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2022.02.01
YAJICO GIRLが1月30日に大阪・梅田クラブクアトロで、ツーマンイベント『YAJICOLABO 2022 "OSAKA/TOKYO"』大阪公演を開催した。
『YAJICOLABO 2022 "OSAKA/TOKYO"』は、YAJICO GIRLがシンパシーを感じるアーティストをゲストに迎えたツーマンイベントで、開催に先駆け四方颯人(Vo)は、「同時代性を追求しながら音楽的な進化を続けているBBHF、自然と体が揺れるほどのグッドミュージックを鳴らすYONA YONA WEEKENDERS。この2バンドと一緒にライブができること、本当にうれしいですし、今からワクワクしています。イベントタイトルは『YAJICOLABO 2022』。すでにお気付きかもしれませんが、コラボとラボ(実験室)が掛かっています。YAJICO GIRLが主催する対バンイベントは2017年以来となります。自ずと気合いが入りまくっています。クアトロで生まれる化学反応をぜひ一緒に体感しましょう」とコメントしていた。
そんな熱い想いが込められた『YAJICOLABO』の幕開けを飾ったのは、大阪公演のゲストであるBBHF。地鳴りのような低音を切り裂く打撃音一発で、静から動へと一気に動き出すビート、これをグッドメロディと言わずに何と言う「僕らの生活」からライブはスタート。サポートも含めたトリプルギター編成で丹念に編まれたフレーズはとにかく美しく、一転、ゆったりとしたBPMで聴かせたエレクトロでアンビエントな「だいすき」など、冒頭から豊潤なアンサンブルでフロアを包囲。続く「バック」「Torch」といい、『YAJICOLABO』の開幕にふさわしい音楽的造詣と好奇心を備えたアクトのパフォーマンスを見れば、YAJICO GIRLがなぜ彼らにラブコールを送ったのかは一目瞭然だ。
MCでは、「僕たちはBBHFというバンドです。『YAJICOLABO 2022』にお誘いいただいて、本当にありがとうございます。まず、今日来ることを決めてくれたお客さんに何より感謝と愛を伝えたいです」(尾崎雄貴・Vo/Gt、以下同)と告げ、重厚で壮大なサウンドスケープを描いた「ホームラン」を皮切りに、「愛を忘れないで」「かけあがって」とメロウで温かなミドルナンバーを披露。どの楽曲にも貫かれたポップネスと、その歌声にそこはかとなく漂うエモーションには信頼しかない。
「YAJICO GIRLのボーカルの四方さんと、今回のツーマンに合わせて対談インタビューもしたんですけど、僕は勝手に通じるものを感じていて。さっき彼らのサウンドチェックの様子を見て、そのシンパシーがより強くなったのを感じました。この後ライブを見るのがすごく楽しみだし、改めてそういったバンドに声をかけてもらったことをうれしく思います」
後半戦も、初見でも物語と並走できる明瞭な歌詞の響きとコーラスワークが、見る者の内なる感情を引き出す「真夜中のダンス」「涙の階段」と立て続け、6月12日(日)には再びツアーで大阪・なんばHatchに訪れることを報告。最後に尾崎は、「また会いましょう」と言い「なにもしらない」を届けてYAJICO GIRLにしっかりとバトンを渡したBBHFだった。
続いて、満を持して登場した主催のYAJICO GIRLは、いきなりの躍動感でステージを軽やかに駆け巡ったフロントマンの四方を筆頭に、序盤から「いえろう」をはじめとしたグッドミュージック×グッドヴァイブな連鎖で魅せていく。「こういう大変な状況の中、来るという決断をしてくれて本当に感謝しています。今日は椅子もあるので、座って心地良く音楽を楽しめると思うから」と語った四方だったが、その心地良さは環境からではなく奏でる音楽が生み出しているのは言わずもがな。主催のプレッシャーよりも、敬愛するアーティストとオーディエンスと一緒に夜を作ることができる喜びのままに、「街の中で」でも気持ち良さそうに音に身を委ねる5人。その後も、極上のチルタイムを演出した「Surfing」、深いリバーブの海にダイブした「汽水域」と、ライブハウスで音楽を浴びるという快感を細胞に思い出させるようなトリッピーなゾーンを創出。全編を通して同期のトラックを駆使した緻密なサウンドが導くつかの間の非日常に、こんな時代だからこそ『YAJICOLABO』のような場が必要だと切に感じさせる。
