SENSA

2025.07.13

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!VivaOla・JunIzawa・佐瀬悠輔ほか全24作品 -2025.7.12-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!VivaOla・JunIzawa・佐瀬悠輔ほか全24作品 -2025.7.12-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:7月7日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全24作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。さあ、はじめましてさんです。黒沼英之

金子:以前Ghost like girlfriendとのコラボレーションで一度FRIENDSHIP.からのリリースがありましたが、単独名義でのリリースは初めて。さらに今回は福岡出身の新進気鋭のプロデューサー・鍵盤奏者である、Osamu Fukuzawaとのコラボレーション。Osamu Fukuzawaも結構面白くて、ポストクラシカルとかローファイヒップホップ、ジャズなど幅広く活躍している方。その方の弾くアップライトピアノと一緒に、歌も一発録りで収録されているということで、生々しさが伝わってくるし、まあ黒沼さんの歌が素晴らしくて。

みさと:本当すごい。

金子:シンガーソングライターとしての素晴らしさが発揮されている曲だなと思います。



みさと:本当に「活動再開してくれてありがとう」という一言に尽きますよね。空白のようで止まっていなかった10年間があって、2023年からまた活動再開されていますけれども、いい声、言葉としっくりくる歌声は黒沼さんにしか表現できない音楽性だし、こうやって音楽仲間に囲まれての活動再開というのも、一リスナーとしては安心だし、さらに未来につながっていく予感がします。とにかく嬉しいですね。これからも乞うご期待です。続いて、SEVENTEEN AGAiNがアルバムリリースになります。



金子:『光は眩しいと見えない』。いいタイトルですよね。2010年代から日本のパンク、オルタナのシーンを支え続けてきたバンドの一つと言ってもいいと思うんですけど、以前も紹介したように、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのGotchさんのonly in dreamsからのリリース。あと前作から今作の間でドラマーが代わっていて、レーベルも変わったので、フレッシュな作品になっています。
「どんな言葉もただ通り過ぎてゆく」は1曲目で、まさにそのフレッシュさを象徴するようなサウンド感の曲になっていたし、今ってスマホやパソコンの画面をただぼーっと見つめてしまって、どんな言葉もただ通り過ぎていってしまうけど、〈どうでもいいよ 放り投げ出して 歩くんだ〉という歌詞があって、自分たちのイベントをずっとやってきたアクチュアルな姿勢が表れているなと。あと最後が〈誰よりも老いて死にたい なにより普通になりたい〉という歌詞で終わってて、それがすごく印象的で。ロックスターになりたい、ヒーローになりたいとかじゃなくて、自分には足りないものがあって、何より普通になりたいんだと。それをこの衝動で鳴らしているというのがSEVENTEEN AGAiNらしさを表しているのかなと思いました。

みさと:10代、20代のこういったクリエイティブなことをアウトプット先としている人たちからすると、"何者かになりたい"というキーワードはとても強い一言だったはずだけど、そうじゃなくて、"普通になりたい"という自分自身の足りなさであったりとか、何か欠けている部分は今の現代の若者たち含め、人間にとってしっくり来るところでもあるし、何より普通になりたいと叫んでる人の方が多いんじゃないかなと思うので、普通を目指すことこそ、共感度の高い作品が作れるんじゃないかと新しい側面を見させてくれた、とても素晴らしい曲でした。そんなPart-1からどうしましょう?

金子VivaOlaの新曲を紹介しようと思います。



みさと:ちょっとVivaOlaくんの新境地って感じしません? めっちゃかっこよかった!

金子:かっこよかったですね。前の作品同様に「w.a.u」のプロデューサー・Kota Matsukawaが参加してはいるんだけど、前作とは毛色が変わってきていて。前のアルバムは結構ドープで、クラブトラックみたいな感じだったけど、今回は開放感のあるAOR路線になっていて、改めてVivaOlaくんの歌の良さ、メロディーの良さ、ある種のポップさもしっかり出ていて、音楽的なクオリティと開かれたポップさがちゃんと両立してる。ここに来てもう一段階、新たなところに来たという感じがすごくしました。FRIENDSHIP.で言うと、Rol3ertのような新進気鋭のアーティストも出てきたけど、今回の曲に関しては結構相性も良さそうな気がして、繋がってくれないかな、みたいなことも思いました。

みさと:Rol3ertの新作にMONJOEくんがプロデュースで関わっていたので、界隈感がすごくあるし、何より歌声がパワーアップしていて、歌唱力が感じられる一曲でもあったかなと思います。多くの人に聴いてほしいです。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。さてさて、ズボンズがリリース。はじめましてさんです。

金子:ズボンズがFRIENDSHIP.からのリリース!

