SENSA

2023.12.19

【読むラジオ】FM COCOLO「THE MAJESTIC SATURDAY NIGHT」DURANロングインタビュー

【読むラジオ】FM COCOLO「THE MAJESTIC SATURDAY NIGHT」DURANロングインタビュー

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ちわきまゆみ:Whole Earth Station FM COCOLO ちわきまゆみがお送りしております。THE MAJESTIC SATURDAY NIGHT、ゲストをお迎えして濃ゆい音楽トークをお届けするTONIGHT SESSION。
今夜は初登場です この方をお迎えしました。お名前をいただけますでしょうか?

DURAN:どうも、ギタリストのDURANです。

ちわき:こんばんは。よろしくお願いします。DURANさん初登場ということで、色々共通の知り合いの名前を出していたら知っている人が多かった(笑)。

DURAN:そこは、かなり(笑)。

ちわき:初登場ですので プロフィールを中心に前半はお届けしていきたいと思いますけれども、シンガーソングライターでギタリストでもあるDURANさんは日本生まれ フィリピン育ち。
お父様がスパニッシュ系のフィリピンの方ということでお母様が日本の方、フィリピンは何歳ぐらいで行ってたんですか?

DURAN:フィリピンは13歳で行きましたね。小学生までは日本の山梨市に居て。中学1年後半ぐらいからフィリピンに。

ちわき:タガログ語とかできてたんですか?

DURAN:インターナショナルスクールに入れられたので、ほぼ強制的に。

ちわき:強制的に(笑)。じゃあ言葉は英語ですね。

DURAN:タガログ語はちょっとしか分からないですね。

ちわき:そんなDURANさんですが3歳でピアノを始めて、今、メイン楽器となっているギターは何歳ぐらいからですか?

DURAN:ギターはそれこそ13〜4歳ぐらいですね。

ちわき:じゃあ、フィリピンの生活が始まってからギター始めた?

DURAN:ギリギリ行く前ですかね。

ちわき:音楽ってフィリピンはどういうのが流行ってましたか?

DURAN:結構アメリカから入ってくる音楽が割とメインですよね。箱バン文化なので。

ちわき:そうですよね。

DURAN:今だにどのバー行っても生バンド入ってて。

ちわき:いいですね、それすごいですよね。

DURAN:やっぱりそれはすごく面白かったですね。僕も向こう行った時は、従兄弟とか親戚が箱バンやってて、そこに参加させてもらってたので、結構そこで色んな曲演奏して。

ちわき:そうなんだ。じゃあ、ギター始めて少ししてフィリピン行って、向こうでもかなりいろんなタイプの古いものから。

DURAN:そこで割とそういう音楽にたくさん触れることができたんですよね。

ちわき:日本にいる頃はどういう趣味だったんですか?

DURAN:お父さんがベーシストなので、それもあってレッド・ツェッペリンとか。はい、これみたいな(笑)。

ちわき:子供の頃から(笑)?

DURAN:聴かされてたので。

ちわき:ジョン・ポール・ジョーンズだったんですね。

DURAN:そうそう。だからCDもそういうものばっかりもらってたのでツェッペリンとかすごく聴いてましたね。

ちわき:でも流行ってないでしょ?

DURAN:全く流行ってないです。

ちわき:(笑)。その頃、友達の間では何が流行ってる頃?

DURAN:何だろう。ビジュアル系の界隈が結構、来てる時代だったですね。

ちわき:じゃあもうX JAPANとか?

DURAN:そうですね、XとかLUNA SEAとかL'Arc en Cielとか。

ちわき:じゃあBUCK-TICKとかそういう感じの90年代ですね。

DURAN:そうですね、97年とかそのぐらいなので

ちわき:その頃にツェッペリン(笑)。FM COCOLOをお聴きの皆さん、こういう若者がいるんでございますよ。そしてその後日本に帰ってこられてから日本で色んなバンドに参加してっていう事ですか?

