SENSA

2024.12.29

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!窪田ひかり・Miyamoto・polly・小田奈都美ほか全31作品 -2024.12.28-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!窪田ひかり・Miyamoto・polly・小田奈都美ほか全31作品 -2024.12.28-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:12月23日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全31作品の中からPart-1ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます!さてさて、はじめましてさんがいらっしゃいます。Mirror Moves

金子:彼らは東京拠点に活動するバンドで、プロフィールを調べたら2011年結成なので、キャリアは結構あるバンドですね。結成の翌年にはイギリスのモノクローム・セットっていう、ポストパンクのレジェンドみたいなバンドの来日公演のオープニングアクトもやっていて、評価されるところではすでに評価されているバンドだと思うんですけど、実際曲を聴くとその説得力がわかるというか。特にトレンドとかを意識しているわけじゃない、それこそポストパンクとかから影響を受けながら、自分たちがやりたいことをずっとやってきているんだろうなっていう印象もあったし、この後アルバムが予定されていて、そこにはシンセとかコンガとかサックスを使ったり、多彩なアレンジの曲も収録される予定ということなので、アルバムでどう全貌が明かされるのか気になりますね。



みさと:経験値と実績の裏付けがすごく音から感じられるバンドだなっていうのがあって。没入感高い音作りをするのが得意なんですかね? 私は今回初めて聴かせてもらったんですけど、初聴きの人も虜にできるような、世界観に一気に引き寄せられるような、そんな求心力のあるバンドなのかなと感じました。続いて、東京初期衝動です。

金子:リリースはひさしぶりになるんですけど、今年はいろいろ活躍をしていて、SXSWに出たり、FUJIROCKに出たり、あとしーなちゃんはグラビアをやってたり。

みさと: ねー、見た見た!もうSNS張り付いてた、あの時期(笑)。きれいだからね、しーなちゃん。

金子:そんな風に多方面で活躍をしてるわけですけど、今回がひさびさの新曲。年明けに『pink II』というEPが出るんですけど、今年の3月に『pink』というEPが出てて、そのジャケットも岡崎京子さん。

みさと:レジェンドですよ〜。

金子:そして、今回は曲タイトルにもなってしまった。「岡崎京子のあの娘になりたかった」。

みさと:素晴らしい。リスペクトを感じますよね。

金子:バンドサウンドに関しては、さっきも言ったようないろんなフェスにも出演して、より実力を身につけて、それがそのままストレートに鳴らされていて。岡崎京子の漫画の世界観にも影響をされているしーなちゃん独自の歌詞も含めて、THE・東京初期衝動な一曲と言っていいんじゃないでしょうか。



みさと:今回の曲の歌詞には〈プラダシャネルヴィトンにmiumiu あの娘よりも似合うといいな〉という一節があるんですけど、"プラダ"が歌詞に入るのはオザケン以来かな?と思いつつ、でもその世界観はやっぱり全く違うもので、彼女が描く"女"というものの解像度がすごく漫画的な世界観ともリンクするし、でもその漫画的な世界観がこの令和ともリンクするんだなって思うと、彼女が見えている世界っていうのは本当に切り取り方が素晴らしいなと改めて感じたところです。そんなPart-1からはどうしましょう?

金子窪田ひかりさんの新曲を紹介しようと思います。

みさと:もう大好物アルバムでございました。ソロ名義でははじめましてになりますね。

金子烏兎-uto-のメンバーとしてもご活躍されている鍵盤奏者の窪田ひかりさんがソロでのアルバムを発表と。烏兎-uto-でも今年はコンスタントに楽曲をリリースしていて、どれも良くて。つい最近だとTAIHEIプロデュースの曲も発表していたわけですけど、同じ鍵盤奏者という意味では、TAIHEIくんを招いても自分を出せる自信があるというかね。

