SENSA

2025.07.06

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Pictured Resort・Geloomy・grating hunny(グレイチングハニー)ほか全22作品 -2025.7.5-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Pictured Resort・Geloomy・grating hunny(グレイチングハニー)ほか全22作品 -2025.7.5-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:6月30日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全22作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。さてさて、福岡のアーティストでございます。奏人心

金子:福岡発の突風ロックバンド、奏人心ですけれども。

みさと:まさに突風。

金子:最近はライブ音源のリリースが続いていて、前回紹介したときに、"そろそろライブ音源じゃなくて、オリジナルの音源を聴きたい"みたいなことを話しまして。それに応えてくれたのか、たまたまなのか、まあたまたまだと思うけど、ひさびさにオリジナルの音源が届いて。

みさと:いい曲ですよね。

金子:ライブ音源だと、いかにもパンクの荒々しい雰囲気が伝わってきて、それはそれで魅力的だったけど、こういうオリジナルでバラード寄りの、ちゃんと言葉が届く曲も書けるんだと新鮮だったし、曲がちょっとカネコアヤノさんっぽいんだよね。歌詞の中に猫が出てきたり(笑)。パンクのかっこよさもあるんだけど、広く届く可能性もちゃんと持っているバンドなんだなと改めて思ったし、8月22日には福岡のThe Voodoo Loungeで初ワンマンも決まっているということなので、福岡期待の星、さらに楽しみになりました。



みさと:ライブ音源を聴かせてもらっていたこともあって、ライブがいい理由はやっぱり"曲の良さ"にもあるんだなと気づかされました。じゃあ、どんな曲が書けるのかというと、奏人心のキャラクターや、まっすぐな想いが込められたものには、心が動かされるんですよね。楽曲としても素晴らしいのはもちろんなのですが、それがライブになると、あれだけ衝動的で、気持ちやパワー、目に見えない何かの力で生まれる一体感として具現化される。その2つを並べて感じることで、よりライブにも行きたくなるし、楽曲も深く聴き込みたくなる。バンドの魅力がぎゅっと詰まった一曲だったと思います。そしてこちら、アルバムリリースです。shew

金子:『ユースフォビア』というタイトルのアルバムになっていて、この言葉は中西新太郎さんによる造語。若者の文化や行動を上の世代が理解できず、得体の知れないものとして忌避してしまう、青年恐怖症という意味で使われていると。shewさんは自分自身も若者だったところから、今は自分が下の世代に目線を向ける側へと立場が変化している自覚があり、自分とのギャップがある中でそれでも寄り添い、理解してあげたい、そういう葛藤を音楽という形で残しておくために、この作品を作ったと。

みさと:素晴らしい。



金子:shewさんは作家としても活動していて、アニメとかゲームとかVTuberとか、そういうところにも曲提供してたりするから、下の世代と関わることが多いと思うんですね。そういう中で色々な葛藤はあるんだけど、その中で感じたことをshew名義で、自分の作品として形にしたというストーリーがある気がするし、そうやって作家として経験値のある人だから、音楽的には本当にいろんなアプローチが感じられて、クオリティの高いポップ職人的な作品にもなっているという、そういう二面性もある作品だなと感じました。

みさと:すごく共感ができて、あのとき嫌だった大人に自分がなっていないかなと、私自身立ち止まるようにはしてるんですけど、無意識の中で前時代的な振る舞いをしていることもあるだろうし、近くに下の世代の方がいる環境だと、どうしても"これがいいんじゃないか""あれがいいんじゃないか"とアドバイスのように言ってることが、下の世代は小言のように感じることもあるように、すごくリアルな世界観を作品にしていただいたというのは、上の世代になりつつある人にとってすごく重要なんじゃないかなと思って、心から"ありがとう"を言いたい(笑)。しっかり聴かせていただきたいアルバムになりました。そんなPart-1からどうしましょう。

金子Pictured Resortの新曲を紹介しようと思います。

みさと:夏の知らせでございます!

金子:7月に入りましたからね。Pictured Resortの季節がやってきました。

みさと:お待ちしておりました!

金子:1年ぶりのリリースになるんですけど、今回からこれまでと少し趣を変えて、ライブを見据えないレコーディングプロジェクトとして、密室R&B的な制作に取り組んでいると。

みさと:面白いな〜。

金子:もちろんファンキーな、ダンストラック的な質感はあるんだけど、躍動感のある過去作と比べると確かに密室的で、ちょっと落ち着いた感じはありつつ、でも曲タイトルは「Pleasure Center」。"快楽中枢"という意味で、これをライブでやったらめちゃめちゃ踊れる感じになるんじゃないかっていう、そんな多面的な魅力のある楽曲で、ここからまた新しいPictured Resort像がどうなっていくのか楽しみですね。