「本当に楽しみにしてきましたし、感慨深過ぎてちょっとエモーショナルな気持ちで......BBHFは憧れのバンドだったので。(まん延防止等重点措置により)今日はライブができるかどうかという状態だったんですけど、こうやって来てもらえてうれしいです。どうですか皆さん、BBHFとの対バンですけど。いつもより顔が輝いていますね(笑)」と、四方がメンバーに話題を投げると、吉見和起(Gt)は「BBHFは憧れであり尊敬であり、大好きなアーティストなので。さっきもステージ裏で聴いていてグッときて、メンバーと最高やなと言い合っていたんですけど。今は気持ちも高ぶっていますし、めちゃめちゃ楽しいです」と、共に音楽コンテスト出身で、バンドがたどってきた音楽的変遷も重なるBBHFに愛をブチまける。四方はBBHFがMCで触れていた対談についても振り返り、「そのときにボーカルの尾崎さんにYAJICO GIRLとのツーマンは絵が見えると言ってもらえたのがすごくうれしくて。あと、今日はパンチのあるライブを期待しています、みたいな感じで締めくくられたので、今日はどんどん曲をやっていってるんですけど(笑)」とネタバレ。今日を迎えられた幸福がそのプレイのみならず言葉からも溢れ出す。
後半戦は、きらめくミラーボールを虹色の光が照らしクアトロが映えに映えた、最新作『Retrospective EP』収録のダンスチューン「どことなく君は誰かに似ている」、ノスタルジーでスウィートな「FIVE」など、ネクストブレイクのポテンシャルを随所に感じさせるポップソングを連発。BBHFの「君はさせてくれる」の一節をアウトロに忍び込ませるリスペクトと遊び心でも沸かせ、5人は充実の表情で舞台を降りる。
そしてアンコールでは、四方が決して順風満帆ではなかったこの2年を回顧する。
「僕らは2年前ぐらいに大阪から関東に活動の拠点を移して。これからというときにコロナで自粛になっちゃったので、ずっと大変な状況が続いていて。自分たちが好きだったカルチャーとか音楽って、行動ができなくなればなくなるんだなと改めて実感した2年でした。人は放っておくと簡単な方に、分かりやすい方に、ジャンキーなものとかファストなものに流されがちだと思うんですけど、今日はこうやって音楽が好きで来てくれる皆さんがいて......。そして、こんな状況でも音楽的に進化し続けて、チャレンジし続けて、いい音楽を作り続けるBBHFとツーマンができて本当にうれしかった。僕と(古谷)駿(Dr)は高校のときに、この梅田クラブクアトロでGalileo Galilei(=BBHFの前身バンド)を初めて見て......あかん、泣きそうや。そのときからすごく憧れていたし、ロールモデルの一つでもあったので、普段はこういう言葉は使わないんですけど、自分にとってはエモい一日で。本当に実現できてよかったなと思います。今日はありがとうございました!」
最後の最後に感情が爆発し涙した四方の姿には、そこにいた誰もがたまらずグッとくる。コロナ禍に自らのスタンスや音楽を見つめ直し、歩みを進めたYAJICO GIRLが失わずに抱き続けた音楽への情熱。アンコールのラスト1曲まで欠けることなくそれが感じられた、万感の『YAJICOLABO』大阪公演。新たな歴史が始まった記念すべき1日が、こうして幕を閉じた。
なお、『YAJICOLABO 2022 "OSAKA/TOKYO"』東京公演はYONA YONA WEEKENDERSをゲストに迎え、2月5日(土)東京・渋谷クラブクアトロで開催される。
文:奥"ボウイ"昌史
撮影:渡邉一生
渋谷 CLUB QUATTRO
YAJICO GIRL / YONA YONA WEEKENDERS
TICKET:
¥4,500-(税込/ドリンク代別途要)
一般発売:https://eplus.jp/YAJICOLABO/
愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
OPEN 18:30 / START 19:00
2022年6月12日(日)
大阪・なんばHatch
OPEN 17:15 / START 18:00
2022年6月18日(土)
宮城・仙台darwin
OPEN 18:00 / START 18:30
2022年6月25日(土)
福岡・DRUM LOGOS
OPEN 18:00 / START 18:30
2022年6月26日(日)
広島・LIVE VANQUISH
OPEN 17:30 / START 18:00
2022年7月1日(金)
東京・Zepp Haneda
OPEN 18:00 / START 19:00
2022年7月9日(土)
北海道・札幌 PENNY LANE 24
OPEN 18:00 / START 18:30
TICKET:
¥5,000-(税込/ドリンク代別途要)
オフィシャル2次先行:
2021年1月22日(土) 12:00~2022年2月6日(日)23:59
https://w.pia.jp/t/bbhf-tour/
ツアー詳細はこちら
@YAJICOGIRL
@yajicogirl
BBHFオフィシャルサイト
YONA YONA WEEKENDERSオフィシャルサイト
