SENSA

2025.09.28

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! minako・楓 幸枝・omeme tentenほか全24作品 -2025.9.27-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介! minako・楓 幸枝・omeme tentenほか全24作品 -2025.9.27-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:9月22日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全24作品の中から、Part-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。まずははじめましてさん、泣き虫☔︎

金子:プロフィールでは「素性を明かさずに活動する匿名アーティストの中でも、ひときわ印象深い歌声を持つ泣き虫☔︎」と紹介されています。過去にはAdo、yama、キタニタツヤをフィーチャリングした曲を発表していて、ネットや若い人たちからかなり支持を集めている人。そんな彼が自身の新しい会社<UNDERLOVERS>を立ち上げて、今回が独立第1弾の作品と。この曲は7年前に個人活動で初めてCDにした曲だそうで、"独立して1曲目はこの曲がいいと思っていた"という、思い入れの強い曲。まずはこのハスキーな歌声が非常に印象的だし、言葉のセンスもユニークで、ちょっとポエトリーっぽいラインも入ってたり、いろんな魅力を持っているシンガーソングライターだと感じました。



みさと:ドラマを生むことができる声という印象があって、エレクトリックピアノの靄がかった音質が世界観ともマッチしているし、ポエトリーの重ね方や女性のコーラスの入り方もすごくドラマチック。2人の声質も相性が良くて、作品として7年前にほぼほぼ出来上がっていたというのを考えると、彼の作家としてのクリエイティブのセンスが光る1曲だったかと思います。続いて、ioni。EPです。



金子:ioniさんはひさしぶりのリリースですね。2年ぶりの自身の作品ということで、ご本人のコメントでも、"ここ2年間で仕事が変わり、子供が産まれ、身の回りの環境が大きく変わりました。今までは余裕のない人生を過ごしていて、何かをやらなきゃという焦りの中で曲を作っていました。今はすごく気持ちが落ち着いているというか、自分の人生がひとつ終わったような気がして、こうも気持ちが変化するのか、じゃあこの瞬間をちょっと描いてみようかなとポツポツ作り始めた作品です"とあります。「あかり」に関しては、子供と遊んでいるときに思ったことを歌っている曲ということで、エレガントでオーガニックな感じはioniさんらしさがあるし、ちょっと寂しげなのもioniさんっぽいんだけど、でも決して沈んではいないというか。

みさと:わかるわかる!

金子:トーンが少し明るくなっている印象があって、この2年の変化が表れているのかなと感じました。

みさと:同感です。子供のことを思いながら作ったという「あかり」はギラギラした光ではなくて、穏やかでぽっと灯るような「あかり」をタイトルにしたのもすごく共感度が高い曲だったなと思いますし、人生には良いことだけではなくて、憂いを帯びた少し寂しげな時間もあるけれど、それを内包しながら今は穏やかに生きていらっしゃるんだなということがすごく伝わってくるような、心に置いておきたい1曲が生まれたかと思います。そんなPart-1からどうしましょう?

金子minakoさんの新曲を紹介しようと思います。

みさと:(ゲストが)豪華ですね。

金子:すごかったですね。FRIENDSHIP.的にはSuUのメンバーとしても活動しているシンガーソングライダーのminakoさんですけど、10月にリリースを控えているアルバムのタイトルが『JEALOUSY』。フィーチャリングアルバムで、タイトルの通り、嫉妬してしまうほどの歌心を持つ、大切な友人であるアーティストたちをゲストに迎えた作品と。minakoさん自身もめちゃめちゃ印象的な歌心を持っているわけですけど、そんなminakoさんでも嫉妬してしまうような人たちを集めていて、しかも結構FRIENDSHIP.と関わりがある人が多い。すずきたくま(SuU)、大畑カズキ(すなお)、ながいひゆ(Hammer Head Shark)、山崎大樹(JIGDRESS)、仲川慎之介(時速36km) の5人が参加しています。各曲でコラボをしているんだけど、今回紹介する「wing」は全員が参加している曲。歌い繋いでいって、最後に合唱になるのは「We Are The World」みたいですよね(笑)。でも曲のテーマは世界平和みたいなことではなくて、すごくパーソナルなこと。それを表現するために、ある種のライバルであり、仲間でもある人たちの力を借りている、その作品性も含めてすごく印象的な一曲でした。

みさと:最後に向かっていくと、6人のボーカリストがコーラスというよりユニゾンで同じ歌詞を歌っているので、同じ思いや経験をしても、それぞれの人生があるんだなと思わせられました。登場人物1人1人の背景が見えてくるほどの表現力を味わえる、人選も含めても完璧。痺れた一曲でした。



