SENSA

2022.01.28

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!優河・odol・Yank! ほか全15作品 -2022.01.26-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!優河・odol・Yank! ほか全15作品 -2022.01.26-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


MISATO:1月24日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全15作品の中から、まずはPart 1の8作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!Part 1はフロントマンの威力がすごいバンド、アーティストが多いですね。

金子:声で持ってかれる人が多いですよね。

MISATO:多いですよね!もうMISATOの推しがいい曲出して〜Art titleが!すごく嬉しい。

金子:いいですね。これくらいのミドルテンポな曲調が声に合いますね。



MISATOMistywalkもまたいい声されている。

金子:Mistywalkは今回FRIENDSHIP.から初めてのリリースで、2021年に大阪で結成された、できたてほやほやのバンドです。ドラムの横山さんがcescoのライブでサポートで叩いてるらしく、そんな繋がりもあるみたいです。かっこいいですよね。

MISATO:かっこいいですね。

金子:たぶん聴いて、King Gnuを思い出す人が多いかなと思って。

MISATO:曲の構成とか?たしかに。

金子:ジャズの感じもありつつ、オルタナティヴなギターも入ってたりとか。ブレイクしたバンドが1個出ると、それに続くバンドが出るというのはもちろんそうなんですけど、King Gnuの曲って難しいじゃないですか?めちゃめちゃミクスチャーで、ガワを真似するだけでも結構難しいと思うんですけど、それをちゃんと自分たちの色に落とし込んだ上で鳴らしてる人たちが、こうやってすぐに出てくるって、やっぱりすごいなと。

MISATO:すごいことですよね。

金子:cescoも海外寄りのインディー・ポップの美味しいところを自分たちらしくやっているように、いまの人たちは吸収力であり、理解力みたいなものがすごいなと改めて感じますね。



MISATO:そして、ioniが今回アルバムですね。

金子:アルバムがついに。

MISATO:待っていました!

金子:ioniはやっぱり良いですね。

MISATO:ひとつの作品として、ドラマというか映画を見させてくれているようなサントラ感もありますね。

金子:アルバムタイトルの『Imagined and ruins』は"想像と廃墟"という意味で、コメントによると「退廃的な雰囲気や状態が好きで廃墟の写真とかをよく眺める」そうで、「今回の収録曲はほとんどそういう退廃的な写真やイラスト、言葉などを眺めながら想像して作った」ということらしいです。

MISATO:セルフライナーには「この病院の廃墟は稼働していたときはどんな場所だったんだろう?」とか、そういう想像をされていると書いていて、きっとそこにもドラマがあったわけですよね。

金子:トラック的には、「エレクトロニカ」みたいな言葉が浮かびますけど、でもやっぱりちゃんと今に更新されてるというか。たとえばですけど、いまだと君島大空とか、そういう人たちにも通じる部分があったり、でももうちょっと上の世代の感覚もあったりして、これはいま他にないな、という感じがすごくしました。

MISATO:今まで活動されてきた背景がゆえ、というところもありそうですね。ゲームの楽曲提供とかドラマもやっていらっしゃったり。

金子:幅広くやられてますよね。



MISATO:さあ、Yank!もアルバムです。

金子:Yank!もついにアルバムですね。ここにたどり着くまでにはメンバーチェンジとかもあったみたいで、今回のアルバムは2020年の前半ぐらいに出した曲も入っていれば、最新の曲も入ってるという、幅の広いアルバムになっています。とはいえ、やっぱりすごく統一感があって、ミニマルでメロウでサイケデリックという、この三本柱はしっかりある。

MISATO:わかりやすい!

金子:この柱はアルバム全編に貫かれてますね。そのうえで、Yank!は音数が基本的に少なくて、歌詞も基本少なかったりして、それでもちゃんと聴かせる構成力がある。あとやっぱり音そのものの良さ。エンジニアに中村公輔さんという、最近だと折坂悠太くんとか、FRIENDSHIP.から出してるTaiko Super Kicksにも関わってる方が参加していて、またこの方が上手いんですよね。

MISATO:いいですね。誰と一緒に仕事をするかで、消化される形づくりとか変わってきますからね。満を持しての布陣で、Yank!のアルバムが出ました。ぜひチェックです。


一昨年公開した、ルーツや人となりを探っていくINTERVIEWシリーズ「Highlighter」もぜひチェックを!


