SENSA

2024.08.11

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!DALLJUB STEP CLUB・奔走狂走局・Mercy Woodpeckerほか全26作品 -2024.8.10-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!DALLJUB STEP CLUB・奔走狂走局・Mercy Woodpeckerほか全26作品 -2024.8.10-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:8月5日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全26作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。さてさて、Guibaがリリースです。

金子:Guibaは9月にセカンドアルバムがリリースされることが発表されていますが、ファーストアルバム以降もコンスタントに新曲を出していて。ちゃんと日本語のポップスでありつつ、メンバーそれぞれが持っているインディーロック的なバックグラウンドもしっかり感じられるその世界観をよりどんどん強めていっているという感じがあります。今回の曲だとシンセやパーカションが印象的に使われていて、夏にぴったりないい曲でしたね。

みさと:途中で入るタンバリンもすごく夏っぽさを演出してくれる雰囲気だなと感じたのと、今回「待たせすぎ!」というタイトルで、作品紹介には"女子大生やOLさんに聴いてほしいです"という一文もあるんですけど、私は令和のあみん「待つわ」ソングだなという感じで聴かせてもらいました。

金子:告白の返事を待っている曲ということで、歌詞の世界観もらしいですよね。



みさと:ですよね。「待つわ」と同じようなシチュエーションではあるじゃないですか。愛する人だったり、好きな人に対して何かを待っているその気持ちであったり、実際に会うのを待っているシチュエーションではあるんですけど。時代によって女性の個性とかその美徳みたいなものに、これだけ変化があるんだなと思って。すごく対比としても面白いと思いながら聴かせてもらいました。続いて、山内街子

金子:Guibaとも通じるものがあるというか、ちゃんとポップスなんだけど、インディロック感があるみたいな意味では近しい雰囲気もある気がします。今回の曲は山内街子が前に所属していたバンドを抜けて、現在に至るまでの約1年間の実体験や自分自身との対話をもとに制作されているということで。コメントによると、音楽やめようかと思ったこともあったらしいけど、そのとき感じたことを歌にすることによって、自分が前を向くきっかけにもなった曲だと。なので、思い入れもすごく強い曲だと思うし、実際すごくいい曲で、ここからまた山内街子がもう一度再スタートを切っていくというか、そんな一曲でもあるのかなという感じがしました。



みさと:また前身バンドとは違って、すごく2人の声の相性がいい。

金子:今回はゲストボーカルの方が参加していて。

みさと:(ゲストボーカルの)小松さんのハモリのタイミングであったり、それぞれの声が際立ちながらも2人で一つになっている、融合されている感じがすごく素晴らしいなと思っていて。2人の声が合わさることによって、自分がどの性別で聴くとどういう気持ちになるのか想像の範囲が広がっていく、素晴らしい曲だったと思います。そんなPart-1からどうしましょう?

金子DALLJUB STEP CLUBの新曲を紹介しようと思います。

みさと:今回はセカンドアルバム『CHECK THE SHADOW』を全曲リニューアルする形で制作された、リアレンジアルバムになっています。

金子:少し前にもファーストアルバムのリアレンジアルバムを出していて、すごく精力的だなという感じなんですけど、僕先日フジロックに行ってきまして、色々見てきて、その中でもすごく印象的だったのがSamphaで。シンガーとしても評価が高いんですけど、トラックメーカー、サウンドクリエイターとしてもめちゃめちゃかっこいい人で、ビートミュージック的なものをバンドで再現していて。その中でも特にそれを生ドラムで再現する、ブレイクビーツを叩くドラマーがめちゃめちゃかっこよくて、というのを観ながらDALLJUB STEP CLUBを思い出していて。

みさと:すごいことですよ、これって。

金子:GOTOくんはもうすでにサポートとして色んな人に関わっているけど、ダルジャブ(DALLJUB STEP CLUB)として一人のシンガー、個性のある人のサポートとかをして、Samphaみたいな感じでやったらめちゃめちゃ良さそうだな、みたいな想像をしたりもして。今回のアルバムにしても本当に幅広いビートミュージック、ベースミュージックが入っているので、そんな可能性も感じながら聴きました。

みさと:そうですか〜。しかもダルジャブのこの作品の中での愛すべきポイントが、楽曲の中にユーモアが散りばめられているというところも。こんなにかっこよくて、それこそ世界レベルの音、音像を作り上げているテクニックも素晴らしいのに、タイトルが「KEN YAYOI」。庶民の強い味方、"やよい軒"!。

金子:そうなんですよね(笑)。

みさと:今すぐ食べに行きたくなるような、そんなユーモアが隠されているというところも愛すべきポイントですよね。みなさんこれが"やよい軒"だと思いながらぜひ聴いてみてください。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。KASHIKOI ULYSSESがはじめまして、そして同じレーベルから出しているメシアと人人もリリースになっています。

