SENSA

2024.01.07

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!フリージアンほか全4作品&みさとと厚武の推しゴト! -2024.1.6-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!フリージアンほか全4作品&みさとと厚武の推しゴト! -2024.1.6-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:お送りしたのは1月1日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全4作品でした。リリースおめでとうございます。4組と言いつつ、2組のような。

金子:後半の3組はShimon Hoshinoさん関連と言いますか、Osteoleuco関連と言いますか、お仲間でもあり、同じ人でもありますが(笑)。

みさと:昨年の年明けはShimon Hoshinoさんお一人だけのリリースだったわけですよね。そこに今回はフリージアンも仲間入りということで。

金子:仲間入り(笑)。まあ、Shimonさんたちに関しては、今年もまた1年たくさんリリースをしてくれるんだろうなという。

みさと:そうですね、Shimonさん、Keisuke Saitoさん、お世話になります、という気持ちですが。

金子:それぞれ面白いんですけど、Invisible Designは香りと音を組み合わせたプロジェクトで、毎回ジャケットに調香内容が載っていて、その香りと音と一緒に楽しんでください、というプロジェクトなわけですけど。今回タイトルが「street」で、東京の至る場所でのストリートカルチャーを意識して制作したフレグランス及び楽曲で、スケーターとの会話などからインスパイアを受けて制作しており、スケボーの音もサンプリングしていますと。

みさと:確かに。



金子:ということでこの調香内容がゼラニウム、レモングラス、ホワイトチョコレートらしいのですが、みさと先生、ちょっと解説を。

みさと:私はアロマ検定一級レベルなので、そんなに大したことないんですけど。

金子:いやいや。

みさと:やっぱりぴったりだなって思いました。

金子:でも難しいですよね、ストリートカルチャーの香りって。

みさと:このゼラニウムっていうのが、まずフローラルなんだけどフレッシュなんですよ。すごくユニセックスな、性別を問わずに使う香りの代表でもあるんですね。で、レモングラスってすっきりしてるじゃないですか。ホワイトチョコレートって甘いじゃないですか。ここも対比していて、ユニセックス感が出ていて。なんだけど、レモングラスとかゼラニウムって洗練されたイメージもすごく持たせてくれるような華やかさがあるので、ストリートカルチャーのおしゃれな感じ、洗練されてる、でも年齢問わずに一緒にスケートを通して交われるようなあの感じっていうのは、まさにぴったりな調香だなと思って聴いてたんですよ。

金子:Shimonさんもさすがだし、これを解説できちゃうみさとさんもさすがですね。

みさと:嬉しい。ニコイチで今後展開していければと思うんですけど(笑)。調香って面白いのが、多分上から順番に量が多い順に書いてるんですよ。ゼラニウムがベースになってて、レモングラス、ホワイトチョコレートは少しずつ足してると思うんですけど、その調香のパーセンテージに調香師さんの個性が出るので、実際はどうなのかっていうのを嗅ぎたいですよね。

金子:パーセンテージまで書かないのが、あとはみなさんで......。

みさと:みたいな感じなんでしょうかね。委ねてくれてるのもいいですよね。Shimonさんご自身で調香してライヴの中でそれをご提供するっていうのもやり始めてるみたいなので、行って確認したいですよね。

金子:それが一番ですね。

みさと:じゃあ一曲ご紹介するのは?