みさと:SuchmosのTAIHEI。素晴らしかったですね。

金子:窪田さんが鍵盤奏者として実力があるからこそ、TAIHEIくんも参加したんだろうし。実際、洗足音楽学園音楽大学のジャズ科を主席で卒業しているという経歴もあって、ジャズを基調とした素晴らしいインストを奏でていて。しかも今回はギター、ベース、ドラムを迎えたバンド録音で、ドラムが石若駿くん。彼もね、言うまでもなく素晴らしいドラマーで。アルバムタイトルにもなっている「path」という曲に関しては、「ここまで歩んできた人生の旅路を振り返りながら、24年間で見てきた景色、感じたこと、迷いながら前に進もうとする力、そしてこの音が新たな道を照らし、これから先の未来へと繋がっていくように願いを音に込めた」と。烏兎-uto-の曲からもそういう願いみたいなものはすごく感じられて、この「path」はインストだったりするけれども、願いみたいな感覚は窪田さんのソロからも感じられるなと思いました。



みさと:「path」に関してセルフライナーノーツで「この3名と共に音を紡げたことは私にとって大きな喜びであり、かけがえのない経験となりました」と一文いただいているんですけど、石若くん、札幌出身なんですよね。そういった繋がりもあるのかなっていうところと、あとTaka Nawashiroさんのスリリングで緩急のあるギター、すごく魅力的。

金子:この曲は結構ギターがフィーチャーされてますよね。

みさと:でしたよね。彼はバークリー音楽大学に留学されて、さらにニュースクール大学に編入までしている、本当にトップジャズギタリストでもあって。Taka Nawashiroさんのリリースパーティーでは石若くんが叩いていたりもして、横の繋がりがあるのと、ベースの古木さんに関しては4Acesのメンバーでもあるので、やっぱり20代、30代の、ここからのジャズシーンを盛り上げていくメンバーの横の繋がりが見られる1曲でもあって。窪田ひかりさん名義ではあるものの、ジャズカルテットらしい、それぞれの見せ場のある楽曲になっていて、オーセンティックなジャズファンの方も唸らせるような1曲になっていたかと思います。アルバムに関しては、もっとひかりさんがフィーチャーされている楽曲も収録されていますので、ぜひ1枚通して聴いていただきたいと思います。

New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。こちらもはじめましてさんです、Remay

金子:Remayは1999年2月18日生まれ、島根県松江出身のシンガーソングライター。非常に上質でしたね。演奏も歌も素晴らしかったです。ペダル・スティールが印象的なカントリー風の曲調で、ドラムはカブトムシのメンバーが叩いているというFRIENDSHIP.的なつながりもあり。過去にはメジャーのレコード会社から作品を発表という経歴もあって、既に評価されているところではされている方で、間違いなく上質だったし、この後にアルバムが控えているそうなので、そちらも非常に楽しみです。



みさと:普段は内省的な方なのかな?と感じる世界観、もしくは厚武さんが言ってくださったように、紆余曲折あったからこその歌詞世界なのかなと想像もできる1曲だったんですけど、この曲を聴くと渦中からは抜け出して、過去のこととして捉えて次に向かっていこうとスタート地点に立っている曲なのかなとも思える1曲で。彼の持ち味でもある印象的な声がしっかり飛び込んでくるような、無駄を省いた、すごくシンプルな構成で、また自分自身と自分の声を信じるために必要な構成でもあるのかなと聴こえてきました。続いて、NOT WONK

金子:ベースが脱退して2人編成で再始動をして、前回はベースレスで、ギターボーカルとドラムだけでまず1曲リリースしたわけですけど。

みさと:潔いいですね。

金子:次はどう来るんだ?ベースを入れてハードコアな、ロックなのがガツンと来るのか?と思ったら、まさかのボサノバ。

みさと:なんでだよ〜!(笑)でもボサノバは最高すぎませんか?

