2024.06.19
音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。Vol.205は、2021年6月に始動したアートバンド終日柄を取り上げる。
楽曲制作に留まらず、Music Video、ジャケット、グッズ等のデザインや、ライブ空間演等、様々なアートの分野でセルフプロデュースを行っている終日柄。1stフルアルバム『雨の水葬』は、様々な温度の楽曲が集結した一枚になっている。
たまたまYouTubeで好きな音楽を探していたときに出会った動画がハイスイノナサの「地下鉄の動態」という曲です。音色の綺麗さと音の入る場所の心地良さ、絶妙な音と音の間もドストライクで初めて観た時は衝撃的でした。
凛として時雨は、以前から知っていましたが、特に聴き始めたのが終日柄の活動を始めた頃でした。コロナ禍だったこともあり、家で過ごす時間が長くNetflixでアニメを見るのにハマっていた中、主題歌で感情的に歌うTKさんの歌にとても惹かれ、よく聴くようになりました。終日柄の音楽で、感情的に歌う表現は、この影響を受けていると感じます。
終日柄の音楽は主に私が作詞作曲と楽曲の雰囲気、世界観を構築しているので、この2アーティストが影響していると思います。
人との関わりの中で困難に直面しながら葛藤する、繊細で温かくもあるストーリーに沿って楽曲を書き下ろしました。ストーリーの世界観を、歌詞だけでなく、曲調やメロディーで表現する所にとても拘りました。ひとつの音や揺れ、声だけでもとても変わるものだと思います。
今回の終日柄1stフルアルバム『雨の水葬』は、昨年2023年9月2日にリリースしたCDのデジタル配信版のリリースになっています(フィジカル版はアートバンドならではの仕組みが施されており、ジャケットの付け替えが出来たり、透明のフィルムで中が透けたデザインになっています)。
今回のアルバムに込められた想いは、「雨に、思い悩む感情も思考も全て流してもらえば、きっとその涙も隠せるはず」です。
一日の終わりの思考の中身を取りだす音楽というのが、終日柄の楽曲を作る上でのコンセプトになっており、呼吸、ため息と共に吐き出した思考や感情を、かき集めた楽曲たちがアルバムに収録されています。
終日柄は宅録での制作が主で、今回のアルバムも、ほとんどの楽曲が宅録での制作になっています。バンドでありながらも、音楽メンバーはふたりの為、主にパソコン上ではじめから終わりまでの制作を完結させます。他のリリースにも一部ありますが、昨年1月に加入した現リードギターの今日/kiyoが、しっかりと携わったのはこのフルアルバムがはじまりでした。今までの終日柄の楽曲に厚みが加わり、より理想の世界観に近いものが出来たと思います。
「儚くも、柔らかくもあり、刺激的でもある」日常の思考を様々なサウンドで表現したアルバムになっています。
終日柄全体としては、アートバンドとして活動しているので、より大きな空間で五感を堪能できるようなアートイベントを作ることに挑戦していきたいです。
ひとつの感情を、視覚(映像)と聴覚(音楽や声色)で表現されている作品が好きだと感じるようになったのは、映画をよく観はじめてからだと思います。映画館に行けば、その映画を観に行った日の季節や気温、香りまでも思いだすことができるような感覚。家で観た映画にもその時の感情が印象に染みついているように思います。
私も、そしてメンバーも、大学を卒業して社会人になり、仕事とプライベートをはっきり分ける時間ができたので。
私は昔からではありますが、突然思い立ってひとりで冒険する時間がとても好きです。
思いつきで美術館や展示に行ってみたり、展示物の多いカフェで時間を過ごしてみたり、通ったことのない街を見渡しながら歩いてみたり。その時間が作品にも影響していると思うし、その時間に生まれる作品、感情もあるので大切にしたいです。
終日柄「雨の水葬」
2024年6月19日(水)
試聴はこちら
終日柄
SNSを中心に、関西/東京でも活動を行なっているアートバンド、終日柄。 楽曲制作に留まらず、Music Video、ジャケット、グッズ等のデザインや、ライブ空間演等、様々なアートの分野でセルフプロデュースを行っている。 「終日柄」の読みは、「ひねもすがら」。"朝から夕までの一日中"という意味を持ち、一日の終わりの思考の中身を描いている。 2021年6月、コロナ禍にSNSで活動を始め、箱を被った覆面のアーティスト写真と、活動始動直後のmini albumリリースに注目される。2022年にはBattle de egg決勝進出。同年12月に、ワンマン美術展「雨の音が、響いている。」(大阪)という美術装飾を施した2時間のワンマンライブを開催。
2023年3月にはインディー映画『カフネ』の主題歌に抜擢。そして同年9月にCDリリース美術展『雨の水葬』(東京)を開催した。
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FRIENDSHIP.
