SENSA

2020.06.08

-Highlighter Vol.008-「Jan flu」

-Highlighter Vol.008-「Jan flu」

音楽だけでなく、どのカルチャーも共通点やつながりがあるということをコンセプトにしているSENSAでは、今回新たに、INTERVIEWシリーズ「Highlighter」をスタート。アーティストはもちろん、音楽に関わるクリエイターにどのような音楽・カルチャーに触れて現在までに至ったか、その人の人となりを探っていく。
Vol.008は、約2年ぶりの新作となった1st Single「Lacrosse」、1st EP「Sports」をリリースしたJan fluに迫る。

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Jan flu
2016年8月結成。スポーツマンに強くあこがれる4人組による、Lo-fiインディポッププロジェクト。
結成当初に公開したデモ音源が国外ブログメディアに取り上げられ、国内外で話題となる。2017年3月にはJan flu×SMELLS合同自主企画"AFTER IMAGE"を結成半年で成功させ、同年10月にディスクユニオン主催のオーディション"DIVE INTO MUSIC.オーディション2017"で合格。2018年1st Album「AFTER IMAGE」をリリース。2020年 1st Single「Lacrosse」 1st EP「Sports」リリース。


活動を始めたきっかけ
P.Necobayashi(Vo/Gt):元々The OXs(オックス)という10年代前半の洋楽を意識したバンドをしておりましたが、活動休止となりました。「自分の好きなジャンルを突き詰めたい」という想いから、Jan fluを結成しました。

Kubo(Gt):僕は元々Thomasonsというバンドで活動していました。その時からネコバヤシさんとはバンドぐるみで仲良くしていて、そのつながりでJan fluに参加することになりました。ベースのJunyaは僕の大学時代の同級生で、かっこいいベースを弾くので誘いました。ドラムのTakuroさんは元々The Sunnysというバンドに参加していて、彼もその当時からネコバヤシさんと面識はあって。Jan fluの正規ドラマーを募集していた時に名乗りを上げてくれて加入、今に至ります。


影響を受けたアーティスト
P.Necobayashi:僕が影響受けたアーティストは、国内だとPeople In The Box、Paellas、洋楽だとFoals、The Horrors、The Drums、Beach Fossils、DIIVです。好きなアーティストは沢山いますが。
一番影響を受けた出来事は、、、難しいですね。順位付けも出来ません。ただの面白エピソードですが「音楽頑張ろう!」と思えた出来事は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのライブでゴッチの投げたピックが、着ていたパーカーのフードに入って、そのピックを御守りとして持ってることがまず一つ。後は、フジロックのバイトをしたら大好きなFoalsのボーカルのヤニスがホテルの入り口にいて、手を振ったら振り返してくれたことです。2つとも地味に音楽頑張ろう!ってなりました(笑)

Junya(Ba):出来事としては主に2つあって、1つはRamonesを初めて聴いた時です。「自分も弾けるかも」と思ったことが、楽器を始めるきっかけになっています。また音源と比べ、ライブでは曲が倍速になっていたり、あるはずのギターソロを一切弾かないなど、荒削りな演奏に衝撃を受けたことを覚えています。
もう1つはJoy DivisionThe Stranglersなどのポストパンクを聴いた時。ゴリっとしたベースの音や、高音域を多用したフレーズで、今まで持っていた低域で支えるというベースのイメージが覆されました。今も常々意識していますね。




注目してほしい、自分の関わった作品
P.Necobayashi:勿論今作、「Sports」の全てに関わっているので注目して欲しいポイントについて挙げますね。今作で注目してもらいたいポイントは2点、雰囲気と歌詞です。
雰囲気については、前作「AFTER IMAGE」では"自分のかっこいい"に注力させ過ぎたと思っているんです。『こういうMVで、こんなサウンドで、こういう雰囲気で...』を詰め込もうとしました。ただ、その雰囲気とバンドの雰囲気ってちょっと違いがあるように感じたんです。だってこの4人なら、カッコつけたライブをキメるより、周囲からガヤでいじられてお酒飲んで笑顔でライブキメる方が楽しいんですもん。そのため、今作ではJanとしての素直な雰囲気が垣間見えると思います。
歌詞ついては、今回からは歌っている音をカタカナ表記にして、歌詞としました。。僕自身メッセージ性に痒さを感じていたり、言葉は論理性が伴ってしまい不自由になるため、それらを否定するような意味合いで前作から歌詞という歌詞は無かったんです。でも今作はポップですから、仮に歌ってみたい人がいたらこれで歌えるぞ!という。



Kubo:今作はネコバヤシさん以外も作曲やアレンジに挑戦しているのですが、1曲目に収録されている「Fishing」は僕が原型を作った曲なので注目してほしいですね。この曲に収録されている川の音などはYank!のギター担当オオイデさんと多摩川まで録音しに行ったのですが、とても気に入ってるので是非聞いてみてください!(笑)

Junya:「Billiards」は「こんなフレーズ弾いてみたいな」と思ってベースのフレーズを作りました。そういう意味では、あえて普段弾かないようなフレーズを弾いてみたこともあり、他の曲と少し違った雰囲気の曲になったかなと思います。

Takuro fukuda(Dr):今作はジャケットを自分で描きました。ポップだけどどこかヘンテコなところとか、力の抜ける感じやシュールな雰囲気を表しました。人と一緒に仕事することで生まれる面白さも好きですが、今回は自分で描くことで、楽曲のイメージやコンセプトを忠実に表現することができました。「Sports」はデジタル、「Lacrosse」はアナログ、アクリル絵具で手描きしました。なかなか良く描けたと思っていて、自分でも気に入ってます。

