SENSA

2024.06.19

踊りながら心地いい

踊りながら心地いい"ここではないどこか"へ連れていく「Barbara」-Highlighter Vol.206-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。Vol.206は、OKUとMaruによるふたり組Barbaraを取り上げる。
"Vacation Disco"をテーマに楽曲制作やライブ活動を行なっているBarbara。このたびリリースされたファーストフルアルバムのタイトルも『Vacation Disco』だ。80年代のエレクトロ・ポップや90年代のクラブ・ミュージックを経由したディスコ・ミュージックを基盤にしつつ、現代のインディー・ミュージックのテイストを取り入れた楽曲で"ここではないどこか"へ連れていってくれる。


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活動を始めたきっかけ
OKU:高校生の頃、僕はベースをはじめ、音楽の世界に足を踏み入れました。その後、「Seuss」というバンドで本格的に音楽活動を開始しました。2019年、Seussの活動休止が決まったとき、自分の生活からライブやレコーディング、リリースといった普通では味わえない刺激が失われることに対する焦燥感が押し寄せてきました。その一方で、自分で作った曲を世に送り出してみたいという強烈な好奇心も芽生えました(Seussでは曲を作ったことがありませんでした)。

このふたつの感情に突き動かされ、「Barbara」という新たなプロジェクトを始めるに至りました。




影響を受けたアーティスト
OKU:僕にとって音楽的なターニングポイントは4度あり、その瞬間の感動はいまでも鮮明に思い出すことができます。

最初のターニングポイントは、マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』です。僕は幼少期から母の影響で彼の音楽に触れてきました。彼の訃報が世界中に広まった時期、僕も母も深い悲しみに包まれました。そんな僕たちにとって、2009年に公開された、彼のラストステージに向けたリハーサルの様子を収めたドキュメンタリー映画『THIS IS IT』は救いでした。映画館で何度も観て、DVDも購入し、曲も今まで以上に聴き込みました。

その経験を通じて、幼かった頃には感じることができなかった彼の偉大さとエンターテインメントの力を実感しました。『THIS IS IT』は僕にとって財産となっています。そして、彼の死後にリリースされた「Love Never Felt So Good」という曲は、僕の人生のテーマソングです。愛に満ちた人生を送りたいです!



次に訪れたターニングポイントは、2013年にリリースされたVampire Weekendの『Modern Vampires of the City』に収録されている「Step」という曲のミュージックビデオを観た瞬間ですね。ありきたりな表現かもしれませんが、その時、稲妻が身体を駆け巡るような感覚を覚え、音楽の美しさに心から感動しました。それまでの僕は、音楽をやっているというより、ただバンドをやっているという感覚が強かったんです。でも、このミュージックビデオを観たことで、「僕がやりたいのは音楽なんだ」とはっきり自覚することができました。



3度目のターニングポイントは、フランスのアーティストであるFolamourとの出会いですね。彼はトラックメイクだけでなく、DJとしても活躍していて、コロナ禍の真っ只中で外出ができない時期に、YouTubeで彼のDJプレイ映像を観たんです。彼がかけるディスコミュージックに心が躍り、その映像を見ながらビールを片手にステップを踏むことが、自粛期間中の楽しみになっていました。

その時、自分がダンス・ミュージック、特にディスコ・ミュージックに対して特別な愛情を抱いていることを再認識しました。Folamourの音楽に触れたことは、僕にとって非常に重要なターニングポイントでした。



最後に挙げるターニングポイントは、FUJI ROCK FESTIVAL '23で観たLizzoのライブですね。これは本当に最近の出来事なんですが、僕が心から求めているのはエンターテインメントだということを強く実感させられました。開始直後のスクリーンに映し出される映像やメッセージ、そして心臓を直接殴られたような低音の響き。まだLizzo本人が登場していないにもかかわらず、涙が自然と溢れてきました。

ライブ中、目の前で繰り広げられる圧倒的なエンターテインメントに完全に心を奪われました。そしてライブが終わった後、立ち尽くしながら「自分が渇望していたものを、今、すべて与えられた」と感じたんです。あの体験は本当に衝撃的で、自分の音楽に対する姿勢にも大きな影響を与えました。



これらの経験が現在の僕の音楽活動に多大な影響を与えています。

注目してほしい、自分の関わった作品
OKU:6月19日にリリースするBarbaraのファーストフルアルバム『Vacation Disco』。僕たちBarbaraは、"Vacation Disco"というテーマを軸に活動しています。これは、"踊れて(=Disco)、ここではない気持ちのいいどこか(=Vacation)に連れていってくれるような曲」を指す架空のジャンルです。このテーマは、もともと「なぜ自分はディスコ・ミュージックに魅力を感じるのか」ということを探求していく中で生まれました。

このアルバムには、80年代のエレクトロ・ポップや90年代のクラブ・ミュージックを経由したディスコ・ミュージックを基盤にしつつ、現代のインディー・ミュージックのテイストを取り入れた楽曲が詰め込まれています。

ぜひCDと各種配信をチェックしてみてください!



