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2024.06.22
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Reina Kawaji・シナリオアート・Barbaraほか全22作品 -2024.6.22-
New Release Digest Part 1
みさと:6月17日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全22作品の中から、まずはPart-1をご紹介しました。リリースおめでとうございます。Helsinki Lambda Club(HLC)のリミックスシリーズ第2弾ですね。
金子:HLCは今年アメリカのSXSWに続いて、5月にはイギリスのThe Great Escapeにも出演して、海外での活動がかなり活発になってきているという中、リミックスシリーズも始めていて、前回がイギリスのSwim Deepだったんですけど、今回はタイのエレクトロポップバンド・KIKIのギタリスト、Nonによるリミックスと。最初、この曲タイトルだけ見てKIKIってあったから、ミズキちゃん(マスダミズキ)のStudio KiKiかなって一瞬思ったけど(笑)、タイのバンドのリミックスでした。HLCはタイのバンドともいろいろ交流がありますけど、まさにエレクトロなサウンドになっていて、かっこよかったですね。
みさと:"このリミックスではギターバンドのような感じを出したくなかった"と、KIKIのNonさんからのコメントもいただいてるんですけど。私がやるからこうなったっていう着地点が、きっとHLCのメンバーからしても、自分たちではない人に頼むことの化学反応というか、楽しみを助長してくれるような作品だったんじゃないかなと思います。そして、はじめましてさんがいらっしゃって、まほろばですね。
金子:まほろばは2023年夏にスタートしたれんぞうくんのソロプロジェクト、現在21歳。 昨年度まで東京で活動していたが、大学への復学に伴い、今年度から大分と東京を行き来してライブをしているということで、福岡にも足を伸ばしてライブをやってたりもするのかなと想像したりしますけど。すごくフォーキーでいい曲を書く方で、サックスも印象的だったりして。あと、まほろばはデモテープの審査で通過してリリースになったアーティストで、曲自体もすごくよかったんですけど、SNSを覗いたらライブのショート動画をコンスタントに上げてて、それもすごくよかったんですよね。だから、デモテープを応募してくれる方は、曲プラス映像とかもあったらいいかもしれない。
みさと:やっぱり、多角的にいろんな判断をする材料があった方が、キュレーターとしてもやりやすいですよね。精力的に頑張っていきたいんだなっていうアウトプットが見えると、応援しやすいっていうのもありますし。あと、彼の声がいい意味で42歳ぐらいっていうか(笑)、いろいろ経験してきたからこその肩の力が抜けてる感じとか、ただの若者にはない味と安定感があるなという。なので21歳だったのかって驚きもありましたし、歌ってるのは「School」なので、若者だったなっていう感じもしますが、いい曲書かれますね。
金子:これから楽しみですね。
みさと:今後にも注目です。そんなPart-1からどうしましょう?
金子:Reina Kawajiさんの曲を紹介しようと思います。この方もFRIENDSHIP.からは初めてのリリースで、東京を拠点に活動しているピアニスト・作編曲家です。音楽大学の卒業後、豊富な音楽知識を生かし、映画、アニメ、舞台、各アーティストのライブサポート、ミュージックビデオなど幅広いジャンルで活躍ということなんですが、何やら、みさとさんがリリースの縁を作ってくれたという。
みさと:そうなんです。ちょうどReinaさんがほぼほぼソロの楽曲を作り終えていて、どこから配信しようか悩んでる、というタイミングに出会って。こんなに実力があって、しかも一緒にやっていらっしゃる方にFRIENDSHIP.界隈の方が多いので、"これはFRIENDSHIP.でしょう!"と思って、"すぐ連絡ください!絶対すぐにすぐに!"みたいな感じで、結構ゴリ押ししました(笑)。もちろん彼女が最終ジャッジをしてくれましたが、FRIENDSHIP.でご縁をという形になりまして、私も嬉しいです。