DURAN:そうですね。最初は結構セッションばっかり。六本木に昔、ロックファクトリーというセッションできる所があって、そこで毎晩演ってたんですけど、やっぱりバンドやってみたいなと思って、それでオーディションでたまたま受かっちゃって、で、そこからデビューしてたんですよね、最初バンドで。

ちわき:それがTHE ROOTLESSっていうバンドで、いきなりヒットしちゃったみたいな?

DURAN:いきなりタイアップ(笑)。今、珍しいやり方みたいな。

ちわき:そうですね、割と芸能界っぽいっていうか。かなりポップな路線の。

DURAN:そうですね。そっちも知りたいなって思って。知り合いのミュージシャンとかと話してて"今のJ-POPは"みたいな話しはよくされてたんですけど、やってみないと分からないので。

ちわき:チャレンジ。

DURAN:やってみたら、そういう感じで。

ちわき:なるほど。そして、Made in Asiaというバンドだったり。
そして、私がDURANさんを知るのはa flood of circleにすごく短い期間だったんですけど参加されてたことがあって、一度だけライブを観たことがあります。今でも佐々木亮介さんとかとは連絡とってたり?

DURAN:もちろんです。来月なべちゃん(ドラムス:渡邊一丘)と飲み行くし。

ちわき:そうなんですね(笑)。バンドと今でも交流はあるんですね。

DURAN:音源、送り合ったり、新作の。

ちわき:亮介くんもすごくフラットで良いヴァイブの人だから。

DURAN:いや本当にあいつはなんて言うんだろう、すごく大人なロックンローラー(笑)

ちわき:そうですね、実年齢はお若いのに、すごくキモ座ってるっていうか。

DURAN:そうですよねー、本当に。どうなったらああなれるんだろうな、無理だな、俺には(笑)。

ちわき:あと佐藤タイジさんとかも?

DURAN:はい、よくラジオに呼んでもらったり、あとライブも何度か一緒にツーマンやったり。

ちわき:いやー、タイジさんとDURANさん、この見た目が濃い二人がギター弾きまくるんでしょ。濃いなーそれ(笑)。

DURAN:でも結構バッキング弾かされますけどね。タイジさん長いんで。

ちわき:(笑)

DURAN:そんなのあんまりないですけどね。

ちわき:そんなに長くバッキングすることないですか(笑)。タイジさんぐらい?

DURAN:まあまあ、タイジさんなんでしょうがない。

ちわき:しょうがない(笑)。色んなギタリストの話、出ましたけれども、セッションマンとして、ギタリストとしてはB'zの稲葉浩志さんとかスガシカオさん清春さんなんかのステージでも非常にお呼びがかかるわけですけど。

DURAN:ありがたいことに。

ちわき:色んな人と演ってますよね。

DURAN:そうですね。その中でも自分のギターっていうものを、ちゃんと自由にやらせてくれる場所っていうところが多いですよね。

ちわき:皆さんだから、DURANさんだからいいよって、言うんじゃないですか。だってスガシカオさんとかあんまり結びつかないというか。

DURAN:でもなんかギタリストっていうよりかは、この人の音が欲しいっていう感じで呼んでくれるので、それはすごく嬉しいです。

ちわき:DURANさんの今回3枚目のソロアルバムがリリースになったということで、『Electric Man』というタイトル。これは今回『Electric Man』と付けたのはどういった心情でしょうか?

DURAN:そもそも、もう1枚、実は作ってて、それは来年2月に出す予定になってるんですけど、それはもうコテコテのブルースアルバムを作ってて、そっちは1920年ぐらいのオールドなルーツ・ブルースなので、アコースティックなんですよね。
でもう1枚はロックアルバムで、今回の『Electric Man』なんですけど、それもあって"エレクトリック"と言う言葉が自分の中にあったんですよね。あと、自分の中でキャラクターとか作るの好きで、歌詞の中とかでもそうなんですけど。何かを信じるって、人間に与えられた唯一のすごい力っていうか、そういうことを最近すごく思ってて。それでそういう生命体じゃないけど、そういう存在を自分の中で作って、それをテーマにアルバム作ってみようと思って。

ちわき:そのキャラクターに自分がなってるか?