金子:Shimonさんではなく(笑)、フリージアンをご紹介しようと思います。

みさと:すっごくかっこよかった。

金子:フリージアンは1月1日で結成3年を迎えたと。

みさと:1月頭にリリースしたいという意味があったんですね。



金子:去年は夏にアルバムをリリースして、東京と大阪でワンマンもやり、さあ今年いよいよブレイクするぞ、という感じになってきている中でのこの最初の、まさに決意表明的な1曲っていう感じが、このストレートなサウンド、歌詞からも伝ってきますよね。

みさと:一聴して、この曲できたら1月にリリースして、2024年何が起きたとしてもこの曲で乗り切ってくぞっていう、そういう曲にしたいだろうなって思うぐらいの、完成度、疾走感、衝動、勢いみたいなものを感じるし、シンガロングのパートもすごくいいですね。グッときちゃいました。

金子:青春パンクぐらいの勢いありますよね。

みさと:うん、本当ですね。

金子:リアルタイムの青春パンクが出てきたときって、その一方で「鬱ロック」みたいに言われる下北沢のギターロックバンドがいて、青春パンクが前向きなことを歌うのに対して、現実をシリアスに捉えて、"死"について歌ったりとかしていて。でも今回のフリージアンの曲は歌詞の中で"死"を扱って、「いつか死ぬって生きてる証なんだって」と歌っていて、"死"を連想しつつ、でもそれを前向きに捉えるっていうことをやっていて。だから青春パンク的なものっていうのも20年ぐらいを経てより中身のある内容になっていて、でもちゃんと衝動もある、それこそシンガロングもできる、みんなで楽しめるものにもなってるっていうか、アップデートされて今鳴らされてるんだなあと個人的に感じました。

みさと:令和版にどんどん変わっていってるわけですね。2024年一発目に本当に一撃喰らいたいような、そんな一曲になってます。



みさとと厚武の推しゴト!

みさと:続いては年始のスペシャル企画でございます。ドドン!2024年の活躍に期待!!みさとと厚武の推しゴト!パフパフパフ!私、みさとが推しを熱く推している不定期コーナー「推しゴト」なんですが、最近ありがたいことにリリースが多くなってまして、すっかりSENSAの方で細々とたまーにやっております。



金子:確かに、こっちではやってなかったですね。

みさと:そうなんです。なんですけど、今年最初の放送なので、厚武さんと一緒に推しゴトしたいなと思いまして。

金子:しましょう。

みさと:2組ずつ、2024年期待しているアーティストをピックアップしてまいりました。難しかった。

金子:年末のベストも難しかったけど、年始の期待アーティストも難しいですね。

みさと:でもその年の一番っていうのと年始の期待ってちょっとベクトル違いませんでした?

金子:そうですね。

みさと:ちょっと違う感じしますよね。と言いつつ、やっぱり組数が多いので難しかったんですけど......じゃあ私からいきます。

金子:お願いします。

みさと:1組目はERWITです。



みさと:シンガソングライターの杉山一真さんによるソロプロジェクトなんですけど、彼は大学院でサウンドアート、ドキュメンタリー映像を学ぶ傍ら、音楽制作にも没頭されて、卒業後の2020年からERWITとして活動されています。
翌年から神谷洵平さんを迎えて活動されているということなんですけど、今年行って欲しいという期待を込めて、とにかく音像としても、もう構築されているものがあって、特に「ブルーワンダー」に関してはERWITの活動の中からまた一段階、ご自身の中でも挑戦された曲作りだったと思うんですよね。耳元で歌っているくらいの近しい距離感っていう、その私とあなたっていう距離感で歌ってくれているこの曲っていうのは、とってもパーソナルで、ミュートペダル踏みっぱなしで2台のアップライトピアノを使ってたりとか、音としてもすごく洗練されているというか、だけど実験的で挑戦心を忘れないっていう、杉山さんのこれからに期待したいなと思ってERWITを選びました。

金子:フォーキーな歌のイメージが強くて、もちろんそれも魅力的ですけど、この曲でより実験的な側面を見せてくれて、odolの森山くんも参加してたり、新しい可能性を見せてくれましたよね。

みさと:内面に向き合いたいときはERWITの楽曲はすごくぴったりだと思うので、私とあなた、膝を付き合わせてっていうような、そういう距離感で曲を聴きたいとき、ERWITの過去作もぜひ聴いて欲しいです。続いて、厚武さんの推しゴト。

