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2021.10.19
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!gato・SACOYANS・saccharinほか全16作品 -2021.10.13-
カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
MISATO:10月11日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全16作品の中から、まずは前半8作品ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!素晴らしい!gatoのアルバムがついに出ましたね!嬉しいです!
金子:やっと出ましたね。
MISATO:はい、待ってました。
金子:ここ最近、バンドというよりもクリエイター集団みたいな、MISATOさん推しのhyuenもそうですけど、そういう人たちが増えている中、FRIENDSHIP.的一推しはやっぱりgatoだろうということで、今回のアルバムも非常にかっこいいです。
MISATO:素晴らしいですね。
金子:もともとバンドだけどダンスミュージック的な要素が強くて、エレクトロ・ハウスとかポスト・ダブステップのような音楽要素を持っていたのが、今作ではヒップホップの要素も強まっていたり、フィーチャリングのゲストも参加していたり、より幅を広げていますね。リードトラックの「xx(check, check)」もオリエンタルな要素がより強い感じがします。
MISATO:たしかに!
金子:もともとgatoの色合いのひとつではあるけど、この曲は特に強く出てて。 最近K-POP、例えばBLACKPINKとかでも、オリエンタルな要素を取り入れていて、そういうところにも彼らは目配せしてるのかなと思ったり。
MISATO:かもしれませんね。
金子:あと、タイトルが『U+H』と書いて〈ユース〉と読むんですけど。
MISATO:最初読めませんでした。
金子:ちょっと面白いなと思ったのが、アルバム後半、7曲目が「teenage club」で8曲目が「27's club」、9曲目が「21」という風に並んでいて。〈27 club〉という、有名なミュージシャンの自殺にまつわる言葉がありまして。
MISATO:27歳で亡くなってしまうという。
金子:その前の「teenage club」は Teenage Fanclubというバンド名をもじってると思うんですけど、「teenage club」と「21」の間に「27's club」を入れてるっていうのは、ここ数年10代の自殺者が増えてるって話あるじゃないですか?日本もそうですし、海外でもそう。だから、『U+H(ユース)』というアルバムタイトルで、「teenage club」と「21」の間に自殺を意味する「27's club」という曲を挟んでいるのは、意味合いがあるのかなと。10代の内省を超えて、20代以降の未来に想いを馳せるような。
MISATO:gatoがどういう曲をどういう想いで作っているのか、歌詞も素晴らしいので聴いていただければと思います。アルバムといえば、SACOYANS。来ましたねー。
金子:gatoとSACOYANSのアルバムが並んじゃってるから、どちらを紹介しようか迷ったんだけど、福岡ということでSACOYANSを贔屓させていただき、1曲オンエアしようと思います。
MISATO:福岡贔屓ですね(笑)。
金子:SACOYANSも2枚目のアルバムで、アメリカのオルタナティヴ・ロックのサウンドに、UKのメランコリックなメロディーという組み合わせがやはり彼女たちらしく、今回のアルバムもその良さが出た作品になっております。あと改めてプロフィールを見ていて、色々な気付きが個人的にありまして。このバンドはもともと東京にいたSACOYANさんが福岡に移って、そこで結成したバンドなんですけど、SACOYANさんはもともと2010年ぐらいから宅録音源をニコ動とかYouTubeとかツイキャスとかで発表してたらしいんです。で、「SACOYANSって一番近いのラブリーサマーちゃんだよね」みたいな話を以前したと思うんですけど、ラブサマちゃんももともとはネットで音源を発表してきた人だから、「そういう出自もちょっと似てるんだ」と思って。SACOYANさんの方がラブサマちゃんより先に活動してたと思うから、先駆け...とは言わないまでも。
MISATO:年代的にはそうですよね。
金子:いまラブサマちゃんもバンド編成でライブをやってるし、ただ音楽性が似てるだけじゃなくて、そういう出自も似てる。それがすごく面白いなと思いました。SACOYANさんもラブサマちゃんも、どっちも90年代のアメリカのロックだったり、UKのロックだったりに対する憧れがもともとあった人たちだと思うから、本当はバンドで鳴らしたいんだけど、なかなか一緒にやる相手がいなかった、みたいな人たちなんじゃないかなって。
MISATO:一緒にやっていきたい相手と巡り会えて、今があるわけですね。
金子:そんな気がしますね。
MISATO:10月11日週リリースの新譜ダイジェスト Part 2を送りしました。こちらもアルバムリリースでございます、Funkindustry!やったー、待っていた!
