SENSA

2024.09.01

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!アンニュイ・ホリデイ・First Love is Never Returned・ペペッターズほか全27作品 -2024.8.31-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!アンニュイ・ホリデイ・First Love is Never Returned・ペペッターズほか全27作品 -2024.8.31-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:8月26日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、めっちゃ多いです。Part-1ダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。さてさてWOZNIAKが精力的に活動しております。

金子:星くんはダルジャブ(DALLJUB STEP CLUB)でリアレンジアルバムを出していたり、SYCLESとしても活動したりというのがありつつ、WOZNIAKとしては約半年ぶりの新作。本人のコメントで"この曲からWOZNIAKの新しいフェーズが始まります。一切の手順を省略せず、200%の新曲を放ったつもりです" とあって、ここからネクストシーズンが始まるということなんですけど、ダルジャブやSYCLESをやっていることによって、「じゃあWOZNIAKはどこにアプローチするのか」というのがより明確になっているのかな、みたいなイメージで。ダルジャブがバンドでベースミュージックをやっていて、SYCLESがよりダンスミュージックに特化しているからこそ、WOZNIAKももちろん肉体感はあるんだけど、より音源として音響だったり、アブストラクトな側面が強くなっているような印象もあって。3つプロジェクトをやっていることによって、「WOZNIAKはここだ」というのがはっきり見えてきているのかなという印象を受けました。



みさと:確かにそうですね。よりミニマル感というか、余白と音の粒立ち、際立ち感というのがWOZNIAKが一番強いかなというのも感じますし、あと"フルアルバムに収録する曲は全て完成しています"とのことなので、その中でこの曲を切り取って先に配信したというのも、やっぱりキーになる一曲なのかなというところで聴いていただきたいですね。続いて、wooz

金子:こちらはアルバムですね。

みさと:リリースおめでとうございます。

金子:woozはエレクトロ・シューゲイズ的なサウンドが持ち味で、個人的にはちょっと懐かしい感じもするんですけど、面白いなと思ったのが作品について "移ろう季節、感情、自分を取り巻く様々な環境下・生活の中で作った8曲なので、同じように通勤や通学、車の中や一人のとき、生活の傍らで聴いてもらえるアルバムになれたら嬉しい"というコメントがあって。シューゲイズって、どちらかというとエスケーピズムとか逃避みたいなニュアンスで使われることが多い気がするんですけど、でもシューゲイズサウンドをやりつつ、生活に寄り添う作品であってほしいという。この観点は割と珍しいなと思って、そこがwoozの一つポイントなのかもと思いました。



みさと:歌詞世界を見ると、青春というキーワードがフィットするのかなと思うんだけど、青春だと青すぎるからフィットしないなとか、少年性というか"未完成という完成"をしているバンドなのかなという感じが見えてきて、まさに仰っていることと、なるほどなと一つ私の中でも納得するようなバンド、アルバムでもあります。さあそんなPart-1からどうしましょう?

金子アンニュイ・ホリデイの新曲を紹介しようと思います。

みさと:シンプル・イズ・ザ・ベスト、素晴らしかったです。

金子:アンニュイ・ホリデイはリリースが1年ぶりぐらいなんですけど、今回は"夏の終わりと恋の終わり"をテーマに制作されたということで、タイミング的にもぴったりで。これまでは女性シンガーとコラボをしてきたんですけど、初めて男性シンガーとコラボしていて、入江陽さんを迎えていると。ポップスとしてすごくいい曲になっていて、ちょっとGuibaとかにも通じるような雰囲気があるなと思いました。個人的に、入江陽さんと(Guibaの)アカツカくんが少し被るようなイメージがあって、アカツカくんもSouth Penguinでは結構エクスペリメンタルな音楽性をやりつつ、Guibaではポップスをやっているじゃないですか。

みさと:そうですね。

金子:入江陽さんも割とそういう人というか、 レコーディング中に"僕はアレンジで実験しちゃってゴチャゴチャした曲しか作らないから、こんなにきれいで真っ直ぐな曲に客演できて嬉しいなあ"という発言があったそうで、入江陽さんも自分のソロだといろんなサウンドをやったりするから、こういうポップスをやるの割と珍しくて、そこが少しアカツカくんとも通じるというか、Guibaとも対比できて、並べて聴きたいなと思ったりしました。

みさと:いいですね。シンプルだからこその言葉や情景、自分の過去にダイレクトに向き合えるすごくいい曲でしたね。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。はじめましてのような、はじめましてじゃないような、"止め処なく、渇き"。