『YAJICOLABO 2022 "OSAKA/TOKYO"』は、YAJICO GIRLがシンパシーを感じるアーティストをゲストに迎えたツーマンイベントで、開催に先駆け四方颯人(Vo)は、「同時代性を追求しながら音楽的な進化を続けているBBHF、自然と体が揺れるほどのグッドミュージックを鳴らすYONA YONA WEEKENDERS。この2バンドと一緒にライブができること、本当にうれしいですし、今からワクワクしています。イベントタイトルは『YAJICOLABO 2022』。すでにお気付きかもしれませんが、コラボとラボ(実験室)が掛かっています。YAJICO GIRLが主催する対バンイベントは2017年以来となります。自ずと気合いが入りまくっています。クアトロで生まれる化学反応をぜひ一緒に体感しましょう」とコメントしていた。
そんな熱い想いが込められた『YAJICOLABO』の幕開けを飾ったのは、大阪公演のゲストであるBBHF。地鳴りのような低音を切り裂く打撃音一発で、静から動へと一気に動き出すビート、これをグッドメロディと言わずに何と言う「僕らの生活」からライブはスタート。サポートも含めたトリプルギター編成で丹念に編まれたフレーズはとにかく美しく、一転、ゆったりとしたBPMで聴かせたエレクトロでアンビエントな「だいすき」など、冒頭から豊潤なアンサンブルでフロアを包囲。続く「バック」「Torch」といい、『YAJICOLABO』の開幕にふさわしい音楽的造詣と好奇心を備えたアクトのパフォーマンスを見れば、YAJICO GIRLがなぜ彼らにラブコールを送ったのかは一目瞭然だ。
MCでは、「僕たちはBBHFというバンドです。『YAJICOLABO 2022』にお誘いいただいて、本当にありがとうございます。まず、今日来ることを決めてくれたお客さんに何より感謝と愛を伝えたいです」(尾崎雄貴・Vo/Gt、以下同)と告げ、重厚で壮大なサウンドスケープを描いた「ホームラン」を皮切りに、「愛を忘れないで」「かけあがって」とメロウで温かなミドルナンバーを披露。どの楽曲にも貫かれたポップネスと、その歌声にそこはかとなく漂うエモーションには信頼しかない。
「YAJICO GIRLのボーカルの四方さんと、今回のツーマンに合わせて対談インタビューもしたんですけど、僕は勝手に通じるものを感じていて。さっき彼らのサウンドチェックの様子を見て、そのシンパシーがより強くなったのを感じました。この後ライブを見るのがすごく楽しみだし、改めてそういったバンドに声をかけてもらったことをうれしく思います」
後半戦も、初見でも物語と並走できる明瞭な歌詞の響きとコーラスワークが、見る者の内なる感情を引き出す「真夜中のダンス」「涙の階段」と立て続け、6月12日(日)には再びツアーで大阪・なんばHatchに訪れることを報告。最後に尾崎は、「また会いましょう」と言い「なにもしらない」を届けてYAJICO GIRLにしっかりとバトンを渡したBBHFだった。
続いて、満を持して登場した主催のYAJICO GIRLは、いきなりの躍動感でステージを軽やかに駆け巡ったフロントマンの四方を筆頭に、序盤から「いえろう」をはじめとしたグッドミュージック×グッドヴァイブな連鎖で魅せていく。「こういう大変な状況の中、来るという決断をしてくれて本当に感謝しています。今日は椅子もあるので、座って心地良く音楽を楽しめると思うから」と語った四方だったが、その心地良さは環境からではなく奏でる音楽が生み出しているのは言わずもがな。主催のプレッシャーよりも、敬愛するアーティストとオーディエンスと一緒に夜を作ることができる喜びのままに、「街の中で」でも気持ち良さそうに音に身を委ねる5人。その後も、極上のチルタイムを演出した「Surfing」、深いリバーブの海にダイブした「汽水域」と、ライブハウスで音楽を浴びるという快感を細胞に思い出させるようなトリッピーなゾーンを創出。全編を通して同期のトラックを駆使した緻密なサウンドが導くつかの間の非日常に、こんな時代だからこそ『YAJICOLABO』のような場が必要だと切に感じさせる。
「本当に楽しみにしてきましたし、感慨深過ぎてちょっとエモーショナルな気持ちで......BBHFは憧れのバンドだったので。(まん延防止等重点措置により)今日はライブができるかどうかという状態だったんですけど、こうやって来てもらえてうれしいです。どうですか皆さん、BBHFとの対バンですけど。いつもより顔が輝いていますね(笑)」と、四方がメンバーに話題を投げると、吉見和起(Gt)は「BBHFは憧れであり尊敬であり、大好きなアーティストなので。さっきもステージ裏で聴いていてグッときて、メンバーと最高やなと言い合っていたんですけど。今は気持ちも高ぶっていますし、めちゃめちゃ楽しいです」と、共に音楽コンテスト出身で、バンドがたどってきた音楽的変遷も重なるBBHFに愛をブチまける。四方はBBHFがMCで触れていた対談についても振り返り、「そのときにボーカルの尾崎さんにYAJICO GIRLとのツーマンは絵が見えると言ってもらえたのがすごくうれしくて。あと、今日はパンチのあるライブを期待しています、みたいな感じで締めくくられたので、今日はどんどん曲をやっていってるんですけど(笑)」とネタバレ。今日を迎えられた幸福がそのプレイのみならず言葉からも溢れ出す。
