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2024.12.22
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!JunIzawa・あんにゅ・Special Favorite Musicほか全23作品 -2024.12.21-
New Release Digest Part 1
みさと:12月16日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全23作品の中から、まずはPart-1ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。AKUTAGAWA FANCLUBがEPリリースです。
金子:コンスタントにリリースが続いていましたけど、ボーカルもサウンドも強烈な、まさにキャッチコピー通りの"Brutal Solid Noise Rockin"な6曲が詰め込まれた作品になっています。毎回まずはロックなボーカルに注目しちゃいがちですけど、今回の曲を聴くとアンサンブル自体も面白くて、かなり変拍子なんですよね。7と8が融合して、それが強烈なビートと共に駆動していく、ポストハードコアな1曲になっていて、かっこいいなと思いました。あとXを覗いてみたら、ボーカルの伊藤さんが「thirsty blues」を出したときに、"MO'SOME TONEBENDERとかAge Factoryとか好きな人にささりそう、しかも俺のバンド"ってポストしてて、怖い人じゃなくて、お茶目な人なんだなと、少し人柄も覗けた気がしました(笑)。
みさと:AKUTAGAWA FANCLUBというバンド名を付けている時点で、だいぶ突き抜けた人たちなのかなという勝手な妄想を抱いていましたけど、XとかSNSの発信で人柄が見えると安心するところはありますよね。続きまして、pandagolffがアルバムリリースです。
金子:AKUTAGAWA FANCLUBとはまた違うけど、こちらも衝動的な音を鳴らす2人組。今回のアルバムではそういうフィジカルなバンドサウンドと、その一方で肉体的なカタルシスを捨象した、シーケンスサウンドをベースとした楽曲の半々で構成していると。今回のリード曲、「Shadow people, last my friend」に関しては、言ってみたら後者の、肉体的なカタルシスを捨象したタイプの曲で。シンプルな反復で、あまり体温がない感じなんだけど、でもそれを演奏することによって、繰り返しの中から肉体性が感じられるし、なおかつそこにポップなボーカルが乗っているという。アルバムにはこういうタイプの曲と、よりフィジカルな曲とが詰まっているので、その対比も楽しんでもらえたらと思います。
みさと:対比の中にも毎度感じるのは、口が気持ちいい、耳が気持ちいい、脳が気持ちいいみたいな、すごく感覚を喜ばせてくれる楽曲作りが得意なアーティストだなと感じているんですけど、その中での楽曲ごとの振れ幅が感じられる1枚になっているかと思います。聴き応え抜群です。さあ、そんなPart-1からどうしましょう?
金子:JunIzawaさんの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回はサカナクションの草刈愛美さんとご一緒に演っている楽曲です。ベーシスト同士の奇跡のコラボ。
金子:井澤さんの初めてのシングル、「Last」にも愛美さんが参加していて、今回2度目の共演で。「Last」は2022年のリリースで、もしかしたらそのときも同じことを言ってるかもしれないですけど、ベースじゃなくてボーカルで参加してるんですよね。
みさと:そうですよね、そうそう。
金子:ベースも聴きたいなと思っちゃう。
みさと:同じことを言ってる気がする(笑)。
金子:まあ2022年と比べると、井澤さんのトラックメイクの力量がメキメキと上がっているのが感じられて。今年も本当に色んなコラボレーションをしながらずっとリリースを続けて、我らがFRIENDSHIP.のキュレーターでもあり、やっぱりすごいなと1年通して感じました。これが今年の最後のリリースだとは思うけど......。
みさと:たぶんね(笑)。
金子:そういう意味では今年一年の集大成というか。バイレファンキをモチーフに、インスピレーションを受けて制作しているそうで、もちろんベースがかっこいいというのもあるし、さらにここに愛美さんのボーカルが乗ることによって、これまでにない世界観を作っていて、すごいなという曲でした。
みさと:ドープでソリッドで緊迫感のある攻めたトラックの合間に、一筋の光が降りてくるようなピアノの音と愛美さんの声というのが、洞窟の中で隙間から光が漏れてくるみたいな映像が浮かぶ感じがするんですよね。閉塞的な空間なんだけど、その中で常に動き続けているような、無機質と有機質の融合みたいなところも、これもまあ"すごいな"って一言になっちゃいますよね。いやー、かなり深い曲をまた作ってくださいました。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。Hibiki Ichiharaさん、EPリリースです。