金子:そのレーベルというのがメシアと人人の北山さんも関わっているSUBMARINE RECORDSというレーベルなんですけど、もともと2014年に"生き埋めレコーズ"というレーベルが『生き埋めV.A.』というコンピレーションを出していて、それが日本のインディーシーンでオルタナとかローファイ系が戻ってくる先駆けとなったコンピレーションみたいに言われていて。FRIENDSHIP.絡みだとAnd Summer Clubも入っていたり、一番最後にNOT WONKが収録されていて、メシアと人人もそれに入っていたアーティストだったりして。その人たちがここに来て新たに作ったレーベルからのリリースなので、そういうオルタナ・ローファイの流れを引き継ぎつつ、非常に音楽愛に溢れたアーティストであり楽曲だなという印象です。今回の曲で言うと、メシアと人人は"マイブラ(My Bloody Valentine)やPixiesをRussell Elevado がエンジニアリングしたようなサウンドを目指した"と資料に書いてあって、ノイジーなギターサウンドなんだけど、Russell ElevadoってSoulquarians、D'AngeloとかThe Rootsとかに関わっているエンジニアなので、ソウルとかR&Bの温かみもあるサウンドになっているのがすごくいいし、KASHIKOI ULYSSESの方はイントロがThe Only OnesというUKの70年代に活躍したバンドを参考にしつつ、1曲の中で大胆に展開が変わるのはPavementの影響、みたいなことがセルフライナーノーツに書いてあって。こういうコメントからしても音楽愛が溢れていて、やっぱり京都のシーンはいいなと改めて思う2組でした。




みさと:共通して、2組ともすごくシンプルだなとも感じました。KASHIKOI ULYSSESに関しては、「I'm just a music」という英語詞を繰り返すんですけど、だからこそ日本語の歌詞がすごく際立っているし、展開の面白さにも耳を奪われるアーティストだなというところと、メシアと人人に関してはギター・ドラムの二人組なんだけど、シンプルながらに耳に残る色んなルーツであったりとか、強固な基盤を感じるところで。マニアックな人たちにも、ここからハマりたいっていう人たちにも刺さる、 すごく間口の広さを感じるような2組だなというのを感じました。そんなPart-2からお送りするのはどうしましょう?

金子奔走狂走局の新曲を紹介しようと思います。

みさと:今回、ファースト・ミニ・アルバムがリリースになります。おめでとうございます。

金子:彼らは今年の6月にサポートメンバーだったドラムの髙橋くんが加入して、正式に4ピースの体制となって初めての音源と。で、今週はフジロックの話を引きずりますが。

みさと:いや〜、いいですよ。行きたての人はそうなっちゃうのよ。

金子:今年はクリープハイプがGREEN STAGEに出ていて、すごくいいライブをしていたんですけど、今の日本のインディーシーンに一番影響力のあるバンドの一つがクリープハイプという印象があって。尾崎世界観さん、もちろん声も特徴的ですけど、彼の歌詞の世界観が今の若い世代にもすごく引き継がれていて。それこそサブスクとかTikTokの時代になると、言葉の強さが改めて際立つので、奔走狂走局もそういう言葉の引っかかりの強さを感じさせるバンドだなというのを改めて思います。
ただ今回の「ワンスモア」のアレンジに関しては、クリープハイプというよりもandymoriっぽかったりもして、そういう2010年代に活躍してきたバンドたちからの影響を引き継いで、2020年代に鳴らす新しい人たちがどんどん出てきているという中で、まさに彼らもその次を担う存在であるということを今回のEPで示したかなという感じがしました。

みさと:言葉の切り取り方であったりだとか、彼らじゃなくては作れない、並ばせ方みたいなものをすごく感じる作品だなというのと、もう総じて"バンドっていいよね"って思えるような、蒼さとか疾走感とか、だけど全てが上手くいってるわけではないんだよねという、鬱屈した感情だったりだとか、そういったものを代弁してくれるバンドの一つだなと思うし、どの時代でも抱えている自分の中での闇みたいなものを、令和の時代だからこのバンドで、この音で、この歌詞で、外に出してほしいんだというところを走っているバンドなのかなという気もしたので、今後が楽しみですね。期待しましょう。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんです、Seukol