DURAN:なってるんですかね。なんなんだろう。

ちわき:そのキャラクターだったらこういう歌を歌うかなみたいな?

DURAN:なんだろうな、その辺はあんまり自分の中で。

ちわき:でもイメージとして?

DURAN:イメージとしてそういう存在を作ってタイトルにしたって感じですね。

ちわき:そうなんですね。だから今回このタイトル通りエレキがすごいですね。

DURAN:そうですね。

ちわき:ファズですか、お好きなエフェクターは?

DURAN:ずっとファズです。エフェクターいくつかあるんですけど、全部ファズ。

ちわき:嘘?そうなの?全部ファズなの(笑)?

DURAN:そうです。

ちわき:いろんな種類のファズがあるの?

DURAN:いろんな種類のファズがあるので(笑)。

ちわき:おかしいでしょ、普通もうちょっとあるでしょ。

DURAN:普通は色んな種類入れるんですけど、全部ファズだから。

ちわき:おかしい。リバーブがあったり、ディストーションがあったり。

DURAN:普通はそうじゃないですか。

ちわき:普通はそうですよね。

DURAN:全部ファズ(笑)。

ちわき:面白い、それ、他の仕事でも全ファズなんですか?

DURAN:そうですね。スガさんには結構突っ込まれますよね。"全部一緒じゃねえかよ"みたいな。

ちわき:そうでしょう(笑)。面白いですね。そしてギターもストラトなんですか?

DURAN:メインはずっとストラトだったんですけど、最近、自分のシグネチャーモデルを作って。

ちわき:作ったの?

DURAN:はい、オリジナルを。それをメインで今は。

ちわき:じゃあ3枚目にしてギターも。

DURAN:ガラッと変わって。

ちわき:その心はどういうところから?

DURAN:もうちょっとクリエイティブな影響を与えてくれる、そういう楽器が欲しいなと思ってて、もちろんストラトに慣れてるんですけど、そういう慣れた楽器を使ってるとそういうフレーズしか出てこないというか。
だからストラトでオリジナルを作るってよりかは全く使ってなかったタイプのギターで作ろうと思って、そこからですね。

ちわき:じゃあ今回はこの『Electric Man』は割とそのギターで曲を書いてる?

DURAN:そうです。全部そのギターですね。

ちわき:全部?そっちのブルース・アルバム、来年の方はアコースティックだから。

DURAN:アコースティックがメインなんですけど、ちょいちょいエレキも入ってて、それは半々ですね。フェンダーのストラトとオリジナルで作ったのと。

ちわき:やっぱりいい刺激になりましたか、ストラトキャスター?

DURAN:ありますよね。全然違うからそこはすごく面白いですね。出てくるフレーズもやっぱり変わるので。

ちわき:そういう楽器との出会いって大事ですよね。

DURAN:大事ですね。新たな境地に連れてくれるっていうか。

ちわき:なるほど。じゃあ今回、アルバムはかなり満足度の高い。

DURAN:そうですね、今のところ。

ちわき:今のところ(笑)。もちろんね、これから色々超えていくっていう感じだと思うんですけれども。そんなわけで国内外で注目されるギターリストでありアーティストのDURANさんですがいつ頃から、もうプロになっちゃおうかなと思ってたんですか?

