音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSA。INTERVIEWシリーズ「Highlighter」では、アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.068は、FM福岡にて放送中のラジオプログラム『Curated Hour ～FRIENDSHIP. RADIO』でナビゲーターを務めるラジオパーソナリティのMISATOを取り上げる。新型コロナ流行前には年間で200本のライブやフェス会場へと足を運んでいた超現場派。「いいものはいい」をモットーにジャンルの垣根を越えていくMISATOは、様々なカルチャーが交差する居場所をずっと求め続けている。

影響を受けたアーティスト＆これだけは譲れない、自分のこだわり

今までほぼ毎日ミュージシャンのインタビューをしてきたため、いつでもフラットで中立な立場でいたかったことと、自他ともに認めるオールジャンルパリピ（真面目なパリピ）のため、特別な私の「好き」はなるべく出さないようにしてきました。

今日はどきどきしながらお答えします。

はい...言います。
え、言うの？
いきます！
えっと、そうです！そうなんです！

私の音楽との目覚めは！！！

GOING STEADY（銀杏BOYZ）と19です...！（言ってしまったああああおおおお～なんか緊張する！笑）

ラジオは私のためのものではなく、リスナーさんのものです。
気持ちの整理がつかない思春期に大声でゴイステを歌いながら帰ったことや、なぜ私の名前は佳代ではないのかと嘆いたり、326さんの詩が書かれた下敷きを集めて、自作の詩を書いた紙を紙ヒコーキにして窓から投げるそぶりをしたなんてことは、口が裂けても言えないわけです。
そんな方が目の前にいたらインタビューできなくなるし、曲がかかれば勝手に回想シーンに入るか泣き始めて仕事になりません。
レコード会社の方に伝えてしまうとゲストに来ていただく可能性があるので、興味のないふりをしてきましたし、選曲もなるべくしないできました。
ライブやクラブに週の半分いるようなタイプですが、銀杏と19はワンマンに行ったことがありません。特別すぎてこれから先も行かないつもりです。



ラジオパーソナリティはイントロの数十秒にお邪魔をして曲紹介をすることがあります。私はそのたったの数十秒にとても時間をかけて準備をします。
ミュージシャンがどんな思いでそのイントロを作ったのか。本来、私たちの声なんてのせていいものではないんです。だけどそこにお邪魔をするのなら、あ、聞いてみたい。どんな曲なんだろう。と興味を持ってもらえる曲紹介をすること。
それができなければイントロにのるのは失礼だとも思っています。
まるでポエムDJのように恥ずかしげもなく、時に暑苦しく曲紹介をするのは、私のルーツが言葉を大切にしているバンドだったからだと、今になって感じています。
小学生時代から「早く大人になりたい」が口癖で、もがいている中学時代にゴイステ、19に出会い、高校に入ると、おしゃれ、スマート、個性、色気、この辺りが自分のキーワードに変わりました。『トレインスポッティング』に出会い、アンダーグラウンドな世界とクラブミュージックに出会うのです。
そんな時に初めて買った洋楽CDがDaft punk、Paul van Dyk、Britney Spears（まさかのダフトパンクとポールヴァンダイクに関してはジャケ買い）





...となると20才を超えると必然的にクラブ活動が始まりますよね。
ジャンルも今ほど細分化されてはおらず、HouseやTechnoを中心に楽しんでいて、David Guettaのヒット前だったので、まだEDMという言葉が浸透する前でした。
もちろん、EDM系のフェスは全網羅、ULTRA JAPANが上陸する前に韓国のULTRAに行くほど。アンビエントやミニマルテクノ、ドラムンベースにダブステップ...インストが自分の中から言葉を生み出させてくれることを知り、今ではひとりでジャズ喫茶。このようにオールジャンルパリピが形成されていったのでした。

ジャンル関係なく、いいものはいい。
Robert GlasperやDisclosureのようにジャンルレスなもの、MIXされたものが好きなのは「私自身がそうでありたい」という、まるで自分の願望を体現しているような気がしたのかもしれません。