金子:僕はFirst Love is Never Returnedで、曲は「OKACHIMACHI FRIDAY NIGHT」。



みさと:選ぶと思ってたんだよね(笑)

金子:選ぶ基準をどうしようかと思って。

みさと:はいはい。

金子:まだまだ世には知られてないけど、でも頑張って欲しい、これからに期待っていう人を選ぶか、もうすでにある程度きていて、ここから本格的にブレイクして欲しい人を選ぶか、どっちで行こうかなと思って。

みさと:わかります、わかります。

金子:で、今回は後者にしようと思って。

みさと:なるほど。そうかそうか。

金子:もう今年ガツッと行ってくれ!っていう(笑)。 で、そうなったときにパッと浮かんだのがFirst Love is Never Returnedで。去年は地元の北海道でのRISING SUNにも出たし、12月9日に初ワンマンをやっていて、そこで宇多田ヒカルの「First Love」のカバーをやったりとかしていて。

みさと:え!そうなの?

金子:いつかやるだろうなと思ってたんだけど、初ワンマンでやってたっていう(笑)。

みさと:そうなの、えー?

金子:みたいなこともあり。で、サブスクでも好調で「OKACHIMACHI FRIDAY NIGHT」はSpotifyだともう35万回再生以上。

みさと:そんなに再生されてるんだ。

金子:彼らはサウンドやアレンジもかっこいいんだけど、何よりも歌、メロディーの強さを持っているバンドで。今ってある意味歌い手の時代というか、Adoでもいいし、Vaundyでもいいんだけど、曲毎にジャンルはバラバラなんだけど、声にすごく記名性があって、なおかつポップなメロディーがちゃんと作れる、提供されてるっていう人たちがどんどん時代の顔になってる印象があるから。

みさと:そうかも。

金子:そういう意味ではFirst Love is Never Returnedはやっぱりボーカルの力がまずあるし、「OKACHIMACHI FRIDAY NIGHT」だけじゃなくて、毎回曲はバッチリ書けてるので、すでに潜在能力の高さは証明済みというか。

みさと:彼らの曲作りの仕方って、コロナ禍だったから「マスク」っていうワードを入れたりとか、「OKACHIMACHI FRIDAY NIGHT」みたいに土地名を入れてみたりとか、その瞬間に生み出す意味を感じさせてくれる曲作りをしてるなっていう印象で。でもそれってすごく諸刃の剣でもあるじゃないですか。長く聴いてもらうにはっていう。でもそうじゃなくて、今っていうところを選んだ、その勝負師なところもかっこいいなと思って。令和の時代にはそれが合ってるのかもなって、新しい視点くれたバンドだなとも思ってます。

金子:「OKACHIMACHI FRIDAY NIGHT」は御徒町での経験をもとに歌ってるんだけど、その場所に行ったことがなくても、似たような経験をしたことがある人であれば誰にでも響くような作りになっていて。そういう作家性もすごくあるバンドですよね。

みさと:ねー、私も期待です。

金子:はい、楽しみです。

みさと:続いて私、みさとの推しゴト2組目ですがThe Local Pints「Happy Go Lucky」。



みさと:東京日本橋のクラフトビール醸造所を舞台に、「クラフトビールに世界一合うバンド」というコンセプトのもと、そのハウスバンドとして結成してるんですよね。何度もご紹介しているバンドではあるんですけど、日本人が噛み砕いたアメリカンミュージックのキャッチーさ、ポップさって、こんなにお茶の間に馴染むんだなっていう、そういう曲作りをしていて。2024年はさらにどんどん人が外に流れていくと思うんですよ。フェスが増えたりとか、外のマルシェみたいなのが増えたりとか、どんどん流通が外でのアクティビティっていうのが増えていく年だと思うので、そこの場所にいて欲しい。そしてきっと呼びたくなるようなバンドだなと思って、期待と、需要と供給といいますか、彼ら今年稼働率いいでしょっていうところも込めて選びました。