みさと:今までは開けた昼間のプールサイドミュージックみたいなイメージがあったんですけど、今作は同じプールサイドでも夜のプールサイドの隣にあるラウンジのBGMみたいなイメージ。すごくラグジュアリーで、大人なイメージもある。もちろん夏の解放的なところもあって、快楽が刺激されるけれども、やっぱり密室で大人だけの秘密クラブみたいなニュアンスもありますね。"踊れる"というキーワードはありつつも、これだけ違う夏を演出できるっていうのは、やはり伸びしろですね〜(笑)。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。まずはアルバムリリース、はじめましてさんです。EMPTY DRUG(エンプティドラッグ)。

金子:彼らは宮城県仙台市のロックバンドで、ボーカル、ギター、ベースにドラムがサポートという形で活動していると。今回ファーストアルバムで、タイトルがズバリ『independent』ということで、DIYで、自分たちでレコーディングをした作品とのことです。多少荒削りな部分はありつつ、その分、高い熱量がそのまま閉じ込められていて、「余命」が7分以上、「utopia」という10分以上の曲もあったり、バンドに対する熱量を自分たちの手で、高い温度のまま閉じ込めたような、そんな作品になっている印象を受けました。

みさと:自分たちの力を信じる気持ちというか、自分たちがやりたいクリエイティブが詰まっていて、素晴らしい仙台のライブハウスシーンというか、クリエイティブのシーンが垣間見れるような一枚になってると思いますし、完成度も素晴らしいレベルまで来ているので要注目な気がしています。こういう人たちが1組いるだけでも、周りに対する影響力って変わってくると思うので、どんどん仙台からいい音楽が広がる気配を感じました。



金子:7月には『HELLO INDIE』というFRIENDSHIP.も関わっている仙台のライブイベントがあって、それはまさにインディペンデントをすごく大事にしているイベントなので、仙台のシーンもちょっと気になりますね。最近のFRIENDSHIP.は福岡と北海道が強い印象だけど、他の地域のことももっと知りたいですね。

みさと:続きましても、はじめましてさんです。CRYPT CHROM(クリプトクローム)。



金子:CRYPT CHROMEは南米音楽やコンテンポラリー・ジャズからの影響を受けたハーモニーと即興性、日本的な郷愁と歌心を感じさせるメロディを、アコースティックなアンビエンスとエレクトロニックなアプローチで表現する音楽プロジェクト。ベーシストとギタリストの2人を中心に、楽曲ごとに流動的にメンバーが参加すると。「natsu no yoru (feat. 北村蕗)」かっこよかったですね。セルフライナーノーツもいただいてるんですけど、ブラジル音楽のショーロのリズムを使っていたり、ウッドベースのアルコ、弓弾きですね、そこにエフェクターをかけてドローンサウンドを作っていたり、音楽的にもすごくかっこいいし、フィーチャリングで参加しているのが北村蕗さんという方で、この方も若いんですけど、めちゃめちゃ才能豊かな方で。親御さんが好きな矢野顕子さんの影響でピアノを始めて、中村佳穂さんも好きになったり、いろんな音楽を聴いて、今はがっつりダンスミュージックをやってる、みたいな人で(笑)。

みさと:いい振り幅だな〜。

金子:才能の塊みたいな子で、ゲストボーカルとして参加してるのもすごくいいですね。

みさと:今回の世界観としては"お盆や夏祭りなどの日本の夏の風習から着想を受け、彷徨う「あの子」が迷い込んだ、みえない気配(幽霊など)に怖がりながら、不思議で奇しい夏の一夜の体験をした"というようなセルフライナーノーツをいただいているんですけど、不協和音な旋律の不気味さを感じるんですが、可愛らしさも味わえて、いわゆる霊的な存在というのは人によっては愛しい人かもしれないなとか、そういったところまで想像が膨らむような素晴らしい一曲。夏のお盆の時期に聴きたい一曲でした。そんなPart2からどうしましょう?

金子Geloomyの新曲を紹介しようと思います。

みさと:来たよ!待ってたよ!



金子:Geloomyは今年の元旦に曲を発表していて、約半年ぶりのリリースですけど、かっこいいですね。この後にはEPのリリースも控えてるみたいで、そこからの先行配信なんですけど、タイトルは「hey!!!!!」。びっくりマークが5個並んでます。

みさと:5個!多いね。

金子:こういうタイトルだから、もちろん踊れるファンキーな側面はあるんだけど、ご本人のコメントで、"ビートはあえて「浮いてる」質感を残して、硬くなりすぎないようにしてる"とのことで、ベースラインはすごくファンキーなんだけど、いわゆる土着的な、ファンクなリズムというよりかは、確かにちょっと浮いている質感、軽い質感があって、打ち込みのトラックっぽいような、そういうニュアンスも感じさせる絶妙なバランスがGeloomyらしさを表している感じがして、今回もかっこよかったですね。

みさと:私がGeloomyを好きな理由の一つはそのバランスなのかなって、この曲と厚武さんの話を聞いて感じていて。セルフライナーノーツでいただいている"退廃とユーモア、記憶とテクノロジーが交錯する、ラブとループのネオディスコ"という、中間地点を感じるような世界観になっていて、どちらにも振り切れない、どちらの気持ちもわかる、絶妙なライン。でも、Geloomyがもともと持っているダンス感、ディスコ感の中に問題定義も孕んでいる、このバランス感がやっぱり好きなんだなと思いました。どんなEPになるのか楽しみにしながら、まずはこの1曲を味わっていただきましょう。

