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2025.01.26
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!揺らぎ・Nishikawa Yasunari・Pablo Haikuほか全27作品 -2025.1.25-
New Release Digest Part 1
みさと:1月20日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全24作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。NOT WONKがかっこいい!
金子:2月にアルバムが控えていて、いよいよギアを上げてきた感じがすごくして。前回の曲はボサノバチックな曲だったわけですけど、今回は7分近い、かなり構築された楽曲で、資料を読むと、「今回アルバムのレコーディングはドラムと一部のゲストプレイヤーを招いた楽曲以外の全ての楽器を加藤修平が演奏している」ということで。となると、ソロでやっていたSADFRANKとも共通点が見えつつ、ポストロック的な、構築的なサウンド感が発揮されつつ、それを今のNOT WONKの2人で表現している。これはアルバム期待大だなと改めて感じました。
みさと:今回の楽曲はいつになく感情が乗ってる気がしまして。さまざまな経験が昨年あったと思うので、それもひとつの原因なのかなと思いつつ、やっぱりSADFRANKの活動が切っても切り離せない、その作家性が際立ってる一曲だなと思うんですよね。歌い上げるパート、囁くような心情を吐露するようなパートとか、間を上手くコントロールされていたり、2人だからこそできるアウトプットがひとつのまとまった作品になるとどうなるのか、今からとても楽しみです。続きまして、はじめましてさんですね、aldo van eyck。
金子:こちらは福岡のバンドですね。2021年に結成された4人組で、セカンドアルバムがCDショップ大賞2024の九州ブロックで賞を受賞するなど、徐々に話題になってきていると。かっこいいですよね。プロフィールには、ガレージ、ポストパンク、ジャズ、ブルース、ノーウェイヴ、あらゆるジャンルを、みたいなことが書いてあって、それこそNOT WONKにもちょっと通じる部分がある気もするし、あとこのバンドは4人なんですけど、ボーカルがトランペットも担当してたり、ギターがサックスも担当してたり、かなり多彩な人たちで構成されていて。
みさと:管楽器は客演なのかなと思ってたけど、メンバー間でやってるんですね。
金子:メンバーが管楽器も担当するみたいなことで言ったら、Khamai Leonとかも近いかもしれないし、NOT WONKと同じ北海道のthe hatchとか、ああいうバンドともリンクする感じがある。そんなバンドが今度は福岡から出てきて、徐々に盛り上がってきてるというのはすごく楽しみだなと思いました。
みさと:1曲の中にしっかりその楽器にスポットライトが当たるような構成になっているのがすごく印象的。それを持ち替えながらやるとなると、まさにライブバンドですね。これはどんなふうにライブされるのか観てみたい。福岡で活動中ということなので、ぜひ足を運んでいただきたいです。そんなPart-1からお送りするのは...アルバム出ましたね!
金子:はい、揺らぎの新曲を紹介しようと思います。
みさと:おめでとう!アルバムリリース待ってました!
金子:今回のアルバム、めっちゃよかったですね。もともとシューゲイザー的なイメージのところから出てきてるわけですけど、ファーストアルバムのときはシンセとかも使って音楽性を広げ、前作はコロナも明けて、もう一回ちゃんとバンドで、みたいな印象があったんですけど、今回はそれを経てさらに音楽性をグッと広げていて。1曲目から8分近いアンビエントの楽曲だったり、今回鍵盤奏者をゲストで招いていて、エレピとかシンセが入った曲があったり、あと後半になるとだんだんアコギの分量が増えていて。今回「聴き手に寄り添い、それぞれの日常にそっと溶け込むような温かみのあるサウンドを目指した」という一文も資料にあったりするんですけど、まさにその感じがアルバム後半になるとじわじわと、アコギの音色も含めて表れている。めちゃめちゃいいアルバムですね。
みさと:1曲目が結構インパクトありますよね。そこから世界観を提示されている感覚にはなるんだけれども、最後に向かっていくにつれて、自分の楽曲たちにどんどん馴染んでいく構成は、アルバムとしての完成度の高さもすごく感じました。あと、ひと昔前に言われていたシティポップという文脈があると思うんですけど、昔はシティポップをやってるとかっこいい、聴いてるとイケてるみたいなところから、シティポップじゃないのにシティポップと表現されるようなミュージシャンもいて、困惑してた時期もあったじゃないですか。ここからはシューゲイザーという単語が、あのときのシティポップとすり変わっていくのかなって感じるくらい、どんどんもっとポピュラーなものにもなっていくし、今回のアルバム『In Your Languages』(あなたの言葉で)というタイトルを付けているように、シューゲイザーという枠組みからもう飛び越えているようなバンドがここから出ていって、その中心にはこのバンドがいるんだなと思わせてくれる。その流行のうねり、潮流を作り出しているし、真ん中にいるようなバンドなんじゃないかなって思うと、これは2025年聴いて欲しいアルバムの一枚になりましたね。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。The fin.が新曲リリースです。
金子:最近は「Night Time」のリミックス・シリーズがずっと出てますけど、純粋な新曲としてはちょっとだけおひさしぶりで、やっぱりThe fin.のニューモードはいいですよね。
みさと:ニューモード、本当にいい!