金子:すでにThe fin.もクラフトビールを作ってたりとかあったと思うけど、そういうコラボレーションをどんどん展開していって、ゆくゆくはCMソングとか。

みさと:ねー、バッチリですよね。

金子:つい先日「M-1」あったじゃないですか。

みさと:ありましたね。

金子:「M-1」って、ネタから派生してどこかの企業とコラボして、ネタの中のフレーズがCMに使われたりとか、そういう発展性があるじゃないですか。音楽もそういうのもっとあるといいなと思ったり。

みさと:確かに、アウトプットそんなにないか、今まで。

金子:もちろん、これまでもあるとは思うんだけど、それって別にセルアウトじゃなくて、音楽を広める方法としていいと思うから、もっと増えてもいいなって。

みさと:ほんとだ。

金子:彼らは最初からコンセプトとしてお酒、ビールっていうのがあるから、もっとそういう展開が増えたら面白いですよね。

みさと:いいですねー、本当に。ぜひぜひ、楽しみにしています。そして最後は厚武さんの推しゴトです。

金子:2組目はVivaOla、曲は「ROLLS ROYCE」を聴いてもらおうと思います。



金子:VivaOlaくんもずっと紹介しているアーティストではあるんですけど、今年はもう行ってくれ!って。

みさと:そうね、その観点からしたら選ばざるを得ない。

金子:すでに3月20日にセカンドアルバムのリリースが発表されていて、その10日後、3月30日には初ワンマンも決まってるので、これから間違いなく盛り上がりは来るはずなんですけど。僕年末にimaseくんの取材をして、「NIGHT DANCER」という曲が韓国を中心に去年めちゃめちゃ盛り上がったアーティストで、2023年の顔の一人と言ってもいいと思うんですけど、もともと韓国のR&Bのアーティストも好きだって言ってて、VivaOlaくんのことも大好きだって言ってて。VivaOlaくんもルーツが韓国にあるわけですけど、ファルセットの使い方とかすごく影響を受けてるらしく。で、imaseくんみたいな人がヒットすると、全体がフックアップされる可能性があるから、そういう中でVivaOlaくんもっていう可能性があるし。

みさと:来ましたね。

金子:で、imaseくんはかなりポップな方向性なのに対して、今のVivaOlaくんはアルバムリリースが決まったときのコメントでも、「ドラムとベースに全力を注ぎました」って言ってて、ポップというよりはサウンドがかっこいいものを作って、自分の作家性をしっかり見せる方向に今行ってるんだと思うんですね。でももちろんimaseくんもサウンドのかっこよさを求めてるし、VivaOlaくんにももちろんポップさもあるから、ある意味両極というか、いろんな人がいることによってシーン全体の盛り上がりにつながると思うんですよね。ポップなimaseくんが盛り上がると、じゃあ今度はよりサウンドがかっこいい VivaOlaくんが盛り上がったりとか、そういう波及効果が起こってくれないかなという期待も込めて、VivaOlaくんを選びました。

みさと:そうか、まさに今年選ばざるを得ない、選びたいアーティストですね。シティポップがここまで大きくなった背景も、誰かのフックアップでっていう、芋づる方式じゃないですけど、そういった連鎖があったわけだったから、VivaOlaくんは今このタイミングで、個人の魅力がそろそろお茶の間に浸透してもいい時期だと思いますよね。本当に彼の音楽に対する探求心と、歌詞の書き方も年々変わっていく、毎作ごとに深みを増してるっていうのは、ずっと聴かせてもらってると伝わってくるものがあるので、やっぱりここで行って欲しいですね。

金子:2023年は外との繋がりもいろいろ増えてきて、コラボレーションもいろいろ重ねてきての今なので、それを経た姿が、3月に出るアルバムには表れてるんじゃないかなと思いますね。

みさと:3月のアルバム、楽しみにしていましょう。

RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto_Uchino_photo.jpg Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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