金子:多分前にも言ったことがある気がするんですけど、もともとトラックメーカーとしてフューチャーベースを中心にダンスミュージックを作っていたところから、近年はシンガーソングライター的な側面もすごく出てきていて。今回のEPに関しても、2021年から2023年にかけて制作した楽曲を集めて、都会で過ごしたモラトリアムの集大成とも言えるEPになっているということで、彼の心情がトラックにも歌にもすごく表れています。特に「まだ遅くない」はEPの最後の曲で、ビートもなくて、ほとんどシンガーソングライターの曲みたいになっていて、こういう曲でEPを締めくくるというのは、トラックメーカーでありながらシンガーソングライターであるHibiki Ichiharaさんをよく表しているのではないかなと思いました。
みさと:「まだ遅くない」という言葉って、一度は"もう遅いかも"ってよぎったり、立ち止まりそうになったからこそ生まれてくる言葉だと思うんですね。そういう心の機微を伝えられる日本語って素敵だなと改めて感じさせてもらうのと同時に、先ほど厚武さんが仰ったように、トラックで伝えられることと言葉で伝えられることの棲み分けというのが彼らしい着眼点で1枚の作品になっているんじゃないかなと思います。続いて、水中スピカ。
金子:水中スピカは今年からFRIENDSHIP.でリリースを始めてくれていて、タイだったり中国だったり台湾だったり、精力的に海外でも活動してきたんですけど、12月15日のライブでドラマーの人がそのライブを最後に脱退したタイミングだったりして。ちなみにその日はEASTOKLABのレコ発だったりしたんですけど。
みさと:そんなところでもFRIENDSHIP.のつながりが。
金子:来年、これまでのメンバーで作った最後のアルバムが控えていて、今回の曲はそこからの先行シングル。水中スピカというバンドの「Spica」という曲なわけで、これはまさにこの4人をそのまま表している曲。だからこそ7分半という長い構成の中でじっくり4人の音を詰め込んだ、そういうことが伝わってくるような曲でした。
みさと:"現在の水中スピカとしての気持ちも反映させた歌詞となっています。音楽の深さにのめり込みたい、そんな気分の時に聴いてもらいたい曲です"と、お言葉をいただいているんですけど、まさにこの4人だからこその言葉と音が詰まった7分34秒なんだなと感じると、現実世界とは違う世界軸をすごく新鮮な音と表現をしながら曲にされたなと感じていました。さあ、そんなPart-2からどうしましょう?
金子:あんにゅさんの新曲を紹介しようと思います。
みさと:あんにゅさん、初登場。
金子:FRIENDSHIP.からは初めてのリリースです。もともと18歳でシンガーソングライターとして音楽活動を開始して、その後2015年にコアラモードのボーカルギターとしてメジャーデビューを果たしていると。アニメの主題歌とかもやっていたり、幅広く活動して、ラジオDJもやっていたりという方が、ソロとして楽曲をリリース。そこにサウンドプロデュースで参加しているのが、こちらもFRIENDSHIP.からリリースがある高木大丈夫さん。
みさと:ナイスタッグでしたね。すごく良かった。
金子:オーガニックなガットギターと、シタールっぽい音が入っていて、サウンドの個性は高木大丈夫さんなりの面白さだなと思ったし、曲のテーマとしては子供に対するメッセージがこもっている曲でもあるので、子供に語りかけるような、温かさや柔らかさがあるようなボーカルで、それが高木さんのサウンドメイクとマッチしていて、とてもいい曲でした。
みさと:鉄琴も使っているのかな?おもちゃ箱ソング的な音使いというのもとてもかわいいんですけど、ガットギターが後ろで鳴っていることで、大人のための童謡ソングにも聴けるような、洗練されたかわいらしさが詰まっていたのは、高木大丈夫さんの魅せ所なのかなと思いながら、ニヤニヤして聴かせてもらいましたけど、最初タイトル的にこの時期だとサンタさんかなって思ったんですよ。ホッホッホで(笑)。
金子:そういうことね(笑)。
みさと:そっちかなと思ったんだけど、少し違ったみたいではあるが、曲のテーマ性としてはそういったファンタジーで子供の成長を見守るみたいなところもあるので、もしかしたら季節的にはクリスマスソングとして聴いても、意外とフィットしました。
金子:いいかもしれないですね。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。こちらにもはじめましてさんです、畑谷一颯(はたやいっさ)。
金子:畑谷一颯ってかっこいい名前ですよね。
みさと:かっこいいですね。最初は読めなかった。北海道札幌出身の方です。
金子:今週はNo.18のリリースもあったし、FRIENDSHIP.は意外と札幌出身の方が多くて、ほうほうと思いながら聴き始めてみたら、少し聴き覚えがあると思い、志摩陽立さんを連想する感じがあって、志摩さんも札幌出身だよなと思って解説を読んでみたら、やっぱり"友人のシンガーソングライター志摩陽立くんが全面的に協力してくれて、やっと仕上げることができた楽曲"とあって。
みさと:なるほど、納得!