金子:最近FRIENDSHIP.からリリースを始めた終日柄のボーカルの淡甘さん、そしてバンドyu'reのコタニシブキさんの2人のユニットで、この名義ではFRIENDSHIP.から初めてのリリースですね。
僕、最近、残響レコードという言葉を出しがちなんですけど、この人たちにもその匂いを感じていて。終日柄のリリースがあったときに、アートプロジェクト的なところがあったり、出した作品が『雨の水葬』というタイトルだったから、雨のパレードを連想して、彼らも初期は残響レコードにいたから、少しリンクする部分があったりもして。で、今回"止め処なく、渇き"を聴いて、パッと連想したのはCö shu Nieで、彼女たちももう少し前に出てきていたら残響レコードから出していただろうなと思ったんです。それから時を経て、"止め処なく、渇き"を聴いて、Cö shu Nieが出てきたときはまだ残響的なものがリバイバルするタームとしては早かったのかもしれないけど、今は結構ジャストな気がして。
もちろんCö shu Nieと全く同じかというとそんなことはなくて、彼女たちには彼女たちの色があって、かなりプログレッシブだったり、二人組のユニットならではの面白さがあったりとかして、時代感的にもハマる可能性がある二人組なんじゃないかなという感じがしました。



みさと:最近ユニット内でのクリエイティビティの戦いみたいな、そういったユニットやバンド、チームみたいなものがすごく多く出てきている時代なのかなというのも感じていて。まさに淡甘さんが歌詞を書いて、それに対して"どこまで違うことできるか、みたいな挑戦が、形になってきたのが今作だと思います"というコタニさんからの一言もいただいていまして、2人の中での、クリエイティブって何なんだろうか、アートって何なんだろうか、 自分たちの作る曲って何なんだろうという、その探求心がすごく見えてくるバンドなんだなというのを感じています。続いて、少しおひさしぶり、T.M.P

金子:T.M.PはEPができました。タイトルが『デスクトップ』。

みさと:彼ららしいですね。

金子:ハイパーポップ的なサウンドを鳴らしている人たちだから、パソコン・インターネット的な出自を感じさせるタイトルですよね。リードトラックの「DO IT! feat.ぶっ恋呂百花」に関しては、3月にシングルでリリースされているんだけど、今回フィーチャリングで"ぶっ恋呂百花"を迎えての新バージョンと。こういう女の子の歌声、キュートな歌声が入ることによって、テンション感もさらに上がって、EPを象徴する一曲になっているんじゃないかなと思います。



みさと:コール的な、誰もが乗れるリズムも入っていますし、EPの他の楽曲でも、「梅割り」というタイトルの楽曲があって、まさにお酒とパーティーを愛するみなさんにぴったりなEPになっているかと思います。

金子:パーティー盛り上がるんでしょうね。

みさと:盛り上がるね、これはね。そんなPart-2からどうしましょう?

金子First Love is Never Returnedの新曲を紹介します。

みさと:待ってた、待ってた!

金子:順調にリリースが続いていて、6月にEmeraldとの2マンもあったりしましたが、今週もこの2組のリリースが被っているという。



みさと:おっ!また!

金子:また被ってるんですよ。これ、どうなってるんですかね、ほんとに(笑)。

みさと:ラブラブだね(笑)。

金子:さらに言うと、その情報に引っ張られているかもしれないけど、今回の新曲少しEmerald感がしたんですよね。

みさと:あれ、寄せてきた?(笑)

金子:もちろん、もともとの音楽性の近さ、R&Bとかシティポップとか、親和性があるから仲良くなったという前提があるわけだけど、今回の曲のテーマが「夜的平成浪漫(ヨルノヘイセイロマンス)」ということで、平成に対するノスタルジーをロマンチックに描くみたいな、このテーマ自体にEmerald感があるというか。言ったらファーストラブ(First Love is Never Returned)は令和時代を生きているバンドで、Emeraldももちろんそうなんだけど、でも彼らはもう10年以上のキャリアがあって、平成からやっているバンドだったりするから、そういうバンドと共演をしたりすることによって、平成へのノスタルジー、ロマンティシズムみたいなものが曲になったような、そんな印象も勝手に受け取ってしまう曲でした。