2022年にリリースしたBarbara のEP『Dance on Vacation』。Barbaraのテーマである"Vacation Disco"に沿って、さまざまなアプローチでダンス・ミュージックに挑戦した曲を集めた作品です。特に「Dance」という曲が完成したことで、僕たちはディスコ・ポップの道に進んでいく決意を固めました。



先日、初めて個人名義で曲を公開しました(yodai_okuhata「Blow Up」)。ずっと前に原型は作っていたのですが、なかなか納得のいく形にならず、時間が経った今、もう少し良くできるかと思いアレンジをしなおしました。その結果、曲の印象が変わり、Barbaraの曲とは異なるものになったので、個人名義での公開に至りました。
この曲は、僕が好きな映画『Palm Springs』をイメージしています。

yodai_okuhata · Blow Up


今後挑戦してみたいこと
OKU:Barbaraとしては、人々をワクワクさせるような曲作りとライブができるよう、引き続き精進していきたいなと思っています。僕たちが定期的に開催している「Dance on Vacation」というイベントでは、規模を大きくし、理想としているエンターテインメントを実現できるようにしたいです。

個人的な活動としては、いつか曲の提供やプロデュースも手掛けてみたいと思っています。また、Barbaraでの制作が落ち着いたタイミングで、個人名義の曲も少しずつ蓄え、まとまった作品としてリリースできたら良いなと考えています。

音楽が楽しすぎるので、とにかく動き続けていたいです!

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
OKU:USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)が大好きで、平均して月に一度は遊びに行っています。朝からガッツリ楽しむ日もあれば、夜にパーク内を散歩するだけの日もあります。ユニバーサルシティ駅に着いた瞬間から高揚感が湧き上がり、パーク内に足を踏み入れると広がる開放感、そして様々な方法で僕たちを楽しませてくれるコンテンツが待ってくれています。何度行っても飽きることがないのが不思議です。

特にミニオンシリーズが好きで、新しいグッズが出ていないかチェックするためだけに行くこともあります。入り口にいるミニオンとセルフィーを撮るのが恒例行事です!

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アルバム『Vacation Disco』の中には、USJのパーク内で流れてほしいと思いながらアレンジした曲があります。もしよかったら、どの曲か当ててみてください(笑)。

今注目しているカルチャー
OKU:ミニオンシリーズの映画が本当に大好きで、何度も繰り返し見直しています。USJのミニオン・パークでディスコ・ミュージックがたくさんかかっていて興味を持ったのがきっかけです。ミニオンシリーズの魅力を4つにまとめてみました。

1.大悪党の話なのに平和な気持ちになれる。
2.ミニオンたちだけでなく、ヴィランたちも魅力的で愛すべき存在。
3.ところどころにスパイスの効いたセリフやオマージュがある。
4.音楽が良い。

「音楽以外で」っていうお題ですが、音楽も最高なんです、すみません!
主題歌やサントラが相当イケてるので、まずはそこから入るのもおすすめです!

今年、新作が公開されるのでとっても楽しみ!



RELEASE INFORMATION

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Barbara「Vacation Disco」
2024年6月19日(水)

試聴はこちら

LIVE INFORMATION

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2024年7月20日(土)
会場:東京・下北沢LIVE HAUS
LIVE:Barbara
GUEST LIVE:QPLO
DJ:TA-1(KONCOS) / tanitomo8

OPEN / START:18:30
前売:3,000円 (+1drink)
学割:2,000円 (+1drink) ※入場時に学生証提示必須
予約:https://x.gd/barbara_reserv
問い合わせ:https://secondroyal.com

2024年8月10日(土)
会場:大阪・梅田NOON+CAFE
LIVE:Barbara
GUEST LIVE: the telephones
DJ:DAWA (FLAKE RECORDS) / ナカシマセイジ (ALFFO RECORDS)

OPEN / START:18:00
前売:3,500円 (+1drink)
学割:2,500円 (+1drink) ※入場時に学生証提示必須
チケット:https://eplus.jp/barbara/

問い合わせ:NOON+CAFE
TEL: 06-6373-4919 / MAIL: info@noon-cafe.com

PROFILE

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Barbara
2019年夏に結成、OKU、Maruによるふたり組。バンド名はThe Beach Boysの「Barbara Ann」より。結成後は音源の配信を中心に活動していたが、2021年からライブ活動を開始。2021年には初のフィジカル音源となるシングル「You Only Live Twice」を一部店舗限定で発売、2022年初のEP『Dance on Vacation』をリリース。現在は"Vacation Disco"をテーマに楽曲制作やライブ活動を行なっている。

LINK
オフィシャルサイト
FRIENDSHIP.

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