SENSA

2021.12.24

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Orange Ocean, The fin.・東京○X問題・YESEYSESYほか全10作品 -2021.12.22-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Orange Ocean, The fin.・東京○X問題・YESEYSESYほか全10作品 -2021.12.22-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1

(ダイジェストからは著作権の関係でOrange Ocean,The fin.「Made for Mermaid」は省いてます)

MISATO:12月20日週のFRIENDSHIP.からリリースの新譜全10作品の中から、まずは前半5作品をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!最後のkiwanoさんは、かねこきわのさんですよね?

金子:そうですね。名義が変わったみたいです。



MISATO:名義が変わって、最初の作品という形になるんですね。そしてdownyの青木ロビンさんとManukanによる2人組ユニット、zezeco

金子:ロビンさんはFRIENDSHIP.のキュレーターもやっていただいているわけですけど、このzezecoは昔からやってるユニットです。downyがバンドサウンドなのに対して、zezecoはよりエレクトロニックで、非常に格好良いトラックを作ってますね。11月に沖縄の北谷の海に面したロケーションで配信ライブ「ocean side live」をやっていて、そのときに演奏した曲を元にしたEPの1曲目を、この「underdog」という曲が飾っています。

MISATO:だいぶアンビエントだけど、ロビンさんのロック色はしっかり残ってるという不思議なバランス感覚ですね。

金子:やっぱりサウンドデザインが巧みですね。ロビンさんはお仕事でも空間デザインとかをやってらっしゃって、その感じとも通じるものがあるなと。

MISATO:どうやってこれを立体にしてるんだろうという、頭の中で構築していく作業をイチから見てみたいですね。

金子:そこにManukanさん、テクノ畑でエレクトロニック・ミュージックとずっと向き合ってきた方が加わることで、より洗練されたというか、かっこいいものになってるんじゃないかと思います。

MISATO:これ海を見ながら聴いたらまた違う感じになりそうですね。深夜の海、漆黒の海の中で聴きたいです。

金子:それすごそう(笑)。



MISATO:すごそうですよね(笑)。そしてOrange OceanThe fin.による「Made for Mermaid」もびっくりしました。

金子:今週はキュレーターのみなさんがお仕事をしていますね。Orange Oceanという中国のバンドと、The fin.のコラボレーションです。
The fin.は世界的に活躍をしていて中国にもファンが多く、実際に中国にライブに行ったりもしてるし、配信ライブをすると万単位の人が視聴したりと人気があるので、おそらくそういう中で現地のバンドとも交流ができていったのかなという気がします。今回はOrange OceanがデモをいくつかYutoくんに送って、その中からYutoくんがこの曲を選んだそうです。Yutoくんのコメントがあるんですけど、「聴いた途端にすごくノスタルジックな世界に連れて行かれて、もうこの曲だと思った」とのことで。そこにシンセとコーラスを足して、この曲ができているみたいなんですけど、The fin.もこういうノスタルジックな世界観を持ってるから、そこがこの2組の共通点なんだろうなというのはすごく感じました。

MISATO:当たり前なんだけど、Yutoくんってこういう曲でも声が乗るんだなって。普段Yutoくんカラオケでなに歌うのかな(笑)。今までの「The fin.のYuto」という固定概念を覆してくれるというか、可能性を感じさせてくれるコラボレーションですね。

金子:カラオケでなに歌うんですかね?

MISATO:なに歌うんだろう......あとで聞いてみましょう。



MISATO:ここで1曲ご紹介したいのですが。

金子:今週は、東京○X問題を紹介しようかなと。

MISATO:結構コンスタントに紹介してきましたよね。

金子:そうですね。今週初めてのEPがリリースされました!

MISATO:おめでとうございます。

金子:これまで紹介した曲と新曲を混ぜて6曲入りのEPです。改めて東京○X問題を紹介しますと、モデルとか女優でも活動している小日向ひなたさんと、ピアニストとしての顔も持っているカタヤマシュウさんの2人組なんですけど......日本の男女ユニットの歴史みたいのってあるなと思っていまして。

MISATO:お!何ですか?

金子:古くはピチカート・ファイヴ、その後にCAPSULEいて、今だとYOASOBIがいるみたいな。

MISATO:なるほど!

金子:もちろんそれぞれ違うんだけど、でもCAPSULEはピチカート・ファイヴの影響を公言してるし、YOASOBIもCAPSULEの影響を公言してたりして、繋がってるものがある。で、東京○X問題を聴いていると、その3組の要素をそれぞれ持ってるというか。ビジュアルを見るとわりとピチカート・ファイヴっぽかったりして、曲の雰囲気的にも渋谷系以降という感じがしつつ、CAPSULEももともと初期はそういう感じだったのが、だんだんエレクトロに寄っていった。そういういろんな時期の日本の男女ユニットのいいところをあわせ持ってると感じました。

MISATO:たしかにそうですね。

金子:改めてですけど、やっぱり曲がいい。基調となっているのはエレクトロ・ポップで、マスタリングには砂原良徳さんが関わっているから、そのクオリティーも高いと感じました。 あと今回聴いてもらうのが「のうのう」というEPの最後に入ってる曲で、ストレートにいい曲が最後に入ってるなという印象がありつつ、「のうのう」という曲のタイトルはダブルミーニングになっていて、"Yes / No "の"No No"と、あとは"のうのうと生きていく"という"のうのう"と、ふたつの意味があるんですよね。"No No"にある種のパンク精神が表れつつ、でものうのうと、自分たちのペースでやっていくんだっていう、その所信表明的な曲にもなっているような気がして、すごくいいなと思っています。