金子:今回の曲は「Echoes」というタイトルだけに声が印象的で、それこそこだまのように反射している感じ。厚みのある多声コーラスも印象的だったし、シンセの音色もこれまでのThe fin.にはあんまりなかったような感じ。また新しい顔を見せてくれたなという感じがすごくよくて。去年Yutoくんに取材をしたときに、最近のモードのことを聞いたら、これまでとは違うモードに入って、やりたいことはあるんだけど、それはすごく遠くに見えてて、まだ今はよちよち歩きの段階で、まだ全然やりたいことには到達しなくて、5年10年かけてそこを目指していく、みたいなことを言ってて。
みさと:彼は何を見てるの?(笑)こんなにも、すでに完成されてるように聴こえるのに。
金子:めちゃめちゃいいんだけど、Yutoくんからすると、まだまだこの先があると。
みさと:末恐ろしい。でもニューモードに入って、癒される楽曲のリリースが多いなと感じてるんですよ。彼の中でそういった心境の変化が大きかったのかなと思うんですけど、その目指している姿っていうのは癒しの先にあるんですかね?どういうステップを踏んでそこに到達するかわからないけど、長い目で見守っていきたい、素晴らしいアーティストですよね。続いて、阿佐ヶ谷ロマンティクス。
金子:新曲としては1年ぶりぐらいですかね。阿佐ヶ谷ロマンティクスもいいですよね。一聴した感じは良質なポップス、J-POPと言ってもいいような感じなんだけど、背景にロックステディやレゲエだったり、ソウル、R&Bの要素もあるから、グルーヴミュージックとしての側面も強く持っている。だからこそ、日本だけじゃなく海外でも聴かれていて、過去曲の「独り言」という曲がSpotifyだと370万再生突破みたいなこともあったり。単なるJ-POPじゃなくて、グルーヴミュージックが基盤にあった上で作られているポップスだからというところが大きいんだろうなって、今回の曲を聴いて、改めて思いました。
みさと:サウンドだけでもグルーヴだけでも楽しめる楽曲の完成度がありつつ、ボーカルの有坂朋恵さんの丁寧な語尾の余韻の残し方。あの歌唱力というのは長年培われてきたものだなと思う。
金子:去年が10周年で、1月19日に10周年ワンマンライブがあったんだ。
みさと:10年見守ってきた方もいらっしゃるだろうし、ここから初めて出会いましたという方が増える1年になると嬉しいです!そんなPart-2からどうしましょう?
