SENSA

2021.05.19

the band apart (naked)「3」──the band apart (naked)が見せる、今こそ染みる新たなアコースティック・スタイル

the band apart (naked)「3」──the band apart (naked)が見せる、今こそ染みる新たなアコースティック・スタイル

あれ、これアコースティック・アルバムだよね?と、思わず聴き直してしまった。それぐらい、the band apart (naked)の『3』は、固定概念を壊してくれる。the band apartのアコースティック・バンド編成名義がthe band apart (naked)であり、この名義では今作が3枚目。そう、3枚目なのだ。なのに、またしてもヤラれてしまった。the band apartにしろ、the band apart (naked)にしろ、彼らは常に、新たな価値観を提示してくれる。
具体的に、これまでの (naked)のアルバムと違うところもある。過去の2枚は、the band apartの楽曲のセルフカバーと他のアーティストのカバーで構成されていたが、今作には、 (naked)として生み出した新曲が収録されている。まず1曲目の"ラブレター"から新曲だ。アコースティックっぽく感じなかったのは、サウンドが重層的でアンサンブルが絡み合っていて――簡潔に言うと、地味じゃないからだと思う。その肝となっているのがコーラスで、続く、これまた新曲の"夢太郎(Acoustic)"も、荒井岳史の《狂ったレインボウ》という歌声に、《綺羅綺羅の 極彩色の》というコーラスが、まさにキラキラと降り注いでくるのだ。
過去の楽曲では、ユウテラスのめいまるの鍵盤が楽曲を彩る"プリテンダー(Acoustic)"や、 今の彼らの年相応に生まれ変わった"Cosmic Shoes 2"などを収録。なお「2」がタイトルにつく楽曲は、the band apart (naked)として、より大胆なアレンジが施されている。
どの楽曲も、今の時代に手を伸ばしたくなる体温に満ちているが、ラストの新曲"Where the light is"は、その極み。□□□の三浦康嗣の鍵盤が温かい、ささくれた心をなでてくれるミドルチューンだ。《困難は教えてくれるだろう/どこへ どうやって進めば良いのか/そして 大切な人は 誰なのかを》(和訳)――こんなストレートな歌詞も、彼らが歌うから、すとんと受け止められる。そして今作もまた「大切な音楽」として、伝播していくに違いない。

文:高橋美穂




RELEASE INFORMATION
the band apart naked_3 ジャケ.jpg
the band apart (naked)「3」
2021年5月19日(水)
Format:CD / Digital
¥2,400+税

Track:
01. ラブレター
02. 夢太郎(Acoustic)
03. プリテンダー(Acoustic)
04. Cosmic Shoes 2
05. The Sun(Acoustic)
06. Snow Lady(Acoustic)
07. Foresight
08. Where the light is

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