SENSA

2023.12.24

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!SHU-MI・accobin(福岡晃子)ほか全13作品 -2023.12.23-

FRIENDSHIP.の最新楽曲を紹介!SHU-MI・accobin(福岡晃子)ほか全13作品 -2023.12.23-

カルチャーの前線で活躍するキュレーター達が厳選した音楽を配信するサービス FRIENDSHIP.の新譜を紹介。 キュレーターの金子厚武とナビゲーターの奥宮みさとによるFM福岡のラジオ番組「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」から、今週オンエアした内容を掲載!FRIENDSHIP.がリリースした最新の音楽をいち早くチェックしよう!



New Release Digest Part 1


みさと:12月18日週にFRIENDSHIP.からリリースの新譜全13作品の中からPart-1の7作品をご紹介しました。リリースおめでとうございます。さあ、鍵を返せリリースになりました。

金子:ソロでも活動するはしメロさんが所属しているバンドですね。非常にかっこいい、ファンキーな曲でしたけど、「ほかりたい」の"ほかる"って、"捨てる"って意味なんですよね?

みさと:そう、私、愛知に住んでた時期があるので、"ほかる"をあの街で教えてもらいました。愛知とか岐阜とか、そのあたりで"ほかる"って言うのよ。

金子:僕、知らなくて調べたら、"ほかる"は確かに名古屋とかって書いてあって、でも鍵を返せの拠点は広島なんですよ。で、広島で同じ言葉を調べたら、"ほかす"って言うらしいんです。

みさと:そうなんだ。

金子:でも"ほかしたい"じゃなくて"ほかりたい"だから、"ほかる"の方ですよね。きっと地域ごとに微妙な差があるのかなと。

みさと:ありますよね。ドロケイなのかケイドロなのかみたいな、地域によって違う感じは日本独自の言葉の発生って面白いなって思わせる。 "ほかりたい"で歌ってる人、このバンドくらいだと思うので。

金子:しかも言葉の使い方も、"ほ"じゃなくて"た"にアクセントを置いて、面白いリズムの乗せ方をしてるし、こういう独自の言葉使いは「らしい」ですよね。



みさと:しかもラップ部分が重盛さと美ちゃんみたいなセクシーさとキュートさを併せ持った、はしメロちゃんの感じが私は大好きと思う。

金子:重盛さんね、曲発表してますもんね(笑)。

みさと:してるじゃないですか、結構好きなんですよ 彼女にしか作れないと思う。TikTokとかでバズりそうな、ちょっと真似したくなるような感じっていうのは素晴らしいブランディングだなと思って聴いていました。そして、爽遊さんは初めてになるんでしょうか。

金子:一応そうですね。ユウテラスとしては過去にリリースがありますけど、今回は初めてソロでリリースということで、レコーディング、ミックス、マスタリングまで全部DIYで行ったということです。俺、これこそ意外とTikTokとかで回りそうとか思って。正直、ユウテラスだとやっぱりバンドサウンドだから、そんなにTikTokと結びつく感じがしなかったけど、この打ち込みのポップ感で、グッド・メロディーはバンド譲りのものがあるので、意外と受けそうとか思って。で、紹介文読んだら、「友達の15歳の娘がこの『ZENBU』で僕の歌が好きになって、アルバムの他の曲で踊った動画をTikTokに上げてくれた」とあって。

みさと:うわー、まさにだ。

金子:だからね、ティーンエイジャーにも結構受けたりするんじゃないかなって思いました。



みさと:琴線を揺らしてくれる、ストレートなこの初恋というテーマは、みんなアップしたくなるようなお題でもあると思うし、またこの爽遊さんのライナーノーツの熱さがすごいんですよ。いくつになっても恋をする後押しというか、どんな立場であってもいいよねっていう、とても勇気づけられる作品でもありますね。そんなPart-1からはどうしましょう?