New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。さあ、小室響さん。アルバムリリースになりました。

金子:フィジカルはちょっと先に出ていたりするんですけど、配信でも遂にリリースですね。前のアルバムはBREIMENの高木祥太くんとかMELRAWとかを招いて、ジャズ以外の要素も折り混ぜた作品だったのに対して、今回のセカンドアルバムはジャズシーンのレジェンドたちを招いて、がっつりジャズに向き合ったアルバム。トリオ編成を軸としつつ、ゲストも迎えながら楽曲を展開していて、「Volkslied(feat. 井上銘)」に関してはギタリストの井上銘くんをフィーチャリング。10分以上にわたる凄まじいセッションを聴かせてくれて、他にもこういう曲たちが並んでるので、聴き応えバッチリですね。



みさと:技術に関しては素晴らしいお名前が並んでいるだけで、もう語れることなど何もないレベルなんですけど、それぞれの楽器が擬人化したようなアルバムだなという感じがあって。ギターとピアノは歌ってるようだし、インストなのに人が見えるような不思議な感覚になりました。やっぱり技術の先にあるものってまた違うレイヤーが待ってるのかと。それぞれのプレイヤーとしてのプロフェッショナルと、そこにある人間味が見えるアルバムになってます。超大作をぜひ味わってみてください。続いて、我らがmiida



金子:バンド編成になってからは2曲目のリリース。改めてですけど、もうバンドの音になってますね。僕、4月にmiidaのイベントを観に行ったんですけど、まさに3ピースのバンドという感じになっていたのがすごく印象的で、今回の曲もそうなんですけど、ソロ時代のファンク、R&B、ヒップホップ路線に比べると、やっぱりロック味がちょっと増していて。でも、めちゃめちゃロックというよりは、これまでの路線との中間ぐらいのグルーヴ感、じわじわと高まっていく感じがすごく印象的です。「ゼロサムゲーム」というタイトルで、意味は等価交換、プラスマイナスが必ずゼロになる経済の価値観であり、ゲームにも応用される言葉で、She Her Her Hersに以前「non zero sum game」という曲がありましたよね。"She Her Her Hersみたい"とは言わないまでも、バンド感がありつつ、でもそこまで体温高いわけじゃなくて、じわじわと高まっていく感じはちょっと通じるところもあるかなと。

みさと:She Her Her Hersはゼロサムゲームを引用しながら、みんなでより良い未来に向かってと、未来に軸が向かっていたけど、miidaの今回の歌詞に関してはすごくリアルで、現実を直視するような立ち位置になっていて。でも、それもすごく必要なことだなとは感じたし、綺麗事ではない、リアルな世界観をこういう作品にしてくれることで、今を生きている私たちはすごく共感できるし、自分の現在地が見えると未来につながっていくと思うので、miidaを聴いて、その後にShe Her Her Hersを聴いていただくと、一歩、半歩進める自分に出会えるんじゃないかなと思いました。そんなPart-3からどうしましょう?

金子grating hunny(グレイチングハニー)の新曲を紹介しようと思います。彼らはFRIENDSHIPからは初めてのリリースになるんですけど、大阪・寝屋川発の平均年齢18歳のロックバンド。2023年1月に結成されていて、"PUNK ROCK by YOUTH"をテーマに、"僕みたいな奴へのパンクロック"を掻き鳴らすバンドと。今回リリースがSEEZ RECORDSからで、THE BAWDIESやgo!go!vanillasを輩出しているレーベルからの初めてのリリースということで、今後が期待されるバンドです。聴かせてもらった印象として、歌詞は内省的なんだけどロマンチックで、バンドサウンドはすごく勢いがあって、銀杏BOYZとかに通じるようなラインを感じさせつつ、それを18歳という年齢でフレッシュに鳴らしているなと。あとはボーカルのスズキタイヨウくん、彼の歌声はすごく魅力的で、サウンドもいいんだけど、ボーカルだけでもかなり掴まれるものがあるので、ここからどう大きくなっていくのか期待です。

みさと:スズキタイヨウくんから滲み出る色気は、もともと彼が持っているものなのか、それとも青年と少年の間にいる"今"という瞬間にしか出せないものなのか。成長とともに表現力もどんどん高まっていくだろうと思いますし、ただの"青さ"では語りきれないような眩しさを感じました。でもやっぱり自分が18歳だった頃を思い出すと、「もう大人だ」と思っていた、あの独特の感覚がよみがえってくるんですよね。shewさんの『ユースフォビア』を聴いてから、背筋を少し正して、この曲とちゃんと向き合いたいと思わせてくれるような、自分の年齢や過去を改めて振り返りたくなる一曲だったなと感じました。



番組の後半はゆうらん船がゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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