New Release Digest Part 2


みさと:新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。She Her Her Hers、アルバムです。

金子:今回はコンセプトアルバムで、2019年からリリースしてきた過去4作品(『location』『Afterglow』『Diffusion of Responsibility』『Pathway』)、それぞれの制作時期に生まれた未収録曲を1曲ずつ収録。さらにライブで変化し続けている曲をリアレンジして収録、プラスタイトル曲を新録という作りになっていると。

みさと:素晴らしい。



金子:これまでの集大成であり、変化し続ける今を体現し、さらに先を見せるような作品という印象ですね。リード曲の「Brutalist」はどのタイミングでできた未収録曲なのか、ちょっと気になったりもするけど、多分曲順的に『Diffusion of Responsibility』っぽくて、音楽性的にもビートが効いていて、徐々にフィジカルになっていった時期の感じがすごく表れているなと。She Her Her Hersの歴史も振り返れるような作品かなと思います。

みさと:楽曲をリリースすると、すごく消費が早いなというのは感じていたんですけど、いい面もあり、少し寂しい側面もありますよね。

金子:サブスクの時代になってから、その側面が強まった感じはしますよね。

みさと:自分たちがどの時代に何を作ってきたのかを振り返ることで、「この曲が生まれるためには、過去の経験や作品が必要だったんだ」という一言が見えてくる。それだけでも、曲との向き合い方が変わってくると思うんです。ライブパフォーマンスや、より一層没入感のある作品づくりへと向かっていく過程、その変遷を知るだけでも、曲との向き合い方はさらに深まっていくと思うので、ぜひこのアルバムをきっかけに、音楽との向き合い方のいろんな側面を感じていただけたら嬉しいです。続いて、REJAY(リジェ)、はじめましてさんです。



金子:She Her Her Hers は10月にイベントをやるんですけど、REJAYさんがゲスト出演することが決まっています。REJAYさん自身は13歳から作詞作曲を始め、YouTubeにカバー動画などをアップしていたところ、NulbarichのJQにその歌声を発掘され、JQプロデュースで活動を始めると。今回の作品はSURF Musicの企画によるリミックスアルバムで、過去に出した「Meant to Be」という曲のリミックスが、他のクリエイターとコラボレーションする形で23曲収録されていると。

みさと:結構な数です。

金子:以前The fin.もSURF Musicの企画で「Night Time」のリミックスコンテストをやってて、そのシリーズというか。リード曲に関しては福岡出身のプロデューサーのTIDYによるリミックス。REJAYさんは歌声がすごく印象的なので、She Her Her Hersのライブにゲスト出演するなら、コラボとか聴けちゃったりしないかなと勝手に期待をしてます。

みさと:現在19歳ということなので、10代でありながらこの完成度。どこまでご自身の音楽性が際立っていくのか楽しみですし、他の人とのコラボレーションが増えれば増えるほど、新しい世界を知って、また自分の血肉になっていくと思うので楽しみですね。リミックスの感じもちょっと懐かしい感じがあって、聴き心地がよかったです。そんなPart-2はどうしましょう。

金子楓 幸枝さんの新曲を紹介しようと思います。

みさと:楓 幸枝さんはアルバムです!



金子:2023年以降にリリースした曲をまとめたアルバムになっています。アルバムタイトルが『姿見鏡』で、ご本人の言葉をちょっと抜粋して読むと、"ファーストアルバムは自身の心をのぞき見る感覚です。その曲を作っていた時に考えていたことを聴くたびに色鮮やかに思い出します。鏡越しの自分がふと他人に思えてしまうような奇妙な感覚、アルバムタイトルにはそんな心持ちを表現しました"とのこと。一曲一曲に作っていた当時の心境が反映されているだろうから、それを並べてみることによって、間違いなく自分なんだけど、でもちょっと他人を見ているような、客観的に見たような視点が生まれるというのはアルバムならではな感じがするし、それを『姿見鏡』というユニークなワードで表現しているのも幸枝さんらしくていいなと思いました。

みさと:過去作では漫画からインスパイアを受けて曲を作ったり、自分を何かに投影させるスタイルからしても、"鏡"という表現の仕方は楓さんらしいなという感じもしますし、 「スレッショルドPt.2」に関しては、"Part-2"という言葉が持つ、その多面的なスタート感というか。楓さんのソロアーティストの前の活動も含めて、変遷を見ていくと、すごく重要な一曲なんだろうなと想像しながら聴かせてもらいました。しかも、LITEJunIzawaさんとのコラボ。