MISATO:さあ1曲ご紹介しましょう。

金子:今週前半は優河さんの「灯火」を紹介しようかなと。いい曲です...。

MISATO:ずっと聴いていたい。

金子:先週始まったばかりのTBSのドラマ『妻、小学生になる。』の主題歌として書き下ろした楽曲ということで。石田ゆり子さんと堤真一さんが出てる話題のドラマの主題歌で、大抜擢と言っていいんじゃないかと思うんですけど、曲のクオリティがすごく高くて。今日の冒頭で「声だけで持っていく魅力的なフロントマンが多い」という話がありましたけど、優河さんのボーカルもまさにで、声だけで持っていく力がありますね。そしてバックで支える人脈も岡田拓郎くんだったりがいて、カントリータッチも入ってたり、ちょっとアシッド・フォークっぽい感じもしたりとか。

MISATO:そうですね。

金子:昨年アメリカの女性シンガー・ソングライターって、例えばTaylor SwiftとかLana Del Reyとか、あのあたりが軒並みJack Antonoffという売れっ子プロデューサーと組んで作品を発表していて、みんなわりとフォーキーで、でもそれをちゃんといまに更新しているようなプロダクションの音楽を作っていて。「灯火」はその流れにも通じるような感触があって、今の日本だとなかなかいないところだなと思うし、すごくいいなと思いましたね。

MISATO:『妻、小学生になる。』のテーマ、回帰的な転生ものというところでもすごく通じるところがありそうですね。ノスタルジック感というのが出てくるような内容だと思うので。

金子:さっきYank!の話をするなかで折坂くんの名前を出しましたけど、彼は2019年に『監察医 朝顔』というドラマの主題歌をやっていて、当時はまだ折坂くんの名前そこまで有名じゃなかったけど、あのドラマから知名度が広がった感じがあって。今回の優河さんもそういう感じになるんじゃないかと思うし、いろんなきっかけの1曲には間違いなくなると思いますね。



MISATO:年明けの1月にこういう風にリリースされて、優河さんが1年後振り返ったときに、キーになるような1曲になるといいですね。

金子:このあとアルバムも予定されているようなので、それも楽しみです。

MISATO:春ごろのアルバムリリース予定です。


New Release Digest Part 2


MISATO:1月24日週リリースの新譜ダイジェストPart 2をお送りしました。なんかすごい子たち出てきましたよ...。

金子:最後ね(笑)。

MISATO:竜巻のような方たちが、HYPER GAL

金子:名前からしてすごいですね。

MISATO:FRIENDSHIP.からは初ですもんね?

金子:そうですね。

MISATO:いやー、よくぞいらっしゃいました。

金子:この前選曲会議で聴いて、キュレーターたちも「うお!」ってびっくりしてました(笑)。

MISATO:そうなの(笑)?

金子:HYPER GALという名前通り、見た目はギャルでして。

MISATO:ギャルですね。

金子:それでこの音楽性。でもボーカルの石田小榛さんは美術家としても活動していて、ドラムの角矢胡桃さんはノイジシャンでノイズをやってる人で、これは確信犯なんですよね。

MISATO:確信犯、わかっていると。

金子:そうそう。関西の人たちで、あふりらんぽとかわかりますか?

MISATO:わからないです...。

金子:「関西ゼロ世代」と言われた、後藤まりこさんのミドリとかあの辺が一気に出てきた2000年代のちょっとしたムーブメントがあったんですけど、あふりらんぽも女の子の2人組で、ちょっとそれに通じる感じもあったりして。でもHYPER GALっていう名前の通り、いまでいうとハイパーポップみたいなところにもリンクしてたりとか、新しさもありつつ、でもやっぱり関西らしいなというのはすごく感じる人たちですね。

MISATO:HYPER GALのInstagramを見たんですけど、スーパー加工されたプリクラの2人の写真が載っていたりして、普段の自分たちも載っけているんですけど、トロピカルな感じのアートワークにはしていなかったんですよ。

金子:「トロピカル」という曲名なのに。

MISATO:そのあたりがやっぱり美術家というか、見せ方がちゃんとわかってらっしゃる。先ほどおっしゃった確信犯というのにも繋がるような感じがして、やりたい音とのミスマッチ感はないようにしてるんだなと。Instagramもぜひフォローしてください。



MISATO:そして我らが、WAZGOGG、Wataru Fujiwara氏が新曲です。

金子:今回はコラボレーションもので、フィリピンのシンガー・ソングライターRJ Manulidとのコラボ楽曲ということで。なんでこのコラボが行われたのか、経緯はちょっとわからないんですけど、昨年RJ Manulidさんの曲をWAZGOGGがリミックスしていて、おそらくはその流れなのか、コラボレーションすることになったみたいです。