注目してほしい、自分が関わっている番組

先ほど答えたようなジャンルが交差する場所ってどこだと思いますか？答えは、「港」。
カルチャーは港に集まっていると思いませんか？実は去年、船旅で世界一周を回る予定だったのです。多くの方が何かを諦めて制限された2020年、私は仕事に区切りをつけたのにも関わらず飛び立つことができませんでした。世界中の港に降り立ち、その国の中でも更に色濃い空気を吸ってみたかった。
失ったものもありましたが、得たものもありました。日本にいたので声をかけていただき、FM 福岡でラジオ番組を担当することになったのです。それが「Curated Hour ～FRIENDSHIP. RADIO」。
福岡は台湾を始めとするアジアにも近く、歴史としても街が持つ個性や力を感じている場所でした。更に、FRIENDSHIP.というサービスが、経歴・人種・拠点・性別・ジャンルを超え、多くの才能が世界に向かって飛び立つ港のようであること。私、日本にいてもちゃんと港にいるじゃん。しかも最高にイケてるとこ。
お話をいただいた時、今まで大切に音楽と向き合ってきて良かったと、それが伝わっていたことにも喜びを感じました。ミュージシャンが葛藤や願いを込め、産みの苦しみを経て作ったものをどうにか丁寧に届けたい。これは私だけではなく、関わっているスタッフの一人ひとりから感じることです。
これもまさに港なんです。それぞれのルーツや好みが違っても、今ここでは同じ空間にいて、同じ目的をもって共有をしていく。私の未熟さや様々な制限で全てを伝えきれずにはいますが、そんな思いで多くの人と作り上げている番組です。

今後挑戦してみたいこと

プロフィールにもあるように様々な仕事を並行させていますが、まだまだ色んなことに挑戦したいです！

・絵を描き始め仕事になってきているので広げたい
・TVナレーション増やしたい
・声優やってみたい
・ミステリーハンター
・TVの音楽番組出たい
・文字を並べるのも好きだなあ
・ライターもやりたい
・あ！どなたか次の新曲に私の声をサンプリングして使ってくれませんか？笑

とか。挙げればキリがないくらい。なんだか、大人って楽しいですね。
叶うかわからないことに不安と希望を常に抱えているのは、ゴイステと19に出会った頃のまま。しかし大きく違うのは、夢ではなく目標と言えることが増えたということでしょうか。

MISATOが手がけた絵

今注目しているカルチャー

汗活という言葉を最近耳にするので、私が経営している酵素風呂サロンWABISABIもぜひ来てほしいですし、アートに関しても今までは見ていただけの立場から人に届けるようになって視点が変わりました。
こうやって、好きなことと仕事が繋がっているタイプなので、仕事ではない私の大切なカルチャーを考えると...漫画です。毎日何かしらの漫画を読んでいます。ジャンプで育った小学生時代だったので。おすすめの性別や年代は全く関係ありません。『ジョジョ』を読めば名曲に出会えるし、『エヴァ』は言わずもがな。もちろん、安野モヨコ先生の作品も押さえています。
最近だと、『東京卍リベンジャーズ』。『ここは今から倫理です』。『ミステリと言う勿れ』『ホリミヤ』『明日、私は誰かのカノジョ』などなど。数えたら漫画のアプリは15個ダウンロードしていました。『アクタージュ』の続き読みたかったなあ...

間取りを見ることも好きです。忙しい時こそ物件サイトを見てしまう、あの現象に名前を付けたいくらいです。アクティブに見えてインドア要素も沢山あります。

人は何かにカテゴライズ出来るほど簡単な生き物ではないと思うんです。
これからは特に、大切にしてきた「Mix」「ボーダーレス」「ジャンルレス」をベースに私の「好き」を守り広げていく活動をしていきたい。この感覚って今の時代に求められる変化のエッセンスなのかも。
いつだって明日は人類にとって初めての日。変化を恐れず、失敗してもまた立ち上がれる強い人になりたいのです。

そんなことをまたどこかでお話しできたら。

PROFILE

ラジオパーソナリティ／ナレーター／MC／ヨガインストラクター／酵素風呂サロンオーナー。
TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。
安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。
野外フェスのヨガプログラムなども担当。
倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。

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@_M1110_
@11misato10
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FM BIRD MISATO PROFILE
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