金子:待ってました!
MISATO:うちのチームは歓喜です(笑)。
金子:いやー、いいですね。
MISATO:ネアカって感じ(笑)。
金子:ははは。ライナーノーツに「Earth, Wind & FireのメロディーとJamiroquaiのグッドバイブスのブレンド」と書いてあって、「まさに!」という感じでした。そりゃあいいわって(笑)。
MISATO:嫌いな人はいない(笑)。
金子:ちょっと前にJuaくんとのコラボレーションもしてましたけど、そういうのもありつつ、「これぞまさにFunkindustry!」というタイプの曲がたくさん入っていて、いいアルバムになっていると思います。
MISATO:そして、はじめましての方がいらっしゃいます。Rikuto AFとLil Leise But Goldによる楽曲に、NYのラッパーBen Bealが参加した、「A-Team's Fables Remix」。
金子:もともとプロデューサーのKMが参加している楽曲で、彼は今(sic)boyを手掛けたりとか、日本のヒップホップのプロデューサーでは最重要人物と言っていい人だと思うんですけど、日本のアーティストと海外のアーティストのコライト(Co-Write)を仲介しているFrank Renaissanceというレーベルがありまして、その仲介によって海外のアーティストとコライトしてるっていう楽曲なんですよね。
MISATO:なるほど~。
金子:それこそFunkindustryとJuaくんのコラボっていうのも、言ってみれば海外と日本のコライトで、そういう動きがここでも起こっているという。
MISATO:いいですね!
金子:それをFRIENDSHIP.でやっていただけるというのはとても嬉しい。
MISATO:この流れはちょっとチェックしておかないとですね。
金子:これから増えていくかもしれないですね。
MISATO:そして、シナプスもはじめまして!
金子:こちらは福岡の人たちということで。先ほどのトラップから一転、非常にフォーキーなサウンドですけど(笑)。ギター/ボーカルとジャンベ/ボーカルとキーボード/ピアノという編成の3人組で、ジャンルにとらわれず様々な楽曲をツインボーカルのスタイルで展開している、という人たちです。
MISATO:ジャンベボーカルってだいぶ珍しいですよね。
金子:そうですね。
MISATO:資料にも書いてありますけど、それが入ることによって、フォークからレゲエまでジャンルにとらわれないで、音楽活動されてきたバックボーンがあるみたいですね。
金子:歌を聴いてると、andymoriの小山田くんをパッと連想する瞬間があって。ちなみに小山田くんも出身が福岡なんですよね。
MISATO:福岡って面白い宇宙観があるんだなぁ。
金子:そういえば小山田くんも結構宇宙について歌ってるな。
MISATO:宇宙、歌ってますよね?星とか好きですよね。
金子:それって福岡の色なのかな?
MISATO:あー、空が近いのかもしれないですね。
金子:そういうことなのかもしれない(笑)。
MISATO:さて、そんな中で1曲どなたをご紹介しましょうか?
金子:今週は、saccharinで!