後半戦は、きらめくミラーボールを虹色の光が照らしクアトロが映えに映えた、最新作『Retrospective EP』収録のダンスチューン「どことなく君は誰かに似ている」、ノスタルジーでスウィートな「FIVE」など、ネクストブレイクのポテンシャルを随所に感じさせるポップソングを連発。BBHFの「君はさせてくれる」の一節をアウトロに忍び込ませるリスペクトと遊び心でも沸かせ、5人は充実の表情で舞台を降りる。
そしてアンコールでは、四方が決して順風満帆ではなかったこの2年を回顧する。
「僕らは2年前ぐらいに大阪から関東に活動の拠点を移して。これからというときにコロナで自粛になっちゃったので、ずっと大変な状況が続いていて。自分たちが好きだったカルチャーとか音楽って、行動ができなくなればなくなるんだなと改めて実感した2年でした。人は放っておくと簡単な方に、分かりやすい方に、ジャンキーなものとかファストなものに流されがちだと思うんですけど、今日はこうやって音楽が好きで来てくれる皆さんがいて......。そして、こんな状況でも音楽的に進化し続けて、チャレンジし続けて、いい音楽を作り続けるBBHFとツーマンができて本当にうれしかった。僕と(古谷)駿(Dr)は高校のときに、この梅田クラブクアトロでGalileo Galilei(=BBHFの前身バンド)を初めて見て......あかん、泣きそうや。そのときからすごく憧れていたし、ロールモデルの一つでもあったので、普段はこういう言葉は使わないんですけど、自分にとってはエモい一日で。本当に実現できてよかったなと思います。今日はありがとうございました!」
最後の最後に感情が爆発し涙した四方の姿には、そこにいた誰もがたまらずグッとくる。コロナ禍に自らのスタンスや音楽を見つめ直し、歩みを進めたYAJICO GIRLが失わずに抱き続けた音楽への情熱。アンコールのラスト1曲まで欠けることなくそれが感じられた、万感の『YAJICOLABO』大阪公演。新たな歴史が始まった記念すべき1日が、こうして幕を閉じた。
なお、『YAJICOLABO 2022 "OSAKA/TOKYO"』東京公演はYONA YONA WEEKENDERSをゲストに迎え、2月5日(土)東京・渋谷クラブクアトロで開催される。
文:奥"ボウイ"昌史
撮影:渡邉一生
LIVE INFORMATION
YAJICOLABO 2022 "OSAKA / TOKYO"
2022年2月5日(土)渋谷 CLUB QUATTRO
YAJICO GIRL / YONA YONA WEEKENDERS
TICKET:
¥4,500-(税込/ドリンク代別途要)
一般発売:https://eplus.jp/YAJICOLABO/
BBHF TOUR 2022
2022年6月10日(金)愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
OPEN 18:30 / START 19:00
2022年6月12日(日)
大阪・なんばHatch
OPEN 17:15 / START 18:00
2022年6月18日(土)
宮城・仙台darwin
OPEN 18:00 / START 18:30
2022年6月25日(土)
福岡・DRUM LOGOS
OPEN 18:00 / START 18:30
2022年6月26日(日)
広島・LIVE VANQUISH
OPEN 17:30 / START 18:00
2022年7月1日(金)
東京・Zepp Haneda
OPEN 18:00 / START 19:00
2022年7月9日(土)
北海道・札幌 PENNY LANE 24
OPEN 18:00 / START 18:30
TICKET:
¥5,000-(税込/ドリンク代別途要)
オフィシャル2次先行:
2021年1月22日(土) 12:00~2022年2月6日(日)23:59
https://w.pia.jp/t/bbhf-tour/
ツアー詳細はこちら
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YAJICO GIRLオフィシャルサイト@YAJICOGIRL
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BBHFオフィシャルサイト
YONA YONA WEEKENDERSオフィシャルサイト