金子:もともとオルタナ〜ハードコアからスタートしつつも音楽性をどんどん広げていったバンドではあるんだけど、こんなにしっかりボサノバっていうのは、ある意味では肩透かしを喰らわせつつ、でも逆にそれだけ何をやっても自分たちだっていう自信があるからこそのサウンドだと思いますね。こういうインディーのバンドでボサノバをストレートにやれるのはなかなかいないと思うし、加藤修平くんの声があるからこそ成立している部分もあるし。意外でしたけど、やられたなって感じしましたね。



みさと:そうなんですよね。次が想像できないという意味で、いつもいい意味で裏切られ続けるんですけど。何があってもそれを糧として、自由だからこそできる音っていうものの表現の仕方であったりとか、軸となるものは強くそこにあるからこそのアウトプットっていうものが見えてくる。リリースすればするほど好きになっていくんですけど(笑)。本当にいいバンドですね。そんなPart-2からどうしましょう。

金子Miyamotoの新曲を紹介します。

みさと:今回7分近くある大作でした。

金子:リリースは1年以上ぶり。ちなみに今日12月28日深夜には、サカナクションの江島さん主催の「NIGHT CLUB2」というイベントが今まさに行われておりまして。

みさと:裏番組(笑) 。

金子江沼郁弥くんとか、Khamai Leonのメンバーも出てたり、FRIENDSHIP.色強めなイベントだったりもするんですけど、そこにMiyamotoがバンドセットで出ているらしく。 実際今回の曲はご本人のコメントでも"バンドサウンドとエレクトロサウンドの融合に挑んでいる"と書いてあって、メインは結構バンドサウンドなんですよね。 かなりバンドサウンド強めなんだけど、その中に繊細なエレクトロサウンドが融合してて、しかも歌も印象的に響いていて、このバランスはあまり聴いたことがない。みさとさんも言ったように、7分近い曲なんだけど、その中でしっかり聴かせる構成も作っていて、さすがだなと感じる曲でした。

みさと:ワードのチョイスもいいですよね。"歩道橋の上"とか、"冷め切ったお茶"っていう言葉から想起させる主人公の内情が伝わってくる。あと3分半くらいで、"エンディングかな?"って一瞬思うじゃないですか?そしたら、"あと倍あった!"っていうような驚きもある。BPMが割と早いのに、その上でゆったりと歌い上げているのが、エレクトロニカと生バンドの対比するところの、どちらも同じくらいの塩梅で聴こえてきていて、ヒリヒリ焦燥感がいつも離れないような、時間は自分のコントロール外のことでずっと流れ続けているっていうそのBPMの上で、自分の気持ちはゆっくりと内省的にしんみりと伝わってくるような言葉が降ってくる。すごい塩梅なのに全部がまとまっていて、これを7分にするのは素晴らしい、実力が見せる技ですね。

金子:「スロー・フロー」っていうタイトルもこのアレンジにすごく合ってますよね。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます!こちらにもはじめましてさんです、モーニングコールズ

金子:モーニングコールズは田中セージと木村サスケの2人組。プロフィールに"2022年冬放映開始"って書いてあって、あえてこうしてるんですかね?

みさと:そうでしょうね。世界観そんな感じしますよね。



金子:テレビ番組のような世界観。実際に曲を聴くと、古き良きポップスを今に更新するという意味で、never young beachだったり、グソクムズだったり、ちょっと遡ればサニーデイ・サービスとか、そういうバンドの系譜につながるような雰囲気があって。実際コメントを読んでも、「高田渡さんの『自転車に乗って(ファンキーバージョン)』を聴きながら、いなたくポップにメンバーと試行錯誤しながらアレンジを仕上げた」っていうのもわかるなあって感じだし、「今回のリリースで音楽マニアたちをにやつかせ、高校生を走らせ、おじさんたちを懐かしがらせられたら嬉しい」っていうのも...。

みさと:最高。

金子:ここからもキャラクターが伝わりますよね。

みさと:伝わってくる。映写機が回っているような時代に感覚がある方は飛びつきたくなるような、そんな2人組。お名前もいいですよね。セージとサスケってね。セルフライナーノーツをいただいていまして、「この曲は学校に僕の好きな先生もおらず、上手に学校をサボることもできず、音楽仲間もバイトも恋人も何もない、高校2年生の頃に歌詞を書いた。駆け落ちについての曲です」と。サビの〈大船教習所 図書館の本は借りたまま〉という言葉だけとっても、この時期何に対しても熱くなれなかった様子が伝わってきますよね。まだ現役大学生だからこその説得力を感じるとともに、昔懐かしいあの時代を生きた人、それを愛している人たちにも刺さるような楽曲、そして世界観を作り上げられる2人組ユニットです。続いて、Ray Kondoがアルバムリリース。