金子:やっぱりクリスマスということで、クリスマスにちなんだ曲をかけたいので、SHU-MIを紹介しようかなと思います。

みさと:SHU-MIは今年も大活躍でした。

金子:そうですね。SHU-MIがクリスマスソングを作るってなったら結構明るいパーティーチューンを作るのかなと思いきや、思いのほかシリアスな。

みさと:そうなんですよね。



金子:「戦争とクリスマス」というね。このタイトル自体は多分、"戦場のメリークリスマス"があって、それをある種パロディしてこのタイトルにしてたりとか、歌詞の中にはユニークな要素もたくさんあるんだけど、でも今の時代と照らし合わせて、戦争をひとつのテーマにしつつ、そこから逆に一日一日の大切さを歌っていたりっていう、いろいろと考えさせられる曲になってましたね。

みさと:そうですね。やっぱり総じてSHU-MIは皮肉っていうのが彼らの持ち味なんだな、というのをすごく感じていて。明るいポップなメロウトラックなんですけど、そこに平和と戦争とクリスマスとパーティーとっていう、そういった一番対極にあるものが一つになっちゃうっていうのはSHU-MIのなせる技だなと思うし、令和版の"戦場のメリークリスマス"みたいな、そんな楽曲になったんじゃないかなと思います。

金子:放送時間は深夜だから、この時間に聴くクリスマスソングという意味では、じっくり考えながら聴くのもいいかもしれないですね。

New Release Digest Part 2


みさと:新譜ダイジェストPart-2をお送りしました、リリースおめでとうございます。はじめましてさん、3組いらっしゃいます。まず福岡のシンガソングライターです、小田奈都美さん。

金子:彼女はプロフィールを見ると結構いろんな経歴がある方で、もともと音楽系の専門学校に入学して、同級生メンバー4人で全員アコギを持って歌うガールズユニットで活動したりしてたと。

みさと:福岡の方はご存知の方も多いかもしれませんね。

金子:その後、ソロで活動して、今回新曲をリリースということで。パッと聴いてフォーキーでちょっとサイケな雰囲気があって、FRIENDSHIP.的にはカネコアヤノさんとも通じる部分があるな、なんて思ってプロフィールを見たら、それもそのはず、カネコさんと同じ伊豆スタジオで、エンジニアの濱野泰政さんがレコーディング、ミックスも担当してるということで。なので、"そりゃそうだ"と思いつつ、でもカネコさんともまたちょっと違う小田さんらしさ、柔らかで、でもその中に強さも感じさせるような歌声ですごく印象的でしたね。



みさと:本当に、ひねくれていないというか、そのストレートさっていうのが彼女の持ち味なんだなっていうのを感じるところもあるし、伊豆スタジオの温もりというんですかね、素朴な感じも彼女に合ってるんだろうな、すべての采配がここぞというタイミングで出た作品なのかなって思わせるくらいの。今後どういう風に活動されていくのか、他にどういう作品を作られていくのかが個人的にも楽しみだなと思って聴きました。そして、pile of hex

金子:こちらは2017年の結成で、ベースレスでツインギターのバンド。

みさと:また気になるのが出てきました。

金子:ですね。京都を中心に関西圏で活動中と。女性ボーカルでオルタナな音楽性のバンドがたくさん出てきてるっていう話を今年はずっとしてきましたけど、その中でもよりコアなというか、ポストハードコア的なかっこよさがあって。東京と関西の違いも多少あるかもしれないですね。



みさと:イントロから重めでヒリヒリなノイジーサウンド、ボーカルの一音目の声を聴いて、「あ、ここ入っちゃいけない扉開けちゃった」みたいな、そういったゾクッとする感じもあって、こういうシーンって少し関西に多い気がします。

金子:今年Second Royal Recordsから作品を出してるSAGOSAIDとか、あとはFRIENDSHIP.から作品を出した、こっちは東京ですけどCruyffとか、オルタナの中でもよりコアな、かっこいい人たちもいっぱいいて、pile of hexもすごくかっこよかったですね。

みさと:かっこよかった。そんな中、初登場でもあります、accobinです。

金子:初登場と言いつつ、ご存知の方は非常に多いと思うんですけど、元チャットモンチーの福岡晃子さんのソロプロジェクトです。

みさと:嬉しいですね、FRIENDSHIP.からリリースです。

金子:このEP、もともと春ぐらいに一回リリースされてるんですけど、ツアーを経て新たにFRIENDSHIOP.から出してくれるということで。チャットモンチーの感じというよりは、基本的に打ち込みベースで作られているポップなサウンドになっていて、福岡さんがベボベ(Base Ball Bear)の小出くんとマテリアルクラブというユニットをやってた時期があるんですけど、どちらかと言えば、その延長線上にあるようにも思いました。我らがShe Her Her Hersのヒロヤスくんが2曲に参加してて、シンセの音色からして確かにShe Her Her Hersっぽいなぁっていう感じもあったり、 あとgroup_inouのimaiさんも1曲に参加してて、group_inouはちょっと前に急に新曲が出てざわついてましたけど。

