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2025.09.14

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!PEDRO・ODD Foot Works・鳥兎-uto-ほか全27作品 -2025.9.13-
New Release Digest Part 1
みさと:9月8日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全27作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。さてさて、Khamai Leonです。
金子:4月にEPを出したときにはゲストにも来てくれて、それ以来のリリース。相変わらずカッコいいですね。彼らなりのミクスチャーが確立されていて、ドラムンベースっぽい疾走感のあるビート、上モノは歪んだギターやシンセじゃなくて、フルートやピアノがメイン。そういう楽器が乗ることによって、他のミクスチャーロックとは違うKhamai Leonらしさが構築されているし、あと前回のEPのタイトルが『風の谷』だったんですけど、今回は「凪」というタイトルで、ちょっと連続性も感じさせたり、聴きどころの多い作品でした。
みさと:やっぱりオリジナリティの高さを感じる1曲でもありましたし、今回は「夏の終わりに吹く潮風のような爽快さ」がキーワードになっているんですけど、まさしくフルートとピアノが水面ギリギリのところで風に乗っている絵が浮かぶような、そんな軽やかさと爽やかさが感じられるような1曲で、五感を刺激されますね。第六感が覚醒しちゃいそうな、そんな1曲になっていたかと思います。続いて、永原真夏さん。ちょっとおひさしぶりですね。
金子:今年最初のリリースですね。真夏ちゃんは今年がソロ活動10周年という節目の年。これまでやってきたSEBASTIAN Xや音沙汰も含めたキャリアを総括するベスト盤として40曲をセレクトしてリリースして、それに伴うツアーもしたり、メモリアルな1年になってるんですけど、今回の新曲は9月から開催される『ムーンアートナイト下北沢』のテーマソング。SEBASTIAN Xのときに下北沢でイベントをやったり、真夏ちゃんと下北沢は縁があるので、多分そういう流れもあって今回曲を担当しているのかな。曲調的には、管楽器を使ったジャズっぽいニュアンスがありつつ、でも真夏ちゃんらしい、童謡のような感じもあるメロディーライン、歌、節回しで、オリジナリティを強く感じさせる曲になっていたかなと思います。
みさと:下北沢って"カルチャーを生業にする人たちの下町"という感じがするじゃないですか。トレンドの移り変わりとともに変化もすごくあるんだけど、それでも下北沢自身は変わらない不思議な街だなと思っていて、いつ行っても新しいお店があったり、なくなったお店があるんだけど、でも「ひさしぶり。そうそう、こんな感じ」みたいな安定感がある街だなと思っていたんですが、その感じが素晴らしく楽曲に落とし込まれていました。秋、ノスタルジック、月、そして下北沢の相性の良さ、永原真夏さんが落とし込むとこんな形になるのかと。素晴らしい曲になってます。さあ、そんなPart-1どうしましょう?
金子:ODD Foot Worksの新曲を紹介しようと思います。
みさと:ついに出ました!アルバムリリースおめでとうございます。待ってたよ〜。
金子:先行配信の曲はどんどん出ていたんですけど、ついにアルバム。タイトルが『ODD FOOT WORKS 2』と。セカンドアルバムではございません。
みさと:はい(笑)。
金子:2017年に『ODD FOOT WORKS』という作品を出してて、今回は『ODD FOOT WORKS 2』。前作が『Master Work』というタイトルで、"自分たちからしても傑作"というのを出してて、ここからどうなるんだろうという中、近年はそれぞれがソロワークだったり、客演、ゲストなど色々と活動してきて、そこから持ち帰ってきたもので、もう一度ODD Foot Workを再構築していった。そんな感覚がこのタイトルにも表れている気がするし、Pecoriと有元キイチ、2人のラップと歌をフィーチャーする今のスタイルが出来上がっていて、「Taida A La Mode」もまさにその部分が表れていますよね。あと、この曲はラテンっぽい要素があって、それこそ2017年にODD Foot Worksが出てきたときって、RIP SLYMEを今に蘇らせたような、ユーモアもあれば、音楽的な面白さもある感じがしたんですけど、それをちょっと思い出したり。今年RIP SLYMEは再始動してますから、そういうタイミングなのかなと思ったりしました。
