SENSA

2023.09.10

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!放課後ホタル・Special Favorite Music・木(KI)ほか全23作品 -2023.09.09-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!放課後ホタル・Special Favorite Music・木(KI)ほか全23作品 -2023.09.09-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:9月4日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全23作品の中から、まずはPart-1の8作品でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさん、2組いらっしゃいます。まずはALFRD

金子:ALFRDはもともと東京のmakranというレーベルからリリースしていたアーティストで、FRIENDSHIP.だとAutumn Fruitsも、もともとmakranからリリースしています。僕ちゃんと聴いたの初めてだったんですけど、かっこよかったですね。

みさと:かっこいいですよね。

金子:過去のインタビューを読んだら、影響源としてフランク・オーシャンと宇多田ヒカルの名前を挙げていて、分かる!と思って。特にフランク・オーシャンはトラックやボーカルのテイストからして納得感があるし、でもそこに宇多田さん的な、日本人にも通じるようなメロディーラインの美しさがあったり、ちょっとメランコリックな雰囲気があったりとかもして。すごく気になるアーティストですね。



みさと:テーマの持っていき方もおしゃれですよね。ダイレクトメッセージ=DMでしか話したことのない女性と会うというのがテーマになっていて、その会うタイミングがDaytime Moon=DMで、昼間に見える月の下2人で歩く姿を妄想するという、このダブル・ミーニングもとっても面白いですよね。そして続いてが、くだらない1日というバンドです。

金子:こちらは2016年に福岡で結成されているバンドで、今は東京を拠点にしていて、現在はスリーピースとして活動しています。90年代のエモっぽい雰囲気が漂ってますけど、ちょっと前に海外でエモのリバイバルがあって、それがだいぶ日本にも入ってきて、こういうエモっぽいバンドって最近かなり増えてきている印象があるから、その中から一組でもドカンと突き抜けるバンドが出てくると、シーン全体としてより盛り上がるはずで。くだらない1日がそこを突き破ってくれるバンドになっていくと面白いな、と思いますね。



みさと:もう準備は整ってますもんね。そういうバンドがシーンにどんどん出てきていて、やっぱり数が増えれば増えるほど、その風穴が開くチャンスが間近に迫る。楽しみですね。さあ、そんなPart-1からどうしましょう?

金子放課後ホタルをかけようと思います。

みさと:今回、コンセプトアルバムになっています。

金子:5曲入りのアルバムですね。『Similar code』というタイトルですけど、1曲目に入ってる「Similar」という曲が、もともと放課後ホタル結成のきっかけになった楽曲だそうで。だから"Similar=似てる"ということをコンセプトに、どの曲もメンバーの設楽くんから根菜くんへの当て書きになっていて、似てるようで違う、違うようで似てる2人、というのを作品で表しています。1曲目が「Similar」なんだけど、最後の5曲目が「Similar code」という曲で、この2曲がまさに似てるようで違う、違うようで似てるっていう、すごく面白い作りになってました。

みさと:ちょっと2人の交換日記を覗き見させてもらったような、いいんですかっていう、ちょっとお邪魔するような気持ちで聴かせてもらいました。



金子:放課後ホタルってネーミングはちょっとファニーな感じだし、遠距離ユニットだからライブもそんなにやってないし、2人がどういうテンション感で活動してるのかなってあんまり分からなかったりしたけど、でも今回の作品聴くと、2人の想いや関係性が見えてくるというか。今回根菜くんが"放課後ホタルだけどもう放課後の活動だけでは追いつかない、みたいになることを目標に偉い大人の方々も巻き込みながら活動していきたいです"という熱いコメントを寄せていて、こういう気持ちがあるんだなっていうのが改めて伝わってきて、やっぱり応援したいな、と思いました。

みさと:アルバム全体はすごくバラード気質ではあるんですけど、リード曲がバーストロックっていうのも。

金子:この「Fistrophy」はすごいですね。

みさと:これも含めてちゃんとエンターテイメントをやっていくので、というその気概を感じられる素晴らしい作品になってます。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。まずははじめましてさんが、Turquoise Shitです。

金子:こちらはArTwinsというバンドでも一緒に活動しているemococoonさんと奥泉怜さんが今年スタートさせたユニットということです。「Eighteen」という曲タイトル通り、emococoonさんが18歳の頃の純粋無垢でぎこちない青春について歌った懐古ソング、というコメントも寄せてくれていて、この80年代っぽいシンセがノスタルジーを感じさせて、このテーマ性とまさにぴったり合った曲になってますね。

みさと:最近FRIENDSHIP.からリリースの曲で10代の頃のことを歌った曲って定期的にリリースされてるイメージですけど。

金子:確かに。



みさと:やっぱり大人になってからの受け取り方とか消化の仕方っていうのは、大人にならないと分からないこと、できないことなのかもしれないですよね。続いてVelladonもひさしぶりですね。ひさしぶりで、スーパー豪華な。

金子:すごいですよね。詩人の三角みづ紀さんとのコラボレーションなんですけど、朗読と演奏でゲストアーティストが多数参加していて、朗読が君島大空、THE NOVEMBERS小林裕介、People In The Box波多野裕文、演奏にはギターにdipのヤマジさん、リズム隊がskillkillsビートさとしに我らがLITE井澤さんと。

みさと:すごくない?濃過ぎる。

金子:オルタナ。

みさと:オルタナですねー。

金子:曲は壮大だし、めちゃめちゃドラマティックなんだけど、でも意外と尺は短いんですよね。2分46秒とかで。もっとね、8分ぐらいの曲に聴こえちゃうぐらいのすごさだけど、濃密な3分間って感じでしたね。



みさと:このメンバーを集めたら、とりあえず1時間ぐらいやらせてください、ぐらいの気持ちになるけど、それをギュッとする潔さ、素晴らしいディレクションだなとも思いますし、とても前衛的な、いつもやっぱり三角さんとVelladonの組み合わせというのは複雑な感情と景色を見させてくれますけど、よりパワーアップした楽曲がリリースとなってます。さあ、そんなPart-2からどうしましょう?