DURAN:フィリピンのインターナショナル・スクールにいる時にバンドやるクラブがあって、海外行った時、僕、全然英語ができないまま行ったので、今、思うと割といじられるところがあったんですよね。イエスかノーしか言えなかったので。

ちわき:いや、でもなかなか大変ですよね。

DURAN:そうなんですよね。そんな感じだったんですけど、そのバンドのクラブに入って人前で演奏する機会があったんですよね、学校内で。そしたら次の日からみんな見る目変わって、びっくりするくらい。

ちわき:いきなりリスペクト?それまでいじってたのに。

DURAN:そうです、"ギターうめー"とか言われて。それがあって言葉ってよりか音楽でそんなに人の感じが変わるんだったら、これずっとずっとやっていきたいなっていうのが最初だったんですよね。

ちわき:でもそういうちょっと内向的になってしまいがちな慣れない異国での学校生活をある種カラフルにしてくれたのは。

DURAN:そうなんですよね、音楽なので。

ちわき:すごい。

DURAN:だから気付いたらずっとやりたいな!っていうのが今も続いてるっていう。

ちわき:そして今も続いてるっていうね。でもそれ、すごくいいですね。その一つ得意なことを。

DURAN:そうなんですよね。

ちわき:DURANさんの場合はそれがギターだったけれども。

DURAN:そうなんですよ。何やってもダメだったので。

ちわき:それが運動だったりしたかもしれない。そうひとつ何か好きで得意なことがあるっていいですね。

DURAN:そうですね。

ちわき:今のようなこのファズで、結構歪みまくって、ジェーンズ・アディクションとかああいった感じとかも思い起こさせるようなギターサウンドに行き着いたのはいつ頃ぐらいからなんですか?

DURAN:いつ、なんだろうな。でもジミヘンとかもお父さんの影響で聴いてて。

ちわき:そうか。

DURAN:その当時聴いてた音楽って、なんかファズなんですよね。

ちわき:ファズだね。

DURAN:どっちかっていうと全部。

ちわき:ジミヘンもファズだ。

DURAN:だから僕の中で歪みってファズになってて。

ちわき:ディストーションじゃないんだ。

DURAN:割とずっとファズでしたね

ちわき:今もやっぱりファズが好きですか?

DURAN:大好きですね。なんかギターにしか出せない音だと思うんですよね。他の楽器であれは許されないと思うんですよね。唯一ノイズが許されるっていう、そんな感じなので。



ちわき:11月29日にリリースになります3rd フル・アルバム『Electric Man』について色々伺っておりますが、「Raising fire」がアルバムのオープニング。

DURAN:そうですね、1曲目の。

ちわき:ガツンと来る。

DURAN:ガツンといってます。

ちわき:そのままガツンと行きまくるアルバムって感じですか?

DURAN:そうですね、もう止まんない感ですね、ずっとうるさいみたいな。

ちわき:(笑)

DURAN:でも逆にキャッチーっていうか。キャッチーって僕の中で、例えば音がでかいとか、そういうことなんですよね。

ちわき:そういうことなんだね。

DURAN:分かりやすいというか(笑)。

ちわき:分かりやすい、本当にキャッチーなアルバムでございますが、でもすごく細々と色んな仕掛けがあって、落語家の立川談慶さんが参加していたり。

DURAN:そうなんですよ。

ちわき:2曲目で既に飛び道具が出てくるんですけど。

DURAN:この談慶さんは僕のスタッフの従兄弟の親戚の方で。それで一回やってみたいなと思ったんですよね。

ちわき:落語と?

DURAN:ロックって元々は外から来た音楽なので、それと日本の伝統的なものの合体みたいな。
そういうことをやってみたいなと思って、ファズと落語みたいな(笑)

ちわき:(笑)。

DURAN:結構あると思うんですけど、落語とロックって。でももうちょっと違う感じでやりたいなと思って。

ちわき:こういうタイプはあんまりないんじゃないですかね。

DURAN:落語ってやっぱり、ちょっと面白い話じゃないですか、ファニーっていうか。でも俺の中で落語ってすごく怖いイメージがあったりするんですよ。怖い話をファニーに話すっていうか、面白く話すっていうか。どちらかっていうと僕はそっちの怖い面を出そうと思って。

ちわき:ちょっと怖いですもんね。この感じはオリジナルで談慶さんに言ってもらってるんですか?

