SENSA

2024.08.25

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Laura day romance・EASTOKLAB・omeme tentenほか全23作品 -2024.8.24-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!Laura day romance・EASTOKLAB・omeme tentenほか全23作品 -2024.8.24-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!

New Release Digest Part 1


みさと:8月19日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜、全23作品の中からPart-1をダイジェストでご紹介しました。リリースおめでとうございます。まずはじめましてさんです、Highvvater

金子:彼らは大阪を拠点として2023年から活動を開始した4ピースバンド。作品の解説が手元にあるんですけど、「Radioheadのセカンドアルバム『The Bends』で聴かれるようなUKの曇った空気を纏いつつ、US的な乾きのあるサウンドをめざした。歌詞に関しては特定のモチーフを用いずに、抽象度の高い内容になっていることが多いですが、SUPERCARのいしわたり淳治の歌詞に強く影響を受けています」とあって。まさに90年代のRadiohead、そしてSUPERCARとの中間みたいな印象で、個人的にはすごく好みのサウンドだし、気になる存在ですね。先週Tomato Ketchup Boysを紹介したときも「90年代のRadioheadっぽい」という話をした気がするんですけど、今そこは1つのトレンドになっているんだなって、このバンドを聴いても感じました。



みさと:その世界観、歌詞からも感じるなというところがあって。プロフィールには"後ろ向きな内省と諦めきれない希望が同居した詞世界を展開するバンド"という一文もあるんですけど、まさに後ろを向いて、背中で未来を感じているのが見えてくるというか。今、自分たちがこの瞬間、前を向き直したら何か変わるかもしれないというような葛藤であったりとか、その未来に対してすがりたい気持ちであったりとか、でも後ろは向いているけどね、というのも受納した上での今の瞬間というのがすごくリアリティがあって、共感度高いバンドだなと思いました。続いて、おひさしぶりのみらんちゃん。

金子:FRIENDSHIP.からのリリースはわりとひさしぶりになるんですけど、去年の12月にアルバム『WATASHIBOSHI』が出ていて、その中の収録曲であり、みらんさん自身がメインキャストとして出演して、東京国際映画祭「アジアの未来部門」を受賞した映画『違う惑星の変な恋人』の主題歌にもなっていた「恋をして」という曲のアコースティックバージョンです。

みさと:多彩ですね。

金子:色んなカルチャーが彼女の周りに集まっているような雰囲気があって、じゃあ何で集まるのかというと、彼女自身の世界観が魅力的だからこそで。その一番芯の部分、歌声の素晴らしさ、メロディーの鮮やかさ、言葉の良さ、アコギの弾き語りだからこそ伝わってくるものがたくさんあるなという感じがします。



みさと:アコースティックだからこそ、声だけでの表現力の高さという、その技術面も浮き立っていたかなと思いましたし、可愛らしいんだけど声に芯がある方で、そこに自分の言葉がのっているというアーティストでもある自信というか、裏付けが感じられていて。"鮮やかな後悔をいつでも描いてゆこう"という一文(歌詞)があったんですけど、この瞬間への肯定が自分の背中も押してくれるような、そんな一曲になっていたかなと思います。そんなPart-1からどうしましょう?

金子Laura day romanceの新曲を紹介しようと思います。

みさと:この曲、すごいですね。

金子:よかったですね。

みさと:大好き、すごくよかったです。

金子:ローラズ(Laura day romance)は5月からRoom"H"の仲間になりまして、FM FUKUOKA仲間にもなったわけですけど。

みさと:お隣さん、よろしくお願いします。

金子:4月に「透明」と「リグレットベイビーズ」の2曲を出していて、その2曲はかなりスタンダード感のあるというか、ポップスとしての完成度が高くて、色んなところで聴かれた印象があるんですけど、今回の「渚で会いましょう」ももちろんポップスとして完成度が高くありつつ、よりローラズの音楽的な好奇心の高さ、豊かさみたいなものが伝わってくる楽曲だなと思って。
5分20秒くらいあって、結構長い曲で、音数は少ないんだけど、プログレと言ってもいいぐらい場面展開があって。解説を見てみたら、ギターの鈴木くんのコメントで、"僕の新たな挑戦として心の中にあるイメージにどこまでも忠実に書いたのが「渚で会いましょう」"というコメントがあって、なるほどなと。心の中にあるイメージを描いているからこそ、普通のA・B・サビ的な展開ではなくて、イメージが広がるままに曲が展開していく、その面白さがめちゃめちゃあるなと思いました。

みさと:まさにタイトルである"渚"というキーワードのような、寄せては返すようなメロディーラインというか、それもまさに鈴木くんが挑戦したところがしっかりリスナーにも届いている、そう感じられるサウンド面での美しさというのが今回は拍手喝采という感じでしたよね。歌詞の世界観としても、そしてその言葉を紡ぐ声が、井上花月さんであることも含めて、本当に完成度の高い曲だなと思います。