みさと:こうやって振り返ると、そっか、平成ってもう過去のことなんだとすごく感じたというか。

金子:昭和浪漫とはよく言うけど、平成浪漫は言葉として面白いですよね。

みさと:初めて聞きましたよね。でもその過去のことに対して、やっぱり平成もすごく良かったよねと思わせる、それはEmeraldしかり、平成の音を鳴らしてきてくださった先人たちがいたからであってという、色んな背景と色んな受け取り方ができる、いい曲でしたね。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。petalhead、よかったですね。

金子:よかったですね。2024年初めてのリリースで、コメントでもあるんですけど、"普段はアコースティックな響きやアナログな響きを大事にしているのですが、ふとシンセサイザーを触ってみたとき、無数に織りなすシンセサイザーのレイヤーがインスピレーションを与えてくれた"ということで。確かに、これまではアコースティックなイメージだったんだけど、今回はシンセが印象的で、わりとインディー・ロック的な仕上がりになっていて、でもこれも似合うんですよね。イメージにはなかったけど、こういうサウンドにもこの歌声が合うし、新たな側面を見せてくれたという感じがしました。



みさと:まさにそのシンセのレイヤーというのが、光って多面的で、角度を変えれば光の入り方が変わる、それって恋愛における一言に対する受け取り方の変化だったりとか、あと気持ちの変化だったりとか、すごく細かい動きでアウトプットが変わるというものも見せてくれるような、音と歌詞・世界観がしっかりリンクしていて、素晴らしい曲でした。続いて、アルバムですね、TORO。今年はフジロックにも出て、大活躍ですよ。



金子:ルーキー(ROOKIE A GO-GO)で観てきた感想をこの前podcastでチラッと話しましたけど、ライブを観たりした感覚も含め、すごくカウンター精神、反骨精神があるバンドだなというのを改めて感じます。「ロックの復権」というコンセプトもそうだし、曲のことで言うと"1曲あたり100トラック以上あるプロジェクトを第三者に共有することが難しいと思い、ドラムを含めたレコーディング・ミックスをすべて自分で行いました"というコメントからもその感じが伝わってきたり。あとこの「幸です」という曲、タイトルトラックで1曲目なんですけど、歌詞の中で〈自分勝手に生きるのが幸です 自分勝手なくらいが良いです〉と歌っていたりして。カウンター精神、誰に何を言われようと俺はこれをやるんだっていう、その感じがアルバム全体から伝わってきて、それが「ロックの復権」というコンセプトとも合致する、そんな感じがすごくしました。



みさと:本当に今回の歌詞すごく良くて、忖度のないある種辛辣な言葉が並ぶんですけど、現代人の本音だよなというのはすごく思って。大きな声で"この曲に共感してるんです"とは言いづらいかもしれないけど、心の中で"だよね"って拳を掲げて聴いて欲しい曲だなと思いました。そんなPart-3からどうしましょう?

金子ペペッターズの新曲を紹介します。

みさと:ペペッターズ、この曲大好きなんですけど。

金子:このラジオで毎週FRIENDSHIP.からリリースされる20作品以上を紹介してるわけですけども、その中にもやっぱりどうしても個人的な推しがあって......。

みさと:出てきちゃうよ。

金子:あれとかこれとかそれとかあるんですけど、そんな中でもやっぱりペペッターズはどうしても肩入れしちゃうバンドのひとつなんですよね。

みさと:いいよね、本当にいいよね。

金子:2年ぶりの新曲なんですけど。

みさと:もう本当、待ってたよ!

金子:待ってました。で、やっぱりいいんですよ。ペペッターズ節みたいなものが既にあって、3ピースのバンドサウンドだけでもめちゃかっこいいんだけど、エレクトロニックな要素もあり、今回は特にコーラスワークがかなり多彩になっていて、最後にはギターソロも出てきて、でもそれが2分20秒ぐらいのコンパクトな尺の中にギュッと詰め込まれていて、構成の巧みさもある。最高ですね。



みさと:完璧だよね。もう私、言うことないです。もう大好き、好き好き楽しい、最高!今のJ-POPのトップに君臨している星野源さんもこの歌を唄ってそうなくらいのポップさもちゃんと兼ね備えているという。

金子:ポップソングとしても素晴らしいですよね。

みさと:だけど、それこそ構築されていく、巧みに出来上がったあの2分半の勢いっていうところも含めて、音楽玄人を唸らせちゃう感じが、いやーかっこよかったわ。もう踊っていいですか?

金子:じゃあ聴きながら踊りましょう!

RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武、そしてFRIENDSHIP.のキュレーターの平大助の3人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

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