金子:パジャマで海なんかいかない(パジャ海)のメンバーとしてFRIENDSHIP.からリリースしているChloeさんがフィーチャリングで参加していて、作詞はFiJAさんとも一緒にやってるということで、まさにパジャ海チームなわけで。曲を聴いてもやっぱりパジャ海に通じるような、ネオソウルっぽさのある美しい楽曲になっていました。もちろんChloeさんをフィーチャーしてるから歌の側面も強いんですけど、Reinaさんのソロもフィーチャーされていて、ピアノが美しい楽曲になっていたのもよかったですね。
みさと:テーマが"夢心地"ということで、まさに軽やかで柔らかなタッチがつかみどころのない世界観を表現しているなというのと、Chloeさんも他の楽曲に比べて、スムースな歌唱に聴こえないですか?全体的に音を締めるタイトなドラムとのバランス、一つの作品として完成されてるなという印象もありました。この曲自体がおそらく彼女自身のこれまでと現在の葛藤、努力で出してきた結果、そのすべてを振り返りながら作ったんだろうなと思わせるテーマだったので、ソロ1作目にふさわしい、これからもっとソロとしても頑張っていきたいというのが見える楽曲になってるかなと思います。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。今週、はじめましてさんが多いんですよね。ドン・マルティネス。
金子:ロック、ファンク、ニューウェーブなどをつまみ食いしつつ、グルーヴィーな演奏で踊れるライブは"ニューお祭りファンク"、"現代のじゃがたら"などと称されているとかいないとか、とありますね。彼らは2012年結成で、2014年にセルフタイトルのアルバムを発表していますが、今回10年ぶりの音源。それがこのふざけた歌詞の歌っていう(笑)。
みさと:ふざけてますねー。びっくりしました。小学生が好きそうな歌ですよね(笑)。
金子:でも音楽性はかっこいい。確かにロック、ファンク、ニューウェーブが融合したサウンドになっていて、サックスもかっこいいし、FRIENDSHIP.的にはDOGADOGAと一緒にやってもよさそうな感じがしました。
みさと:これで大人が盛り上がるわけだから、やっぱりビールが入るとこういう曲が最高じゃないですか。小学生と変わんないんだなって思うし。あと、お台場に「うんこミュージアム」ってあるんですけど、そこで流れてたらみんな歌うと思う。タイアップ狙っていきましょう!そして、もう1組はじめましてさんがいます、COL。
金子:こちらはギタリストの山形知也とドラマーの脇山広介によるインストユニット。山形のインスタグラムに投稿された断片的な音楽を脇山が作品として完成させようと提案し、結成。アレンジ、演奏、録音、ミックス、制作過程のほとんどを本人たちで行うということです。SNSに投稿してた音楽を、ということで言うと、一服trackにも通じる始まり方ですけど、さらに今回の曲に関してはフィーチャリングで宇宙まおさんを迎えていて、初めて歌モノの曲になってるということですね。
みさと:EPになるわけですけど、他の曲もお誘いしている方が玄人で、ベテランぞろいですよね。
金子:脇山さんはtobaccojuiceのメンバーで、tobaccojuiceは90年代末くらいから活動してるはずだから、bonobosとかと時代感を共有しているバンドで。だから、ファンク、ソウル、レゲエとかの要素を持っていて、その感じがCOLの曲にも表れているなっていうのは思いましたね。
みさと:安定したサウンドはもちろんのこと、やはりまおちゃんの魅力がすごく伝わってくる1曲で。彼女は目の前の人に一輪の花をあげられるようなアーティストだなっていうのを再認識しました。"ドッカン行くぜ!花火打ち上げるぜ!みんなついてこい!"みたいなタイプではないんだけど(笑)、確実に目の前の人をポッとあったかくするような、そんな距離感を作れるアーティストだなと思って。それを知ってるユニットだからこその1曲だなと思いました。そんなPart-2からどうしましょう?
金子:シナリオアートを紹介しようと思います。
みさと: 今回アルバムです。おめでとうございます。
金子:彼らは今年が活動15周年で、それを記念した作品ということなんですけど。僕ちょっと前に取材をやりまして。
みさと:どうでした?
