彼女たちに歴史があるからゆえのこのアルバムタイトル、『Make Lemonade』なんだなというのも見えてくるエピソードだなと感じました。"人生があなたにレモンを与えるなら、それでレモネードを作りなさい"という言葉から引用されたと伺っているんですけど、きっとメジャーデビューも経験して、ギターからベースに持ち替えて、そしてメンバーはどうするんだ?音楽活動はどうするんだ?ときっと困難を感じることであったり、これはもしかしたら挫折かもしれないと思うこともきっとあったかもしれないけど、だからこそ今の状態で新しいものを作ろうよ、新しいHeavenstampの音楽を世に出していこうよというのが、まさに『Make Lemonade』の精神なんだなというところが見えてきました。一つ一つの言葉もそういう意味で染みてくるし、〈独りで生まれて二人で生きていこうよ "僕ら"を〉というこの歌詞も、孤独を知っているからこそ、じゃあ家族を作ろうよ、パートナーを作ろうよ、コミュニティを作ろうよ、という風に発展していける。言い訳ではなくて、そこからスタートする何かという希望を見せてくれる、とても素晴らしい楽曲、そしてアルバムになってます。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。こちらもはじめましてさんです、Footchy Cooks

金子:彼らは札幌を中心に2022年から活動しているということなんですけど、今回3曲入りの作品で、「未知との遭遇」という曲に関しては、他の2曲と違って自分たちで録音までやっているということで、かなりサイケデリックなサウンドになっていて、ローファイ感があって。これはFRIENDSHIP.のキュレーターの片山翔太(下北沢BASEMENTBAR)くんからの推薦ということでもあるらしく、きっとライブを生で観ての推薦だと思うので、ライブ観てみたいですね。



みさと:歌詞もデザイン的に書いているという一言をいただいてるんですけど、すごく面白いし、サイケでロックなんだけど、突き抜けた明るさというか、ポップさというのがすごく感じられて、ライブでどういう風にその明るさやエネルギーを感じさせてくれるのか、観てみたいバンドのひとつですね。 続いて、中島涼之介さん。

金子:福岡出身の、期待のアーティスト。

みさと:結構コンスタントに出してくださっているんですが、今までの作品とちょっと雰囲気が変わりましたね。

金子:今回の曲すごくいいですよね。作品紹介を読むと、先日約1ヶ月アメリカを横断したということで、この曲はニューヨークに滞在中に自室で制作したということです。それがどこまでどう影響したかというところまではわからないんですけど、これまで以上に洋楽の香りがする曲であり、ニューヨークというよりはカリフォルニアな、ビーチボーイズな感じもあるし、チェンバーポップっぽい雰囲気もあったりして、すごくいい曲でした。



みさと:すごく細かい心の機微を音で表現している構成、音の使い方というのは相変わらず面白い人だなというのも含めて、ゼクシーのCMで流れていそうなぐらいの多幸感?恋の多幸感みたいなものがすごく感じられる。素朴な感じももともと持っていらっしゃったとは思うんですけど、新しい扉が開いた感じがします。そんなPart-3からどうしましょう?

金子POOLSの新曲を紹介しようと思います。

みさと:アルバムリリース、おめでとうございます。

金子:こちらもHeavenstamp同様にコンスタントに新曲をリリースしてきましたが、アルバムが完成ということで。彼ららしいドリームポップ、エレクトロポップ感もありつつ、曲によってはエモっぽい曲もあったりだとか、こちらも非常に多彩な曲が入っていて、レベルが高いバンドだなと改めて思いましたけど、今回アルバムタイトルが『MEMET』、meme(ミーム)とmemento(記憶/形見)という言葉のダブルミーニングになっていて。

みさと:造語なんですよね。

金子:「歌詞はこれまでもインターネットに対する葛藤やアンチテーゼのようなことをずっと歌ってきた自負がある」「このアルバムがいつかみんなのmemeに、mementoになるように、リアルの世界もバーチャルの世界も両方上手に愛していけたらな、と思います」というコメントも来ていて、なるほどなと思って。"ネットの海"みたいな言い方をするじゃないですか。インターネットの中ってもう本当に海のようにどこまでも深くて、みたいな。それをもう少し個人的な世界観で描くとプールになる、みたいなことを思って。

みさと:おー、なるほどね。

金子:これまでPOOLSという名前からすぐに夏を連想していたけど、POOLSってそういう意味合いにも捉えられそうだなと思って、個人的にはPOOLSというバンドに対する認識が少し更新されたような、そんなことも思ったりしました。

みさと:そういう意味では、意外なジャケットだなと思って。それはやっぱり厚武さんと一緒かもしれない。私も勝手に爽やかさとか、夏の突き抜けたポップさみたいなものを勝手に求めてしまっていたのか。

金子:もちろんそれもあるしね。

みさと:あったんだけど、だからあんなに真っ赤で『MEMET』みたいな、結構インパクトのあるジャケットにされていたのがすごく印象的だったんですけど。そういう皮肉であり、自分たちがやりたいと自負してきたもののアウトプットの仕方の一つだったのかなというのも今、納得したところで。楽曲に関しては笑い声のサンプリングとかカッティングギターとかカメラのシャッター音のような画変わりも効果的で、すごく情報量が多い曲なのに、その勢いに負けないボーカルの声と一つ一つの単語がちゃんと飛び込んでくるという。間の取り方含めて計算された、素晴らしい楽曲だなというのを感じたところです。



番組の後半はEmeraldがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武、そしてFRIENDSHIP.のキュレーターの平大助の3人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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