New Release Digest Part 2


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-2でした。リリースおめでとうございます。今週ははじめましてさんがちらほらといらっしゃいます。Jacōz Theremicht

金子:はじめましてのバンドなんですけど、pegmapというバンドをやっていたボーカルの方だったり、結構キャリア組な人たちが比較的最近組んだ新しいバンドで、オルタナなサウンド、エモーショナルなボーカルがすごく印象的です。「ガバージュ」って気になる言葉ですけど、セルフライナーノーツがあって、"「ガバージュ」は情報の氾濫とそれに振り回される人々への嫌悪感をテーマにした曲です"と始まり、でも読んでいったら途中で、"このライナーノーツはこの上の部分までチャットGPTで全て書いてます"と。



みさと:すごいよね、これ。本当に読んでいて面白かった。

金子:こういうひねくれ感みたいなところも、きっとこのバンドの魅力の一つにはなっている気がしますね。

みさと:そうですね。嫌悪感があるのに、そのチャットGPTを使って自分たちもアウトプットしているところもあり、これはきっと皮肉でもあるとは思うんですけど。色々と切り口が面白い見方がたくさんできるバンドだと思います。続いて少しひさしぶりですね、TOMMY HONDA

金子:1年以上ぶりなのでおひさしぶりですね。FRIENDSHIP.はチル~ローファイ系のビート作家がたくさんいますけど、TOMMY HONDAもその中の一人としてすごく良くて。今回のタイトル「Morning Like a 78A」の「78A」って何かなって思いましたけど、これスケボーのタイヤの硬度のことらしく、TOMMY HONDAも実際にスケートボードフリークだそうで。それをタイトルに持ってきて、"心地よい朝"みたいなことを表現しているそうです。



みさと:楽曲にもスケーターマインドを感じました。今回オリンピックを観ていても、スケートボードとブレイキンだけは観客も、解説も、対戦相手に対しても、リアクションがカルチャーに育てられたものだな、他の競技とやっぱり違うな、みたいに思って。

金子:解説の人も「イェーイ!」とか言いますよね。

みさと:そうそう!ナイス!みたいな感じで、カルチャーとして種目の採点を観るという雰囲気がやっぱりピースだなと思っていたんですけど、その雰囲気をすごく感じて。"間違っていても目の前のものを自分が愛するかどうかは自分が決めること"とか"いいものには拍手を送る"とか、そういった感覚がこの曲からもすごく伝わってくる、平和に必要な一曲という感じがしました。

金子:ちなみに資料に"2024年にはネオソウル・ジャズ・バンドTRUE VACANCESを始動"とも書いてあって。TOMMY HONDAさんはギタリストとしても素晴らしいから、このバンドも音源早く聴いてみたいなと思いました。

みさと:そんなPart-2からどうしましょう?

金子EASTOKLABの新曲を紹介しようと思います。

みさと:はじめましてです。

金子:はじめましてではあるんですけど、彼らは2018年に前身バンドから改名して、名古屋を拠点に活動しているバンドで、今回から自分たちでインディペンデントのリリースを始めるということで、FRIENDSHIP.から初のリリースと。サウンド的にはシューゲイザーとかエレクトロとか、4ADレーベルを感じさせるような少し耽美で美しいサウンドが特徴で。ボーカルの日置くんがレコーディングエンジニアとしても活動していることもあって、レコーディング・ミックス・マスタリングまで自分たちでやっているのもあるし、あとFRIENDSHIP.との関わりみたいなことで言うと、pollyと前にスプリットを出したりしていることもあって、サウンド的にも通じるものはあるかなという感じがします。

みさと:私、実は前身バンドのThe Skateboard Kids時代にインタビューをさせてもらっていて、大好きなバンドだったんですよ。「改名するんです」っていうのも丁寧に連絡をもらったりとかしていたんですけど、EASTOKLABに改名をして、コロナ禍に入ってもコンスタントに作品を出したり、あとは日置くんがソロで活動しているのを傍から見ていて、その瞬間瞬間、自分と音楽の関係値を確かめるように音楽とずっと向き合ってきたな、みたいなことを勝手に感じていたんですが、今回作品を出したことで"過去の自分を肯定できるような場面によく出会う。あの頃の自分に「報われたかもだぞ〜!」って見せに行きたい。そんな気持ちになる"という言葉をセルフライナーとしていただけて、嬉しいなという気持ちでもありますし、当時から本当にセンスのあるバンドだなという感じがしていたし、自分たちでやっていくというのはレコーディングエンジニアとして、お仕事としても活動してきたというのが一つ大きいんじゃないかなという気もしています。これから大注目していただきたいです。



