SENSA

2024.10.11

故郷で第二章を鳴らし始めた少年たちの物語「Tomato Ketchup Boys」-Highlighter Vol.214-

故郷で第二章を鳴らし始めた少年たちの物語「Tomato Ketchup Boys」-Highlighter Vol.214-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。 Vol.214は、3ピースバンドTomato Ketchup Boysを取り上げる。
故郷・静岡県浜松市に拠点を移した彼らが、4年ぶりとなるアルバム 『The Second Escape From The Summer Darkness』をリリース。パンクやガレージを土台にしつつ、アップデートされた楽曲の数々に期待が高まる。

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活動を始めたきっかけ
鈴木(Vo/G):小学生の時に『20世紀少年』の映画を観たのが全てのきっかけですね。放送室から爆音のT.Rexとホウキのギターを弾くケンヂの姿に衝撃を受け、完全に世界が変わりました。それまではずっと野球に打ち込んできたのですが、進学した先の中学に野球部がなく、自分のアイデンティティを埋める何かが必要で、当時さらに畳み掛けるように『BECK』が映画化されたこともあって自分の中でギターを弾いてみたいという気持ちが溢れていました。

そんな中、元ベースの石川と出会い、彼が教えたくれたTHE BLUE HEARTSをはじめThe ClashSex Pistolsなどパンクロックに魅了され「こいつとバンドやりたい」という気持ちから活動を始め、気づけば今に至ります。

影響を受けたアーティスト
鈴木:The Clashは当初から今もずっと聴き続けていて、自分の中のパンクの根幹かもしれません。その後は90年代のUKロック、00年代のガレージロックリバイバルの影響を強く受け、今のバンドの原型ができていったと思います。





18歳で上京してからは、目の前にリアルタイムで起きているシーンに感銘を受け、以降現行の日本のバンドからも常に影響を受けています。特にKiliKiliVillaの衝撃は計り知れないです。

2017年頃、当時ほぼ毎週のように開催されていた金曜日の下北沢THREEのスガナミユウさん(現・下北沢LIVE HAUS店長)主催の投げ銭オールナイトイベント「Block Party」は僕もよく遊びに行っていて、CAR10NOT WONKJappersSuueat.などKiliKiliVilla発信のバンドを観て胸を熱くしていました。自分の思い描く現在のパンクの到達点のようなイメージをことごとく塗り替えられた感覚がありました。その時出演していた他のバンドも含め、東京に出たばかりだったのとそれまで味わったことのない感情の連続とで、とんでもない衝撃だった記憶があります。当時の自分たちのサウンドはもろ影響受けまくってたと思います(笑)。





現在はその流れからメロディックパンク、ハードコア、エモなどを経由して、ポストハードコア的なニュアンスに近づいたり、一方でAlabama ShakesKing Kruleのようなソウル・ジャズ的思考のオルタナティブロックに傾いてみたり、本当にあの頃から様々な方面に視野が広がりました。最近はIDMやアンビエントを聴く機会も多いです。



注目してほしい、自分の関わった作品
鈴木:Tomato Ketchup Boysの1stアルバム「The First Encounter Of This Odyssey」。少年が未知の世界と出会うSF映画をテーマに、僕たちと人々との最初の遭遇、物語の始まりをコンセプトに制作しました。



第一章の終わり「Permanent Vacation」。メンバーの脱退と活動休止に伴い旧体制最後の記録として録音しました。終わりのない夏休み、それぞれの向かう道、再開の約束という意味を込めて制作しました。



新たな仲間と共に物語は第二章へ――「The Second Escape From The Summer Darkness」。2ndアルバムは逃避をテーマに作りました。東京から故郷へ、活動休止中の誰も知らない逃避行と、その暗闇の中で希望を探す自分たち自身の姿、そして少年から青年になっていく1stアルバムの続きの物語をイメージし表現しました。