MISATO:参加ミュージシャンのメンバーがすごいことになってますよ。
金子:ですよね。改めてご紹介すると、She Her Her Hersのドラマー松浦さんのソロプロジェクトです。ちょっと前からソロで歌い始めたという話を耳にはしてたんですけど、僕ちゃんと曲は聴いたことなくて、今回初めて聴いて、かっこいいですね。
MISATO:かっこいいですよね。コロナ前からわりと自分で作ってたけど、世に出すために作ってたというよりは、自分の中で自分の気持ちを消化するために作ってたみたいなんです。でもこの1年半、アーティストそれぞれがそれをどう世の中とリンクさせるか、世界に発信するかを葛藤していた時期だと思うので、満を持して自分が思うことを世に届けようと着地されたんだろうなと思っています。
金子:先ほどチラッと言ったように、参加しているミュージシャンがとても豪華で。キーボードがTENDRE、ベースがBREIMENの高木祥太、さらにギターの竹之内くんはWONKにも参加していたりとか。
MISATO:The fin.のサポートもやってますね。
金子:手元の資料にはミックス、マスタリング、フォトグラファー、スタイリストまでクレジットが書いてあるんですけど、それだけトータルで表現しようという姿勢も見えるし、それこそ松浦さんがドラマーとしていろんなミュージシャンに関わってきたからこそ、これだけのメンバーが集まっているわけですよね。さらに言葉の面も面白くして、「Shisoukaseki」というタイトルは、化石になってしまっている思想を持ってしまうこと。ご自身のコメントで「自分に対する自戒も含めて書いた」ということをおっしゃっているんですけど、やはりこの1年〜2年の中でいろんな思想を戦わせる場面だったり、見つめ直す場面だったりが増えた中、「あれ?俺の思想ちょっと止まっちゃってるかも」と感じることが誰しもあったかもしれない。それをこの「Shisoukaseki」という言葉で、このサウンドに乗せて表現するというのは、松浦さんならではの楽曲だなと感じました。
MISATO:イントロが昭和の一瞬をすぐにかき消すようなスタートになっていて。
金子:あれ、印象的ですよね。
MISATO:前時代的なものを打ち消すっていう、すごくいい表現だなと思いました。ぜひイントロからじっくり聴いてみてください。
MISATO:もともと松浦くんがドラマーということもあってか、リズム隊の音圧が強めですよね。そのあたりのアレンジというか、マスタリングのこだわりも見える1曲かなと思います。
金子:歌は決してずっと歌ってたわけではないだろうけど、でも上手くレイヤーを重ねて、サウンドメイクして、かっこいい曲になっていますね。
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
FRIENDSHIP.
キュレーターの金子厚武とラジオDJ MISATOによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!
New Release Digest Part 1
MISATO:10月11日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全16作品の中から、まずは前半8作品ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!素晴らしい!gatoのアルバムがついに出ましたね!嬉しいです!
金子:やっと出ましたね。
MISATO:はい、待ってました。
金子:ここ最近、バンドというよりもクリエイター集団みたいな、MISATOさん推しのhyuenもそうですけど、そういう人たちが増えている中、FRIENDSHIP.的一推しはやっぱりgatoだろうということで、今回のアルバムも非常にかっこいいです。
MISATO:素晴らしいですね。
金子:もともとバンドだけどダンスミュージック的な要素が強くて、エレクトロ・ハウスとかポスト・ダブステップのような音楽要素を持っていたのが、今作ではヒップホップの要素も強まっていたり、フィーチャリングのゲストも参加していたり、より幅を広げていますね。リードトラックの「xx(check, check)」もオリエンタルな要素がより強い感じがします。
MISATO:たしかに!
金子:もともとgatoの色合いのひとつではあるけど、この曲は特に強く出てて。 最近K-POP、例えばBLACKPINKとかでも、オリエンタルな要素を取り入れていて、そういうところにも彼らは目配せしてるのかなと思ったり。
MISATO:かもしれませんね。
金子:あと、タイトルが『U+H』と書いて〈ユース〉と読むんですけど。
MISATO:最初読めませんでした。
金子:ちょっと面白いなと思ったのが、アルバム後半、7曲目が「teenage club」で8曲目が「27's club」、9曲目が「21」という風に並んでいて。〈27 club〉という、有名なミュージシャンの自殺にまつわる言葉がありまして。
MISATO:27歳で亡くなってしまうという。
金子:その前の「teenage club」は Teenage Fanclubというバンド名をもじってると思うんですけど、「teenage club」と「21」の間に「27's club」を入れてるっていうのは、ここ数年10代の自殺者が増えてるって話あるじゃないですか?日本もそうですし、海外でもそう。だから、『U+H(ユース)』というアルバムタイトルで、「teenage club」と「21」の間に自殺を意味する「27's club」という曲を挟んでいるのは、意味合いがあるのかなと。10代の内省を超えて、20代以降の未来に想いを馳せるような。
昨年公開した、ルーツや人となりを探っていくINTERVIEWシリーズ「Highlighter」もぜひチェックを!