MISATO:なるほど。

金子:WAZGOGG、Wataruさんは昨年かなり活躍していたわけですけど、今年はさらに海外へと目線を広げて、いろんなことをやっていくのかな?という期待を抱かせますよね。

MISATO:飛び立って行ってほしい。FRIENDSHIP.のテーマとしてもありますよね。どこの場所にいても、どこまでも遠くに曲が届けばいいという気持ちです。

金子:シンガーとコラボするポップス系のアプローチでも、これはこれでWAZGOGGらしく仕上げていて、こっちの展開もこれから先どうなるか興味深いですね。



MISATO:楽しみ〜。そしてPROCYONが新曲ですね。

金子:ひさびさの新曲ですね。PROCYON、個人的に好きなんですよね。

MISATO:いいですね。

金子:昨年出た「Super Lazy」という曲は個人的に昨年のFRIENDSHIP.ベストシングル候補だったんですけど、今回の曲もよくて、背景としてはTame Impalaみたいなサイケデリックなポップスがありつつ、どの曲もすごくキャッチーなんですよね。シンプルなメロディーの反復で聴かせるのが基本スタイルだけど、それがすごいキャッチーで、7インチシングルとかでどんどんカットしてくれたら、絶対集めたくなっちゃう、みたいな。

MISATO:あはは。



金子:そういう良さがすごくあって、これはねえ、好きなんですよ。「好き」ばっかりしか言ってないですけど(笑)。

MISATO:いや、わかります!Yank!と対バンしてほしいもん。

金子:サイケデリック繋がりでね。

MISATO:でも全然違うじゃないですか?シンプルさとか、それぞれの持っている要素は変わらないですけど、でもアプローチの仕方でこんなに変わるんだなという。サイケでも色が全然違う。いいな〜、対バンしてほしい!さあここで1曲ご紹介するのは、この曲でよろしいですか?

金子:そうですね。odolをかけましょう!

MISATO:本当にリリースおめでとうございます!

金子:今回の曲が、JR東海のTVCMソングとして既にオンエア中ということで。

MISATO:すごいよ!

金子:初めて60秒バージョンのCMが流れたとき、CMの話題とともに"odol"の名前もトレンド入りしていて、かなり盛り上がっていましたね。

MISATO:おめでとう!odolは一つ前の時間のRoom "H"でも大盛り上がりしていましたけど。

金子:していたみたいですね〜。そりゃあ盛り上がりますよ。


MISATO:深津絵里さんがビジネスパーソン役で、東海道新幹線を使ったひさしぶりの出張が描かれたCMソングになっています。

金子:このJR東海のCMシリーズ、そもそも第1弾に深津さんが出ていて、それが33年前。そのときのキャッチコピーが、「会うのが、いちばん。」だったのが、33年のときを経て、このコロナ禍の中で、「会うって、特別だったんだ。」というコピーになっているという。

MISATO:すごいよ〜。そこにodolが起用されたわけですよね?ピッタリですね。

金子:必然な感じはすごくしました。 昨年この番組に来てもらったときにメンバー2人ともしゃべりましたけど、odolが2020年に出した『WEFT』というEPのタイトルは、縦糸と横糸で自分たちと周りの人の関係性を意味していて、昨年リリースした『はためき』というアルバムはEPの延長線上で、その縦糸と横糸で縫われた旗がはためくようなイメージの作品でした。そうやって人と人との出会いをずっと形にしてきて、その流れで今回"会う"、"出会う"ことの特別さを描いたCMに起用されたという。やっぱりちゃんと必然性があって、だからこそ音楽とCMとの相乗効果が生まれるということだと思うんですよね。曲自体はodol流のスタンダードというか、ストリングスもすごく印象的だし、今回は管楽器も入ってて、さらにそこにミゾベくんの声もありという。めちゃめちゃいい曲ですね。



MISATO:60秒間のCMからもっとドラマが波及しそうな、そんな1曲ですね。前後どうなったのかな?とか、あの手を振ったあとどんな会話をして帰ったのかな?とか。きっとそこにodolが流れているんだなって。いい曲だな〜。まだCMご覧になっていない方は探してみてくださいね。

金子:CM自体めっちゃいいですもんね。

MISATO:本当に素晴らしいですからね!

JR東海TVCM「会うって、特別だったんだ。」(60秒ver.)




RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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