SENSA

2021.07.23

初のドラマ主題歌で新境地を切り拓いた青い衝動「Panorama Panama Town」-Highlighter Vol.083-

初のドラマ主題歌で新境地を切り拓いた青い衝動「Panorama Panama Town」-Highlighter Vol.083-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.083は、7月16日に配信リリースした新曲「Strange Days」でバンドの新境地を切り拓いたPanorama Panama Townのフロントマン・岩渕想太(Vo/Gt)を取り上げる。
「Strange Days」は、動画配信サービスFODにて配信中のドラマ『ギヴン』主題歌として、バンドが初めてドラマ主題歌を担当したナンバー。
原作や脚本のイメージから、10代の青く切ない衝動と葛藤の日々=Strange Daysを表現した今作は、前作EP『Rolling』に続き、プロデューサーに石毛輝(the telephones / Yap!!!)を迎え、80年代ポストパンク~ニューウェイヴを踏襲した唯一無二のギターロックになっている。

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活動を始めたきっかけ
大学時代、軽音楽部の同期3人でコピーバンドを組んでおり、そこに同じく軽音楽部に所属していたギターを誘って結成しました。

影響を受けたアーティスト
高校の時に聴いたArctic MonkeysThe Strokesの衝撃は大きかったと思います。その潔さ、アイディアの面白さに惚れ惚れしました。その頃出てきたFranz FerdinandTwo Door Cinema Clubもよく聴いていました。リフをどう鳴らすか、という点で、影響を受けています。


親が好きなのもあって、The Velvet UndergroundDavid Bowieはよく聴いていました。ルー・リードのぼやくような歌唱は、自分のボーカルスタイルにも影響与えています。


日本のバンドだと、NUMBER GIRLくるりゆらゆら帝国といったバンドは日本語をどうロックに乗せていくかという感覚において、影響を受けていると思います。うみのてQomolangma Tomatoも、バンドを始めた頃よく聴いていました。


最近だと、サウスロンドン周りのロックシーンが面白いと思ってます。ShameFontaines D.C.Sorryblack midiといったバンドたちは、どれも自由で新しく聴こえ、刺激をもらってます。



注目してほしい、自分の関わった作品
Panorama Panama Town「Strange Days」
最新曲です。ドラマの主題歌に書き下ろした曲だけど、バンドがこれから鳴らしたい音を落とし込めたと思ってます。構成はとことんシンプルに、バンドを始めた頃の衝動や、高校で初めて音楽の話できる友人に会ったときの喜びなど、人生の色んな瑞々しさを詰め込みました。


Panorama Panama Town『Rolling』
ドラムが脱退し、喉のポリープ手術後、再始動の一発目として意気込んで作ったEPです。
自分らの好きなものに立ち返るということに加え、今バンドで鳴らしてクールな音を考えて作りました。石毛輝さん(the telephones / Yap!!!)と一緒に作れたのも貴重な体験でした。



Panorama Panama Town『PROPOSE』
バンドを組んで2枚目に作ったミニアルバム。拗れまくっていた大学生活から生み出された音と言葉は、今聴いてもバンドの核になっているなーと思います。生まれて初めてバンドというものを組んで2年ちょっとの衝動がこもっていて、『Rolling』で知った人にも是非聴いてほしい1枚です。



今後挑戦してみたいこと
バンドとしていい状態だからこそ、ライブを沢山したいです。ワンマンはもちろん、7年バンドをやってきて、出会ってきた色んなバンドや、まだやったことないバンドたちと、自分らにしか組めない夜を作りたいと思っています。去年、コロナ禍で流れてしまった「パナフェス」も2015年からやっている大切なイベントなので、必ずリベンジしたいです。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
70年代アメリカ映画は、自分にとって大切なカルチャーというか、帰る場所のようなものです。退廃的なムードやロマンティシズムに惹かれ、学生の頃、神保町で買ったカタログに片っ端から印をつけて観ていました。

ヴォネガットやサリンジャーといった、皮肉めいたアメリカ文学は自分の感覚にフィットしていて好きだし、ケルアックやブコウスキーのような、ビート文学も言葉と言葉の組み合わせで新しい世界が開かれるようで好きです。どちらも自分の詩の皮肉っぽさや、流れるムードに影響を与えていると思います。

アート集団、Chim↑Pomも企画や展示があると必ず観にいくものの一つです。ユーモラスに社会に切り込む姿勢、疑問符を打つことの重要さを、毎回新鮮な驚きと共に受け取っています。街のどこにでもアートを作り出す姿を見ていると、自分たちのライブに対する考え方ももっと自由でいいように思います。いつかはバンドの地元・神戸新開地湊川公園で大きなライブイベントを作りたいと着想するようになったのも、彼らの活動による影響が大きいです。

今注目しているカルチャー
散歩が面白いと思う。赤瀬川原平の言う非実用的な建造物「トマソン」や、暗渠と呼ばれる水面が見えない舗装された水路など、色んなレイヤーで街は重層的に捉えられる。コロナ禍で散歩することが単純に増えたというのもありますが、こうやって街を捉え直し続けることは、オリンピック以降の再開発や、チェーン店化、一義的に街が消費されていく流れに抗うことだと思っています。


RELEASE INFORMATION

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Panorama Panama Town「Strange Days」
2021年7月16日(金)
試聴はこちら

LIVE INFORMATION

"0808" REQUEST ONE-MAN LIVE & ???
8月8日(日)下北沢Flowers Loft
OPEN 16:00 / START 16:30
TICKET 3,500(1drink別途要)


PROFILE

PPT_20201117_a-1.jpgPanorama Panama Town
2013年、神戸大学軽音楽部にて結成。バンド名に特に意味はない。
叙情的なギターに、まくし立てるようなボーカルを武器に奔走するオルタナティヴロックバンド。


LINK
オフィシャルサイト
@pano_pana
@panoramapanamatown
Official YouTube Channel

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