MISATO:gatoがどういう曲をどういう想いで作っているのか、歌詞も素晴らしいので聴いていただければと思います。アルバムといえば、SACOYANS。来ましたねー。
金子:gatoとSACOYANSのアルバムが並んじゃってるから、どちらを紹介しようか迷ったんだけど、福岡ということでSACOYANSを贔屓させていただき、1曲オンエアしようと思います。
MISATO:福岡贔屓ですね(笑)。
金子:SACOYANSも2枚目のアルバムで、アメリカのオルタナティヴ・ロックのサウンドに、UKのメランコリックなメロディーという組み合わせがやはり彼女たちらしく、今回のアルバムもその良さが出た作品になっております。あと改めてプロフィールを見ていて、色々な気付きが個人的にありまして。このバンドはもともと東京にいたSACOYANさんが福岡に移って、そこで結成したバンドなんですけど、SACOYANさんはもともと2010年ぐらいから宅録音源をニコ動とかYouTubeとかツイキャスとかで発表してたらしいんです。で、「SACOYANSって一番近いのラブリーサマーちゃんだよね」みたいな話を以前したと思うんですけど、ラブサマちゃんももともとはネットで音源を発表してきた人だから、「そういう出自もちょっと似てるんだ」と思って。SACOYANさんの方がラブサマちゃんより先に活動してたと思うから、先駆け...とは言わないまでも。
MISATO:年代的にはそうですよね。
金子:いまラブサマちゃんもバンド編成でライブをやってるし、ただ音楽性が似てるだけじゃなくて、そういう出自も似てる。それがすごく面白いなと思いました。SACOYANさんもラブサマちゃんも、どっちも90年代のアメリカのロックだったり、UKのロックだったりに対する憧れがもともとあった人たちだと思うから、本当はバンドで鳴らしたいんだけど、なかなか一緒にやる相手がいなかった、みたいな人たちなんじゃないかなって。
MISATO:一緒にやっていきたい相手と巡り会えて、今があるわけですね。
金子:そんな気がしますね。
昨年公開した、ルーツや人となりを探っていくINTERVIEWシリーズ「Highlighter」もぜひチェックを!
New Release Digest Part 2
MISATO:10月11日週リリースの新譜ダイジェスト Part 2を送りしました。こちらもアルバムリリースでございます、Funkindustry!やったー、待っていた!
金子:待ってました!
MISATO:うちのチームは歓喜です(笑)。
金子:いやー、いいですね。
MISATO:ネアカって感じ(笑)。
金子:ははは。ライナーノーツに「Earth, Wind & FireのメロディーとJamiroquaiのグッドバイブスのブレンド」と書いてあって、「まさに!」という感じでした。そりゃあいいわって(笑)。
MISATO:嫌いな人はいない(笑)。
金子:ちょっと前にJuaくんとのコラボレーションもしてましたけど、そういうのもありつつ、「これぞまさにFunkindustry!」というタイプの曲がたくさん入っていて、いいアルバムになっていると思います。
MISATO:そして、はじめましての方がいらっしゃいます。Rikuto AFとLil Leise But Goldによる楽曲に、NYのラッパーBen Bealが参加した、「A-Team's Fables Remix」。
金子:もともとプロデューサーのKMが参加している楽曲で、彼は今(sic)boyを手掛けたりとか、日本のヒップホップのプロデューサーでは最重要人物と言っていい人だと思うんですけど、日本のアーティストと海外のアーティストのコライト(Co-Write)を仲介しているFrank Renaissanceというレーベルがありまして、その仲介によって海外のアーティストとコライトしてるっていう楽曲なんですよね。
MISATO:なるほど~。
金子:それこそFunkindustryとJuaくんのコラボっていうのも、言ってみれば海外と日本のコライトで、そういう動きがここでも起こっているという。
MISATO:いいですね!
金子:それをFRIENDSHIP.でやっていただけるというのはとても嬉しい。
MISATO:この流れはちょっとチェックしておかないとですね。
金子:これから増えていくかもしれないですね。
MISATO:そして、シナプスもはじめまして!