みさと:ありがとうございます!



金子:1994年の結成ということなので、もう30年ですか。ライブシーンでずっと活躍し続けている日本のファンクバンドの代名詞、ロックバンドの代名詞と言っていいかなと思います。30周年を機にリズム隊が新しくなっていて、ドラムが大内岳くん、今Hedigan'sをやっている方で、YONCEくんとはOLD JOE時代からずっと一緒にやっていて。大内くんのSNSを覗いたら、この前のHammer Head Sharkのアルバムにもドラムテックとサウンドプロデュースで関わってるらしく。

みさと:え!?そうだったの。

金子:大内くんって、めちゃ色々やってるんですよね。

みさと:全てに全力投球で、本当にすごい。ライブパフォーマンスもすごいですもんね。

金子:そういう下の世代が入ったことによって、またバイタリティが復活している感じもあり、今回の「Flaming Funky Lady」もまさにという感じのファンクでロックンロールなズボンズ節全開の1曲になっていて、これは新しいリズム隊だからこそだなと思いました。

みさと:本当そうですね。変わらないズボンズの魅力というか、根幹みたいなものを残しつつも、リズム隊が一新されるとこれだけ軽やかな疾走感というか、新しい風が吹くんだなと思いました。続いて、Wataru Satoさんもはじめましてです。



金子:こちらは一転してクラシカルな感じでしたけど、1990年生まれ、神奈川県在住のピアニスト・作曲家。この方も色んなことをやってて、ソロでポストクラシカルとかエレクトロニカ的な音楽をやっていたり、Gecko&Tokage Paradeというバンドをやっていて、fox capture planが所属していたPlaywrightからリリースしていたり、あと個人的には、最近よく名前を出してるthe cabsの高橋國光くんがソロでやってるösterreichというプロジェクトにサポートで参加していたのを前から見てて、さらに最近では初めてドラマの劇伴も手掛けていると。

みさと:私は漫画好きなんですけどアニメ「呪術廻戦」の劇伴でも弾いてらっしゃるんですよね。すごい!

金子:本当に幅広く活躍をしているわけですが、今回ソロとしては1年ぶりの新曲で、まさにポストクラシカル的な、ピアノと弦楽四重奏の美しい曲になっていて。アップライトピアノを使って温かみを出す感じというのは、Part-1の黒沼さんの作品に参加してたOsamu Fukuzawaさんともちょっと通じるような雰囲気もあり、いいサウンドの曲でしたね。

みさと:アップライトピアノは誰に弾かれてきたかという年輪が音に詰まってる気がします。この作品の世界観とアップライトピアノの関係性というところともリンクしていて、聴き応えのあるコンセプチュアルな一曲でした。そんなPart-2からどうしましょう?

金子JunIzawaの新曲を紹介しようと思います。

みさと:アルバムリリースです!すごい!



金子:Part-2はバイタリティ溢れる人たちが揃ってますね。去年の7月にアルバム『MilesTone』を出してるので、1年で新作が完成しちゃったと。ゲストで来てくれたときにも言ってましたけど、今はLITEとソロという2つのアウトプットがあることによって、相乗効果でかき立てられるものがあって、LITEはじっくり作っていくけど、ソロは自分の裁量でできる分、速いペースでのリリースもできているのかなと。アルバムにはこれまで単曲でリリースしてきたゲストを入れた曲、mizuki masudaとの曲、草刈愛美さんとの曲、SiMAくんとの曲も入りつつ、もちろんソロで作ってる曲もあって、1曲目の「Threshold Pt.1」は井澤さんが一人で仕上げています。クラブミュージック的な路線は前作から引き継ぎつつ、全体的に井澤さんの世代感でもあり、一周回ったトレンドでもある1990年代感、2000年代感が感じられて、UKガラージっぽい曲もあれば、エレクトロニカっぽい曲もあったり。で、「Threshold Pt.1」の個人的な印象としては、これはもうSquarepusher。高速のブレイクビーツと途中から入ってくる変態ベース。これができるのは日本だとやっぱり井澤さんだなという感じで。

