SENSA

2025.02.02

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Keishi Tanaka・Enfants・Xamdほか全25作品 -2025.2.1-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Keishi Tanaka・Enfants・Xamdほか全25作品 -2025.2.1-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!


New Release Digest Part 1


みさと:1月27日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全25作品の中から、Part-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。今週ははじめましてさんが多いです。まずは、Fewww

金子:彼らは"個人として歌える抵抗歌の具現化。社会と並び立ちながら生きていく、をパンクの様式に学び、それを映し出す表現を目指した"という東京を中心に活動するバンド。

みさと:いいセルフライナーですよね。

金子:青春パンクを連想させるような雰囲気もありつつ、この「This sound is for live houses only」はパワーポップ的なポップさもある。すごくキャッチーな側面もあるし、歌詞を聴くと〈度々思うカメラは要らない、記憶だけで結構〉とか、今っぽい側面もあったり、多面的な魅力があるバンドだなと感じました。



みさと:歌詞もバンドのコンセプトも王道パンクの精神をすごく感じるんですけど、サウンドに温もりとか優しさとか、人を傷つけない、守るためのパンクなんだなって感じられる要素が散りばめられていて、そこも好印象でした。もう一組、はじめましてさんです。Mama Rag

金子:彼らは2023年結成のロックバンド。"ソフトロックやグループサウンズ、R&B/ソウルなど年代問わず幅広いジャンルをルーツにしながら、日本人故の心の機微を歌に込め、どこか懐かしく暖かいサウンドを展開する"と。まさにという感じで、The Beach Boys、大瀧詠一さんだったりの影響を感じさせつつ、それをフレッシュに鳴らしていて。あとMama Ragというバンド名に関して、The Bandに「Rag Mama Rag」っていう曲名があって、多分そこから来てると思うんですけど、僕の世代にMAMALAID RAGってバンドがいて。 2000年代初頭からやってるバンドなんですけど、当時からはっぴいえんど、大瀧詠一さんとかと比較されていて、彼らもバンド名を「Rag Mama Rag」からとってるんですよ。

みさと:あれ、みんな!

金子:Mama RagがMAMALAID RAGを知ってるのかはわからないんだけど、すごく通じるところがあるので、今後一緒にやったりとか、何か交流が生まれたら面白いなと思ったりもしました。



みさと:終盤のピアノのジャンジャンジャンとか、裏切らない王道感があるなと思って。だからこそ、往年のファンたちがニヤっとしてくれるような展開もありつつ、最後の終わり方がオリジナリティというか、彼ららしい今のバンドだなって見えるアレンジがあってすごくよかったです。さあ、そんなPart-1からどうしましょう?

金子Keishi Tanakaさんの新曲を紹介しようと思います。

みさと:Keishiさん、今回アルバムです。リリースをおめでとうございます。

金子:6枚目のアルバムで、タイトルが『Like a diary』。 ご本人のコメントで、"今回制作時期を明確に決めたり、どこかのスタジオを借りたりせずに、日々の暮らしの中で少しずつ音を重ね、歌詞を書き、自宅で何日もかけてレコーディングをしたもの。それはまるで日記を書くような時間でした"ということで、『Like a diary』と。
番組冒頭に、この番組は2021年2月に始まって、まさにコロナ禍だったよねっていう話をしましたけど、その頃から少しずつ自宅で録音できる環境を整えるアーティストが増えてきて、Keishiさんもおそらくそうやって自宅のスタジオをよりアップデートした中で、"よし、アルバム1枚ここで録っちゃおう"ってなったのかなって。一昔前だと、"自宅で全部録る"というと、ちょっとこじんまりとした、いかにも「宅録」って感じの作品になる印象もあったけど、今はそうじゃなくて、自宅スタジオで録っていても、派手さも華やかさもある曲になっていて。さらにはKeishiさんだけじゃなく、曲によってはベーシスト、ギタリストが参加していたり、Ryu Matsuyamaがアレンジで参加してる曲もあったり、ちゃんとアルバムとしてのバラエティも確保していて、とてもいい作品でした。



みさと:Keishiさんの日常を覗いてるような、まさに日記を少し読ませてもらうような感覚で、さらに宅録だから、もっとベッドルーム感が出そうなものなのに、厚武さんがおっしゃったみたいに、THEベッドルームにはならない。Keishiさんの多幸感みたいなものがやっぱり私は好きと感じさせてくれるようなアルバムになっていたのが、音楽家だなぁって感じた。ただの日記じゃない、だけど日記の要素もあるっていうところでの、大地にしっかり足はついていながらも、少しの非日常とエンタテインメントとしての一枚という側面もちゃんと見せてくれてて、なんとバランス感覚の良い方なんだと。毎回思いますけどね。素晴らしい一枚だったと思います。



New Release Digest Part 2


みさと:新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。こちらもはじめましてさんからです。Blume popo