楽曲制作に留まらず、Music Video、ジャケット、グッズ等のデザインや、ライブ空間演等、様々なアートの分野でセルフプロデュースを行っている終日柄。1stフルアルバム『雨の水葬』は、様々な温度の楽曲が集結した一枚になっている。
活動を始めたきっかけ
淡甘:私(淡甘)がはじめ個人で音楽活動をしていて、美術と音楽、多様な表現のできるバンドをしたい!と思った時に、大阪芸術大学の同じ学科のメンバーを誘って結成しました。影響を受けたアーティスト
淡甘:個人的な話になりますが、もともとこのバンドを始める時にとても好きで表現したいと思ったのは、"ハイスイノナサ"と"凛として時雨"です。たまたまYouTubeで好きな音楽を探していたときに出会った動画がハイスイノナサの「地下鉄の動態」という曲です。音色の綺麗さと音の入る場所の心地良さ、絶妙な音と音の間もドストライクで初めて観た時は衝撃的でした。
凛として時雨は、以前から知っていましたが、特に聴き始めたのが終日柄の活動を始めた頃でした。コロナ禍だったこともあり、家で過ごす時間が長くNetflixでアニメを見るのにハマっていた中、主題歌で感情的に歌うTKさんの歌にとても惹かれ、よく聴くようになりました。終日柄の音楽で、感情的に歌う表現は、この影響を受けていると感じます。
終日柄の音楽は主に私が作詞作曲と楽曲の雰囲気、世界観を構築しているので、この2アーティストが影響していると思います。
注目してほしい、自分の関わった作品
淡甘:映画『カフネ』。主題歌として楽曲を書き下ろした映画です。人との関わりの中で困難に直面しながら葛藤する、繊細で温かくもあるストーリーに沿って楽曲を書き下ろしました。ストーリーの世界観を、歌詞だけでなく、曲調やメロディーで表現する所にとても拘りました。ひとつの音や揺れ、声だけでもとても変わるものだと思います。
今回の終日柄1stフルアルバム『雨の水葬』は、昨年2023年9月2日にリリースしたCDのデジタル配信版のリリースになっています(フィジカル版はアートバンドならではの仕組みが施されており、ジャケットの付け替えが出来たり、透明のフィルムで中が透けたデザインになっています)。
今回のアルバムに込められた想いは、「雨に、思い悩む感情も思考も全て流してもらえば、きっとその涙も隠せるはず」です。
一日の終わりの思考の中身を取りだす音楽というのが、終日柄の楽曲を作る上でのコンセプトになっており、呼吸、ため息と共に吐き出した思考や感情を、かき集めた楽曲たちがアルバムに収録されています。
終日柄は宅録での制作が主で、今回のアルバムも、ほとんどの楽曲が宅録での制作になっています。バンドでありながらも、音楽メンバーはふたりの為、主にパソコン上ではじめから終わりまでの制作を完結させます。他のリリースにも一部ありますが、昨年1月に加入した現リードギターの今日/kiyoが、しっかりと携わったのはこのフルアルバムがはじまりでした。今までの終日柄の楽曲に厚みが加わり、より理想の世界観に近いものが出来たと思います。
「儚くも、柔らかくもあり、刺激的でもある」日常の思考を様々なサウンドで表現したアルバムになっています。
今後挑戦してみたいこと
淡甘:個人の目標としては、インディー映画の主題歌を担当させて頂いたことで、私自身がストーリーに沿って楽曲を書き下ろすことにより魅力を感じたので、何か別の芸術作品に沿った音楽の書き下ろしに挑戦していきたいと思っています。終日柄全体としては、アートバンドとして活動しているので、より大きな空間で五感を堪能できるようなアートイベントを作ることに挑戦していきたいです。
カルチャーについて
触れてきたカルチャー
淡甘:映画。ひとつの感情を、視覚(映像)と聴覚(音楽や声色)で表現されている作品が好きだと感じるようになったのは、映画をよく観はじめてからだと思います。映画館に行けば、その映画を観に行った日の季節や気温、香りまでも思いだすことができるような感覚。家で観た映画にもその時の感情が印象に染みついているように思います。
今注目しているカルチャー
淡甘:美術館や展示、ひとりで歩く時間です。私も、そしてメンバーも、大学を卒業して社会人になり、仕事とプライベートをはっきり分ける時間ができたので。
私は昔からではありますが、突然思い立ってひとりで冒険する時間がとても好きです。
思いつきで美術館や展示に行ってみたり、展示物の多いカフェで時間を過ごしてみたり、通ったことのない街を見渡しながら歩いてみたり。その時間が作品にも影響していると思うし、その時間に生まれる作品、感情もあるので大切にしたいです。
RELEASE INFORMATION
終日柄「雨の水葬」
2024年6月19日(水)
試聴はこちら
PROFILE
終日柄
SNSを中心に、関西/東京でも活動を行なっているアートバンド、終日柄。 楽曲制作に留まらず、Music Video、ジャケット、グッズ等のデザインや、ライブ空間演等、様々なアートの分野でセルフプロデュースを行っている。 「終日柄」の読みは、「ひねもすがら」。"朝から夕までの一日中"という意味を持ち、一日の終わりの思考の中身を描いている。 2021年6月、コロナ禍にSNSで活動を始め、箱を被った覆面のアーティスト写真と、活動始動直後のmini albumリリースに注目される。2022年にはBattle de egg決勝進出。同年12月に、ワンマン美術展「雨の音が、響いている。」(大阪)という美術装飾を施した2時間のワンマンライブを開催。
2023年3月にはインディー映画『カフネ』の主題歌に抜擢。そして同年9月にCDリリース美術展『雨の水葬』(東京)を開催した。
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FRIENDSHIP.