2025.06.27

パンクとロックを過去から現在まで見つめ、スタイリッシュにダイナミックにクレバーに昇華「Wepeg」-Highlighter Vol.242-
音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。Vol.242は、1stアルバム『Summerhits』を完成させた3人組音楽グループWepegを取り上げる。
2022年結成ながら早々に注目を集めており、2023年12月にリリースした1st EP『Being Polite(In a Mean Way)』の累計再生回数は30万回を記録。ロックバンドに対する世界的な追い風を日本で体現する3人のこれからに期待してほしい。

toma:もともと個人で簡単なポストパンクっぽい曲をDTMで作っていたんですが、謎にシューゲイザーをやっていたtyopとrinoに誘われて加入しました。
その頃から漠然と音楽で仕事をしたいと考えていましたね。
中学生からは洋楽に興味を持ち、Michelle BranchやTaylor Swift、レッチリなどを聴いていました。
バンドをはじめてからボーカルやパフォーマンスでいちばん影響を受けたのはPhoebe Bridgers、Fontaines D.C.かなと思います。動と静の細かなニュアンスを参考にしてます。
toma:Neutral Milk Hotel、Viagra Boys、Pixies、Talking Heads、坂本慎太郎です。
tyop:ガチのところで言うと中2のときにNirvanaを聴いて音楽にハマって、ギターを買ったんですけど、そのあとハマったバンプの曲を弾こうとした時にカポの意味がわからなくてギターを辞めました。最近はPatti Smith GroupやLou Reed、James Chance&The Contortionsなど昔のニューヨークのバンドをよく聴いています。
今作の制作中にはなりますが、昨年リリースされたFontaines D.C.やIDLESの最新作からロック復権の気運を感じ、音楽だけでなく、これから突き進む道に確信が持てたという点でも影響を受けました。あとBlack Country, New Road。
オススメはM8「Honestly Tweeting」です。
toma:M6「Vamos Football」。サッカーが嫌いで作ったのに、ラテン語圏のサッカー系リール動画に使われてるみたいで申し訳ないです。
tyop:今作はサポートドラマーのYusaku Nakano(Johnnivan)とライブをやりながら制作したので、持ち前のtomaのパワーやYusakuのダイナミックでロックなドラムの影響もあり、かなりロック・アルバムになったと思っています。M2「vtmnts」やM6「Vamos Football」などは如実にそれが表れていますね。
60-70年代のロックのアルバムみたいだなと個人的には思うんですけど、アルバムの最後に「Under the sun」っていうドデカいバラードがあります。こんなロックバラードを現代で書くバンドはそうはいないんじゃないかなと思って、気に入っています。
英詞独特のリズムを活かしたSpokenなボーカルにもどんどんチャレンジしたいですね。
toma:砂漠とかでライブしたいです。
tyop:先例がないとか、枠に囚われず、面白かったりやりたいと思うことをやればいいかなと思っています。
子どもの頃のこと、ずっと忘れたくないと思って生きてきました。
見えるものが変わっても、あの頃見えていたこと自体は忘れたくないなと。
そう思わせてくれたのが、小学生のとき塾で国語の問題文に出てきた『星の王子さま』です。
そのあと本を買い、歳を重ねても読み続けています。
荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』。
なんかナメられてむかつくなというときに、怒りを活力にできているのはジョジョを読んでいたからだと思っています。
悪を憎んだり勝ちに拘る精神性はここから来ている気がします。
嘉治美佐子『国際社会で働く』。
広い意味でのカルチャーとして、多様性や普遍的な価値観を考える上で多くの気づきを得た本です。歌詞にも影響を与えていると思います。
toma:料理。理論的にレシピを組み立てたものが美味しいと気持ちいいから。
物理学。たまにやってみるが難しい。
金融工学(物理学と同じ)。
tyop :ロナルド・ドウォーキン『ライフズ・ドミニオン』。
アメリカの法哲学者ですが、法哲学についての著作はあまり読んでいません。
彼の生命倫理に関する著作『ライフズ・ドミニオン』が実践的で肌に合い、考え方に影響を受けました。
VETEMENTS。
SEX PISTOLSとVivienne Westwood的な、音楽と親和性のあるカルチャーでもある服がまあまあ好きなのですが、自分のドデカ体型にフィットするのとデザインが好きでVETEMENTSをたまに買ってライブで着たりしています。
べらぼうに高いのであんまり買えませんが、ルックの組み立て方がガチでカッコよくて、メンバーの衣装を考える時に参考にしてます。
あと、創業者であるデムナ・ヴァザリアの考え方もカッコ良くて好きです。
昨年ぐらいにデストロイドジーンズっていうボロボロのドデカいジーパンを出してるんですが、20万ぐらいするので当たり前に買えず、その悔しさで「vtmnts」って曲を作りました。
toma:生成AI。
tyop:オカルト。呪物をステージに置いて、俺たちの音楽を呪物に聴かせてあげたい。花にクラシックを聴かせるみたいな感じで。