DURAN:そうです。談慶さんの"死神"という話を。

ちわき:"死神"の一部なんだね。

DURAN:30分くらい録ってもらったんですよ。さすがにそれ全部入れたらアルバム終わっちゃうので。

ちわき:組曲だよね、そうなると。

DURAN:だからそういう怖い面を出したくて、"死神"の方を抜粋して取り入れてできたっていう感じですね。

ちわき:面白いですね。今度いつか"死神"組曲やったらいいんじゃないですか?

DURAN:ちょっとライブでやりたいんですよ。

ちわき:いいですね。

DURAN:丸々。それをちょっと今、企んでて、来年くらいに。是非来てください。

ちわき:行く、行く、面白そう。それ超面白いじゃないですか。

DURAN:セッションな感じでこっちは音出すみたいな。

ちわき:いいですね。ファズと。

DURAN:ファズで、ノイズで。ノイズと楽語。

ちわき:その原型というかね、その一曲が2曲目に入っております。それこそタイトルが「死神」。

DURAN:「死神」ですね。そのままですね。

ちわき:それ以外にもアルゼンチンやイタリアのシンガーの方が参加していたりと。

DURAN:そうですね、割と最近、海外、今年も8月にフランスにライブ行ったり。

ちわき:そうなんですか。

DURAN:来年も行くので。向こうのエージェントの人とかと色んな話して、ちょっとシンガーいないかなって相談したら、こういう色んな国の。すごく面白かったですね。

ちわき:面白いですね。すごくインターナショナルなというか、邦楽のアーティストというよりは非常にワールドワイドな手触りの印象を受けるアルバムですよね。

DURAN:そうですね。視野もそういう感じにしちゃってて、もちろん僕は日本で活動してるので日本でもそうなんですけど、割とどの国に行っても演れるような感じのアルバムにしようと思ってたので。

ちわき:フランス、この間も夏に行かれてて、また来年も行かれる予定とのことですけど、海外ではどういう感じでライブやるんですか?

DURAN:アジアに2年ぐらい前に行った時とかはバンドで行ったりもしたんですけど、今年8月に行った時は一人だけで行って現地のミュージシャンちょっと入れて演ったり。

ちわき:いいですね。それこそ昔のブルース・マンみたいなその地方に行ったら地元のミュージシャンと"はい、これねって言ってやるみたいな。

DURAN:そうですね。そういうやり方嫌いじゃないというか、そもそもセッションも好きなので、面白かったですけどね、色んなミュージシャンと演れて。

ちわき:前回セカンドアルバムの時はちょうどコロナ禍のレコーディングでした?

DURAN:そうですね、ちょうどそういう時期でしたね。

ちわき:すごく外交的というか、外に出たそうなDURANさんが割とずっと閉じ込められてるみたいなイメージがちょっとあったんですけれども。

DURAN:そうですね。でもコロナ禍の時はまだちゃんとレコーディングスタジオに入ってやってたアルバムなんですよね。だけど今回のは自分で今まで集めてきたマイクとか、あと楽器はもちろんなんですけど、レコーディング機材も全部、うちの母親が山梨でライブバーをやってるんですけど。

ちわき:そうなの?素敵じゃないですか、お母様。

DURAN:そこに全部ぶち込んで自分でエンジニアやって、ミックスも自分でやって。

ちわき:じゃあ楽器もほとんど自分でやってるの?

DURAN:まあバンドは呼んでるんですけど、マイキングとか集めてるマイク全部使って。だから面白かったですね。

ちわき:すごいですね

DURAN:毎回そういうチャレンジをしたくて、今回は全部エンジニアもやるっていう。

ちわき:へー、そういうチャレンジだったんだ。

DURAN:面白かったですね。実験的なレコーディングもできたりしたので。

ちわき:なんかちょっと変わってる、この感じっていうのはそのせいなのかな?