金子:この方は既にキャリアのある方で、大橋トリオさんのツアーに参加したり、ベーシストとしても活躍しつつ、ソングライターとして楽曲提供だったり、言葉の面でも色んな作品を作っていたりと、本当に幅広い方で。今回のアルバムもワールドミュージック、フォーク、ポストパンク、プログレなど、色んな音楽性が交差していて、しかも日本語の独自の表現も入っているという作品。「うみのまち」はタイトルトラックと言っていいと思うんですけど、たぶんガットギター1本とベース2本だけかな、あと歌という。すごくシンプルというか、音数の少ない構成だけど、奥行きがあるというか、すごく聴かせる曲になっていて。プロフィールの中に、"和的な空閑表現"って言葉があって、空間の"間"が、"閑散とする"とかの"閑"なんですけど、この"和的な空閑表現"って言葉がすごく似合うんですよね。音の隙間がある、その侘び寂び、和的な感じというのが、色んなジャンルが混ざりながらもすごく日本的な表現になっていて、Ray Kondoさんの音楽性を形作っているなと感じました。



みさと: そう思うと、海って彼にとても似合いますね。さっき厚武さんが言った、シンプルなのに聴かせる、その深みって、イコール海だなっていう感覚も見えてくるなと思っていて。「うみのまち」に関しては"配信販売収益の5割を能登半島地震の災害義援金として寄付する"という一文をいただいているんですね。一部を義援金として寄付する楽曲やイベントってあるんですけど、5割はすごく高い。なかなかここまで還元しようという方はいらっしゃらないと思う。東日本大震災以来、"海は脅威なもの"っていう意識が高まったとは思うんですね。それも事実だけど、懐の深い海の存在に癒されたり、そこの街で生きている方は、脅威なものだけではないっていう感覚をやっぱり手放したくない。希望の意味も込めて、この気持ちは忘れてはいけないものだと思うので、それがすごく伝わってくるいい曲だなという。Ray Kondoさんならではの海に対してのラブソングといいますか、伝わってくるいい曲でしたね。そんなPart-3からどうしましょう?

金子pollyの新曲をかけようと思います。



みさと:ちょっと、大事件ですよ。

金子:pollyは来年2月での解散を発表しました。

みさと:番組にも出ていただきましたね。

金子:今年ゲストに来てくれて、そのときにも喋ったけど、新しい体制になって、中国とかにも行くようになって、また新たな展開が見えてきたんじゃないかと感じてはいたんですけどね。もちろん本人たちの中ではいろんな思いがあって、最終的にこの決断をしたと思うので、来年2月のラストライブまでしっかり見守っていきたいなというところで、ラストライブに向けて8週連続で過去曲の再録シングルをリリースしていく、その第1弾が今回の「生活」と。これはファーストアルバムの1曲目。このシリーズの1曲目を飾るにふさわしいナンバーだなと思います。

みさと:自他ともに認める代表曲だと思いますし、〈生きるとは喪失です〉っていう、越雲くんの中である種のテーマみたいな、越雲くんの音楽生活にとってもすごく指針となる1曲だったと思います。「この曲を再構築して良いものかと悩んでいましたが、今のpollyなら、原曲よりも美しくすることができると思い、録音しました」という一言をいただいているんですよね。曲っていうのはリリースした瞬間に手元から離れるものっていうぐらいに、またみなさんのものでもあるし、人格じゃないですけど、自分とはまた離れたものっていう感覚を持っている、そんな存在なんだなって見えたことが嬉しかったし、すごくpollyらしいなと思っていて。原曲はもちろんだし、今までの過去があったからこその新しい曲なんだっていう位置づけとしては、リレコーディングシリーズがここから8曲続いていくことを見守っていきたいなと思っています。

New Release Digest Part 4


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-4でした。リリースおめでとうございます。さあこちらにもはじめましてさんです、wash?



