- TOPICS
- FEATURE
2024.11.03
FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!omeme tenten・miida・Gateballersほか全28作品 -2024.11.2-
New Release Digest Part 1
みさと:10月26日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全28作品の中からPart-1ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。28作品、最多に迫っている数なんですけれども。
金子:多いですね。
みさと:常連のリスナーさんはお気付きの通り、今週も私たちの会話は少し早口かもしれません。よろしくお願いします。早速行きましょう。wala.collectiveがアルバムリリース、おめでとうございます。
金子:結成から1年で15曲入りのアルバムが完成ということで。
みさと:すごいスピード感ですよね。
金子:wala.collectiveはプロデューサーの集まりなので、曲を作れる人がたくさんいるし、コンセプトとして他の人が「これボツかな」ってなった曲やトラックでも、他のプロデューサーが「じゃあ、これを活かして作ろう」みたいなこともできるから、曲作りのペースは基本的に早いと思うんですよね。現在はマレーシアにいるメンバーもいて、今回のリード曲にもマレーシアのシンガーソングライターのリリットがゲストボーカルで参加していたり、グローバルな広がりがあるのもいいし、あと印象的なのはやっぱりこの温かみですよね。wala.collectiveのwalaには平和の和だったり、裸、ありのままみたいな意味、笑う、みたいな意味、色んな意味が入っていて。その温かみを感じさせるところも彼ららしさだなと改めて思いました。
みさと:そうなんですよね。とにかくめちゃめちゃかっこいいトラックを作れる集団なのに、ずっと仲間のことであったり、人間の心的なところを歌っていて。こんなチームがあると嫉妬するミュージシャンもいるんじゃないかなって思うくらい。
金子:入りたいと思う人もいるかもしれないですよね。
みさと:本当ですよね。wala.collective、これからも要チェックだと思います。続いて、KBSNKとISLTR、コラボレーションです。
金子:こちらはFRIENDSHIP.からは初めてのリリースということなんですけど、プロデューサー同士のコラボレーションで、KBSNKの方はプロデューサーとしても活躍しつつ、2022年に宅録ソロ・バンドプロジェクトも始動していて、ポーター・ロビンソンのプレイリストに選出されたりしているということで。ポーター・ロビンソンはもともとEDMとかハイパーポップのところから出てきつつ、日本の音楽が大好きで。
みさと:アニメとか好きですよね。
金子:特にGalileo Galileiが大好きで、今年出した新しいアルバムは結構バンドサウンドっぽくなっているんですけど、今回のこのコラボ曲を聴いてもそこと通じる感じがあるというか。エレクトロニックなビートはポーター・ロビンソン的な感じなんだけど、でも歌はGalileo Galileiとかそういう日本のポップな感じもしっかりあって。コラボだからこそこういう混ざり具合いになっているのかなと思ったり、すごくいい曲でした。
みさと:そういう意味でも少しだけ懐かしい質感というか、爽やかなボーカルと軽快なトラックに、機械的なインターネットミュージックに少し懐かしさがのっかる感じというのが、まさにポーター・ロビンソンとも通じるところなのかなという感じがしますよね。そんなPart-1からどうしましょう?