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1st Single「Lacrosse」ジャケット



今後挑戦してみたいこと
P.Necobayashi:うーん、今は今後の活動を続けていくこと自体、挑戦ですよね。僕個人としてはバンド活動のデジタル化をしたい!まだ具体的なことは動き出せていませんが。

Kubo:それぞれの生活がある中で長くバンドを続けるためにも活動のデジタル化はどんどん推し進めていきたいですね。例えばメンバーが全員自宅で演奏するフルリモートのライブ配信などに挑戦してみたいです。

Takuro fukuda:前作「AFTER IMAGE」のリリースパーティーのときに自作のヤシの木を持ち込んでステージに置いたことがあったんですが今度はもっと大掛かりな舞台演出をやってみたいですね。
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自作のヤシの木


FRIENDSHIP.から配信したきっかけ
Kubo:今作を配信メインでリリースするというのは決まっていたのですが、配信に関するノウハウを全く持ち合わせていなかったので、どうしようかと悩んでいました。そんな折に、以前から交流のあったYank!がFRIENDSHIP.からリリースしていて、そのときのプロモーションなどを見て、我々もFRIENDSHIP.からリリースしたいと考えました。その後Yank!のメンバーにキュレーターのタイラダイスケ(FREE THROW)さんを紹介して頂きました。各種プロモーションや配信方法に関するサポートまでしていただき、大変助かりました。

Yank!は「Highlighter」のVol.5にも登場!ぜひご覧ください。 -Highlighter Vol.005-「Yank!」



カルチャーについて

触れてきたカルチャー
P.Necobayashi:"シュルレアリスム"という20世紀の芸術運動ですかね。独特な世界観を指す言葉"シュール"の語源です。学生時代は専らシュルレアリスム作品を鑑賞して、卒業論文はシュルレアリスムについて書きました。
興味を持ったきっかけは、2011年頃にシュルレアリスム展という展示会に行ったのですが、絵画を見た時に『アートって綺麗に、ポップに描くことじゃないのかよ!』という思いと、その思いに反して沢山の人がそれらの絵画を見に訪れていたこと、全部が衝撃的だったことから興味を持ちました。
シュルレアリスム界隈のアーティストの作品や研究者の著書は影響を受けました。サルバドール・ダリ、ジョルジュ・デ・キリコ、マン・レイ、マルセル・デュシャン、ルネ・マグリット、マックス・エルンスト、ジョアン・ミロなど。日本だとつげ義春、石田徹也、あと研究者の巖谷國士の著書も。
詳細は沢山お話できますが、めっちゃ長くなるので端的に受けた影響は、極論『偏執狂であれ』ということ(笑)どういうこと?と思った方は、ダリの『偏執狂的批判的方法』でお調べください。

Kubo:漫画が好きでよく読んでいます。昔から幸村誠さんと弐瓶勉さんの漫画が大好きですね。あとは岩明均さんの漫画が好きです。好きな映画は「ファイトクラブ」です。
普遍的なテーマがある作品やスケールの大きい作品が好きなんだと思います。自分の小規模な生活を忘れて熱い気持ちになれるような作品を求めていています。



Junya:学生時代にパンクカルチャーに強く衝撃を受け、代表的なアナーキズム、そしてパンクファッションに興味を持ちました。
しかしいろいろ漁っていくうちに、自分の外部に対する関心が強くないことに気付き、以降、理屈抜きに、自分の感覚や興味だけを頼りに生きるようになりました。
そこから現在に至るまでに影響を受けたのは、昭和初期のカルチャー、特に江戸川乱歩の「芋虫」や、谷崎潤一郎の「痴人の愛」などで展開される"エログロナンセンス"や"マゾヒズム"ですね。


今注目しているカルチャー
Kubo:去年からですが釣りを始めました。アウトドアな趣味を持つのが初めてなのですべてが新鮮です。音楽と共通しているような部分もあって、道具選びなどは音楽における機材選びと通ずるところもあるのではないかと思います。凝り性のギタリストとかは簡単にハマれると思います。
まだまだ初心者ですし、そう頻繁に釣りに出かけることもできないんですが、今後とも続けていきたいですね。

Junya:"ヒッピー"や"フーテン"と言われるようなところに長いこと興味を持っています。
現状を知っている訳ではないですが、疑似的な体験をしてみたいという、漠然とした憧れがあります。

Takuro Fukuda:カルチャーというかスポーツなんですが最近はF1にめちゃくちゃハマっています。もともとクルマに興味があったのと運転が好きというのもあり、ふとNetflixの「Formula 1栄光のグランプリ」というドキュメンタリーを観てその高価で華やかな世界や生々しい人間ドラマ、クルマの美しい造形、命がけの緊張感、現実離れしたスピード、大きな音、その全てが魅力的でどっぷりハマってしまいました。今やフジロックと同じくらい、F1を観に鈴鹿に行きたいです。しかし周りにF1好きがいなさすぎて困っています。もしいたら教えてください、語り合いましょう。あとコロナが落ち着いたらゴーカートしに行きたいです。


RELEASE INFORMATION
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Jan flu「Sports」
2020年6月3日(水)
視聴はこちら


LINK
オフィシャルサイト
@Jan_flu
FRIENDSHIP.