今後挑戦してみたいこと
鈴木:今作から自主レーベル「BITS & ALIENS」を設立し、自分たちで一から活動を再スタートしました。まずはここ静岡県浜松市という場所から自分たちの生活・音楽を多くの人たちに発信できたらと思っています。気の合う仲間たちと制作していくのは本当に楽しくて、これからさらにそういう友だちが増えていったら嬉しいです。音楽の拠点は東京以外にもいろいろな場所があっていいと思っていて、こんな場所でも注目して人が集まる場所になってくれたらなって気持ちがあります。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
鈴木:幼少の頃から『スター・ウォーズ』や『ジュラシック・パーク』、『E.T.』などSF映画に触れる機会が多い環境だったこともあり、自分の作品や考え方には常にそういった世界観のフィルターがかかってるなって感じます。SF映画の中でも特に少年と宇宙人ものが好きで、僕の中のベストはJ・J・エイブラムス監督の『SUPER8/スーパーエイト』ですね。1stアルバムの題材にしたほど大好きな作品です。とことんベタで少年の夢が全て詰まった感じがマジで最高です。



SF以外にももちろん映画そのものが好きで、学生時代はジム・ジャームッシュやエドワード・ヤン、相米慎二などはTSUTAYAで借りまくってはめちゃくちゃ影響されてました。ここ数年で言うとセリーヌ・シアマは本当にヤバいなって思ってます。『秘密の森の、その向こう』は人生に残る傑作かもしれないです。



今注目しているカルチャー
鈴木:具体的なものじゃないんですが、今現在自分の故郷である静岡県浜松市に移り住んで2年半くらい経って、改めてこの街の人や文化にとても興味があります。故郷と言っても高校を卒業してから6年くらい空白の期間があって、当たり前に自分が東京にいた時間は、この街も同じように時間が流れていて、実際自分が慣れ親しんだ場所とは違う場所になってる気がしていてるんです。全く知らないもうひとつの世界線を一から冒険しているような感じというか。だから今はこの浜松という街で自分がどう人と関わって何ができるかを考えています。とてもワクワクしています。

RELEASE INFORMATION

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Tomato Ketchup Boys 『The Second Escape From The Summer Darkness』
2024年10月9日(水)

試聴はこちら

LIVE INFORMATION

Tomato Ketchup Boys ONE MAN LIVE
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2024年10月18日(金)
下北沢BASEMENTBAR
OPEN 19:00/START 20:00

LIVE:
Tomato Ketchup Boys
(ONE MAN)

DJ:
FUSE
GFB

TICKET:ADV ¥2,500+1D
DAY ¥3,000+1D
U18 ¥1,000+1D

BEING ALTERNATIVE
2024年11月1日(金)
静岡騒弦
OPEN 19:30/START 20:00

LIVE:
SAGOSAID
ベランダ
Tomato Ketchup Boys
Gangliphone

TICKET CHARGE:¥3,000+1D

PROFILE

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Tomato Ketchup Boys
2017年結成。都内を中心にライブ活動を開始。2018年1st EP 『I'm a Boy』をCAR10永井主宰のPENNANT PROJECTよりリリース。同年8月オーディションを勝ち抜きSUMMER SONICに出演。2019年にはNo Busesとのスプリットテープをリリースし、東京・大阪・静岡にて共同企画「MOTHER SHIP」を開催。2020年にはSF映画をコンセプトに据えた1stアルバム『The First Encounter Of This Odyssey』をP-VINEからリリース。この作品はLPレコード化し、それを記念したツアーを2021年敢行。2022年3月末を持って石川(B)の脱退と現体制の活動休止を発表した。
拠点を地元静岡県浜松市に移し、共同生活を開始。2024年7月末、新ベーシストのVVoody加入と活動再開を発表。同年10月に2ndアルバム 『The Second Escape From The Summer Darkness』をリリースする。

LINK
@ketchup_boys
@tomato_ketchup_boys
@bits_and_aliens
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