金子:Nishikawa Yasunariさんの新曲を紹介しようと思います。これはもうすごかった。今回フィーチャリングでグラミー賞ノミネート経験もあるミュージシャンでプロデューサーでラッパーのKokayiが参加。彼のラップが印象的だというのがありつつ、Nishikawa Yasunariさんの楽曲は常に一筋縄では行かず、今回もヒップホップがベースにあるんだけど、リズムはポリリズムだったり変拍子になってると。メロディもアラビア音階を使いつつ、それをシタールで鳴らしている。
みさと:どうなってるの?(笑)
金子:リリックは社会の矛盾や欲圧を描いていて、ジャケットはアフリカの海岸で採れた資源を資本家が搾取している様子を浮世絵にしていると。非常にマルチカルチュラルだし、ある種批評的でもある、Nishikawa Yasunariさんの本領発揮な一曲だなと。
みさと:いつも今週のリリース分をまとめて聴いているんですけど、「あれ?Spotifyのグローバルチャート、間違ってかかっちゃったかな?」って思うくらいの圧倒的なグローバル感と完成度、そしてオリジナリティが詰まった曲で、こういった楽曲がFRIENDSHIP.からリリースされることにまず驚きと感謝の気持ちでいっぱいなんですけど、説明にあった通りに一筋縄ではいかない、誰が聴いても規格外、まさに浮世離れした曲っていう。この二人にしか作れない楽曲になっていますので、楽しんで聴いてください。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。まずははじめましてさん、ロイヤルギャル。
金子:こちらはシンガーソングライターのRöEさんと、謎のギタリストによるバンドプロジェクト。2024年12月から活動開始なので、つい最近ですね。RöEさんはメジャーデビューもしていて、すでに活躍されてる方。声もメロディーも印象的だし、「愛だなんだ振りかざして」という、このワードセンスも刺さるし、ギターもギターワークがかなり印象的で、カッティングにしてもパワフルなソロにしても自由自在で、なかなか強力なタッグだなと。女性ボーカルとギタリストのユニットみたいなのって、GLIM SPANKY以来誰かいたっけ?みたいな感じもあったりして、そういう存在になっていってくれたら面白いなと思わせてくれる二人ですね。
みさと:ロッキン系のフェスにもフィットしそうなパーティーチューンという感じがあって、一聴して盛り上がれる。ステージ掌握という点で圧倒的な二人がタッグを組んじゃいましたね。ロイヤルギャル、ユニット名も気になる(笑)。
金子:時代的にも今ギャルが来てますからね。
みさと:続いて、Special Favorite Music。
金子:我らがサトーカンナが加入、12月には「あけないひみつ」という曲が出ていて、それもよかったんですけど、今回また一転して違うタイプの曲調。資料にもあるんですけど、渋谷系的なポップナンバーになっていて、初のラップを取り入れた楽曲。さらにはビブラフォンとサックスも入っていて、かなり華やかなソウル感のあるアレンジ。まさに渋谷系を今に更新して鳴らしてる感じがして、今回もよかったですね。
みさと:跳ねるリズムにハマるワードセンスが毎度抜群だなと思っていて。耳に残るワードとリズムというところ、タイトルの「トーキョー・シュガー・ウィークエンド」の単語とカタカナにしてくれるところがやっぱり「だよね!」っていう、渋谷系ネオサウンド感が詰まっていて、それを懐かしと思う人も新しと思う人も嬉しい曲になってますよね。そんなPart-3からどうしましょう?
金子:Pablo Haikuの新曲を紹介しようと思います。
みさと:大事件よね、この曲。
金子:先々週の放送で2025年に期待するアーティストとしてPablo Haikuを挙げさせてもらって、その理由の一つとしてこの新曲が「JR SKISKI」のキャンペーンソングに使われていると。最近はわりと若手が起用されてたりもするんですけど、その中でも大抜擢ですよね。
で、彼らもいろんな手札を持ってるから、さてどんな曲でくるのかなと思ったら、今までになくポップでシンガロングできるようなタイプの曲を持ってきて、おぉーっていう感じ。かなりスルメ曲っていうか、聴けば聴くほど好きになって、気づけばついついこのサビを口ずさんじゃってる感じがあって、CMで流れてるとどんどん中毒性が高まっていくだろうなって感じがする。
あとは単純に英詞だから、これが流れ始めたら「洋楽のアーティストかと思ったけど、日本人なんだ」みたいな反応が絶対あると思う。4分くらいあるんですけど、最初の3分半くらいずっと歌いっぱなしで、そういう曲構成も日本のポップスの中ではあんまりないものだったり、すごくポップなんだけど、歌詞はめちゃめちゃざっくり言うと、「君は僕のものだって言いたいんだけど、うまく言えないんだよなあ」みたいな、ちょっとした切なさみたいなものも入っていて。そのバランス感もすごくよかったし、これはヒットしてほしいなと思いました。
みさと:ゲレンデで恋が始まる様子、昔はまさにトレンディドラマな、すごくドラマチックな感じの楽曲が多かったと思うんですけど、厚武さんが言った、言い切れない、さりげない恋の始まりというか、まだ形になっていないけれど、という、すごく令和の恋だなっていう感じがするんですよね。「JR SKISKI」の曲って恋愛の曲ばかりが起用されてきたと思うんですけど、今の時代にすごくフィットする、名前が付かないもどかしさ、さりげなく恋が始まっていく感じが楽曲の内容にもサウンドにもすごく落とし込まれていて、これがヒットするとすごく大きな影響力があると思うんですよね。届いてほしいですね!
番組の後半はShimon Hoshinoがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10