金子:omeme tentenの新曲を紹介しようと思います。
みさと:EPリリースです。
金子:omeme tentenは今年4月にファーストミニアルバムを出していて、今回また新作ということで、かなりいいペースで活動していて、ライブハウスの規模感もどんどん広げつつある感じがするんですけど、今回の作品からもその勢いをすごく感じました。トータリティが高いレベルにあるというか、灯さんの真っ直ぐで伸びやかな歌声というのもあるし、バンドサウンドもクオリティが高いし、歌詞も毎回耳に残るフレーズがあって。今回で言うと、〈今夜会えたりしないかい 無駄に穏やかさ 一緒にいたいよ〉っていう、耳に残るフレーズを作るのがすごく上手いなというのも改めて感じました。
みさと:言葉を届ける、フレッシュなのに強いボーカル力というかね。
金子:やっぱり灯さんのボーカル、スペシャルですよね。
みさと:それを引き立てる、相乗効果を高めていくようなサウンド感も相まって、素晴らしいEPに仕上がっています。
New Release Digest Part 2
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。Shimon Hoshinoさん、さらにご自身の忙しさに拍車がかかっております。恐ろしいですね。詳しくはPodcast(FRIENDSHIP.RADIO After Talk)でお話させていただこうと思います。minakoさんが今回アルバムです。
金子:同じくFRIENDSHIP.からリリースしているSuUのボーカルとしても活躍している方ですけど、前までSuUに参加はしていてもメンバーではなかったらしいんですけど、7月に正式メンバーになったそうで、SuUの方でも活動しつつ、ソロの方も活発化させていて、今回アルバムができたと。Part-1のomeme tentenの灯さんもいいボーカルですけど、minakoさんも声の力めちゃめちゃある人だなと。
みさと:そうですね、私も大好き。
金子:今回リード曲が「発狂」というタイトルだったり、少しエグみのある感じなんだけど、でもバンドサウンドは軽快だったりして、そこにいい意味でのギャップがあったり、色々魅力的な部分があるなと思いました。
みさと:序盤はまだ"発狂"していない、抑えた歌唱法なんですけど、後半に向かって歌い上げるもどかしさとか、生きづらさみたいなものを感じるこの表現力、一気にファンになっちゃいますね。その声の力の余韻を盛り上げるようなエンディングのサウンドスケールな感じもすごく素敵です。そして、YAJICO GIRLもリリース。
金子:YAJICO GIRLは最近ダンスミュージックモードが続いていて、その集大成になるであろうアルバムが11月20日にリリースされることも決まっていますが、そんな中での新曲です。これまではダンスミュージックと言いつつ、ちゃんとサビはあって、ポップソングになっていたんですけど、今回の曲に関してはサビとかそういう構成は関係なく、完全にダンスに特化していて、2分くらいでパッと終わる曲になっていて。これは間違いなくライブだともっと伸びて、ソロとかが入ってきたりみたいな、絶対盛り上がるやつですね。
みさと:今、TikTokで8カウントチャレンジ流行っているじゃないですか。あの1,2,3,4感もあって、今だからこそ楽しめる楽曲という側面もありそうだなと思いながら聴いていました。さあ、そんなPart-2からどうしましょう?
金子:miidaの新曲を紹介しようと思います。
みさと:今回Nelkoさんとのコラボ、めちゃくちゃいいですね。
金子:NelkoもFRIENDSHIP.からリリースしているバンドですけど、NelkoのボーカルのSayaさんとミズキさんは昔からのお知り合いらしく、同い年で、もともと一緒のライブハウスに出ていたり、みたいな仲らしく。
みさと:戦友だ。
金子:そんな2人がついにコラボレーションという感じで。曲も本当に良くて、Nelkoらしいヒップホップビートではあるんだけど、Nelkoだともう少しチルな感じに着地するであろうところを、ミズキさんとの組み合わせだと歪んだギターが入ってくる。それはこのコラボレーションならではで、こういうヒップホップビートに歪んだギターとなると90年代感を感じて、資料にも出ていたりするんだけど、僕も少しBeckっぽいなと思いながら聴いていたら、歌詞の中で〈ルーザー〉と言っていて、これは確信犯だなと。いい曲でした。
みさと:コメントをいただいていまして、"自分たちの曲ではまず無いくらい深く歪んだリフで始まるこの曲のデモを聴かせてもらったとき、やっぱりミズキさんは俺たちのギターヒーローだ!って感じがして痺れました"と。
金子:Laundryくんのコメントですね。
みさと:その歪みが日々の心に積もっていくトゲのようなものに聴こえてくるんですけど、Nelkoの声がのるとそれを包んでくれる温かみがあって、すごくハッピーな気持ちになるいい曲でしたね。
New Release Digest Part 3
みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。まずはじめましてさん、奏人心(そうとしん)。
金子:"奏でる人の心"と書いて奏人心。彼らは19歳の3人組で、福岡出身のバンドですね。
みさと:ジャケットに"from福岡シティ"って手書きで書いちゃっているくらいには福岡を背負っているバンドです。