DURAN:そうですね。プラグインとかって使うんですけど、ミックスの時とか。あれも極力使わないようにしてほとんど実機とかあとテープエコーとか回したり。

ちわき:だいぶアナログな。

DURAN:そういうやり方が面白かったですね。風呂の中にアンプ突っ込んでリバーブそれで作るとか。

ちわき:もう50年代とかのレコーティング方法に近いよね(笑)。

DURAN:そうなんですよね。ただそうすることですごくクリエイティブになるっていうか、最近やっぱり楽したがるっていうか。

ちわき:まあ、できますからね。このちっちゃいコンピューターの中で。

DURAN:そうなんですよね、簡単になっちゃって。それはそれでいいんですけど、僕はもうちょっと音楽を作ることにフィジカルにやってたほうがいいなっていうのがあるので、そういうやり方で。

ちわき:面白い。でもすごいですね、そのやり方で全12曲。

DURAN:そうですね。

ちわき:どのくらいの時間が山梨の作業では?

DURAN:合宿みたいな感じで入ったのでそんなに時間はかかってないですけどね。

ちわき:じゃあ、ギュッと。

DURAN:ギュッとやりましたね。

ちわき:みんなに来てって言って。

DURAN:そうなんですよね。月曜から水曜が営業してないんですよね。だからもうずっと音出してる。

ちわき:24時間ね、その3日間は。じゃあもう月〜水はフルに。

DURAN:そうですね。

ちわき:あとはお店も営業しますからね。ライブ入ってたり。

DURAN:そうそうそう。

ちわき:ちょっとお店手伝ったりとか?

DURAN:いや、飲んでましたね(笑)。手伝ってないですよ、全然。

ちわき:PAとかやれそうなのに。

DURAN:飲んじゃってたから。

ちわき:そうですか、でもいい環境というか。

DURAN:いやそうですね。だからすごく色々と試せるので、そういう場所があると。実験できるっていうか録り方とかも。だからそれはすごく良かったですよね、今回。

ちわき:じゃあもうその次のブルースアルバムも?

DURAN:もうそこで録りましたね。

ちわき:またじゃあこういう山梨ライブハウスレコーディング、これからも。

DURAN:そうですね。

ちわき:やりそうな?

DURAN:もうそれでやっちゃいますね。今までのようなスタジオもいいんですけど、自分が録りたい音の感じにいつもならなかったんですよね。やっぱりガレージサウンドっていうか、同じ空間に全部楽器ぶち込んで録っちゃうっていうやり方がすごく音的には好きだったので。

ちわき:どういうサウンドにすごく影響を受けましたか?さっきもジミ・ヘンドリックスとかレッド・ツェッペリンの名前出ましたけど。そういった作品としてこのアルバムはすごく好きだったなとか。

DURAN:ストゥージズとかはすごいですよね。

ちわき:イギー・ポップ。

DURAN:「Loose」とかが入ってるあのアルバムとかすごかったですけど(『ファン・ハウス』。あれぞロックなんですけどジャズっていう、そんな感じがすごく。素晴らしいアルバムですよね、あれ。あのあたりとかですね。

ちわき:もうちょっとそれこそ同時代的な、さっきも話し出たジェーンズ・アディクションとか。90sの頃の。

DURAN:僕が高校1ぐらいかな、その時にホワイト・ストライプスが出てきて。あれ、やっぱり衝撃的でしたね。あの辺とかの影響もありますし。

ちわき:さあ、そしてライブですよ。今回もレコーディングで山梨に来てもらったっていうメンバーでツアーに回られるんですか?

DURAN:そうですね。基本はトリオで、ワンマンになるとサックスが入ったり。

ちわき:2023-2024 DURAN 「The Venomous Rift in Humanity Tour」
これ、どういった意味でしょうか?

DURAN:なんて言えばいいんだろうな、難しい(笑)。

ちわき:どういったイメージなんでしょう。

DURAN:今ってネットの時代で人と人との距離感がすごく微妙な感じをたまに僕、思ったりするんですよね、音楽やってても。それを壊しに行くというか、そんなニュアンスでつけたはずです(笑)。

ちわき:なるほど、あとはライブに行くと分かると思います。やっぱりライブはお好きですか?