金子:このバンドは2015年に当時中学生だった幼少期からの友人5人が集まって結成されていると。今年は僕はエモというよりもポストロックを推していこうかなと思っているわけですが、Blume popoもポストロック感がすごくあって。popoというワードには"ポストポップス"という意味もあるらしく、まさにポストロック以降のポップスという感じがする。しかも、今回すごく面白くて、『Test for Texture of Text』というタイトルで、母音を統一した5曲が入っていると。1曲目は"あ段"、曲のタイトルが「彼方高さから躰放ったあなた」。2曲目が"い段"、「日々凜々しい君に」。3曲目が"う段"、「渦つむぐ冬」。このように、"あいうえお"の5曲が入っている。



みさと:口が気持ちいい。

金子:やっぱり"あ段"だと、僕ら普段鼻歌を歌うときもラララで歌うわけで、はっきり歌いやすい感じになって、"い段"だともうちょっとソフトな感じになって、"う段"だと結構リズミカルになる、ちょっと洋楽っぽく聴こえる、みたいな。

みさと:そうかも。

金子:そういう違いが面白い。ポストロックとか好きな人は、こういう実験的なことをやりたがるんですよね(笑)。

みさと:日本語話者じゃなくても音として楽しめる楽曲だし、日本語ネイティブとしてはその芸術さに引き込まれる作品として、ぜひ聴き込んでいただきたいですね。続いて、Khamai Leon

金子:Khamai Leonは今回もすごかったですね。

みさと:いやー、今回もかっこいい。



金子:「meteor」="流星"というタイトルそのままにというか、もうブワーッと勢いよく通り過ぎていくような楽曲で。

みさと:通り過ぎる間に願い事しなきゃって思いながら、全然言えないくらい(笑)。勢いがすごかったですよね。

金子:冒頭のイントロからベースのインパクトが大だし、ラップが来て、ジャズが来て、ファンクが来て、クラシックが来て、フルートがとどめを刺すみたいな、この勢い。

みさと:あはは。

金子:今回、"Khamai Leonの楽曲として初めて曲作りの段階からメンバー4人での制作を行っていて、これまでの作品の構築感に加え、4人のライブ演奏を音源に昇華させた"ということで、まさにその躍動感が感じられて。最近、Khamai Leonは結構ライブをやってるイメージがあって、ちょうどこの前ライブを観てきたりもしたので、ポッドキャストでそのあたりの話をしようかなと思ってます。

みさと:クラブでも映えるし、生演奏のテクニックも感じられるハイブリッド楽曲を常に作り続けてくれてる印象ですけど、畳みかける超高速ラップの後にフルートが入るじゃないですか。あれ、ライブで無理じゃない!?と思って。今度ライブが東京であるんですが、この楽曲もやるのかどうなのか。

金子:それはやってくれるんじゃないですかね。

みさと:絶対フルート入るの無理でしょっていう。「あの感じ無理でしょ」って言ってできるのか、どういう風にライブでするのか、楽曲を聴いて、私と一緒に無理でしょっていうツッコミを入れてほしい(笑)。そんなPart-2からどうしましょう。

金子Enfantsの新曲を紹介しようと思います。

みさと:また、いい曲が出ました。

金子:Enfantsは去年の7月に『D.』というEPを出していて、それまでの3作で"Q.E.D.=証明完了"ということで、第1章を終えたという感じがして。去年はJAPAN JAMだったり大阪のSUMMER SONICにも出て、さらなる飛躍を遂げつつ、ここから第2章が始まっていくのかなという感じがあります。
そんな1曲目になっているこの「Dying Star」は、ヒップホップ的な側面を感じさせる楽曲。
Khamai Leonは盛り盛りなアレンジだったわけですけど、こっちは引き算の美学ですね。これまでよりもちょっとテンポを落として、音を抜いて、ヒップホップ的なビートにしつつ、だからこそ松本大くんのボーカルがより生きる。言葉の説得力、切れ味みたいなものが増している印象を受けました。「Dying Star」というタイトルで、この星はいつか消えゆく、みたいな死生観を表してるんだけど、でも最後に、〈いずれ消える僕ら 光っていようぜ〉っていう、最終的にはネガティブをポジティブに変換する、その感じもすごくEnfantsらしいなと思ったし、いい曲でした。

みさと:Billie Eilishに歌ってほしいぐらいのグローバルサウンド感があるんだけど、おっしゃる通りに松本くんの声で歌うから完成するっていう。下まで下がりきらないけれども、急にポジティブまで行かないくらいのあの声質というか、あの温度感っていうのは、彼の声、彼が生み出す言葉じゃないと成立しないよなと思う。 『Q.』『E.』『D.』で証明完了した今だからこそ、書ける言葉と出せた音、そしてこのサウンドでどこまで届いていくのか。どんどん広いところに挑戦していってほしいなという曲でした。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。こちらもはじめましてさんからです。TAROS

金子:彼らは2024年9月結成で、広島出身と岡山出身のメンバーによる4人組。今作は結成2ヶ月でレコーディング。現在は上京してて、すぐにレコーディングをした生まれたてほやほやな4曲と。ロック好きなんだな、ロックンロール好きなんだなっていうのがめちゃめちゃ伝わりますよね。とりあえず、イントロがめちゃめちゃThe Clashだったのと、今回EPのタイトルが『Roll it, Black』で、曲のタイトルが「ブラックで転がせ」。
これはおそらくThe Rolling Stonesの「Paint It, Black」と「Tumbling Dice」のオマージュ。そういう往年のロックが大好きで、それを今の感覚で鳴らすっていう、そういう人たちなんだろうなというのが音からもタイトルからも伝わってきました。