みさと:変態ベース(笑)。

金子:Squarepusherを真っ向から迎え撃つ日本代表ベーシストって感じがして、めちゃかっこよかったです。

みさと:井澤さんにしかできないことがすべて詰まっているように感じられて、まさにこの1年間の集大成、あるいは軌跡が詰まっている作品だと思いました。客演を迎えたことで見えてくる新たな側面もありつつ、井澤さんにしか生み出せないものであり、過去10年、20年の歩みが凝縮されたような1曲だと感じました。タイトルに「亡霊たち」という言葉を用いられていて、内面を深く掘り下げた作品でもあるということからも、この10年、20年の歳月や、その中で向き合ってきたものが強く表れているのかなと。本当にかっこよかった。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。さてさて、はじめましてさん、Simmer Pine

金子:彼らは2022年に結成された5人組のバンドで、スカやレゲエを通過したドリーミーなサイケロックバンド、サイケポップバンドという感じでしたね。日本のサイケシーンにはたくさんのバンドがいて、時代とともに更新されている感じがするんですけど、僕の印象としては、ちょっと前からTempalayがいて、でも彼らももう10年選手なわけで、次の世代が出てきていて。SImmer PineはTempalayとかを通過しつつ、さらに最近のKhruangbinだったり、タイのファンクっぽいサウンドだったり、そういう海外のトレンドもうまく吸収していて、すごく今っぽさもあるし、かっこいいバンドだなと思いました。



みさと:今回は「Bubble」というタイトルなんですけど、音質的にも白昼夢のような幻感はまさに泡のようだったし、ドリーミーなサイケ、チルみたいな、そういったワードがフィットする音質で結構期待ですね。Simmer Pine、チェックしたいと思います。続いて、檸 檬がアルバムリリースになりました。おめでとうございます。



金子:檸 檬は2018年に愛知で結成されたサキとノゾミによるユニット。女性二人組というと、最近FRIENDSHIP.だと烏兎-uto-がリリースしましたけど、こちらも二人組という形態の軽やかさを活かして、いろんな人が参加していて、えんぷていの奥中くんやMURABANKU。の土屋くんがプロデュースで参加しています。「無風帯を抜けて」はMURABANKU。の土屋くんがプロデュースで入っているということで、やっぱりMURABANKU。とも通じるような管楽器のアレンジが印象的な、賑やかな曲になっていて。MURABANKU。自体もそうだし、そこに檸 檬の二人の歌が入ることによって、一昔前のカクバリズムの感じを思い起こさせるような、いい曲でした。

みさと:ミュージカルのような、遊園地のような、大道芸の始まりのような、突き抜ける明るさと少しレトロなエッセンスって、"これ、嫌いな人いないでしょ"という。少しチャラン・ポ・ランタンに通じるようなエンタメ性もあって、懐かしさを味わわせてもらえるという意味では、自分の心にもフィットできるような絶妙なバランス感の、とても温かい気持ちになる、元気になる一曲でしたね。アルバムですのでぜひ通して聴いてみてください。そんなPart-3からどうしましょう。

金子佐瀬悠輔さんの新曲を紹介しようと思います。

みさと:アルバムが控えております。

金子:先行曲がひさびさの新曲としてリリースされるわけですけど、佐瀬さんはトランペット奏者として様々な現場で活躍をしている方。

みさと:本当に大活躍ですね。

金子:それを反映するかのようにアルバムにも素晴らしい面々が参加していて、ベースがKing Gnuの新井和輝くんだったり、ボーカルではermhoiさんが参加していたり。これは佐瀬さん自身も関わっている石若駿くんのAnswer To Remember界隈みたいな言い方もできる気がするし、あとボーカルのレコーディングはSuchmosのTAIHEIくんがやっていたりもします。基本的にはジャズなんだけど、めちゃめちゃプログレッシブな側面もあるし、実験的な側面もある。演奏自体の素晴らしさとアレンジの先鋭性が「Off-the-cuff」の1曲だけからしてもすごく感じられて、アルバムへの期待が募る1曲かなと思います。

みさと:アルバムのタイトルが『BELLOWS』というタイトルになると伺っていて、「蛇腹」みたいな意味があるんですって。蛇腹って何かと何かをつないでいる象徴じゃないですか。蛇腹の中を通っているときは行き先はわからないし、見えないけど、スリリングさとかエキサイティングさがこの楽曲にも込められている感じはしていて、アウトプット先がどこに行くんだろうというドキドキ、構成の複雑さ、先が読めない展開がすごく味わえる1曲になっていると思います。アルバムがどんな形になるのか、より楽しみになる先行シングルです。



番組の後半はゆうらん船がゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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