New Release Digest Part 3


みさと:お送りしたのは新譜ダイジェストPart-3でした。リリースおめでとうございます。こちらもはじめましてさんがお2組いらっしゃいます。まずはMonomi twins

金子:このバンドは2024年結成。出来立てほやほやのバンドですね。大阪発のインディポップバンドということで、非常に軽快で、ドリーミーな、心地のいい楽曲です。解説にリファレンスとしてYO LA TENGOとかThe Drumsみたいな名前が上がっていて、それもすごくよくわかるなという感じだし、Laura day romanceと相性良さそうだなとも思いました。



みさと:またSUPERCARというキーワードもフィットするような、今、少し来ていますね、そのシーンが。流れが変わってきているのを感じるので、2024年に結成したバンドがどこまで羽ばたいていくのか。音楽シーンとセットで見守っていきたい感じがします。続いてドラマーの松浦千昇です。

金子:彼はLUNA SEAのSUGIZOが率いるジャズロックバンドSHAGのメンバーで、SHAGにはPAJAUMI(パジャマで海なんかいかない)の別所さんも参加していたりとかしますけど、そのバンドのメンバーでもあるし、最近だとSuchmosのTAIHEIくんの賽(SAI)にも加入していたり、サポートとしても本当に幅広く活躍している第一線のドラマーで。今回のEPに関しては全編ドラムのみ、一切編集なし、1発録りのビート集と。これもすごいですね。

みさと:男気あるな。



金子:レコーディングをTAIHEIくんがやっていて、EPの中で1曲だけドラム以外が入っている曲があって、RhodesとベースをTAIHEIくんが弾いていると。少し前にShōtaro Aoyamaの楽曲にもTAIHEIくんが参加していて、その曲でもベースを弾いているという話がありましたけど、最近ベースにハマってるんですかね?

みさと:かもしれない(笑)。いくつか現場でも千昇くんのプレーを見たことがあるんですけど、見た目通りの迫力と、それとは裏腹な繊細さも持ち合わせていて、ジャズを土台としながらロックを叩ける20代のドラマーって実力派だなという感じがしますし、彼のドラムだけのこの作品に対して、また二次創作とかで楽しめるような、そんな一つになっているんじゃないかなと思うと、今後これがどう成長していくか楽しみですね。そんなPart-3はどうしましょう?

金子omeme tentenの新曲を紹介しようと思います。

みさと:omeme tenten、私今作が1番好きかもしれない。よかったー。

金子:omeme tentenは4月にファーストミニアルバムを出していて、その後7月には初の東名阪ツアーを敢行し、ファイナルのShibuya eggmanはソールドアウトということで、徐々に人気が出てきているという感じですけど。
今週はPart-1にLaura day romanceがあって、女性ボーカリスト擁するこれからのバンドではこの2バンドが僕の中でも期待の2バンドなイメージで、めちゃめちゃざっくり言うと、ローラズが洋楽寄りなのに対して、omeme tentenの方がもうちょっとJ-POP寄り。andymoriとかも連想させつつ、でも洋楽的なオルタナ感もある、そのバランスがすごくいいし、ボーカルからは少し焦燥感みたいなものも感じられて、今回の曲だと"やさぐれてみたいだけ"と歌っていたり、独白調の歌詞も素敵で、いい曲ですね。



みさと:omeme tentenの、20代の女の子たちが書く歌詞に、30代の私がすごく共感するというのを前にお話したことがあって、今回もそうだったんですよ。自分以外のものに感情を使って、時間も使って、そんなことばかりだよねと思うことってすごくたくさんあって、思春期の頃の方がよりそういう時間って多かったと思うし、でも大人になっても結局そうなんだよな、そんなことばかりだよなと思いながら、共感度の高い歌詞を書く素晴らしいライターでもあるなというのを感じて。毎作これが一番好きとか言い出しそうですね(笑)。

金子:どんどん更新していくパターン

みさと:していきそう。

後半はGhost like girlfriendがゲスト出演!



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)



NEW Releases FRIENDSHIP.
FM福岡で毎週水曜日の26:00~26:55まで放送中のラジオプログラム「Curated Hour〜FRIENDSHIP. RADIO」のアフタートーク、番組の中で紹介しきれなかったタイトルを紹介。

DJの奥宮みさと、音楽ライターの金子厚武、そしてFRIENDSHIP.のキュレーターの平大助の3人でデジタル音楽ディストリビューション・プロモーション・サービスのFRIENDSHIP.から配信される新譜を中心に紹介するプログラム。



番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg金子厚武
1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。
@a2take / @a2take3
1697255226457.jpg奥宮みさと
ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。
@_M1110_ / @11misato10

LINK
FM福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」 FRIENDSHIP.

気になるタグをCHECK!