金子:番組が始まって以来、初めてPart-4が展開されるわけですが(笑)。wash?ははじめましてなんですけど、結成は2002年なので、もう20年以上のキャリアがある、ライブハウスシーンではよく名の知られたバンドかなと思います。2002年結成なので、2022年が結成20周年だったんですけど、コロナの影響が続いてるときだったということもあって、ちょっと後ろ倒しして、今も結成20周年イヤーみたいな感じでいろいろ展開をしています。来年1月にその締めくくりとして渋谷クラブクアトロでライブが予定されているという中での新曲と。ファズギターがガンガン鳴っていて、さらには1曲の中でテンポチェンジがどんどん繰り返されいて、ご本人のコメントでも「怒りの曲、怒りすぎて訳わかんなくなっている曲」と(笑)。この番組ではおなじみになってきたエンジニア、hmc studioの池田さんが録音を担当していて、「池田さんともやりたい放題で大好きな曲になりました」というコメントもあります。



みさと:ディレイやエフェクトの使い方が天井突き破って大気圏に突入みたいな、空間を歪ませる能力を持ったバンドだなと感じました。ですので、2025年1月23日の渋谷クラブクワトロでのライブは天井がどっか行っちゃうような(笑)、そんなライブになるかと思います。ぜひライブに足をお運びください。続いて、Jan fluLooisbosがコラボシングルを出しています。

金子:それぞれの曲にフィーチャリングでお互いのバンドが入っているという形でのリリースで、どっちもひさしぶりのリリース。Jan flu は1年ぶりで、Looisbosは2年ぶりのリリースですね。お互いのらしさがよく表れていて、Jan fluの曲は2000年代、もしくは2010年代初頭ぐらいのサーフロック、THE DRUMSとかの感じ。Looisbosは1990年代、PAVEMENTとかの影響が感じられるローファイな感じ。どっちも好きですけど、個人的にはLooisbosの90年代感が好みなので、やっぱりいいバンドだなと思いました。



みさと:Looisbosの90年代感っていうのは、ちょっと"ひねくれた"みたいなワードが似合うような空気感をまとっていて、いいニュアンスですよね。Jan fluの感じは、2024年私たちレビューをしながら"微熱"っていうキーワードを結構使った年だったかなと思うんですけど、微熱感というか、そんな体温を感じる1曲で、どちらも素晴らしい着地でしたよね。そんなPart-4からどうしましょうか?

金子小田奈都美さんの新曲を紹介しようと思います 。

みさと:EPリリースです。おめでとうございます!

金子:1年の最後にかける曲は福岡のアーティストがいいかなというところで、小田奈都美さんのEPを紹介させてもらおうかなと思います。これまでも何曲か紹介してきて、アンビエントっぽい内省的な雰囲気の曲とかもあったんですけど、今回の「チョコミント」はアップテンポな、踊れるようなロックンロール、モータウン的なサウンドになっていて。こういうのもできるんだなという感じがありつつ、でも歌詞を聴くと〈悲しいからこそ歌を歌っている 下手くそなダンスを踊ろう 踊り狂おうぜ〉というリリックがあって、やはり内省的な部分から曲は生まれていて、でもそれをいい意味で反転させてダンサブルなサウンドにしている。そういう曲ごとの幅が楽しめるEPなんじゃないかなと思います 。

みさと:声に癖がなくて、聴き馴染みがいいっていうのは彼女にとっては武器だと思うんですよね。その分、メロも音も言葉もすごくよく届くと思うので。今回作品を聴かせてもらって、プロとしては当たり前かもしれないけど、語尾まで丁寧とか、地声からファルセットへの移行に無理がないとか、当たり前のことをしっかりできるのはプロとして必要なことだと思うので、その丁寧さが1枚に表れているなと思います。こういったまとまった作品を出すのはゴールでありスタートだと思いますので、さらに彼女のオリジナリティが輝くような2025年になるといいなと思います。福岡ですので、応援していきましょう!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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