Wepeg「Summerhits」
2025年6月25日(水)
試聴はこちら

Wepeg
Wepeg(読み:ウィーペグ)は2022年に結成された3人組音楽グループ。
2023年に1st EP『Being Polite (In a Mean Way)』を発表。
2024年3月にはTENDOUJI主催フェス「OTENTO`24」のオープニングアクトに抜擢され、川崎クラブチッタにて、Helsinki Lambda ClubやSIX LOUNGEと共演。
2025年4月に天国姑娘から活動名を改め、同年6月にはキャリア初となるアルバム『Summerhits』を発表。
@wepeg_band
@wepeg_band
@Wepeg
FRIENDSHIP.
2022年結成ながら早々に注目を集めており、2023年12月にリリースした1st EP『Being Polite(In a Mean Way)』の累計再生回数は30万回を記録。ロックバンドに対する世界的な追い風を日本で体現する3人のこれからに期待してほしい。

活動を始めたきっかけ
rino:大学のバンドサークルで出会ったメンバーで結成しました。最初はtyopと別のバンドをやっていたのですが、紆余曲折あって活動休止してしまい......もっと直接的に趣味嗜好を表現したいと思って、tyopとtomaを誘ってこのバンドを組みました。toma:もともと個人で簡単なポストパンクっぽい曲をDTMで作っていたんですが、謎にシューゲイザーをやっていたtyopとrinoに誘われて加入しました。
影響を受けたアーティスト
rino:小学生の頃YUIをしきりに聴いては、歌詞カードを見ながら毎日部屋で熱唱してました。その頃から漠然と音楽で仕事をしたいと考えていましたね。
中学生からは洋楽に興味を持ち、Michelle BranchやTaylor Swift、レッチリなどを聴いていました。
バンドをはじめてからボーカルやパフォーマンスでいちばん影響を受けたのはPhoebe Bridgers、Fontaines D.C.かなと思います。動と静の細かなニュアンスを参考にしてます。
toma:Neutral Milk Hotel、Viagra Boys、Pixies、Talking Heads、坂本慎太郎です。
tyop:ガチのところで言うと中2のときにNirvanaを聴いて音楽にハマって、ギターを買ったんですけど、そのあとハマったバンプの曲を弾こうとした時にカポの意味がわからなくてギターを辞めました。最近はPatti Smith GroupやLou Reed、James Chance&The Contortionsなど昔のニューヨークのバンドをよく聴いています。
今作の制作中にはなりますが、昨年リリースされたFontaines D.C.やIDLESの最新作からロック復権の気運を感じ、音楽だけでなく、これから突き進む道に確信が持てたという点でも影響を受けました。あとBlack Country, New Road。
注目してほしい、自分の関わった作品
rino:今月25日に出る1stアルバムです。ボーカルRec前に、エンジニアさんに「Freddie Mercuryのパラデータを聴くといい」と言われ聴かせてもらって、アウトプットが明らかによくなりました。今回のアルバムを通してボーカルの解像度が格段に上がった気がしています。オススメはM8「Honestly Tweeting」です。
toma:M6「Vamos Football」。サッカーが嫌いで作ったのに、ラテン語圏のサッカー系リール動画に使われてるみたいで申し訳ないです。
tyop:今作はサポートドラマーのYusaku Nakano(Johnnivan)とライブをやりながら制作したので、持ち前のtomaのパワーやYusakuのダイナミックでロックなドラムの影響もあり、かなりロック・アルバムになったと思っています。M2「vtmnts」やM6「Vamos Football」などは如実にそれが表れていますね。