みさと:そうですか。

金子:そうそう。で、「after clap」に関しては、アッコさんのラップも入ってたりして、新鮮な感じがしました。

みさと:今の話を伺っても、きっと今までの既存のファンの方たちも、"あ、あのマテリアルの感じね"とか、"やっぱりソロでやったらこうなるんだ"っていう楽しみとか、全ての方が満足できる作品だと思うし、セルフライナーノーツですごく印象的だったのが、「音楽に対して考える時間が3年必要だった」っていうふうにおっしゃっていたのと、あと同時に「取り立てて特別なものではなかったと気づいた」ともあって。「全てでもあるんだけど特別なものでもない」っていう、この言葉はすごく真理だなあと思って、だからこそソロになっても活躍されていく覚悟を持ったんだなあと思ったし、また新規のファンの方もこれで増えると思うので、いろんな方に聴いて欲しいですね。



金子:EPのタイトルの『AMIYAMUMA』ってなんだと思います?

みさと:え、あれかなぁ?それぞれがなにかの頭文字になっている感じですか?

金子:まあ、難しいですよね(笑)。これ、お子さんが初めて発した言葉なんだそうです。

みさと:そうなんだー!

金子:accobinとして初めて出す作品だからこそ、初めての言葉らしきフレーズをタイトルに冠したそうです。

みさと:それはじゃあ、お子さんからしたら意味のある言葉だろうけど、でも意味のない言葉でもあるというか、でもそのダブルミーニング感、受け取り側がどう考えるかっていう。

金子:やっぱり、「人生初の」っていうところが、この作品には表れているということでしょうね。

みさと:ぜひ、聴いてみてください。



RADIO INFORMATION

FM 福岡「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」

fmgfukuoka_curatedhour_logo_ok_2204.jpg FRIENDSHIP.キュレーター達が厳選した音楽をラジオで紹介するプログラム「Curated Hour ~FRIENDSHIP. RADIO」。キュレーターの金子厚武をコメンテーターに迎え、奥宮みさとと共にFRIENDSHIP.がリリースをする最新の音楽を紹介。番組後半ではThe fin.のYuto Uchinoが月替りでゲストを迎え、深い音楽談義を繰り広げるコーナーを展開。 放送時間:毎週土曜日 26:00~26:55 放送局:FM福岡(radikoで全国で聴取可能)


番組MC

kanekoatsutake_20210528.jpg 金子厚武 1979年生まれ。埼玉県熊谷市出身。インディーズでのバンド活動、音楽出版社への勤務を経て、現在はフリーランスのライター。音楽を中心に、インタヴューやライティングを手がける。主な執筆媒体は『CINRA』『Real Sound』『ナタリー』『Rolling Stone Japan』『MUSICA』『ミュージック・マガジン』など。『ポストロック・ディスク・ガイド』(シンコーミュージック)監修。デジタル配信サービス「FRIENDSHIP.」キュレーター。 @a2take / @a2take3 misato_a_photo.jpg 奥宮みさと ラジオパーソナリティ/ナレーター/MC/ヨガインストラクター/酵素風呂サロンオーナー。 TOKYO FM、ZIP-FM、InterFM、FM 福岡など、ラジオパーソナリティ歴12年目。 安室奈美恵さんをはじめとするお茶の間ミュージシャンからコアなインディーズミュージシャンまで無数のインタビューを経験。コロナ前は年間200件程ライブや全国のフェスに行く現場派。野外フェスのヨガプログラムなども担当。倍音と1/fゆらぎの声を持ち、耳馴染みの良いベルベットボイスが特徴。 @_M1110_ / @11misato10 yuto_solo_a_1215.jpgYuto Uchino(The fin. Vocal / Synth / Guitar) 神戸出身、ロックバンドThe fin.のフロントマン、ソングライター。80~90年代のシンセポップ、シューゲイザーサウンドから、リアルタイムなUSインディーポップの影響や、チルウェーヴなどを経由したサウンドスケープは、ネット上で話題を呼び、日本のみならず海外からも問い合わせ殺到している。 The Last Shadow Puppets、MEW、CIRCA WAVESなどのツアーサポート、そしてUS、UK、アジアツアーを成功させるなど、新世代バンドの中心的存在となっている。 オフィシャルサイト / @_thefin / @yuto__the_fin


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