SENSA

2023.09.17

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!韻シスト・宇宙まお・FiJAほか全20作品 -2023.09.16-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!韻シスト・宇宙まお・FiJAほか全20作品 -2023.09.16-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:9月11日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全20作品の中から、Part-1の7作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。はじめましてさんがいらっしゃいます。sickufoです。

金子:彼らは東京を中心に活動するスリーピースのバンドで、2019年に結成、2020年にファーストアルバムを出していて、そこから今回3年半ぶり、2枚目のアルバムが完成したと。

みさと:アルバムリリースタイミングでFRIENDSHIP.からということですね。

金子:曲を聴くとガレージで、ローファイで、ちょっとサーフ味もあって2010年代以降の海外インディーからの影響を受けつつ、それを日本語で消化してるバンドという感じがして、FRIENDSHIP.だとHelsinki Lambda Clubとかとも相性良さそうな感じがしました。



みさと:浮遊感サウンドなんだけど、浮かない乾いたギターがすごく存在感があるなっていう、その対比というか、まさにHelsinki Lambda Clubとも合いそうな。

金子:ちょっとひねくれ感もあるし。

みさと:半音掛け違えて崩れていくようなアウトロが本当に最高。本当に1曲通して聴いてほしい楽曲です。そして象眠舎が本当に癒しですね。

金子:象眠舎はもう「名曲しか出さない」みたいな感じになってきてますよね。

みさと:名曲クリエイターみたいになってる、本当そうですね。

金子:今回はAAAMYYYをフィーチャリングに迎えていて、冒頭のオーケストレーションから非常に印象的だし、その後は生演奏をベースにしつつ、ちょっと電子音の要素も入ってたり、コンポジションも素晴らしいし、AAAMYYYの歌の素晴らしさも曲とマッチしてるし、ホント毎回魅力的なんだよなあ。

みさと:そうですよね。褒め言葉のレパートリーをもうちょっと増やしたいなって思うぐらいなんですけど。"ほんの一瞬だけ命を輝かせたい 祈りが届くなら こんな苦しい世界を 自由自在乗りこなせたら"って歌詞なんですけど、より命の輝きとか重さに変化があったであろう、母になったAAAMYYYが歌うこのリリックにも目頭が熱くなったというか、本当に素晴らしい采配というか。

金子:確かにね、母親になってから何曲目とか何だろう。まだそんなにやってないだろうからね。



みさと:さあ、そんな名曲たちを抑えてかけるのは。

金子韻シストをかけようと思います。

みさと:嬉しい。FRIENDSHIP.から初のリリースになります。

金子DENIMSの楽曲に関わってたりとか、今週Sundayカミデさんのリリースもあったり、あのあたりとも近しい関係値にいるから、FRIENDSHIP.から出すのはなるほどっていう感じもしました。彼らは1998年結成の、もうベテランと言ってもいいキャリアのバンドで、2010年代以降は日本でもジャズとヒップホップを生演奏するバンドって増えましたけど、彼らは生演奏ヒップホップをずっとやってきてる人たちで、日本におけるパイオニアと言っていいような存在だと思います。

みさと:歌詞が...九州地方には熱い黒霧をフィーチャーした楽曲になっていますね。

金子:"黒霧〜"って言ってましたよね。

みさと:何となく聴いていくと、これ黒霧のことじゃない?じゃなくて、もう普通に言ってますから、大々的にね。黒霧が一部商品を除いて販売中止になったのを受けて、今回"黒霧 I miss you"ということみたいですね。

金子:EPのタイトルも『I miss you』なんですけど、韻シストは2021年にBASIさんが抜けてるんですよね。だから最初このタイトルを見たときに、BASIさんへの想いを綴ってるのかなと思って聴いてみたら......

みさと:ちゃうんかい!黒霧かい!

金子:でもそこは彼らなりのユーモアでくるんでいて、ダブル・ミーニング的な部分もあるんじゃないかなって。何かに対する愛情、誰かに対する愛情は常に彼らの楽曲から感じられる部分なので、そういう聴き方もできるんじゃないかなとは思いました。

みさと:きっと打ち上げでみんなで飲んでたんだろうなっていうのが想像できますもんね。



New Release Digest Part 2


みさと:新譜ダイジェストPart-2をお送りしました。リリースおめでとうございます。いやあ、素晴らしい楽曲がたくさんリリースされていますけど、韻シストの後にはpetalheadOsteoleucoをそのまま聴きたくなりますね。

金子:面白いコラボレーションでしたね。この2組が一緒にやるんだっていうのはちょっと驚きましたけど、でもセルフライナーノーツを読むと、petalheadのRiku OguraさんとOsteoleucoのKeisukeさんは小さい頃から付き合いがあったそうで。だからもともとの関係値がありつつ、音楽的な相性もよくて、petalheadのAliseさんのこの歌声とKeisukeさんのラップは声質が違うからこそ一緒になったときの面白さがあるし、そこにShimonさんのピアノも融合して、petalhead単体ともOsteoleuco単体とも違う、この組み合わせならではのものになってましたね。



みさと:ジャズとヒップホップと生音とトラックって畑が違うものなのに、良い土と良い太陽の光があれば素晴らしいものが採れるんだなっていう、それぞれの素材が、もともとの素材が素晴らしいですよね。そして、コラボで言うとPOOLも良かったですね。