金子:福岡発というところをかなり表明しているみたいで、過去には俳優・ミュージシャンの石橋凌さんが審査委員長を務める福岡県高校軽音新人コンテストでグランプリに輝いていたりということもあるらしく、あと個人的にいいなと思ったのが、プロデュース・エンジニアをPANICSMILEというバンドのギターの中西さんがやっていて。PANICSMILEは向井秀徳さんの盟友みたいなバンドで、NUMBER GIRLを解散した後に少しPANICSMILEと一緒に活動をして、その後にZAZEN BOYSをやっていたりみたいな、福岡を代表するオルタナバンドのメンバーで。そういう人がちゃんと彼らを支えて、バックアップしているというのも、福岡という土地をちゃんと代表している感じがして。まさに原石という感じですけど、これからが楽しみです。
みさと:系譜を継いでいる感じもしますし、応援したいですね。続いて、Umisayaがアルバムリリースです。
金子:彼らは最近盛り上がっているオルタナ・エモのシーンを代表するバンドの1つとして頭角を現してきて、それが今回のアルバムという形に結実した感じがします。曲もボーカルも伸びやかだし、アレンジもかっこいいし、というのがありつつ、 個人的に気になったのが、11月4日に東京でレコ発をやるみたいなんですけど、たくさんバンドが出ていて、ちょっとしたフェスっぽい感じでやるらしくて。
みさと:ですね、下北だ。
金子:その日に出るのが、Laget's Jam Stack、PLATFORM、Tattletale、SigarDown。FRIENDSHIP.絡みのバンドがたくさん出ていて、FRIENDSHIP.で知ってくれて呼んでいるのか、それとも既にシーン的なものができていて、結果的にこうなったのか、そこはわからないですけど、ライブハウスのシーンとFRIENDSHIP.がちゃんと紐付いているんだなというのを1つ証明するようなラインナップになっていて、 "おおっ!"って思いました。
みさと:最近とあるミュージシャンと話していたんですけど、"次の配信、FRIENDSHIP.にしようかなって思ってるんだよね"なんて話をしてくれて、何かやるんだったらここかなって、過去にリリース経験がある人も思ってくれているという話を耳にしているので、それも含めてやっぱり同じベクトルを向いている人たちがこうやって集まってくれているのかなと思いたいところですよね。嬉しい限りです。Umisayaは"海を奏でるロックバンド"ということで、タイトルにも海から来たキーワードをつけている楽曲がたくさん収録されていますので、ぜひアルバム通して聴いてみてください。そんなPart-3からどうしましょう?
金子:Gateballersの新曲を紹介しようと思います。
みさと:はい、EPとなります。
金子:今回『Virtual Homecoming』というタイトルで、濱野夏椰くんのコメントが面白くて。"KISSのポール・スタンレーが人生最後のライブを終えて、「これからはアバターが代わりにライブをする」と言った。もしかしたらもう一生死なない人間が隣にいるのかもしれない。肉体を放棄した意識が彷徨う宇宙で魂が帰る場所を無くした時、このEPで約束した待ち合わせをする"という。
みさと:すごい。
金子:この少しSFチックな感じのコメントがすごくいいなと思って。
みさと:帰ってくるのにバーチャルなんだというね。『Virtual Homecoming』、素晴らしいタイトルですね。
金子:そう思って「Universe」の歌詞を読むと、〈世界中が君を否定したとしても そのひとみ、輝きは消えることがない〉というこのラインがよりグッときたりもする。あと「Universe」という曲のタイトルで、イントロとかを聴いた感じ、多分「Across the Universe」を少しオマージュしているんですよね。もともとビートルズ絶対好きだろうなという感じはあったし。そう思ってさっきの〈世界中が君を否定したとしても そのひとみ、輝きは消えることがない〉をもう1回聴くと、"ジョンとヨーコのことを言っているのかな?"みたいな、そんな風にも聴こえたり、色んな響き方がするなって。まあ、この曲は単純にめっちゃいい曲でした。
みさと:バーチャルな世界なのにリアリティがあるという、厚武さんが"もしかしてヨーコとジョンの話なのかな"と思えるような、そういった現実味のある歌唱を届けてくれるというのが濱野夏椰さんの魅力の一つでもあるし、言葉の中でノンフィクションとフィクションが入り混じっているような、自分の世界をまた広げてくれるような楽曲作りというのがGateballersの強みですよね。すごくいい作品でした。
番組の後半はShe Her Her Hersがゲストで登場!
RADIO INFORMATION
FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」
FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)
NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武の2人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。
番組MC
金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10