金子:過去にもコラボをしてる井澤さん。音数が少ないところから始まって、徐々に高揚していく感じがカッコよかったですね。

New Release Digest Part 3


みさと:新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます!まずはCONTRASTZ

金子:GLAYのJIROさんとLITEのJunIzawaのユニットということで、こちらにも井澤さんが登場。ちょっと前にLITEのリリースもあったし、本当にずっと何かしてる(笑)。

みさと:しかもアメリカツアーも控えてます(笑)。



金子:CONTRASTZとしては2曲目のリリースで、1曲目はインストだったんですけど、今回はフィーチャリングでストレイテナーのホリエアツシさんを迎えていると。豪華ですけど、「この2人だしね」という感じもありますよね。ホリエさんはロックバンドのイメージも強いけど、エレクトロニカやポストロックとかも好きなイメージがあるので、こういう曲調はすごく似合っていました。1曲目にも通じる構築美がありつつ、よりエレガントな感じが強まっていて、ベースの音色も普段のバンドだったらあまり使わないであろう柔らかな音色で、ホリエさんの歌い方も柔らかい。やはりCONTRASTZだからこそできることだと改めて感じます。



みさと:ホリエさんの別名義のentにも通じるようなミニマルな音像が、奥行きがありつつ構築美を際立たせていて、ストレイテナーでは見られない顔を見せてくれている印象でした。それぞれのジャンルで一時代を作っているコントラストの強い3人のコラボレーションというか、素晴らしい1曲でしたね。贅沢でした。続いて、はじめましてさんです。Wang Dang Doodle(ワンダンドゥードル)。



金子:Vo&Blues harpのMOMIJI と Gt&Track maker/DJのKAHORIからなる2人組。「HYPER SOULFUL GIRLS」というコピーもあると。

みさと:すごく好きでした。

金子:確かにハイパーでしたよね。「エレクトロクラッシュ」みたいな言葉をひさしぶりに思い出したりもして、その感じがかっこよかったです。資料を読むと、海外展開も視野に入れているということで、実際日本だけじゃなく世界でも受けそうな音楽性だと思うし、FRIENDSHIP.とも相性がいいと思うので、ここから彼女たちの活動がどう広がっていくか楽しみです。

みさと:この攻めた音の上に、吉幾三の歌詞を引用してたりとか、とにかくフックが多い曲になってました。資本至上主義への問題提起をしつつも、実際はそうは生きられていない自分に対しての歌詞もあったりするので、中指を立てるだけじゃなくて、共感力の高い曲という意味ではすごく面白い切り取りだなと思って。ハイパーポップと一括りにできない、ジャンルがよくわからない、そのわからなさが最高にかっこいい一曲でした。そんなPart-3からどうしましょう?

金子omeme tentenの新曲を紹介しようと思います。

みさと:アルバムリリースおめでとうございます。



金子:2022年に結成されたバンドですけど、これまで発表してきた曲も入っていて、この3年の集大成的な作品になったかなと。途中でメンバーの脱退があったり、バンドを続けるのはやはり一筋縄ではいかないところもあるけど、そんな部分も含めて、ここまで走り続けてきたことが実った作品になったように思います。プロフィールには「1990年代後期、2000年代初期の洋邦オルタナティブロックを踏襲し、現代にマッチさせる」という一文があるんですけど、「POLARIS」に関してもそういう感じはあって。ソングライティングはandymoriなんだけど、アレンジは初期のASIAN KUNG-FU GENERATION、みたいな。

みさと:あはは(笑)。

金子:そういう1990年代、2000年代のミックスされている感じがやっぱりomeme tentenらしいなと思います。あと「POLARIS」は北極星という意味ですけど、アルバムを通して"光"、"星"、"夜明け"などのワードが散りばめられていて、そこを求めて走ってきた感じがすごくします。ボーカルは灯さんですけど、本人たち自身が光を、灯りを求めているし、彼女たちの活動が聴き手にとっての光にもなる、そういうバンドだと改めて感じました。

みさと:イントロから迷いを晴らしてくれそうな疾走感と鮮やかさがあって、北極星というただ一つの場所に向かって車を走らせてみたり、自分で走ってみたり、そんな情景が浮かぶようでした。こういう風にバンドも進んできたのかなと想像できるし、こういう風にこれから進んでいきたいのかなとも思わせてくれるような、過去と未来を繋いでくれるようなアルバムができたんじゃないでしょうか。

番組の後半はVivaOlaがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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