金子:女性ボーカリストと男性ラッパーの組み合わせという意味ではpetalheadとOsteoleucoともちょっと通じる部分がありつつ、でもこっちはよりクラブトラックな感じの踊れる曲になっていて。POOLとテークエムさんはもともとの繋がりがあるのかどうかちょっと分かんないけど、梅田サイファーのメンバーとのコラボは意外性もあって面白いですね。これはそれこそ夏の終わりに聴きたいような、メランコリーもありつつ、でも落ち込み過ぎずな、ちょっとアッパーさも残ってるというか、楽しかった夏の感じも残ってて。



みさと:懐かしい哀愁ハウス味があって、大人が聴いてもとっても良い曲ですね。ではPart-2からはどうしましょう。

金子宇宙まおさんをかけようかなと思います。

みさと:改めまして10周年のタイミングとなります。おめでとうございます。アルバムリリースです。

金子:クラウドファンディングで作った10周年のアニバーサリーアルバムがいよいよ配信でもリリースされたというところで、今回紹介するのはリードトラックになってる「街の灯り」という曲なんですけど、セルフライナーを読むと、もともと今回のアルバム制作がスタートしたのはこの曲をプロデュースしている河野圭さんとお酒を飲みながら話していたことがきっかけになったそうで、自分の歌をどうしても河野さんにアレンジしてもらいたいっていうのが、クラウドファンディングをやろうと思った最初のきっかけだったそうです。
河野圭さんは宇多田ヒカルさんであり絢香さんであり、最近だとアイナ・ジ・エンドとかも手掛けられてるプロデューサーの方で、彼が手がけているプロデュースも素晴らしいですし、演奏で参加してるのがギター西田修大、ベース越智俊介、ドラム石若駿という強力なメンツで。今週は象眠舎もかかりましたけど、CRCK/LCKSを一緒にやってる人たちだったり、最近だと中村佳穂ちゃんとかもやってるような人たちが、宇宙まおさんのもとに集い、この曲ができたと。めちゃめちゃ良い曲でした。



みさと:素晴らしいですね。こういうメンバーが揃ったんだなっていうのが、ドラムとかストリングス、ベースの入るタイミングだけで、街の灯りの中で物語が進んでいるように感じられるっていう、その音の粒だけでもストーリーが見えるっていうのは、このメンバーじゃないとできないことだったんだろうなって。ただやっぱりソングライティングは彼女の良さがありきですから、まおちゃん10年かかってここまで来られたんだなっていう、集大成が詰まってます。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。こちらにもはじめましてさんです。youth

金子:彼らは群馬県出身のスリーピースバンドで、曲を聴いてもね、若さがほとばしってましたけど、バンド名を「youth」ってつける時点でもうこういうバンドなんだっていうのが見えてきますよね。

みさと:名は体を表す、最高ですね。



金子:なかなかyouthはつけられないですよね。

みさと:何とかyouthとかだとね、他にもいらっしゃいますけど、潔いですよね。疾走感が潔かったです。そして、Guibaがリリースになりました。

金子Guibaも少しずつ活動が活発になってきてて、みさとさんも関わってる「ONE PARK FESTIVAL 2023」にも出たりとかして。ライブ観ました?

みさと:すごく良かったですよ。新人バンドらしいごますりMCと(笑)、でも演奏し始めたら玄人がワーッていう圧倒感と、声も素晴らしかったですしね、かっこよかった。



金子:この曲も今の話と通じるというか、表向きには非常に端正なポップスなんだけど、でもアレンジとか演奏からちょっと変態味が滲み出てる、このGuiba節というかね。10月にアルバムも出るそうなので、非常に楽しみです。



みさと:3回目のライブがちょうど終わったタイミングみたいなので、これからもきっとライブが少しずつ増えてくると思います。そんなPart-3からどうしましょうか?

金子FiJAをかけようと思います。

みさと:今週は結構ブラック味があって、私大好きなリリースが多かった。嬉しいです。

金子:FiJAさんやっぱり良いですね。

みさと:素晴らしい。彼女の声は本当に唯一無二です。

金子:素晴らしいシンガーですよね。FRIENDSHIP.的にはパジャマで海なんかいかないとかでも活動してるわけですけど、ソロ名義としては2年ぶりのリリースなんですね。

みさと:結構経ちましたね。

金子:でも相変わらずのかっこよさで、制作チームとしては前のシングルとも同じメンバーで作っていて、生演奏ベースで、ドラムはパジャ海のSeiyaさんだったりして。ジャズ、ヒップホップ、R&Bを基調としつつ、何よりFiJAさんのボーカルを立てている素晴らしい楽曲だなっていうのもあるし、あと「Shady Bitch」というタイトルで、この曲の歌詞は前にFiJAさんであり彼女の友人が経験した女性軽視の体験から、フェミニズムを題材に作ってるということで。こういうメッセージ性があるところもアーティストとしての強みになっていると思うし、聴きどころの多い曲だと思います。

みさと:このセルフライナーノーツ、楽曲解説を読む前にジャケットを見たんですけど、美しくて怖いっていうのが第1印象で。まさにそういうテーマというか、美しさと気高さと、でもその怖さ、憎悪を感じるようなジャケットにもなっていって、泣きのエレキが途中で入ってくるじゃないですか。あれが"なめんなよ"って聴こえてくるような、そういう強さ・パワーを感じる1曲になってました。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto_Uchino_photo.jpg Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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