金子:彼らは結成が2020年、2021年から本格的に始動しているバンドで、現在は2人編成で活動中と。過去のプロフィールを見ると、くるりとかフィッシュマンズとかにも影響をされているそうなんですけど、今回の曲に関しては、君島大空くんとかにも通じる部分があるような、オルタナティブなかっこいいサウンドになっていて。なので、本当に音楽好きなのをすごく感じるというか、古いものから新しいものまで、音楽好きな人ならみんな"いいよね!"っていうものをリファレンスにしているのがすごく感じられて。たぶん今はそうやって色々吸収しながら、自分たちのオリジナリティを確立しようとしている段階かなという感じもしますが、今回の曲に関しては、自分たちにとっての根底となるテーマ、愛というものについて歌っていて、今後の活動の指針とも言える作品だというご本人たちのコメントもあるので、すごく大事な一曲なんだと思いますね。



みさと:イントロからもう素晴らしいなという印象で、あとはツインギターの強みが出てるなという。ギターリフのあたりの耳を持っていかれる感じとか、すごく音楽的にも完成度の高い曲だなと思いましたし、間の使い方もすごく効果的だったし、1曲通してここからのバンドなのにとても耳を奪われるなという完成度だったと思います。続いて、SigarDownがEPです。

金子:タイトルが『BURNING EMO』ということで、エモ・ハードコア的なシーンから出てきているバンドですね。エモ・リバイバルというのは近年ずっと言われていますけど、そういう音楽って最初はすごくインディーなものとして始まって、でもそれが少しずつ外の人にも届いて、よりポップなものになっていく、みたいなことがどんな音楽でも、時代と共に繰り返されていると思うんですね。そういう意味ではSigarDownはエモという音楽がより開かれた表現になっている、その先で音を鳴らしているなという感じがして。なので、エモをルーツに持ってはいるんだけど、歌詞とかも含めると青春パンクとか、それぐらいの開かれ方だし、メッセージ性を感じさせるので、ジャンルに限らずいろんな人に聴かれる可能性のある作品だなと思いました。



みさと:私も聴かせてもらって、ロックキッズがたまらないような作品に仕上がっているなということが、まさに厚武さんが今おっしゃった開かれている感。これってすごく重要だと思うんですよね。自分たちが好きな音楽を、今鳴らすなら、今の自分たちの立場で鳴らすならどういう音にするか、これってすごく考えなくてはいけないことだし、外にもっと出たいアーティストであればあるほど、重要なエッセンスだと思うので、お茶の間感をちゃんと感じられる作品になっていた、素晴らしいです。

金子:今回の曲は母親のことがテーマになっていたり、こういう歌詞の世界観もいろんな人に響きそうですよね。



みさと:共感力のある一曲だったと思います。そういった意味ではちょっと通じるかもしれませんね、Mercy Woodpecker

金子:開かれていて、ロックキッズが絶対好きという意味では通じるところはあるかもしれないですね。彼らは今回、約1年ぶりのリリースなんですけど、去年『解放のススメ』というアルバムを出していて、その中の収録曲の「ストロボデイズ」いう曲がTikTokをきっかけにかなり聴かれて、主要DSPで500万再生を突破しているそうなので、彼らの曲が徐々にいろんな人に聴かれ始めているんだなと。やっぱりね、キャッチーなんですよね。とにかくソングライティング力が本当に高くて、今回の「失風ラブソング」でもまさにそれが感じられます。ただ「ストロボデイズ」はエレクトロニックな質感の四つ打ちの曲だったり、彼らの曲には結構変拍子の曲もあったりとか、わりと構築的なアレンジの印象もあったんですけど、今回の曲はストレートで疾走感のある楽曲になっていて、"あ、こういうのもできるんだな"というのを改めて感じて。ちゃんと音楽的な幅広さもあるし、"このバンドはまだまだいけそうだな"という感じがしましたね。



みさと:今までのファンの方からすると、ここまでのストレートを投げられると他の変化球も生きてくるなと思うし、ここから入る新しいファンの方にとっては過去曲も掘っていただきたいなというような、一つ指針になる一曲になったなという印象があるのと、あとやっぱりキャッチーなパワーワードが毎作品耳に残るというか、この時代の10代の子たちが気になるワードを使ってくるなというのがすごく令和の風を感じますよね。

金子:今回の曲も"失う風"と書いて「失風ラブソング」ですからね。

みさと:TikTokとかでバズっているのもすごく納得できる作品作りをされるので、今回"私を愛したこと どうか後悔しないで"という歌詞からどういうTikTokをみんなが上げるのか想像つくじゃないですか。この一言だけでこれだけ二次創作の意欲を掻き立てられるような、その続きとか私にとってのこの一言の前日譚みたいなものとかを語りたくなるような、そういうワードを作るのって素晴らしい作家性だと思います。

後半はShōtaro Aoyamaがゲスト出演!





RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武、そしてFRIENDSHIP.のキュレーターの平大助の3人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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