金子:ここはSpecial Favorite Musicをかけましょう。

みさと:そうですよね。カンナさん!

金子:おかえりなさい、と言いますか。

みさと:いつもお世話になってます!

金子:みさとさんがお休みのときに代理でパーソナリティを務めていただいたサトーカンナさんがフィーチャリングで参加しているという。

みさと:良い声だわ。

金子:もともとライブとかにサポートで参加してるというのがありつつ、今回はガッツリ「feat. サトーカンナ」という形で参加していて、良い声ですね。

みさと:良い声ですねー。この曲の雰囲気もネオンの光ギラギラっていうよりは靄がかった空気の中に暖色の光が淡く浮かんでるような、その感じがサウンドとカンナさんの声から漂ってくるような、想像できるような温かい曲でした。

金子:「ナイトミスティパーク」というタイトルだったりもするし、夜に公園で1人物思いにふけってるみたいな、そういう穏やかさをカンナさんのボーカルがすごく演出してる気もするし、基本ずっと久米くんとユニゾンで一緒に歌ってる、その温度感、平熱感みたいなものもこの曲にすごく合ってるなと思ったし、良い曲でしたね。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。まずはじめましてさんがTEITENCA

金子:ちょっと変わった名前ですけど、「定点カメラで捉えるをモットーに何とも言えない情けなさから言い表せない美しさまで暮らしに潜むささやかな機微を切り取り記録することに挑戦する音楽プロジェクト」ということで。この曲を皮切りに始動ということですけど、めっちゃ良い曲でした。

みさと:良かった。とてもカラフルな曲だなというイメージもあって、ネガティブワードですら風船に浮かんでふわふわ浮かびながら青空に広がっていくような、そんな景色が見える1曲だなと。



金子:UKロック味のあるグッドメロディーも印象的でした。

みさと:そして大変申し訳ございません、業務連絡でございます。ここで突然なんですが、私たちが今まで呼び続けていたバンド名が間違っていた方がいます。

金子:あら。

みさとAaanna Japanese Specialさんです。綴りがAが三つにnnaで"アーナ"と呼んでたんですけど"アンナ"でした。申し訳ございません!

金子:ごめんなさい。でもちょっと難しいですよね(笑)。今回EPができたということで、もともとJan fluのP.Nekobayashiくんが作曲プロジェクトとして始めてて、ボカロも使ったりというところだったんですけど、今回コメントを読むと、これ多分実話なんだと思うんですけど、知り合いにJan fluのストリーミング・ページを伝えたら、"意味分からない英語みたいなの、私ちょっと聴けないかも"という一言が返ってきて、それによって考えるところがあり、結果的に自分の作曲スタンスを再定義するような作品になったと。『Follow Your Heart』というタイトル通り、結果的には自分の心のままに作った作品になったということなんですけど、色々考えさせられる部分もありますよね。

みさと:本当にそうですね。コメントが続いていて、洋楽の模倣と言われようが日本人の私が作る時点で完璧な模倣になるわけがない。私はこう捉えました、という解釈であるっていうのも、また歌詞に重きを置いてないと言い切っているところも、きっとこういった彼の経験から導き出されたスタンスの提示であるというのが伝わってくる。これ本当に考えさせられますね。



金子:最近だと日本語の曲でも海外で聴かれるようになった、みたいな話も一方ではあったりとか、音楽と言語の関係性はいつの時代にも語られることであり、また変化していくものでもあって、この作品はそれを2023年にもう一度考える上でも、興味深い作品だと思いますね。

みさと:そんなPart-3からお送りするのはどうしましょう?

金子木(KI)をかけようと思います。

みさと:人力ドラムンベースがすごくかっこよかった。

金子:彼らはひさびさのリリースで、もともと2019年にEPが出てて、いわゆる現代ジャズ以降のミクスチャー感を持った、でもポップセンスもあるというところで、音楽ファンの中では結構話題になったバンドで。今回約3年半ぶりのリリースなんですけど、木(KI)らしさがありつつ、かなりパワーアップした作品になっていて。5曲入りのEPで、僕全曲聴かせてもらったんですけど、スタジアム仕様のトランスみたいな曲があったりとか、オーケストレーションが印象的な曲があったりとか、1曲ごとに全然違って、すごいことになってるなって。

みさと:そうかあ。もうだってバンド名ですら謎じゃないですか?樹木の木ですよ。一文字で「木(KI)」っていう。彼らの色んな枝葉が広がって、そして生茂っていく様を感じるようなEPになってる。

金子:なるほど。そういう受け取り方もできるかもしれないですね。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 Yuto_Uchino_photo.jpg Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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