60-70年代のロックのアルバムみたいだなと個人的には思うんですけど、アルバムの最後に「Under the sun」っていうドデカいバラードがあります。こんなロックバラードを現代で書くバンドはそうはいないんじゃないかなと思って、気に入っています。
今後挑戦してみたいこと
rino:海外のクラシックなパンクを最近聴いているので、当時の熱量を憑依させたような、いい意味で馬鹿げた作品を作ってみたいです。英詞独特のリズムを活かしたSpokenなボーカルにもどんどんチャレンジしたいですね。
toma:砂漠とかでライブしたいです。
tyop:先例がないとか、枠に囚われず、面白かったりやりたいと思うことをやればいいかなと思っています。
カルチャーについて
触れてきたカルチャー
rino:サン=テグジュペリ『星の王子さま』。子どもの頃のこと、ずっと忘れたくないと思って生きてきました。
見えるものが変わっても、あの頃見えていたこと自体は忘れたくないなと。
そう思わせてくれたのが、小学生のとき塾で国語の問題文に出てきた『星の王子さま』です。
そのあと本を買い、歳を重ねても読み続けています。
荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』。
なんかナメられてむかつくなというときに、怒りを活力にできているのはジョジョを読んでいたからだと思っています。
悪を憎んだり勝ちに拘る精神性はここから来ている気がします。
嘉治美佐子『国際社会で働く』。
広い意味でのカルチャーとして、多様性や普遍的な価値観を考える上で多くの気づきを得た本です。歌詞にも影響を与えていると思います。
toma:料理。理論的にレシピを組み立てたものが美味しいと気持ちいいから。
物理学。たまにやってみるが難しい。
金融工学(物理学と同じ)。
tyop :ロナルド・ドウォーキン『ライフズ・ドミニオン』。
アメリカの法哲学者ですが、法哲学についての著作はあまり読んでいません。
彼の生命倫理に関する著作『ライフズ・ドミニオン』が実践的で肌に合い、考え方に影響を受けました。
VETEMENTS。
SEX PISTOLSとVivienne Westwood的な、音楽と親和性のあるカルチャーでもある服がまあまあ好きなのですが、自分のドデカ体型にフィットするのとデザインが好きでVETEMENTSをたまに買ってライブで着たりしています。
べらぼうに高いのであんまり買えませんが、ルックの組み立て方がガチでカッコよくて、メンバーの衣装を考える時に参考にしてます。
あと、創業者であるデムナ・ヴァザリアの考え方もカッコ良くて好きです。
昨年ぐらいにデストロイドジーンズっていうボロボロのドデカいジーパンを出してるんですが、20万ぐらいするので当たり前に買えず、その悔しさで「vtmnts」って曲を作りました。
今注目しているカルチャー
rino:特にないですが、「カルチャー」を通して、その「カルチャー」が生まれた背景とかを覗くのは興味あります。toma:生成AI。
tyop:オカルト。呪物をステージに置いて、俺たちの音楽を呪物に聴かせてあげたい。花にクラシックを聴かせるみたいな感じで。
RELEASE INFORMATION

Wepeg「Summerhits」
2025年6月25日(水)
試聴はこちら
PROFILE

Wepeg
Wepeg(読み:ウィーペグ)は2022年に結成された3人組音楽グループ。
2023年に1st EP『Being Polite (In a Mean Way)』を発表。
2024年3月にはTENDOUJI主催フェス「OTENTO`24」のオープニングアクトに抜擢され、川崎クラブチッタにて、Helsinki Lambda ClubやSIX LOUNGEと共演。
2025年4月に天国姑娘から活動名を改め、同年6月にはキャリア初となるアルバム『Summerhits』を発表。
LINK
オフィシャルサイト@wepeg_band
@wepeg_band
@Wepeg
FRIENDSHIP.