MISATO:言葉の意味としては、まるっきり反対にあるわけですもんね。それを一つの言葉遊びとして使っているというのも面白いですね。

金子:東京○X問題というユニットの名前からして、対極的なものを並べて面白く響かせる、みたいな意味合いを感じさせますよね。男女ユニットという組み合わせ自体もそうだし、そこがユニットのひとつの色なのかもしれない......話しているうちに、どんどんそういうものが見つかってきますね。

MISATO:対極を探しながら聴いていただきたいですね。



MISATO:「ウキウキ雨季」のときは「キャッチーだね、ポップだね」とお話ししましたけど、こういった曲も作られるんだなという...。じっくり言葉に対しての意味とか深みというのを、小日向さんが持ってらっしゃるんだなと見えてきますね。しかも10代の頃、初めて自分で作詞作曲したのが「ウキウキ雨季」だったとコメントもあるので、お2人にとっての歴史的な1枚になるのではないでしょうか。ぜひEP聴いてみてください。




New Release Digest Part 2


MISATO:お送りしたのは12月20日週リリースの新譜ダイジェストPart 2でした。Part 2の選曲がホリデーシーズンにかかっている、それぞれのジャンルの代表曲みたいな。

金子:たしかに。

MISATO:この季節にぴったりな曲ばっかりでしたね。Narco-lepsyがまさにそんな感じでした。

金子:そうですね。タイトルからして「Holy」で、実際にクリスマスソングみたいですね。これまでも紹介してきたバンドではあるんですけど、いまドラマーが加入して5人組で。たしか最初にこのバンドのことを知った頃は3人組だった気がするんだけど、いつの間にか5人になっているという。

MISATO:減ることは最近よくあると思うのですが...。

金子:この1年2年は脱退の話が多かったけど、そんな中でもちゃんと増えているのはいいですね。

MISATO:良いですね。

金子:そこにはバンドとしての活動の充実ぶりが反映されてるというか、この曲めちゃめちゃポップでいい曲なんですよね。個人的には羊文学を連想したんですけど、彼女たちもそういうシューゲイズとかサイケデリックな音楽性と、ポップな女性ボーカルという対比があるので、通じるものを感じます。羊文学もクリスマスが大好きで、そういう曲があったりとかもするので、この2組で対バンとかしたらいいんじゃないかなと勝手に思いました。



MISATO:ホリデーライブ、良いですね。Barbican Estateもこの季節に合うサウンドメイクだなと。

金子:Barbican Estateはアルバムがついにリリースということで。

MISATO:おめでとうございます。1stフルアルバムになります。

金子:この人たちも音楽的にサイケデリックな側面があって、攻撃的だったり、退廃的だったりするから、ダークサイケデリックと呼ばれたりもしています。なおかつ、音楽だけじゃなくて、文学とか思想とかそういうところにも教養を持っている人たちというのが感じられて、そこが魅力かなと思っています。

MISATO:今回は映画からイメージされてるんですよね?

金子:そうなんですよね。アルバムタイトルが『Way Down East』なんですけど、西から東への魂の浄化の旅がイメージとしてあるとのことです。A面が主に西洋のポップカルチャーから影響を受けた楽曲で、B面が東洋の神秘思想から着想を得た曲という流れになっていると。そういうコンセプチュアルな作りになっているのがまず面白くて、実際前半の方の曲は西洋っぽい、欧米っぽい曲なのに対して、後半ちょっとアジアっぽい、オリエンタルな感じになってたりとか、そういう作りもすごく面白いですね。



MISATO:それを1枚のアルバムにできるというのは、Barbican Estate自身に軸があるというか、ブレていないからでしょうね。ぜひアルバム、A面からB面にめくるような気持ちで聴いていただきたいです。さあ、1曲ご紹介するのは?

金子YESEYSESYをかけようかなと思います。俺この曲めっちゃ好きです。

MISATO:良いですよね〜。

金子:この曲もタイトルに、"Holy"が入っていて、クリスマスなんですけども、「Holy Stormy Night」なので、"Holy"だけど"嵐"のような曲で。

MISATO:"Story"じゃないんだという。

金子:曲調の基本はファンクで、非常にノリが良くてポップですね。メンバーの石橋英子さんはエクスペリメンタルな、現代音楽っぽいのもやるんだけど、すごくポップセンス持ってる人だなというのはもともと思っていて、そのセンスがすごく発揮されてるなと思います。そしてdipのヤマジさんが参加してるわけなんですけど、「自分の作品だとこんなポップなメロディーなかなか歌わないだろうな」というのを歌ってるのが面白くて。

MISATO:そうですよね。

金子:でも後半になるとこのファンクでポップな曲調に、ヤマジさんらしいノイジーなギターがまさに嵐のように入ってくる。これはこの3人の組み合わせじゃないとできない曲だろうなという感じがするし、すごくいい曲だなって。

MISATO:今週末のプレイリストには必ず入れて欲しいですね。


今年6月に公開した、ルーツや人となりを探っていくINTERVIEWシリーズ「Highlighter」もぜひチェックを!


MISATO:ただの聖なる夜では終わらない感が良いですね。

金子:終わらないですね、嵐が待っていましたからね(笑)。

MISATO:その嵐も楽しんでしまうくらいですよね。そのウキウキ感というのを残してくれているから、「聖なる夜がこんななっても、でも良くない?」みたいな(笑)。なんか良いな〜。本当にいろんなクリスマスを、それぞれが十人十色のクリスマスを過ごされると思うので、こういう曲があると救われますね。


RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
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FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。

放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)

番組MC
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金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3

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MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

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Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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