SENSA

2021.06.23

幻想的に煌めくアンビエント・ポップ「Ayane Yamazaki」-Highlighter Vol.078-

幻想的に煌めくアンビエント・ポップ「Ayane Yamazaki」-Highlighter Vol.078-

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.078は、ドリーミーなメロディと無国籍なサウンドで世界中のインディー音楽リスナーを魅了するAyane Yamazakiを取り上げる。
6月23日に全世界配信リリースされたニューアルバム『Ribbon』は、サウンドプロデューサー丸山桂と共に全トラックを作り上げた、ボーカル入り3曲、インストゥルメンタル3曲を収録。アンビエント・ポップとイージーリスニングがブレンドされた「透き通った重力」を感じる1枚は、世界中のリスナーとリボンのように繋がっていくことをイメージしている。


AyaneYamazaki_A_1200.jpg

活動を始めたきっかけ
小学生の頃、関ジャニ∞さんのファンで、自分もメンバーに入りたいと思ってギターを弾き始めたのがきっかけです。

影響を受けたアーティスト
DOOPEES/ヤン富田『DOOPEE TIME』
DOOPEESの「キュート・ミュージック」という概念は、現時点でのわたしが掴んでいる音楽性に通ずるものがあります。特に、人間的な情を排除した無機質で可愛い声に強く惹かれます。「こうでなければいけない」というジャンルやアプローチの縛りから完全に自由であり、世界中の音楽が散りばめられた、ものすごくポップな音楽。
いまの自分の自由な表現の基盤を作ってくれた大切な存在です。



原田郁子『ケモノと魔法』
原田郁子さんの『ケモノと魔法』は16~18歳のわたしを支えてくれた作品です。
毎晩家族や街が眠ったあと、ベランダでアルバムを何周も再生していました。
「いま世界でわたしとこの音楽だけしか存在しない」ような気がした、あの時間は宝物です。
声や音数、空間のすべてが心地よく、木で作られたスプーンみたいな(シチューとか食べるやつ)、小さな電球で光るランタンのような、確かな素朴さがあります。
静かな森の中でぼんやりと満ちる月に照らされて、「個」を体感するような作品です。



注目してほしい、自分の関わった作品
最新作『Ribbon』は歌入り3曲、インスト3曲の構成になっています。
インストにもコーラスとして、自分の声を入れるときはあるので、「歌」がある基準とはなんだろう?と最近は疑問に思います。歌詞がなくても、ハミングや口笛でも十分に歌だよなぁ~と。
4曲目「Feel Summer」ではRECでハミングを入れたものの、結局ミックスの段階で外しました。
良くも悪くも自分の声は印象に残るので、声が入った瞬間に、そこに全意識が持っていかれてしまう。すごく個性的なところがあるのだなと改めて発見になりました。

わたしは「声」が楽器のようになればいいと思っていて、歌い方にこだわりはなく、その曲に合ったボーカル、言葉の発音、雰囲気を意識して録音しています。曲それぞれのボーカルの違いを楽しんでもらえたらと思います。

そして『Ribbon』ではキラキラした音色が目立ちます。ガラスのような輝き、星が落ちるとしたらこんな効果音ではないか?というイメージからできあがる音たち。
それらが自分の声と合わさっていくときに心地よいと思える、「透き通った重力」を追求しました。




今後挑戦してみたいこと
いつかフィールド・レコーディングをしてみたいです。森の中や、とてつもない田舎にある天井の高いスタジオを使ったり。海外のミュージシャンとも録ってみたい。
生演奏! マイクを立てて一発録り!みたいなものと、電子音とを融合させたいな~と思っています。それと将来的にはミックスを自分でできるようになりたいです。

カルチャーについて

触れてきたカルチャー
村上春樹さんの小説です。
11歳の頃に村上春樹さんの『海辺のカフカ』を初めて読みました。体に何か別の物質が入り込んでくるような、ものすごい衝撃だったのを覚えています。なんどもなんども読みました。他の作品も大好きです。
「自由と自立」「強さと弱さ」とは?「他人という現実がない」という事についてなど、その先ずっとわたしのテーマとなったものは、常に村上春樹さんの小説とシンクロしていました。
わたしが村上さんから勝手に受信したメッセージ、「すべてのことには必ず意味があり、わたしたちは繋がっている」という感覚は、わたしの創造する人生に大きな影響をもたらしています。

今注目しているカルチャー
最近は物語があるような本より、実用書・専門書を読んでいます。
上記で話した「すべてのことには必ず意味があり、わたしたちは繋がっている」という感覚も、心理学的に見たらどうなるのだろう?と、理論づいたものを知りたいと近年は思うようになりました。人の「心・意識・身体」に一番関心があるのでこれからも学んでいこうと思っています。


RELEASE INFORMATION

AyaneYamazaki_jk_1200.jpg
Ayane Yamazaki『Ribbon』
2021年6月23日(水)
試聴はこちら

PROFILE

AyaneYamazaki_A_1200.jpg
Ayane Yamazaki
17才の時にFUJI ROCK FESTIVAL'2016に出演。
2019年10月、英国のレーベル/エージェント AWALより、アルバム「LIFE」で全世界配信デビュー。
2020年8月に伝説のシティポップ『魔法をおしえて』をカバー。
続けて同年11月には全6曲中3曲をインストゥルメンタルで構成したアルバム『呼びかけられて』を、AWALより全世界配信リリース。
ヨーロッパ、北米、南米、オセアニア、アフリカ、アジアの世界各国のメディア、DJ、インフルエンサーに取り上げられ、プレイリストに選ばれる。
ドイツのインディー・チャートでは2度に渡り、第1位を獲得。
2021年5月21日、ニューシングル『Melody』をFriendshipより全世界配信リリース。
ドリーミーなメロディーと無国籍なサウンドの響きが心を満たしてくれるアンビエントなポップ・ソング。アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ、スペインのラジオ局でヘヴィー・ローテーションとなる。

LINK
オフィシャルサイト
@Ayane_Yamazaki
@ayane_yamazaki_music

気になるタグをCHECK!