金子:畑谷さんはピアニストで、志摩陽立さんのライブでサポートもしているという関係性らしいんですけど、今回の曲はピアニストらしい転調の嵐、そして変拍子の嵐。ポップスなんだけど、かなりプログレッシブで。志摩さんの曲にもその要素はあるんだけど、より強まっていて、でもこれをポップスとして聴かせるのはすごいなと思って、いい曲でしたね。
みさと:実力がなければこの完成度はないなという、まさにピアニストらしい美しい旋律に伸びやかな歌声で、彼の声としては少年味の残った歌声だなという印象もあったんですけど、そこにその変拍子の嵐。とにかく特徴のある譜割りだったり、メロラインも含めてミュージカル的だなという印象がある、彼のバックグラウンドを感じる素晴らしい曲だったと思います。続いて、アイラヴミーがEPリリースです。
金子:今回はボーカルのさとうみほのさんが育った町、神奈川県相模原市にちなんだ楽曲を制作し、集めたミニアルバム『SAGAMIHARA』ということで、"相模原で心が動いた瞬間、日常だけを切り取ってパッケージしました"とあります。「はじめてのポロポロ」は、"夢を追いかけ続けるためのヒリヒリとした応援歌として作っている"ということで、こういうテーマ設定はアイラヴミーらしいですよね。なので、もちろんこのメッセージも、しっかり聴いてほしいんですけど、個人的にアイラヴミーはサウンドメイクに洋楽をリファレンスにしているところが毎回気になるところで、この曲のリファレンスにはハリー・スタイルズとかを挙げていて。少し80年代感がありつつ、それを今に更新して鳴らしている感じは確かになという気もして、そこにも注目して聴いてほしいなと思います。
みさと:夢を追いかけている方や地元が大好きな方にはきっと共感度の高い楽曲だと思いますし、楽曲を聴き込んでいただいて、それぞれこの曲をどう受け止めるかというのを味わっていただきたいんですけど、個人的に"さがみん"が気になりますね(笑)。相模原のマスコットキャラクター、さがみんとコラボしたジャケットということで、こうやって地元を大切に夢に向かっている方からすると、市のマスコットとのコラボなんて夢が叶った瞬間でもあると思うので、ぜひそのコラボも見届けてください。そんな中、Part-3からはどうしましょう?
金子:Special Favorite Musicの新曲を紹介しようと思います。
みさと:なんと今作は我らがサトーカンナ氏がSpecial Favorite Musicに正式加入ということで、記念すべき1曲でございます。わー!カンナちゃん!
金子:みさとさんがお休みをしていたときに、代役でDJを務めてくださいまして。
みさと:結構長い間やっていただいたので、本当にお世話になりましたという気持ちと、あとはずっとリリースも続けていらっしゃったので、アーティストという側面ではいつも驚きと感動をありがとうという存在ですよね。
金子:Special Favorite Musicには以前からコーラスで参加していたという関係性もあっての、今回正式加入と。バンドとしては10年目だったりするので、10年目のまた新たな変化・進化という感じですけど、めっちゃいい曲でしたね。久米さんとカンナさん、2人のボーカルも素晴らしいし、アレンジはさすが久米さんという感じで、マリンバとかバイオリンとかサックスが入っていて、アンサンブルがとても美しく、しかもしっかり歌を引き立てていて。マリンバが入っていたり、バイオリンの旋律が少しオリエンタルな感じだったりするので、細野さんっぽい感じも匂わせつつ、でもSpecial Favorite Musicらしいポップソングに仕上がっていて、これはめちゃめちゃいい曲でしたね。
みさと:大人の遊び心あるオーケストラサウンドに、かわいらしい男女混声ボーカルというのが、"そうそう、Special Favorite Musicのこういうのが好きなの!"みたいな。古参ファンから新しいファンまで大満足の仕上がりだったと思います。しかもその声がサトーカンナというのが、私たち的には嬉しいところですよね。
番組の後半はmiidaがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10