みさと:過去を感じさせながらも未来を見据えた、(ODD Foot Worksにとって)非常にキーとなる一枚になったという印象を受けました。パッと聴いたときに、「Ty Dolla $ignの曲かな?」と思ったら本当に歌っていた、というあのユーモアもやっぱりPecori節ですよね。〈やれると思えば出来るよギリギリ〉や〈誰にも負けない!君にも負けない!隣の芝は青すぎる〉といったリリックも印象的で、どうしても人生を周りと比べてしまう、そんな人間らしさを、ここまでカッコよくクールに歌い上げるところに共感力がありつつ、洗練されていて。ODD Foot Worksの美学も味わえて、最高の一枚だったと思います。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。さあ、Blume popoです。
金子:Part-1で永原真夏のソロ活動10周年という話をしましたけど、Blume popoも今年活動10周年。
みさと:おめでとうございます。
金子:コメントにもあるんですけど、"最近のリリースはエレクトロニカの手法を取り入れたアプローチや、ピアノ楽曲が多かったところ、本作は活動開始当初からBlume popoが得意とする3ギター、1ベース、1ドラム、1ボーカルというシンプルなバンドスタイルの編曲に徹しています"ということで、やっぱり活動10周年のタイミングで原点を見つめ直すような楽曲になっていて、ポストロック色の強いギターの絡みが印象的。「シンプルなバンドスタイル」と言いつつ、3ギターはそんなにシンプルでもないので、そこが面白みになっていて、かっこよかったですね。
みさと:幼なじみで結成されていて、経歴もいろいろ読ませていただいたんですけど、拠点や生活、曲の作り方が変わっても、人が変わらなければ何も変わらないというか、大切なことは守れるんじゃないかなと思わせてくれる1曲になっていました。今このタイミングで原点回帰するというのはすごく大きな意味があるだろうし、ブレない深い世界観を味わえた1曲です。続いて、こちらは20周年ですね。D.W.ニコルズです。
金子:9月13日の夜にヒューリックホール東京でアニバーサリーコンサートを開催と。
みさと:おめでとうございます!
金子:4月にリリースしたアルバムが『泡 DAYS』というタイトルで、"OUR"(私たち)と、"泡"のように消え去っていくような日々だけど、だからこそ大事にしたい、というようなニュアンスが込められていたわけですけど、それを経て今回は「ダイヤモンド」というタイトルで、自分の中にある"それでも消えない、強く残るもの"というメッセージを出したというのは、20周年らしくていいなと思いました。
みさと:〈オリンピックが東京にやってきたのはいつだっけ?〉から始まる、そんな1曲なんですけど、20周年という過去を振り返るタイミングで、日本の過去までも振り返って、現在地を噛み締めながら、「じゃあ今の自分にはどんな輝きがあるんだろう?」と自問自答させてくれるような、煌めきの中でまた前を向けるような素晴らしい曲でしたね。そんなPart-2からどうしましょう?
金子:PEDROの新曲を紹介しようと思います。
みさと:ついにミニアルバムがリリースになりました。最高です。
金子:『ちっぽけな夜明け』というタイトルで、リリースが発表されたときにドキュメンタリーの動画が公開されてたんですけど、それによると、(アユニ・D自身が)BiSHが解散したときにちょっと燃え尽きちゃったというか、音楽であり、PEDROからちょっと心が離れちゃった時期があったみたいで。それでも武道館公演があったり、活動していく中で、徐々に気持ちを取り戻していって、今回の作品に向かっていったというストーリーがあったと。だから、『ちっぽけな夜明け』というのは、ちっぽけであったとしても、でも自分にとっては確かな夜明け。それがこの作品に刻まれていて、そんな彼女をバンドメンバーでもある田渕ひさ子さんや、the telephonesの石毛くんなど、いろんな人がサポートしていると。
みさと:すごい。
金子:その中の一人として、ドミコのさかしたひかるくんも関わっていて、この曲はまさにドミコ、さかしたひかる節が炸裂していました。この曲ってベースレスなんですよ。
みさと:ね!PEDROなのに。