金子:これまでボーカルのハヤシくん(ハヤシコウスケ)がずっとメインで曲を作ってきたんですけど、今回結構スランプだったと。それはせっかく新曲を出すからには1曲1曲大事に作りたいというのもあったし、他のメンバーからしても、シナリオアートはハヤシくんが世界観を握ってるというのが、ファンのイメージ的にもあるだろうから、それに応えてあげたいというか、ハヤシくんの世界観を出すのが大事だから、"ハヤシくんから出てくるまで待とう"と、しばらくはそういう状態だったそうなんです。でもなかなか出てこなかった結果、今回の作品はハットリさん(ハットリクミコ)とヤマシタくん(ヤマシタタカヒサ)も曲作りにかなり関わっているのがこれまでとの違いで。前にも紹介した「アカネイロフィフティーン」とか「センシティブガール」は3人でスタジオに入って、音を鳴らして作ってたりするし、今日紹介する「リンドン」という曲に関しては作詞がハットリさんで、作曲がヤマシタくん。結果的には、今までの"シナリオアートはこうあるべき"みたいなものをいい意味で1回捨てて、自由に作ったことによって、15年目にしてまた新しいシナリオアートが打ち出せた作品であり、「リンドン」はアルバムの一番最後に入っている曲で、バンドを続けていくことについてストレートに歌われていて、非常にいいエンディングになっていると思います。
みさと:だからこそ、このアルバムタイトルなんですね。『sensitive sketch』。"みんなでスケッチするかのように、広がる愛おしい景色を描いてみた"というコメントもいただいてるんですけど、今の厚武さんのインタビュー後のコメントを聞くと、だからこそのタイトルだし、だからこその曲の並びなんだなっていうことが見えてきますね。ぜひアルバム通して、聴いてほしいです。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。こちらもはじめましてさんです、終日柄。
金子:終日柄は2021年の6月、コロナ禍にSNSで活動を始めたアートバンド。楽曲制作にとどまらず、ミュージックビデオ、ジャケット、グッズのデザイン、ライブ空間演出など様々なアートの分野でセルフプロデュースを行っていると。今回は2023年の9月にCDでリリースしているアルバムが配信リリースされます。Part-1のまほろばと同じで、終日柄もデモテープの審査からリリースが決まったバンドなんですけど、このバンドの場合は既にアルバムができていて、ミュージックビデオも自分たちで作っていて、世界観がしっかりあったので、あとはそのいいところをプッシュしてあげるだけでいいというか。もちろん1曲だけ送ってきて、それがめちゃめちゃいいっていうときもあるにはあるんだけど、すでに自分たちでしっかり世界観を作っていて、それをより広く打ち出すためにFRIENDSHIP.を使ってもらうみたいな、こういう関係性もすごくいいなと思いました。
みさと:今から音楽の発信をどういうふうにしようかなと悩んでいらっしゃる方は、終日柄をひとつ先輩として、パッケージとして見るっていうのもいいですし、その一方ではまほろばみたいに、地道にライブ映像をアップしていく、SNSで発信していくっていうのもいいですよね。終日柄に関してはどこを切り取ってもアートだなっていう。彼女たちを知るうえで、このコンセプチュアルな設定は入りやすいですよね。ジャケットであったり、バンド名であったり、曲のタイトルであったり、グッズもそうですけど、楽曲の中でどこを切り取っても芸術性が見えてくる、素晴らしいコンセプトだなと感じてます。そして、SOM4LIがEPですね。
金子:SOM4LI、好きなんですよね。 今回の曲にしてもPavementみたいなUSインディ感はここ数年の気分だし、アートワークも可愛くて、ボーカルのMAKOさんが作ってるらしいんですけど、そういうところからもアートに対するセンスが感じられるし。今作のリリースパーティーは韓国のバンドが来日するタイミングで、そのサポートをリリースパーティーとしてやってたり、そういう海外とのつながりも自然にあったりして。とにかくセンスがいいバンドだなと思うので、あとはどんどん知られていってくれるのを願う、という感じですね。
みさと:私が解説するのもおこがましいぐらい、とにかくそういう意味では完成されているというか。この不穏な違和感とボーカルの素朴さのギャップであったりとか、どこに対して魅力と思うかは聴く人の数だけあるかなっていうぐらい、本当に面白いバンドだと思います。
金子:インディロック好きな人だったら絶対好きだと思いますね。
みさと:さあ、そんなPart-3からどうしましょう。
金子:Barbaraの新曲をかけようと思います。
みさと:今回アルバムです。おめでとうございます。
金子:彼らもインディな音楽が好きな人には絶対刺さるタイプのバンドだと思います。改めて紹介すると、2019年の夏に結成。関西を中心に活動していて、レーベル的にはSecond Royal Recordsからのリリースです。彼らは"Vacation Disco"という言葉を掲げていて、"踊れて、ここではない気持ちのいいどこかに連れて行ってくれるような曲"を架空のジャンルとして掲げていると。まさに、という感じですよね。ディスコ的な踊れる気持ち良さがあって、よりクラブミュージック的な、エレクトロニックミュージック的な現代性も持っている。このジャンル名からしてもPictured Resortとは相性がいい気がするし、The fin.がよりディスコティックな音楽を作ったら、こういう感じになりそう、みたいなことも思って。Pictured ResortもThe fin.も海外で人気があるから、Barbaraも海外で人気が出そうだなと思いました。
みさと:国も時代も飛び越えて、彼らは一体何歳なのか。そのミステリアスさだけでも存在が気になってしまうような方たちで。これはまさに区切りを超えて、制約を超えて羽ばたける要素がたくさんあると見込んでいます。
金子:まだちょっと梅雨ですけど、これで夏に踊りたいですよね。
みさと:どこかに連れていってくれるわけですよね、梅雨の時期であっても。
金子:確かに、梅雨でも気持ちのいいところに連れていってくれる。
みさと:では、どこかに行きましょう。
後半はpollyがゲスト出演!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武、そしてFRIENDSHIP.のキュレーターの平大助の3人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10