DURAN:ライブしかないですよね。こんなどうしようもないミュージシャンが輝ける場所は。

ちわき:(笑)。

DURAN:やっぱりそこなんですよね。

ちわき:ファズいっぱい並べて?

DURAN:ガンガン音出して。もやもやを吹き飛ばして。

ちわき:そういうサウンドですよね。

DURAN:まあ、自分の中でもなんかもやもやしてたんでしょうね。それは何なのかが分かんないですけど、そんな感じを吹き飛ばしたくて『Electric Man』という。

ちわき:ライヴ、相当、凄そうじゃないですか。

DURAN:いやーかっこいいと思います(笑)。

ちわき:かっこいいみたいです。私もまだソロのライヴ伺えてないんですけど、色んな音楽関係者からDURANやばいんで是非来てくださいってよくメッセージをもらっていて、是非、次回は拝見したいと思っております。大阪とか関西行ってますか?

DURAN:そうですね割と行ってる方だと思うんですけど。

ちわき:どうですか、好きですか?

DURAN:好きです。めっちゃ好きです。

ちわき:なんか好きな場所とか好きなものとかあります、大阪とか関西でこんなとこが好きやねんみたいな?

DURAN:なんだろう。なんか濃いですよね、音楽が。なんかやたら濃いなってイメージがあるんですけど。ブルースすごく感じるな、大阪は。

ちわき:そうですね、そういう意味ではすごく合うじゃないですか?

DURAN:だから好きです、住みたいくらいですもん。

ちわき:大阪の人もきっと好きだと思います。

DURAN:本当ですか、嬉しいな。

ちわき:このブルース魂。今回『Electric Man』のリリースということでまた来年のブルースアルバムも楽しみですけれども。

DURAN:そうですね、それは相当濃いですけどね。ルーツ・ブルースなので。

ちわき:渋渋。

DURAN:渋すぎて大丈夫かなみたいな。でもまあそういうの好きなんでね、誰かがやってないと寂しいじゃないですか。

ちわき:そうか。

DURAN:だからトレンドを追っかけるのもいいですけど、そういうのって来年どうなってるか分からないし、自分的にはそういうものも大切にしていきたいですよね、ルーツな音楽をちゃんと。

FM COCOLO「THE MAJESTIC SATURDAY NIGHT 」
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毎週土曜日 21:00-23:00 放送 
DJ ちわきまゆみ
番組HP:https://cocolo.jp/site/blog/6210/

RELEASE INFORMATION

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DURAN「Electric Man」
2023年11月29日(水)
Format:Digital
Label:Electric Gospel Records

Track:
1. Raging Fire
2.Shinigami
3.Moldy Chips
4.Sapient Creature
5.Sweet Piñata
6.8 Legs, 7 Sins
7.Electric Man
8.Real Eyes  
9.Shades Of Night
10.Ainotameni
11.2AM Love's Code and Law
12.Too Late, You Waste

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LIVE INFORMATION

DURAN "The Venomous Rift in Humanity Tour"
2023年12月1日(金)
千葉 LOOK

2023年12月3日(日)
横浜 風鈴

2023年12月6日(水)
神戸 太陽と虎

2023年12月7日(木)
大阪 NOON+CAFE

2023年12月10日(日)
宇都宮 HEAVEN'S ROCK

2023年12月16日(土)
松本 SONIC

2023年12月17日(日)
山梨 maman

2024年2月23日(金)
名古屋 LIVE&BAR SlowBluse

2024年2月24日(土)
大阪 TWINREVERB

2024年2月25日(日)
神戸 PUB CHELSEA

2024年2月26日(月)
名古屋 CLUB UPSET

2024年3月20日(水)
金沢 Jealous Guy

2024年3月21日(木)
長野 柴崎

2024年3月23日(土)
渋谷 B.Y.G


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