金子:ベースボーカルは間違いなく一つのアイデンティだけど、音楽に対する気持ちを取り戻していった先で、そのアイデンティを捨て去ってもなおPEDROなんだと言える、その域まで行ったんだと感じさせる曲でもあるかもしれないですね。
みさと:他の5曲ではもちろんベースも弾かれているんですけど、「いたいのとんでけ」に関しては、ベースを置いてでも自分が表現したいことが形になっていて、その大切にしている信念というのは16歳からずっと変わらないし、それを"一番伝えられる形"に変化する勇気を持てたんだろうなと感じる作品で、ちっぽけどころか大きな夜明けに向かっていった、そのための6曲だったんだなと。新しい幕開けが始まってますね。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。はじめましてさんです。永井琳子さん。
金子:彼女はもともとSNSでのカバー投稿をきっかけに注目を集めて、今年から本格的にバンドメンバーと音楽活動をスタートさせたということです。僕は彼女のことは知らなかったんですけど、SNSを覗いてみたら、いろんなカバー動画をあげていて、どれもセンスがよくて。今回はオリジナル曲で、バンド録音で、フォーキーな彼女の歌の良さが第一にあるんだけど、結構ミックスも凝っていて、空間的な面白い音作りをしていて、歌と音とどちらにもちゃんと個性があるなと思いました。次の曲も楽しみです。
みさと:同感です。音的には弦の擦れる音に漏れ出る声が四方から絡まり合うような土台になっていて、それが脳内を表現しているように私は感じたんですけど、その上に旋律として徐々に整理されていく言葉が乗っていって、最後には脳内が静かになっていくような。最初から最後まで見えるはずのないものを見せてもらえたようなサウンド感。あと声も素晴らしくて、ますます楽しみですね。続いて、ズボンズ。
金子:連続で新曲をリリースしていますけど、今回の曲、めっちゃいいですね。
みさと:よかった!
金子:めちゃいい曲だった。ズボンズってまずはファンクがあるんですけど、背景にThe Rolling Stonesをはじめとしたロックンロールに対する愛情があって、この曲はそういうロックンロールバンドがソウルミュージックをやったときの一番いい形というか。軽快なビート感がありつつも、ロマンティックな世界観、歌詞、メロディがあって、絶妙なんですよね。ズボンズのいろんな色がある中でも、これも真骨調の一つだよなと思わせる1曲で、すごく好きでした。
みさと:愛情とリスペクトと経験値がないと、ここまで辿りつかないよねと思わせられたし、ちょうどいい塩梅、どの年代のファンにもたまらないエッセンスがすごく詰まっている中で、ちゃんとオリジナリティもある。「ワクワクする音楽っていいよね」と思える、そんな1曲だったと思います。そんなPart-3からどうしましょう?
金子:鳥兎-uto-の新曲を紹介しようと思います。
みさと:これまたいい曲!
金子:いい曲でしたね。鳥兎-uto-も4月にEPを出したときにゲストで来てくれて、それ以来のリリースになるんですけど、また新たな側面を見せてくれたというか。演奏のジャズな雰囲気はありつつ、曲調的にはわらべうたとか童謡っぽさがあって、それとモダンなジャズとの融合が新しさを感じさせつつ、でも鳥兎-uto-とすごく合ってる感じがしました。今回のレコーディングメンバーは、ベースでBREIMENの高木祥太くんが参加していて、前作はドラムのSo Kannoくんが参加していたから、その流れもあるのかなと思ったり。ドラムはROTH BART BARONで叩いている工藤明さんで、さらにはフルートも入っていたり、サウンド面でも広がりを見せていて、いい曲でした。
みさと:日本の文化に親しんできた人のDNAを刺激するような、懐かしさと芸術性が形になった1曲だと感じました。〈今夜はすこし遅くなりそう〉という歌詞が出てくるのですが、この言葉には好奇心や大人の階段を登るときの緊張感、そしてある種の恐怖や、未知の世界を開くときの不穏さ、そんなさまざまな感情が入り混じっていて。繊細な感情の機微を表現できるボーカル力とメロディーも本当に素晴らしいし、さらにその世界観を壊すことなく包み込むピアノサウンド。二人の才能の懐の深さ、そしてバンドとしての完成度の高さを存分に味わうことができました。
番組の後半は福島由也(Ivy to Fraudulent Game)がゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10