金子:こちらは福岡の人たちということで。先ほどのトラップから一転、非常にフォーキーなサウンドですけど(笑)。ギター/ボーカルとジャンベ/ボーカルとキーボード/ピアノという編成の3人組で、ジャンルにとらわれず様々な楽曲をツインボーカルのスタイルで展開している、という人たちです。
MISATO:ジャンベボーカルってだいぶ珍しいですよね。
金子:そうですね。
MISATO:資料にも書いてありますけど、それが入ることによって、フォークからレゲエまでジャンルにとらわれないで、音楽活動されてきたバックボーンがあるみたいですね。
金子:歌を聴いてると、andymoriの小山田くんをパッと連想する瞬間があって。ちなみに小山田くんも出身が福岡なんですよね。
MISATO:福岡って面白い宇宙観があるんだなぁ。
金子:そういえば小山田くんも結構宇宙について歌ってるな。
MISATO:宇宙、歌ってますよね?星とか好きですよね。
金子:それって福岡の色なのかな?
MISATO:あー、空が近いのかもしれないですね。
金子:そういうことなのかもしれない(笑)。
MISATO:さて、そんな中で1曲どなたをご紹介しましょうか?
金子:今週は、saccharinで!
MISATO:参加ミュージシャンのメンバーがすごいことになってますよ。
金子:ですよね。改めてご紹介すると、She Her Her Hersのドラマー松浦さんのソロプロジェクトです。ちょっと前からソロで歌い始めたという話を耳にはしてたんですけど、僕ちゃんと曲は聴いたことなくて、今回初めて聴いて、かっこいいですね。
MISATO:かっこいいですよね。コロナ前からわりと自分で作ってたけど、世に出すために作ってたというよりは、自分の中で自分の気持ちを消化するために作ってたみたいなんです。でもこの1年半、アーティストそれぞれがそれをどう世の中とリンクさせるか、世界に発信するかを葛藤していた時期だと思うので、満を持して自分が思うことを世に届けようと着地されたんだろうなと思っています。
金子:先ほどチラッと言ったように、参加しているミュージシャンがとても豪華で。キーボードがTENDRE、ベースがBREIMENの高木祥太、さらにギターの竹之内くんはWONKにも参加していたりとか。
MISATO:The fin.のサポートもやってますね。
金子:手元の資料にはミックス、マスタリング、フォトグラファー、スタイリストまでクレジットが書いてあるんですけど、それだけトータルで表現しようという姿勢も見えるし、それこそ松浦さんがドラマーとしていろんなミュージシャンに関わってきたからこそ、これだけのメンバーが集まっているわけですよね。さらに言葉の面も面白くして、「Shisoukaseki」というタイトルは、化石になってしまっている思想を持ってしまうこと。ご自身のコメントで「自分に対する自戒も含めて書いた」ということをおっしゃっているんですけど、やはりこの1年〜2年の中でいろんな思想を戦わせる場面だったり、見つめ直す場面だったりが増えた中、「あれ?俺の思想ちょっと止まっちゃってるかも」と感じることが誰しもあったかもしれない。それをこの「Shisoukaseki」という言葉で、このサウンドに乗せて表現するというのは、松浦さんならではの楽曲だなと感じました。
MISATO:イントロが昭和の一瞬をすぐにかき消すようなスタートになっていて。
金子:あれ、印象的ですよね。
MISATO:前時代的なものを打ち消すっていう、すごくいい表現だなと思いました。ぜひイントロからじっくり聴いてみてください。
MISATO:もともと松浦くんがドラマーということもあってか、リズム隊の音圧が強めですよね。そのあたりのアレンジというか、マスタリングのこだわりも見える1曲かなと思います。
金子:歌は決してずっと歌ってたわけではないだろうけど、でも上手くレイヤーを重ねて、サウンドメイクして、かっこいい曲になっていますね。
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FM福岡で毎週月曜日から金曜日まで深夜にオンエアされる、福岡市・警固六角にある架空のマンションの一室を舞台に行われ、次世代クリエイターが様々な情報を発信するプログラム「ミッドナイト・マンション警固六角(けごむつかど)」。"303号室"(毎週水曜日の27:00~27:55)では、FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」をオンエア。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、MISATOと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。
放送時間:毎週水曜日 27:00~27:55
放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
MISATO
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10
Yuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar)
神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。
The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。
オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin
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