みさと:いいですね。系譜を継いでくれるまた新しい存在が出てきてくれることにすごく安心感も感じるし、その安心感を感じるくらいの声質と演奏力がしっかりあるバンドだなっていう印象がありました。2月3日(火)に下北沢ベースメントバーでライブがあるみたいなんですけど、KamisadoFine,Greatなどお馴染みの面々が出演。

金子:FRIENDSHIP.と馴染みのある。

みさと:そう。どういう存在か知りたいな、何歳くらいなんだろうって調べたら全然出てこないんですよ。でもこうやって地道にライブ活動などはされているみたいなので、ぜひ現場で確認していただければと思います。続いて、ベルマインツ

金子:約1年ぶりの新曲が届きまして、いい曲ですね。今回「恒星」っていうタイトルで、Part-2にはKhamai Leonの「meteor」とか、Enfantsの「Dying Star」とか、今週は星関係のタイトルが多いですけど。

みさと:Khamai Leonの「meteor」と比べると、対極にあるようなゆったり感でいい曲でしたね。

金子:今回、"ギターのアルペジオフレーズを軸に展開する楽曲で、緊張感から心の開放へと導く一曲となっている"と。"決して明るいことばかりじゃない生活を少しでも彩る出会いによって、自分たちが生かされているのだと感じます"という、メッセージ的にも温かいものがこもっていて。1年ぶりの新曲なので、2025年はベルマインツの新曲をもっとたくさん聴きたいなと思いました。



みさと:自ら光っている星を恒星っていうじゃないですか。その星のように自分も光っていける可能性を信じたくなるような楽曲だったので、どんな1年間を過ごしていたかわからないけど、勝手ながらその1年間のことを想像しちゃった。そういった方はすごく多いと思うので、自分ごとのように共感性の高い曲になっているんじゃないかなと思います。星って上を見なくちゃ、顔を上げないと見えないものだけど、実はいつもそこにあるし、雲が厚くかかっていても、その先にはずっと光り続けている恒星があるっていうことも信じたくなる存在じゃないですか。あることは知ってるけど、今日は星が出てないっていう日もあるから、それに右往左往をしてしまう自分はいるけど、自分自身が光っていけるかもって。すごく希望を感じる1曲で、素晴らしいですね。

金子:星の描き方でも個性が出ますよね。

みさと:三者三様、素晴らしいですね。そんなPart-3からはどうしましょう?

金子Xamdの新曲を紹介しようと思います。

みさと:Xamd、今回EPです。リリースおめでとうございます。

金子:Xamdは去年も2作EPをリリースしてて、それ以降もコンスタントに新曲を発表してきたんですけど、今回の作品は"Xamdの2024年の思索における1つの回答"だと。タイトルが『humanity』で、"この不安定な時代において人間に最後に残るべき、残ってほしいものをXamdはhumanityであると考えた"という、まさに今のXamdの1つの結論が込められた作品になっています。で、『humanity』というタイトルだからなのか、フィーチャリングを入れることによって、人間味みたいなものがより出ている。もともとSATOHのkyazmとデュオのユニットをやっている人でもあるわけですけど、それこそSATOHとかにも近いような、ハイパーポップ的なニュアンスをすごく感じさせる1曲になってました。このフィーチャリングで参加している、Redhair Rosy。僕らがよく知っている人たちなんですけど。

みさと:人たち!?

金子:ボーカルの声を聴いて、何となく思い出したりとかしませんか?

みさと:2人組?

金子:いや、もうちょっと多いですね。

みさと:もうちょっと多い?Rosyっていう知り合いいないよ〜。

金子:急な質問タイム(笑)。

みさと:やだー、2人じゃない?3人?

金子:もうちょっと多い。結構多い。

みさと:結構?13人ぐらいいる?

金子:そんなにいない(笑)。

みさと:いないか(笑)。誰ですか?

金子:これね、the McFaddinなんですよ。

みさと:the McFaddin!?

金子:the McFaddinが去年活動をストップして、でも続きがあるよっていう話をしたじゃないですか。 the McFaddinがRedhair Rosyになったんです。

みさと:えぇー!

金子:今はバンド名も変わり、環境も変えて活動をしているわけなんですけど、こういう形で登場。でも言われたらわかるでしょ?

みさと:言われたらねぇ。でも言われないとわからなかった。それぐらいXamdのトラックの作り方というか、秀でているものがあって。過去の作品もインストでも何を歌ってるのかが聴こえてくるようなインスト作りをされるアーティストじゃないですか。言葉を必要としてなかったから、今回もすごく人間味があるなと思いつつも、一つの音の要素として聴いたところがあった。もちろん、生の人間味っていうのは感じるけど、人間の声に対して聴き入っちゃったわけではなかったから、気づかなかったわ〜。すごい。全員の表現力がなせる技ですね。



番組の後半はLaura day romanceがゲストで登場!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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